5月14日〜20日のオーストリアのニュース



5月14日(月)

     国外ニュース

スペインは「不安の徴候」を高める オイロと市場は重圧に

ギリシアでの政治の手詰まり状況と、スペインの銀行が以前より厳
しい状態にあるのではないか、との懸念のため、月曜日のオイロ使
用地域の信頼の危機がはっきり強まっていた。市場で不安の広ま
り、国際の不安の上昇、信用の損失補償の経費など、典型的な「不
安の徴候」が現れ、オイロは4ヶ月ぶりの低い水準に落ちている。
ヨーロッパ市場、特にウィーン市場は値下がりした。

     国内ニュース

政党助成金 改革に大きな課題が残る

政党の資金透明化法案の枠組みの中で、政党助成金を改革すると予
告があったことを受け、社会民主党と国民党は月曜日、つまり閣僚
の決定が予定されている火曜日を前に、合意に達した。ただし大き
な課題が残っており、むしろ「金額面を大きく変えない」ことにな
る、との情報が交渉参加者から漏れている。それによれば、各州に
今後は有権者1人当たり10オイロから22オイロの変動幅で、政党助
成金を支払うことを認め、それによって現在はウィーンとオーバー
エスターライヒ州でのみ取りざたされている上限を若干だけ上回る
ことになる。




5月15日(火)

     国外ニュース

6月に再び選挙 ギリシアの政治の混乱

ギリシアでの選挙以来続いている手詰まり状況に、解決は見いだせ
なかった。組閣に向けた話し合いがすべて失敗に終わり、6月に選
挙が再び行なわれる。そこで不確定な情勢が収まるかどうかは疑問
である。世論調査では、選挙で最大勢力になる可能性があると見ら
れる急進左翼連合は、支出削減策を激しく拒否している。またギリ
シアがオイロ使用を継続するかは、合意済みの支出削減計画を実施
するか次第だ、という声も強まっている。

     国内ニュース

「巨大な欠点」透明化法案に引き続き批判

おおいに議論されてきた透明化法案は、火曜日の閣議の決定後も、
さらに何回かの議論が行なわれる可能性が高い。野党は疑問視する
声から、強く批判する声まで様々である。野党は見込まれた影響
が、実際に起こるのかどうか疑っている。しかし基本的には賞賛の
声が出ているにもかかわらず、専門家シッキンガーは、政党献金等
の点で、大きな欠陥がある、と見ている。




5月16日(水)

     国外ニュース

中国の権力争い 政治局員の解任を要請

中国の有力政治家の薄 熙来は2ヶ月前に失脚したが、これが大き
な混乱を生んだ。共産党内部の権力争いは、おそらく今後も続く
可能性が高い。党の長老たちは大統領胡にあてた書簡の中で、有力
政治局員で、治安機関の長である周 永康と切り離すように求めて
いる。彼らは、周が簿のことを取りなした、と批判している。

     国内ニュース

国民評議会はシュトラーヒェの不逮捕特権を解除

国民評議会の会議では昨日、ようやく自由党党首ハインツ・クリス
ティアン シュトラーヒェとその会派に属するエルマー ポドゴル
シェクの不逮捕特権を解除した。検察および警察が要請していた
「引き渡し」は、国会議員としての仕事との直接の関係が見られな
いとして、賛成多数で可決された。自由党はシュトラーヒェの件で
は反対票を投じ、ポドゴルシェクの件では、自由党と未来同盟が反
対した。シュトラーヒェの件では、現在は未来同盟に属するエーワ
ルト シュタットラーは、自由民主党学術協会の資金を、2006年
の選挙戦で流用しようとした、との非難しているが、これをシュト
ラーヒェは否定している。ポドゴルシェクに対しては、国防法違反
の容疑で捜査が行なわれる。国防大臣の指示に反して、彼は国防軍
の制服を着て舞踏会に出席していた。




5月17日(木)

     国外ニュース

G8首脳会談に打撃 フィッチ社はギリシアの格付けを再引き下げ

経済および財政政策が中心議題となるG8首脳会談が、米国で始まる
のを翌日に控え、ギリシアは債務危機との戦いで、新たな打撃を受
けた。格付け会社フィッチ社は、大きな打撃を受けている同国の信
用状態を再び引き下げた。危機に瀕しているギリシアがオイロ使用
地域から離脱する可能性がある、との危険性がこの背景にある、と
フィッチ社は説明した。これより前に国際通貨基金は、政治的な不
確実要因があるため、ギリシア政府との接触を選挙まで凍結してい
た。

