4月30日〜5月6日のドイツのニュース



4月30日(月)

ウクライナでの首脳会談への参加取りやめが増加

ドイツ大統領ヨアヒム ガオクに続いて、オーストリア連邦大統領
ハインツ フィッシャー、チェコ大統領ヴァツラフ クラウス、ス
ロヴェニア大統領ダニーロ トゥルクも、5月中旬にウクライナで
の首脳会談への参加を取りやめた。その理由として、元首相で野党
の指導者ユーリア ティモシェンコの逮捕に対する批判を挙げた人
が多い。EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾも、ウクライナ
の態度を理由として、今後はしばらくウクライナへは渡航しない、
とブリュッセルで述べた。連邦首相アンゲラ メルケルが、ウクラ
イナでのサッカーのヨーロッパ選手権訪問をするかどうかは、政治
の動向とティモシェンコの命運次第である、と政府公報は述べた。
ウクライナ外務省は、ドイツは「冷戦時代の手法」を使っている、
と避難した。

     その他のニュース

シリアのイドリブ攻撃で多数の犠牲者

シリア北部のイドリブ市では複数の爆弾攻撃が行なわれ、野党の発
表によれば少なくとも20人が死亡した。国営の報道機関は、死者は
9人、負傷者は1百人としている。犠牲者の中には、治安部隊の隊員
が多く含まれている。治安当局の建物の近くのほか、軍の秘密情報
部の近くで、爆薬に点火された。国営放送によれば、首都ダマスカ
スでは、「一群の武装テロリスト」が対戦車砲を使って、中央銀行
の建物を攻撃した。警官4人が負傷した。約2週間前から公式には停
戦が行なわれているにもかかわらず、野党の発表では、週末に40人
ほどが死亡した。

北ナイジェリアでは警察が攻撃を受け流血の事態

ナイジェリア北部では、自殺攻撃犯がオートバイで警察の車団を襲
い、少なくとも10人を道連れに爆死した。キリスト教徒が多く住む
タラバ州の州都ジャリンゴに対するこの攻撃では、26人が負傷し
た、と赤十字は発表した。警察本部長スレを狙った攻撃と見られて
いる。近くにある大蔵省の建物も、大きな被害を受けた。日曜日に
は北ナイジェリアでは、教会とキリスト教の礼拝が攻撃を受け、少
なくとも23人が死亡した。当局の疑いはすべての事件で、イスラー
ム教徒の分派ボコ ハラムに向けられている。

ボスニアでは戦争犯罪容疑で女性が初めて有罪判決

ボスニア・ヘルツェゴヴィナでは、ボスニアの女性兵士が初めて、
戦争犯罪容疑で有罪を言い渡された。サラエボの裁判所は、ハンダ
ノヴィチに、クロアチアの民間人3人と、戦時捕虜3人処刑するのに
加わったとして、5年半の拘留を言い渡した、と副裁判官コソヴィ
チが発表した。1993年4月には、南ボスニアの村トルシナで、合
わせて22人のクロアチア人が、多数派であるイスラーム教徒のボ
スニア軍の特殊部隊「ズルフィカール」により殺害された。ハンダ
ノヴィチは、殺害に加わったことを自白し、部隊の他の隊員にとっ
て不利な供述をすることに同意した。39歳の彼女は戦後に米国に移
住し、米国の市民権を保有している。12月に彼女はボスニアに引き
渡されていた。




5月1日(火)

