4月2日〜8日のドイツのニュース



4月 2日(月)

スー チーは選挙の勝利は「国民の勝利」と述べる

ミャンマーの選挙の結果を受け、野党の指導者アウン サン スー
 チーは、南アジアの同国にとって新たな時代の始まりになる、と
の期待を述べた。彼女は民主主義のための国民連盟NLDの党本部前
で、数千人の支持者を前に、「今回の投票は国民の勝利」である、
と述べた。選挙委員会の公式発表によれば、同党は選挙された45議
席のうち40議席を獲得した。ドイツ外相グイド ヴェスターヴェレ
は、スー チーの勝利は歴史的な一歩である、ノーベル平和賞受賞
者である彼女の選出は、ミャンマーで民主主義の前進に努力するす
べての人を、勇気づけるものだ、と述べた。またヴェスターヴェレ
は、同国政府が改革の方針を押し進めるなら、制裁をさらに解除す
る、と約束した。

     その他のニュース

ロシア「アサドは最初の部隊を撤退させなければならない」

ロシアはシリア大統領アル・アサドに対して、シリアの各都市から
部隊を撤退させるように呼びかけた。アルメニアを訪問中のロシア
外相ラフロフは、シリア政府が国内での対立を仲裁するために、最
初の一歩を踏み出さなければならない、と述べた。その一歩には、
特使アナンの和平提案も含まれている。これに対してアサドは、ま
ず蜂起勢力が武器を捨てなければならない、と求めている。ラフロ
フは西側に対して、アサドに猶予期間や期日を設定することがない
ように、警告した。人権活動家の話によれば、アサド政権は諸外国
からの抗議にもかかわらず、現時点では北部を中心として、蜂起勢
力の拠点に対して流血の措置を続けている。国際赤十字の代表ケレ
ンベルガーは、人権状況について話し合うために、ダマスカスに旅
立った。

盗作問題でハンガリー大統領が辞任

ハンガリー大統領シュミットは、博士論文の剽窃事件と博士号剥奪
を受けて、辞任した。国家元首は、国民の一体性を体現しなければ
ならないが、自分の個人的なことが逆に分断を招いた、と右派保守
派の政治家である彼は、ブダペストの国会で辞任の理由を述べた。
専門家委員会は先に、シュミットは彼の1992年の博士論文を、他
の著者のものから剽窃した、と確認した。首相オルバンは、大統領
を留任させようとしたが、自らの党フィデスからも激しい反対の声
が強まっていた。

ティモシェンコは刑務所の外で治療を受けることが可能

ウクライナ当局は、拘留中の元首相ティモシェンコが、刑務所の外
で治療を受けることに賛成した。キエフ検察の発表によれば、51歳
の野党の指導者である彼女は、7年間の拘留刑を受けているハルキ
ウのを離れて、専門病院で治療を受けることになる。ドイツ出身の
医師が2月にティモシェンコを診察し、緊急に特別な治療を受ける
ようにと助言していた。ベルリンで政府公報は、ティモシェンコを
入院させるためにドイツに迎えるよう、ウクライナと交渉を行なっ
ている、と発表した。ウクライナ政府は、EUとの連携協定に署名す
ることを望んでおり、6月のサッカーヨーロッパ選手権の期間中に
批判を受けることを恐れている。この2つは、ウクライナの譲歩を
引き出す可能性がある、とみられている。




4月 3日(火)

国連はシリア監視団派遣の準備

国連はシリア和平実現を押し進めている。国連とアラブ連盟のシリ
ア特使コフィ アナンの広報は、今後2日以内に国連の職員1人がシ
リアの首都ダマスカスに入り、監視団派遣計画の準備を進める、と
述べた。この調査団は、大統領バシャル アル・アサドが、4月
10日から停戦を行なう、との約束を守るかどうか、調査を行うこと
になっている。戦闘が行なわれた町からそれまでに軍を撤収させ
る、とアサドは約束していたが、暴力はまだ続いている。人権活動
家の話によれば、政府軍と離反した兵士がいくつかの州で激しい戦
闘を行なった、とのことである。

     その他のニュース

フランスでイスラーム教徒が誘拐を計画した模様

急進的なイスラーム教徒が、ある予審判事の誘拐を計画していた、
とパリ検察が発表した。容疑者の中には、サラフィストであるアハ
ムラネ周囲の活動が禁止されているイスラーム教徒組織フォルサネ
 アリッザに所属している者がいる、とのことである。検察は合わ
せて13人の容疑者を告訴する方針である。急進派の何人かは、イン
ターネット上の映像で、聖戦に参加するように呼びかけ、武器を集
め、公園や森林で訓練を行なった、とのことである。検察は、これ
とトゥルーズの殺人犯による連続殺人事件とは、直接の関係はな
い、と強調した。