     国内ニュース

グラサーの弁護士は裁判手続きの中止を申請すると予告

元大蔵大臣カール・ハインツ グラサーは、連邦住宅供給会社、リ
ンツ駅高層ビル、(ギャンブル会社)ノヴォマティック社、および
納税手続き等複数の事件で捜査を受けているが、「プレッセ」紙の
報道によれば、彼は最終的に決着をはかるつもりで、彼の弁護士は
再び、彼の職務に関する裁判手続きの停止を請求する。




5月18日(金)

     国外ニュース

前例のない規模に 「コスタ」社の救助作業

4ヶ月ほど前に事故を起こした豪華客船「コスタ コンコルディ
ア」の引き揚げ作業が、今後数日以内に始まる。海運会社である同
社は金曜日、同船の引き揚げのための4つの局面から鳴る計画を発
表した。これによりしばらくの間、ジリオ島は写真をとろとする旅
行客にとって、一大観光地となる。この計画によればこの巨大客船
は、まず海面下に設置した土台で固定され、クレーンでまっすぐに
起こされたあと、曳航される。この前例のない計画には、同社自身
が認めている通り、もちろん危険が伴ない、舞台転換のように迅速
に行なえるようなものではない。

     国内ニュース

OeBS事件 紙幣印刷は口座を公開しなければならない

国立銀行の紙幣印刷所(OeBS、銀行券印刷および抵当証券印刷)を
めぐる賄賂疑惑で、司法は口座を公開させて、何らかのリベートの
支払いがあったことを確認しようとしている、と「シュタンダル
ト」紙は伝えている。司法は、アゼルバイジャンとシリアでの営業
のために、賄賂の支払いがあった、との疑いを追求している。同紙
によれば、疑いを持たれているOeBSの経営陣、関係する2人の弁護
士、および代理人が、銀行とどのようなつながりがあったかが問題
の中心である。この代理人はアラブ世界で紙幣印刷会社とオースト
リア硬貨鋳造株式会社のために働いており、「毎月6千5百オイロの
報酬を得ていたが、現在はその実績を確認できなくなっている」と
同紙は検察が銀行連合に対して「情報開示命令」を引用して報じて
いる。




5月19日(土)

     国外ニュース

G8首脳会談でオバマは経済成長への刺激を要請

米国大統領のキャンプ デイヴィッドにある別荘でのG8首脳会談
で、ヨーロッパが厳しい支出削減の政策から、より強力な経済成長
政策への道が議論された。米国大統領はフランス新大統領オランド
との話し合いの後、経済成長に向けた刺激を求める方針に追随し
た。カナダとイタリアは、経済成長の提案を支持し、日本もヨーロ
ッパの動向に大きな不安を再び表明した。ドイツ首相メルケルへの
圧力が強まっている。

     国内ニュース

第20回命の舞踏会 よい目標を目指して大はしゃぎ

ウィーン市役所前で命の舞踏会が開幕し、「無知の炎と戦え」とい
う標語に忠実に、赤一色の大騒ぎのチャリティの20回記念集会を行
った。ミラ ジョヴォヴィッチ、アントーニオ バンデラス、ショ
ーン ペン、ナオミ キャンベル、エーファ パドベルクなどの有
名人が、国際的な華やかさと魅力を運んできた。「地元のスター」
も自分が下絵を描いた衣装などで、命の舞踏会の赤い絨毯マグネタ
 カーペットの上で、それぞれにふさわしい注目を浴びた。大はし
ゃぎと式典の他に、この夜の真剣な声明も十分な時間を使って伝え
られた。




5月20日(日)

     国外ニュース

北イタリアでは激しい余震 数千人が家を失なう

北イタリアのエミリア ロマーニャ地域で、日曜日の午後には激し
い余震が起きた。震源はフェラーラ州のフィナーレ エミーリア村
で、リヒター指標で5.1の強さであった。これより前に6.0の震度の
地震が起こり、少なくとも7人が死亡、50人が負傷していた。3千
人ほどが倒壊の恐れがある家を離れなければならなかった。この地
震は、歴史的な建造物や教会二、深刻な市街をもたらし、家屋や工
場を破壊した。

     国内ニュース

第20回命の舞踏会 数万人が赤一色の大騒ぎ

「無知の炎と戦え」との標語に忠実に、土曜日には命の舞踏会が、
見物人と有名人をいつも通り盛り上げた。多額の費用をかけたこの
催しを肌で感じようと、4万人が集まった。これには盛り上がる場
所が不足することなく、燃えるような色の羽をつけた人たちが、舞
台上を歩き回った。客の衣装も、命の舞踏会の赤い絨毯「マゲンタ
 カーペット」の上で、それにふさわしい視線を受けた。この催し
の真剣な背景も、軽視されたわけではなかった。




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