ドイツ労働組合連合「金融恐慌の責任は貪欲な中枢層にある」

多くの国で被雇用者が、メイデイでの恒例の集会で、自らの権利を
主張した。抗議の行進はパリ、モスクワ、アテネ、マドリードなど
で行なわれた。ドイツでは労働組合の中央集会が、5月1日の「労働
の日」にシュトゥットガルトで行なわれた。ドイツ労働組合連合会
長ミヒャエル ゾマーは、この集会で、危機が迫っているヨーロッ
パでの支出削減の努力は、多くの労働者に対する間違った政策であ
る、と批判した。ヨーロッパは「間違った支出削減を」受けてはな
らず、経済活性化のための景気刺激策が必要なのであり、国家から
収奪したのはつましい被雇用者でなく、「貪欲な中枢層」である、
恐慌を引き起こしたのは、これを生み出し、富裕層にあまりに低い
税金を課している誤った政策である、労働組合連合がドイツ全体に
8.50オイロの最低賃金を一律に導入するよう求めているが、これは
交渉の余地はない、等と述べた。

     その他のニュース

国連事務総長は野党の指導者スー チーと会談

ミャンマーを訪問中の国連事務総長潘は、野党の指導者スー チー
と初めて会談した。ノーベル平和賞受賞者である彼女は、長年に渡
って自宅拘留されていたヤンゴンの自宅に、潘を迎えた。潘は、行
なうことになっている就任宣誓に関する対立で、スー チーが妥協
する用意を示したことを賞賛した。彼女は当初、ミャンマー憲法で
は軍部の支配が明記されているとして、憲法を支持すると国会で宣
誓することを拒否していた。現在では彼女と、彼女が属する「民主
主義のための国民連合」の議員は、水曜日に国会議員の議席を手に
入れる意向である。月曜日に潘は、外国人としては初めて、ミャン
マー国会で演説を行なっていた。その演説で彼は、改革の道のりは
まだ「もろく不確実」ではあるものの、政治の転換を評価した。潘
は、西側諸国による制裁が先日緩和されたことを歓迎し、さらなる
措置をとるように求めた。

イランは米国の戦闘機の駐留に怒り

米国はアラブ首長国連邦に軍用機を駐留させる、との報道が行なわ
れたが、イラン政府はこれに激怒した。この措置はこの地域の安全
を脅かす、とテヘランで外務省公報は述べた。米国の報道機関は週
末に、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地に、F22型の最新
型覆面戦闘機を駐留させるが、何機駐留させるかは公表されていな
い。米空軍広報は、戦闘機をこの地域に派遣したことを確認した
が、単に「南西アジア」とだけ述べた。米国防省は、今回の駐留は
イラン政府に対する威嚇としては理解すべきではない、発表した。
アル・ダフラ基地は、イランの本土から300キロほど離れている。

委員会は報道機関の王マードックは「資格がない」と発表

英国国会の調査委員会は、マードックが、責任を自覚した上で国際
的な報道企業を経営する能力はない、と発表した。調査委員会はマ
ードックの企業の取材の違法な手法に関する問題を検討し、今回
121ページの報告書を提出した。その中でマードックは、電話の盗
聴を行なっていた証拠をわざと無視し、これをもみ消した、と避難
されている。この事件では、先日廃刊された「世界のニューズ」誌
が問題となった。大衆向け雑誌である同誌の記者たちは、長年に渡
って数百人の政治家、要人、犯罪の被害者の電話を盗聴してきた。
マードックの息子ジェイムズの経営者としての能力を、調査委員会
は疑問視している。




5月2日(水)

カイロでデモ 少なくとも11人が死亡

カイロで身元不明の攻撃犯とデモ隊が衝突し、11人が死亡した。そ
の他160人ほどが負傷した、と病院の医師が述べた。双方がお互い
に火炎瓶と石を投げつけた。軍は数時間に渡った衝突を終結させる
ために、兵士をこの一画に派遣した。デモ隊は国防省前で、サラフ
ィストであるハセム アブ イスマイルが大統領選挙に参加できな
かったことなどに抗議した。暴動が起きているため、立候補者2名
が選挙戦を中止する、と予告した。元大統領ホスニ ムバーラクが
失脚した後、軍事評議会がエジプトの政権を担っている。5月末の
大統領選挙を前に、軍事評議会が23人の立候補予定者のうち10人
を排除したため、緊張が高まっている。

