4月23日〜29日のオーストリアのニュース



4月23日(月)

     国外ニュース

ウィルダースの実験は失敗に終わる オランダ政府は辞任

右派大衆迎合のウィルダースの支持を頼りにしているオランダの少
数派政権の実験は、月曜に失敗に終わった。ウィルダースが反対し
ていた巨大な支出削減に関する交渉が破綻したのが、そのきっかけ
である。政権の崩壊は全く予想されていなかったわけではないとは
いえ、「最悪の成り行き」であるとの発言が出ている。今なお世界
でも豊かなオランダは、だんだん債務危機の渦の中に入り込んでい
るからである。

     国内ニュース

「火山の国」に抗議 フォーフェスは発言を撤回

フェルトバッハとラートケルスブルクでは、数日前から一つの問題
が浮かび上がっている。シュタイアーマルク州のこの2つの郡が
「火山の国」という名前で合併することが明らかになり、興奮の声
が高まった。関係する市町村は、この統一の名称の元で、この地域
の特性を売り出そうというこの名前に反対している。観光業の代表
さえ、これには反対の声を上げていた。大きな抵抗を受けて、州首
相フォーフェス(社会民主党)は撤回し、新たな郡は「南シュタイ
アーマルク」と称することになる。




4月24日(火)

     国外ニュース

数日前からハンストをするティモシェンコをめぐり不安が増す

ウクライナの野党の政治家で、逮捕されたティモシェンコは、健康
上打撃を受けており、その不安は増している。彼女は金曜日から、
拘留の条件に対して抗議し、「無期限のハンガーストライキ」を行
なっている、と火曜日に彼女の弁護士は述べた。ティモシェンコは
拘留状態で打撃を受けており、腕と腹部に内出血をしている、とも
語った。検察は「物理的な暴力」を認めたが、これは法律によって
認められている。ティモシェンコは10月に7年の拘留刑が言い渡さ
れた。EUはこの判決は政治的なものである、と述べている。ティモ
シェンコはさらに2つの裁判が行われる可能性がある。

     国内ニュース

労働と経済銀行裁判は次の段階に入る

司法の水車はゆっくり、そして時には何回も回転している。労働と
経済銀行の刑事裁判は2007年に始まって間もなく5年、裁判手続
きが再開される。裁判官バンディオン・オルトナーの第一審の判決
は、2010年に最高裁判所によって、大部分が形式面の不備で却下
されたため、水曜日には新たな裁判が行われる。もと同銀行頭取ツ
ウェットラーはもはやこの裁判には出廷しない。投機家のフレット
ルと元総裁エルスナーが、再び被告席に戻って来ることになってい
る。




4月25日(水)

     国外ニュース

イスラエル軍参謀総長「イランはまだ核爆弾を製造していない」

イスラエルとイランの間の武力による威嚇の最中、イスラエル軍参
謀総長ガンツは、情勢判断に関して、自分はイランは、核爆弾製造
の決断を下したとは思っていない、と予想外の言葉を述べた。また
彼はイラン政府は、理性的な行動をとっている、との見方をとって
いる。ガンツはこれで、イスラエルの政府の厳しい言葉とは異なる
見解を持っていることになる。彼は軍事行動をとる可能性を留保し
ており、軍事作戦は「信頼に足る」ものである、と述べた。

     国内ニュース

国民党会派から「賛成するしかない選択」だと批判

国民党は、自らの考えをはっきり述べることが多かった国会議員フ
ェルディナント マイアーを失なった。マイアーは辞任を利用し
て、自分の政党を叱責した。彼はおそらく国民党会派内部で、不満
を持っている唯一の人物ではない。多くの国会議員が水曜日に批判
を退け、会派長コプフを擁護したが、他の者はマイアーの異議を共
有している。批判的な国会議員は、「障害要因」であると受け止め
られ、「投票の際には賛成するしかない」と国会議員イクラトらは
考えている。




4月26日(木)

     国外ニュース

エジプト選挙 ムバーラク政権の元首相が立候補

木曜日にエジプト選挙委員会は、4週間後の大統領選挙の候補者を
確定した。予想に反し、13人の候補者の中には、ムバーラク政権
の最後の首相アフメド シャフィクが含まれている。同委員会は
火曜日に、ムバーラク政権の元幹部政治家がこの選挙に立候補す
ることを禁止する法律を可決したばかりであった。70歳の元空軍
将校シャフィクは、大統領候補としては、有力と目されているが、
それは政治的な立場の性ではなく、「歴史的な」経歴のためであ
る。