チェコは財政管理官協定を署名なしでも実施する方針

連邦首相メルケルはチェコで、ヨーロッパに財政管理官協定に理解
を求めた。プラハを訪問中の彼女は、チェコ首相ネチャスとの間
で、EUに競争力を取り戻し、国家財政の強化を押し進めなければな
らない、という点で意見が一致した。ネチャスはメルケルに対し
て、財政管理官協定に署名をしなくても、その条件を守ると約束
し、チェコはオイロの安定に強い関心を抱いている、と述べた。チ
ェコでは3党による連立が行なわれており、この協定には今までの
ところ参加することはできていなかった。大統領クラウスは、国と
してこれを実施するための法律への署名を拒否する、と予告してい
た。チェコは英国を除くと、より厳しい国家財政の規律に関する財
政管理官協定に加盟しなかった唯一の国である。

EU委員会はポルトガルの支出削減の努力を評価

欧州委員会は、ポルトガルは債務危機との戦いをうまく進めた、と
評価した。担当するEU委員会の専門家ヴァイスはブリュッセルで、
予算の強化がうまく進められたが、危機を克服するためには、厳し
い支出削減のほか、公勤務部門の自由化など、さらなる努力が必要
である、と述べた。ポルトガルは2年前にはEUのオイロ救済の傘の
元に入り込んでいた。総額7千8百万オイロがポルトガルのために調
達される現在進行中の計画のうち、次回分の支払いは5月に行なわ
れることになっている。EU委員会の発表によれば、同国政府が規定
を守るのであれば、これ以上の支援計画は不要である。




4月4日(水)

アサドの停戦の約束にもかかわらずシリアでの暴力は続く

諸外国からの圧力が強まっているにもかかわらず、シリア国家元首
バシャル アル・アサドは、蜂起勢力に対して自分の軍隊を大規模
に投入し続けている。反政府勢力の発表によれば、兵士と反乱勢力
の間の戦闘で、火曜と水曜の間だけでも70人以上が死亡した。アサ
ドが国連とアラブ連盟の仲介役コフィ アナンの和平計画に、原則
的には賛成してから1週間で、232人が殺害された、アサドの発言と
される者は、現地では何の影響も及ぼしていない、と人権組織「国
際アムネスティ」が発表した。支援組織「国際カリタス」は、隣国
への難民の流出は、減ることなく続いている、と発表した。

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ソマリア首相は攻撃を逃れる 死者数人

ソマリア首相アリは、首都モガディシオの国立劇場での自殺攻撃
を、ぎりぎりのところでかわした。少なくとも7人が殺害されて、
複数の負傷者が出た。死者の中には同国スポーツ省の幹部2人も含
まれている。アリと閣僚7人は無事であった。この攻撃は、ソマリ
アの衛星放送1周年を記念する式典で、ある女性が爆弾に点火して
起きたものである。この劇場は、内戦のため20年に渡って閉鎖され
ていたが、3月に再開場されたばかりであった。シェバブ民兵の広
報は、この攻撃は「同調者」によって行なわれた、と述べた。

米国はマリのクーデタ参加者に制裁を科す

アフリカ連合に続いて、米国もマリの軍事クーデタの首謀者に対し
て、制裁を科した。首謀者サノゴ、彼の支持者数人、その家族は、
今後は米国への入国が許されない、とワシントンの外務省は発表し
た。首謀者たちは木曜日に、「全政治勢力」とマリの「市民社会の
代表」に「国民会議」に参加するように招待した。その他に彼ら
は、ナイジェリアへ交渉役を派遣した。兵士団は2週間前にバムコ
で権力を自ら掌握し、大統領トゥーレを解任していた。クーデタの
後、トゥアレグ族の戦闘員とイスラーム教徒反乱勢力は、マリ軍の
抵抗を実質的には受けることなく、同国北部の大半を制圧すること
に成功していた。