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体制批判の中国人が逃げ込んだ米国大使館から退去

体制に批判的な亡命中国人陳の事件は、当面解決した模様である。
40歳の盲目の活動家である彼は、中国が公式に安全を保証したこと
を受け、北京の米国大使館を退去した。米国外相クリントンは、陳
は安全な環境で大学教育を終了することになる、と述べた。彼女
は、約束を履行することが重要な課題である、とした。陳が6日前
に20ヶ月に渡る自宅拘留を逃れ、大使館に逃げ込んだが、両国の外
交面の混乱を生んでいた。木曜日には北京でクリントンと米国蔵相
ガイトナーが、中国政府と、大きな貿易の不均衡および北朝鮮とシ
リアの情勢について協議を行なう意向である。中国外務省は陳に有
利になるように介入するのはするのは、「国内問題への干渉」であ
ると批判し、米国に手を引くよう求めていた。クリントンはこの要
請について言及しなかった。

政府は石油大企業の監視を強める方針

連邦内閣は、石油関係の大企業の価格設定の方針を国が管理するた
めに、報告を管轄する官庁を新設すること決めた。14,700ほどの
ガソリンスタンドを経営する会社は今後は、いつ、そしてどの程度
石油の小売価格を引き上げるか、あるいは引き下げるかについて情
報を詳しく報告しなければならない。さらに各社は「市場透明局」
に、どれぐらいの量の燃料を、どこでそしていくらで購入したかを
届け出なければならない。現在の記録的な燃料価格の高騰を目の当
たりにして、政府は価格設定の恣意的なやり方を押さえ込む方針で
ある。石油産業はこの報告の義務を、官僚主義的で価格の引き上げ
につながる、と批判している。新設される市場透明局は連邦刑事局
の中に置かれ、電力とガスの価格設定も監視する。

内閣はコソヴォ派兵を延長

ドイツ連邦内閣は、国防軍のコソヴォ派兵をさらに1年間延長する
ことを決定した。派兵の人数の上限は、今まで通り1,850人であ
る。元セルビアの州であるコソヴォでは、現在ドイツ兵9百人が活
動している。この兵士はNATO指揮下のKFOR部隊に属している。
主としてアルバニア人が住むコソヴォで活動する和平部隊には、お
よそ30カ国から5千7百人が参加している。連邦議会がこの決定に
賛成しなければならない。1999年に始まったKOORは兵は、民主
的で多民族からなるこの地域の安全を確保する活動を行っている。
その他に兵士たちは、苦境にある人々への人道支援を行ない、難民
の故郷への帰還と、諸外国の支援組織の活動を促進にあたってい
る。




5月3日(木)

EU委員会はサッカーのヨーロッパ選手権への出席を取りやめる

大統領ヴィクトル ヤヌーコヴィチの政策に抗議して、EU委員会は
全体として、ウクライナで開かれるサッカーのヨーロッパ選手権に
参加しない模様である。ウクライナ政府は、拘留されている野党の
指導者ユーリア ティモシェンコの処遇をめぐって、大きな批判を
受けている。EUの代表団は首都キエフで、同委員会議長バローゾの
見解は、すべてのEU委員が共有している、と述べた。バローゾは既
に、この大会のためにウクライナを訪れるつもりはない、と発表し
ていた。隣国で今回の大会の共催国であるポーランドは、西側の不
参加の呼びかけを拒否した。「ウクライナ情勢と比べると、不参加
の呼びかけは過大である」と大統領ブロニスワフ コモロフスキは
述べた。首相ドナルド トゥスクも同様の発言を行なうとともに、
ウクライナ政府に対しては、人権を尊重するように求め、ポーラン
ドはティモシェンコの処遇に「いらだっている」と述べた。