     国内ニュース

労働と経済銀行事件の裁判で元役員ナーコウィツに拘留刑

新たに始まった労働と経済銀行BAWAG裁判の2日目に、早くも有
罪判決が言い渡された。元事務長で役員のナーコウィッツは木曜日
に、陪審員裁判所で、3年間の拘留刑が言い渡された。ただしその
うちの1年は執行停止にならない。労働と経済銀行裁判の最初の裁
判では、ナーコウィッツは4年間の減刑なしの拘留が言い渡されて
いた。裁判所で彼は「きわめて多くのお金を失った」責任を問われ
た。彼は、自分の行動が事態収拾に役立つと考えていた、と述べ
た。この判決はまだ法的効力を持っていない。




4月27日(金)

     国外ニュース

サルコジに対する攻撃 ストロース・カーンが選挙戦に介入

フランス大統領の決選投票を数日後に控えた微妙な時に、以前は有
力候補であったが性的な問題で失脚したストロース・カーンは、自
らの「政敵」に対する厳しい攻撃を行ない、大統領サルコジに関し
て発言する意志を示した。彼は、1年前のニュー ヨークでの部屋
係の女性との事件で、政敵たちが情報を操作し、それにより大統領
候補になる道が塞がれた、と非難した。また盗聴された電話通話も
問題になっている。ストロース・カーンは過去を振り返って、「彼
らはやり過ぎたと思うだけだ」と驚きを表明した。

     国内ニュース

政府は透明性確保法案を擁護

金曜日には透明性確保法案が提案され、監督が欠如しており、制裁
が不十分であるとの批判が出されたが、連邦首相ファイマン(社会
民主党)と副首相シュピンデレガー(国民党)は、この批判が的を
得ているとは感じていない。テレヴィ番組のインタヴューの中で彼
らは、政党献金に関するこの新たな計画を擁護した。彼らは「厳し
い罰則」がある、会計検査院がさらに強化されるべきだ、と述べ
た。現在の5千オイロの上限を越える献金は公開されなければなら
ないが、2人はこの点で野党に妥協に応ずる姿勢を示した。




4月28日(土)

     国外ニュース

シリアでは戦闘が続く 反乱勢力は海側から攻撃

シリアでの停戦違反はまだ続いている。土曜日の軍と反政府勢力の
戦闘で、全国で少なくとも16人が死亡した。国営の報道機関は、反
乱勢力は初めて海側から攻撃しゴム製ボートから、軍の部隊を銃撃
した、とのことである。一方レバノンでは、シリアの反乱勢力向け
の武器を積んだ船が停船させられた。

     国内ニュース

モーサー「政党資金透明化法案では会計検査院の役割が不明確」

政府が提案している政党資金の透明化に関する法案は、多方面から
肯定的な評価を受けているにもかかわらず、決定的な問題がまだは
っきりしていない。会計検査院が監視の中心的な役割を果たすこと
になっている。会計検査院局長モーサーは、どのような範囲で監視
機関である会計検査院が今後、「検査の昨日を引き受けるのか」が
全くはっきりわかってはいない。さらに会計検査院が、この任務の
正当性を何を根拠に確信してよいのか、そもそもそれが可能なのか
どうなのか、明確に規定されていない、とモーサーは述べ、会計検
査院により大きな権限を与えるように求めた。




4月29日(日)

     国外ニュース

スウェーデンでの報道「イケアは旧東独の強制労働で利益」

スウェーデンのテレヴィ番組制作会社は、諸外国で新聞の大見出し
となる番組を作った。中心となるのは、同国で最も有名な「象徴」
の一つ家具会社イケアである。1970年代80年代に、旧東ドイツで
政治犯が、強制労働従事者として製造にあたっていた、とのことで
ある。これはもちろん「民主的デザイン」というイケアの印象を損
なうことが考えられる。週末には既にイケアは激しい非難に応え
た。

     国内ニュース

インスブルック選挙 オピッツ・プレーラーが市長に再選

激しい選挙戦の後、緊迫感を持って見守られていたインスブルック
市長選挙の決選投票は、決着がついた。市民層の現職オピッツ・プ
レーラー(インスブルック名簿)が留任する。彼女の対立候補プラ
ッツグマー(国民党)は、44%の票を獲得で、はっきり敗北した。
オピッツ・プレーラーは予想以上の大勝であった。投票率は極めて
低く、44.5%であった。次期市政府に向けて連立政権の樹立が行な
われる。オピッツ・プレーラーは、いかなる場合でも緑の党を政権
入りさせる意向である、と事前に述べていた。




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