フランスでイスラーム教徒がまた逮捕される

フランス警察は、イスラーム教徒と目される人々に再び手入れを行
ない、約10人の容疑者を逮捕した。捜査陣の情報によれば、アフガ
ニスタンとパキスタンにいたか、両国への渡航を計画していたとさ
れる人々に対して、捜査が行なわれた、とのことである。警察は南
部のマルセイユ、北部のルーベを中心に出動した。フランス政府
は、トゥールーズの連続殺人事件の後、イスラーム教徒らしき人物
に対する対処を強化していた。殺人犯メラが3月22日に死亡した
後、大統領サルコジは治安部隊に対して、イスラーム教の理念に
心酔していることを公言する容疑者が危険かどうかを検討するよう
求めていた。すでに金曜日には大規模な手入れが行なわれ、およそ
20人の容疑者が警察に逮捕されていた。




4月5日(木)

シリアでの暴力が収まった証拠はない

特別使節コフィ アナンが、シリアでの早期停戦を仲介すべく努力
をしているが、今までのところ暴力が収まる兆しは今のところな
い。ただし公的な新聞「アル ワタン」の報道によれば、シリア軍
はサバダニ市およびイドリブ州の各地から撤退をしている。一方サ
バダニの反乱勢力の広報は、戦車が撤収したとの情報を疑ってい
る。首都ダマスカスの郊外ドゥマからは、新たな攻撃、銃撃戦、爆
発が報じられている。ロンドンに拠点を持つ「シリア人権監視団」
は、ドゥマは戦車の砲撃を受けている、と報じている。
アナンは国連とアラブ連盟の委託を受けて、シリア政府に対して、
軍が国内各地点からの軍の撤収を開始したとの情報源を調査させて
いる。シリア政府は4月10日からの停戦に賛成している。

     その他のニュース

マリのトゥアレグ族反乱勢力はイスラーム法を導入

西アフリカのマリでは、トゥアレグ族の反乱勢力が進軍した後、同
国北部の彼らが占領した地域の人権侵害をめぐり、不安が強まって
いる。英国の放送局BBCの報道によれば、イスラーム教徒の反乱勢
力はすでに、トゥンブクトゥおよびキダルなどの各都市で、イスラ
ーム法のなかでも厳格な版を導入する用意を進めている。その中に
は女性に対するヒジャーブ着用の義務づけが含まれている。この間
に(サハラ砂漠の一地域である)アザワド国民解放運動MNLAのト
ゥアレグ族反乱勢力は、戦闘行為は終了した、と発表した。北部全
体が蜂起勢力の支配下に入ったため、マリは実質的に分断された。
南部の首都ダマコでは、新たに権力を握ったクーデタの指導者サノ
ゴは、諸外国からの圧力にもかかわらず、辞任をしない方針を示し
た。ニュー ヨークの国連安全保障理事会は、砂漠の国である同国
の人権状況に関する懸念を表明し、対立するすべての勢力に、支援
組織の立ち入りを妨げないように要請した。

イスラーム教徒兄弟団はエジプトにイスラーム法を導入する方針

エジプトのイスラーム教徒兄弟団の大統領候補アル・シャーテル
は、選挙に勝利した場合には、イスラーム法を実施に移す意向であ
る。彼はカイロのイスラーム教徒の組織の集会で、イスラーム法の
使用が自分の第一のそして最終的な目標である、そのために、過去
に言論の自由を弾圧する際に中心的な役割を果たした内務省の影響
力を制限するつもりだ、と述べた。イスラーム教徒兄弟団は当初、
5月末の選挙には独自候補を擁立しないつもりだ、と発表していた
が、土曜日にアル・シャーテルを指名した。61歳の実業家である彼
は、2011年に失脚した大統領ムバーラクの後継者となる十分な可
能性があると認められている。

9月11日の黒幕に死刑の可能性

2001年9月11日のテロ攻撃の、主要な黒幕と見られている者たち
は、グアンタナモ湾の軍事法廷で、弁明をしなければならない。シ
ャリッド シャイク モハメドおよびその他4人の容疑者に対する
訴訟は、キューバにある米国の基地の裁判所で行なわれる、と米国
国防省ははピョウした。軍事司法は、これらの男たちに死刑判決を
言い渡すよう求める方針である。裁判の開始は5月に予定されてい
る。米国大統領オバマは、軍事法廷以外での裁判を行なうつもりで
あったが、失敗に終わったが、それは議会がグアンタナモの閉鎖に
向けた予算確保を拒否し、収容所の収容者の米国内への移動を阻止
したためであった。




4月6日(金)