     その他のニュース

アル カーイダのテロリストと見られる者が起訴される

連邦検察局は、アル カーイダのテロリストと見られる4人を起訴
した。この4人の男はいわゆる「デュッセルドルフ分子」で、「ド
イツでの人目を集めるテロ攻撃」を計画していた、と起訴理由には
記されている。攻撃目標はまだ挙げられていない。イスラーム教徒
と見られるこの男たちには、その他外国のテロ組織に属している、
との容疑も持たれている。彼らは2011年にデュッセルドルフとボ
ッフムで逮捕された。容疑者たちは現在未決勾留中で、デュッセル
ドルフ上級州裁判所で、弁明を行なうことになっている。

米国の迎撃ミサイルに関してロシア政府は明確な姿勢を示す

米国がヨーロッパに迎撃ミサイルを配備させることに対して、ロシ
アは前例のない強い調子で警告を発した。ロシア参謀総長マカロフ
はNATO諸国の国防相との会議で、ロシア側の対抗措置は、バルト
海岸のカリーニングラードにイスカンダル型ミサイルを配備するだ
けでなく、西側が計画している防衛網の重要部門破壊のために活動
することも含む、と述べた。彼はさらに、軍縮条約から離脱すると
威嚇した。会議参加国への挨拶の中で、大統領メドヴェージェフ
は、米国が今までの計画を実施に移すのであれば、新たな軍拡競争
が起こる、と警告した。NATOはこの計画の根拠として、イランの
ミサイル攻撃の危険性があるため、撤回できない、としている。ロ
シアと協力して迎撃態勢を運営するのを、NATOは拒否している。
ロシア政府は、この防衛網により、自らが脅威にさらされる、と感
じている。

米国と中国は通貨政策をめぐって論争

人権活動家陳をめぐる議論が行なわれる中、米国と中国は北京で、
第4回戦略および経済対話を開始した。2日間の協議には、米国から
外相クリントンと蔵相ガイトナーが、中国副首相王および外交を担
当する最高位の政治家戴と会談する。ガイトナーは、厳しい通貨管
理をさらに緩和し、中国市場の開放を求めた。米国は中国元が過小
評価されおり、これで中国の輸出が有利になるように、競争が歪ん
でいる、と非難しているが、中国の商務相陳は、これを退けた。冒
頭でクリントンは、名前を挙げずに、米国の見方では、国民が尊厳
と法治主義を得るための努力を、すべての政府は守るようにしなけ
ればならない、と述べた。一方中国大統領胡は、米国政府と相互に
尊重し、協力し合うのに賛成したが、すべての議題について同じ意
見であるのは不可能だ、と付け加えた。




5月4日(金)

人権活動家陳の事件に進展

中国の人権活動家陳 光誠の事件では進展が見られた。中国は、陳
に速やかに旅行のための書類を与えると約束した、と米国外務省公
報は述べた。米国はその後、盲目の反政府活動家である彼とその家
族に、米国の入国査証を発行する、とも語った。これより前に米国
外務大臣ヒラリー クリントンは、戦略上および経済上の問題に関
する北京での会談を終えていた。その後彼女は、陳の事件は有名な
活動家だけの問題には留まらず、中国の13億人の人権および希望に
関する問題である、と述べた。
陳は米国に亡命を申請した。彼は先週、自宅交流から脱走し、6日
間に渡って米国大使館に庇護を求めていた。現在彼は、北京の病院
に滞在している。

     その他のニュース

ドイツはアフガニスタンからの撤兵を2014年に据え置く

連邦首相メルケルは、フランスで政権交代があっても、アフガニス
タンにおいてNATOの共同歩調を取り、2014年末に部隊を引き上
げることを支持する方針である。NATO事務長ラスムセンとベルリ
ンで会談した後に彼女は、ドイツは以前の合意通り行動するよう
に、他国に働きかけるつもりである、と説明した。フランス大統領
候補オランドは、選挙で勝利した場合には、年末までにフランス兵
をアフガニスタンから撤退させる、と予告しているが、メルケルの
この発言はこれに応える者である。現在フランスでは、現職のサル
コジが敗北する見通しが強まっている。第1回投票で敗北した自由
主義のバイルは、先にオランド支持を打ち出した。