キリスト教徒はイエスの十字架上の死を思い起こす

全世界でキリスト教徒は、今日聖金曜日あるいは受難日に、イエス
の磔刑に思いを馳せた。伝統に倣ってエルサレムの「苦難の道」を
通る行進には、数千人の信徒が参加した。彼らはイエスの苦しみの
道の14の地点「留」を追体験した。ローマでは恐慌が聖ピエトロ大
聖堂で礼拝を執り行った。ドイツでは伝統に則り、復活祭の行進が
始まった。多くの都市では、平和活動家が戦争と原子力発電に抗議
する集会に集まった。連邦各地で今週末には、およそ80の復活祭の
行進が計画されている。

     その他のニュース

EUとAUは北マリ独立を拒否

EUとアフリカ連合AUは、トゥアレグ族反乱勢力が宣言した北マリの
独立を拒否している。EU外務委員アシュトンは、EUはマリの領土面
での一体性を尊重している、ことを一貫して明言している、と発表
した。アフリカ連合も、反乱勢力いよる独立宣言を拒否している。
声明の中で、これは「無効であり何ら価値がない」としている。ト
ゥアレグ族の遊牧民は、彼らが占領した地域が独立した、と金曜日
に宣言した。また彼らは、諸外国に自分たちの国家を速やかに承認
するように求めた。

シリアでの戦闘は続く

シリアでは政府軍と反政府勢力の戦闘が続いている。活動家の報告
によれば、抗議活動の拠点ダラー、イドリブ、ホムスでは衝突が起
き、2人が死亡した。来週火曜日からシリアでは、停戦が行なわれ
ることになっている。シリア政府と抗議運動は、これに合意してい
る。ただし多くの外交官は、政府は今まで約束を守らなかったた
め、政府側のこの約束を疑問視している。

ボスニア戦争開始の記念日

ボスニア・ヘルツェゴヴィナでは、ボスニア人、クロアチア人、セ
ルビア人が20年前に戦争を開始したことを想起している。ボスニア
の首都サラエヴォチュ深部では、11,541の赤い椅子が立てられて
いる。これは同市がほぼ4年に渡って包囲された間に、死亡した者
1人に1つ立てられたものである。サラエヴォは1992年4月6日か
ら、ボスニアのセルビア人によって包囲され、毎日3百を越える榴
弾を打ち込まれた。同市の住民は、電力、水、暖房の供給が止まっ
ていた。ボスニア戦争は1995年に終わった。全国で少なくとも
10万人の死者をいたみ、数百万人の難民の身の上をかなしみを持っ
て思い起こした。




4月7日(土)

シリアでの戦闘で多数の死者が出たとの報道

目撃者の話によれば、シリアでは野党勢力に対し暴力的な対処がと
られている。報道の中では、土曜日に少なくとも80人が殺害され
た、とのロンドンに本部がある「人権監視団」の発表が引用され
た。この発表を裏付ける情報はない。戦闘の中心は、同国中心部の
ハマ地域となっているほか、アレッポ州でも死者が出た、とのこと
である。
国連事務総長国連事務総長潘 基文は大統領バシャル アル・アサ
ド政権の対処法を厳しく批判し、アサドは来たる火曜日までに、す
べての部隊の重火器を引き上げる、と約束しているが、殺人を続け
ており、これは紛争を平和的に解決するための国連安全保障理事会
の声明に違反している。

     その他のニュース

イエメンでは元大統領支持派が空港を攻撃

イエメンでは失脚した大統領サーレハの支持者が、同国の最重要空
港を攻撃し、無理矢理同空港を閉鎖させた。武装したものたちと制
服を着た兵士が、高射砲を装着した自動車で乗り付け、首都サヌー
アの国際空港の党を砲撃した、と目撃者は伝えている。その他に、
進入路も閉鎖されている、とのことである。この空港攻撃は、イエ
メン新大統領ハジが、元大統領支持者たちの一群の拘留を解いた同
じ日に起きた。その中には今まで空軍の長で、先日の暴動を指揮し
ていた男も含まれている。

エジプト元秘密情報部部長が大統領選挙に立候補

エジプトでは元秘密情報部部長スレイマンが、大統領選挙に名乗り
をあげる方針である。彼はカイロでの支持者の示威行動の後で、自
分は立候補することで、エジプト国民の声に応えると述べた。失脚
した権力者ムバーラクが自分の代理に指名したスレイマンは、支援
が少なく資金が足りないため、大統領選挙から手を引く、と木曜日
に発表したばかりであった。立候補者の登録期間は、日曜日に終了
する。5月23日と24日の選挙に立候補するために、彼はそれまで
に3万人の有権者の署名を提出しなければならない。スレイマン
は、ムバーラクが昨年2月に失脚してから同国を支配する軍事評議
会が押す人物とみられている。イスラーム教徒兄弟団の副代表シャ
ーター、もとアラブ連盟事務長で元外相ムーサらがその他の候補者
である。

ギュンター グラスのイスラエル批判をめぐりさらなる議論

ノーベル文学賞受賞者グラスがイスラエルの政治に関して書いた文
書を巡り、議論が続いている。彼の作家仲間であるホーホクート
は、「ヴェルト」紙で公表した公開書簡の中で、グラスの詩を「尊
大な愚行」と批判した。グラスは「南ドイツ新聞」と「ニュー ヨ
ーク タイムズ」紙の中で公表した文章の中で、イスラエルに対す
る武器輸出を批判し、イスラエルによるイラン国民の「抹殺」が起
きないように、と警告した。土曜日にはあるインタヴューの中でグ
ラスは、自分はイスラエル国家ではなく、首相ネタニヤフの現在に
政策を攻撃すべきであった、と述べていた。イラン文化相は、「最
も重要な作家」グラスは、この詩で真実を述べた、と発表させてい
た。




4月8日(日)

イスラエルはギュンター グラスに対し入国禁止を科す

イスラエルは、イスラエルに批判的な詩を発表した件で、ドイツ人
作家でノーベル文学賞受賞者ギュンター グラスに対して、入国禁
止を科した。内務省公報は、この詩はイスラエル国家と国民に対す
る憎しみをあおることを目標としている、と発表した。グラスは詩
の中で、イランはイスラエルによる予防的な攻撃にさらされてい
る、と弾劾した。その他に84歳の彼は、イスラエルはそのイラン政
策で、世界平和を危険にさらしている、と述べた。このため彼は、
冷たい批判と、反ユダヤ的な非難を行なっていた。ドイツ外務大臣
グイド ヴェスターヴェレは、「ビルト紙日曜版」に寄稿して、イ
スラエルとイランが道徳的に同じ段階にあると捉えるのは、機知に
富んでいるとは言えず、不合理である、と批判した。また彼は、イ
ランが核兵器を持っていることから生ずる脅威を軽視する人は、現
実に直面することを拒んでいる、と述べた。
グラスに対する入国禁止の根拠は、元ナチスの入国を拒否すること
を政府に認める法律が、イスラエルにあるためである。

     その他のニュース

シリアの反政府勢力は保証を拒否

自由シリア軍は、戦闘行為を中止するとの文書による保証を行なう
つもりはない。この組織はシリア大統領アル・アサド政府を承認し
ていない、と蜂起勢力の指揮官リアド アル・アサドは電話でAP通
信に述べた。これにより、国連特使アナンの和平計画は、破綻する
可能性が出てきている。シリア外務省は、政府軍の撤退の条件とし
て、蜂起勢力が暴力を中止することを保証することを求めている。
国連安全保障理事会は、シリア政府に対して、火曜日までに部隊を
抵抗運動の拠点から撤退させることを求めていた。この計画によれ
ば、木曜日までに戦闘行為が中止されることになっている。アナン
によれば、アサドはこの計画に賛成した、とのことである。

イランはイスタンブルで交渉を行なっていることを認める

イランは核をめぐる対立に関して、イスタンブルを交渉の場所にす
ることに賛成した。同国の問題の核計画に関する次回の話し合い
は、トルコの大都市であるイスタンブルで、次の金曜日に行なわれ
る、と国営放送プレステレヴィは報じた。西側は、イランが密かに
核兵器を製造しているのではないか、と疑っている。この交渉には
国連安全保障理事会に常時議席を持つ5カ国と、ドイツが参加して
いる。イランはイスタンブルでの会談をしばらく前に拒否し、その
代わりにイラクあるいは中国を交渉場所として提案していた。

アフガニスタンでの夜間の手入れに関して合意

アフガニスタンと米国は、米兵による夜間の手入れに関する規則を
新たに取りまとめることで合意した。今後はアフガニスタン兵が、
容疑者の家の中に入ることが認められるとの合意に、アフガニスタ
ン保護部隊の指揮官で米軍の将軍アレンと、国防相ワルダクはカブ
ールで署名した。外国の特殊部隊は今後、背後に控えることにな
る。夜間の外国特殊部隊の活動が、アフガニスタンでは議論となっ
ている。民間人の犠牲者があまりに多すぎる、との批判が出てい
る。将軍アレンは、今回の合意を、治安の責任を、保護部隊からア
フガニスタン治安部隊に譲り渡す上での「一里塚」である、と歓迎
した。NATOの戦闘部隊は、2014年までにアフガニスタンから撤退
することになっている。




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