パキスタンで攻撃 死傷者多数

パキスタン北西部で自殺攻撃が行なわれ、少なくとも20人が死亡、
20人以上が負傷した。犯人はアフガニスタンとの国境バジャウル
で、爆死した。当局は、パキスタン軍部の検問所を狙って攻撃した
もの、との見方をとっている。バジャウルは、急進派イスラーム教
徒の過激派の本拠地と目されている。

アナンはシリア情勢は進展していると見る

諸国が選んだ仲裁役アナンは、シリアの和平計画の実施で、前進が
見られたと考えている。停戦違反はあるものの、彼は肯定的な考え
を示した。紛争は1日や1週間では解決できないが、計画を実施して
いる徴候はある、ただし今までのところ情勢は満足がいくものでは
ない、と語った。和平計画は、停戦の他、監視団の派遣、報道関係
者と支援組織の自由な活動を含んでいる。4月12日以降、公式には
停戦状態である。しかし停戦は、両者が繰り返し破っている。反政
府勢力によれば、治安部隊は金曜日に、シリアのいくつかの地点で
反政府勢力を銃撃した。反政府勢力は再び、全国的な抗議活動を呼
びかけた。その際彼らは監視団の活動も批判した。国連の推計によ
れば、14ヶ月間続く蜂起では、少なくとも9千人が死亡した。




5月5日(土)

ガオクはオランダで解放の日を記念する演説

連邦大統領ヨアヒム ガオクはドイツ人として初めて、オランダで
解放の日を記念する演説を行なった。ドイツ人はナチの束縛からの
解放を、みなとともに祝っている、とブレダ市でガオクは述べた。
10万人を越えるユダヤ人が、ナチによって殺害され、数十万人が労
働力としてドイツに強制的に送られたことを、彼は思い起こさせ
た。この国民の記念日で、オランダはドイツによる占領が1945年
5月5日に終わったことを思い起こす。ガオクはこの演説を、多くの
ヨーロッパ人の自由理解を批判する機会としても利用し、彼らは現
在自由を、放埒あるいは政治的あるいは人種的な恣意と誤解してい
る、と述べた。この式典では彼は、皇太子ウィレム・アレクサンダ
ーの動向を受けた。夕刻にはガオクはアムステルダムで、女王ベア
トリクスの歓迎を受ける。

     その他のニュース

米国軍事法廷は9月11日攻撃の裁判を続行する

キューバにある米国のグアンタナモ収容所での軍事裁判では、
2001年9月11日のテロ攻撃の黒幕と見られるものに対する裁判
が、今後も続けられる。主な被告であるクウェート人で、この攻撃
を計画したことを認めたモハメドの他、4人の男たちが陪審裁判で
責任を問われている。この4人には、飛行機で攻撃を行なったアタ
周辺のハンブルク分子のうち、物資供給を中心となって行なったビ
ナルシブが含まれている。彼らにはほぼ3千人の殺害、テロ行為、
飛行機乗っ取りの容疑が持たれている。判決が言い渡された場合に
は、彼らには死刑が科される可能性がある。この裁判は、米国大統
領オバマが軍事裁判所ではなく、民事裁判所で扱わせる意向であっ
たため、3年以上中断されていた。しかし議会の反対で、この試み
は失敗に終わった。

カイロの暴動で死者1名 負傷者多数

エジプトで初めての自由な大統領選挙が行なわれるまで3週間、首
都カイロでは再び衝突が起こり、少なくとも1人が死亡した。デモ
隊と治安部隊が衝突し、エジプト厚生省によれば、ほぼ4百人が負
傷した。当局はデモ隊3百人以上を逮捕した。人々は国防省前で、
政権を握る軍事評議会議長タンタウィの辞任を求め、兵士に投石を
行なった。軍は放水車、催涙ガス、警棒を使用した。軍事評議会
は、国防相周辺地域に夜間外出令を出したが、その後解除してい
た。デモ隊の中には、急進派イスラーム教徒のサラフィスト多数が
含まれていた。彼らは自分たちの候補者が、選挙から閉め出された
ことに抗議を行っていた。

シリアで攻撃 死傷者発生

シリア第二の都市アレッポ近郊で爆弾を用いた攻撃が行なわれ、少
なくとも5人が死亡、複数の負傷者が出た。これはロンドンに拠点
を置く「シリア人権監視団」が発表したものである。それによれ
ば、あるバスが通りかかったところ、郊外のアル・サルシルで爆弾
が破裂した。乗客が民間人だったのか、治安部隊だったのかはまだ
不明である。これより前に、首都ダマスカスの軍事施設で爆発が
2件起こり、反政府勢力の発表によれば、軍用車を含め9台の車が破
壊された。




5月6日(日)

フランスは新大統領を選ぶ

フランスでは大統領選挙の第2回目すなわち決選投票が行なわれて
いる。4千5百万人近くの有権者が、社会党のフランソワ オランド
と保守党の現職ニコラ サルコジのどちらかを選ぶよう呼びかけを
受けている。昼までのところ、高い投票率になりそうな兆しであ
る。内務省の発表によれば、それまでには有権者の3割以上が投票
を行ない、これは2週間前の第1回投票よりも高い投票率である。世
論調査によれば、オランドが明確に優位にっている。4月22日の第
1回投票では、彼がぎりぎりの処理であった。決選投票の結果を決
するのは、第2回投票に進めなかった8人の候補者に投票した有権者
が、誰に投票するかである。

     その他のニュース

ギリシアでは国会議員選挙

深刻な財政危機の中にあるギリシアでは、新大統領が選ばれる。今
回の投票は、財政の専門家パパデモスの退任する政権が、諸外国の
資金提供国に対して実施を約束していた支出削減および近代化政策
に関して、方向性を示す決定をするものと見られている。最新の世
論調査によれば、保守派の新民主主義党と社会主義の「全ギリシア
社会主義運動」の二大政党は、過去数年の3千億オイロを越える国
家債務、機能不全に陥っている税制、成長性内国内経済が崩壊を引
き起こしたため、たとえ連立しても絶対多数には達しない見通しで
ある。政党のありようが四分五裂し、ほぼすべての支出削減策を拒
否している急進派政党がはっきりした勝利を収める、と見られてい
る。

セルビア人は新国会議員と大統領を決める

セルビアでは国民が、国会議員と大統領を決める選挙に臨んでい
る。大統領に立候補しているのは12人である。世論調査によれば、
現職の民主党のタジッチと民族主義で親ロシアの進歩党のニコリッ
チが、はっきりと優位に立っている。この2人の間で5月20日に決
選投票が行なわれる予定である。250議席の国会議員の投票では、
タジッチの親西側政党が、小政党と連立すれば再び多数を獲得でき
る十分な可能性がある。多くがコソヴォ北部に住むセルビア人は、
一様に投票を行なう。過去数十年とは異なり、今回の選挙戦はバル
カン紛争の影響が大きくなく、失業率が上昇している等、経済問題
に左右されている。

シリアで再び戦闘

シリアでは国会議員選挙を翌日に控え、国連の監視団がいるにもか
かわらず、再び暴力の事態となり血が流れた。反政府勢力の発表に
よれば、ユーフラテス川沿いのデイル アル・ゾル市では、反政府
勢力と政府軍の間で、激しい戦闘が起きた。反政府勢力の支持者
は、軍の戦車基地を攻撃した。その際数人が死亡した、とのことで
ある。シリアでは反対意見もある月曜日の選挙では、150万人の有
権者が、国会議員250人を決めることになっている。野党は選挙へ
の不参加を呼びかけ、この日曜日には独自の議会を立ち上げた。




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