5月21日〜27日のオーストリアのニュース



5月21日(月)

     国外ニュース

ツィプラスはヨーロッパ各地でギリシアの支出削減反対の主張

数週間前までは彼はあまり名前を知られていなかった。現在彼は、
オイロの命運を握る男とさえ呼ばれている。その名前はアレクシス
 ツィプラス、ギリシアの政党「急進左派連合」の党首である。彼
は国民の心をつかみ、6月の選挙で彼の政党が最大勢力になる、と
の世論調査が出ている。ツィプラスは現在、印象をよくするべくヨ
ーロッパ各地を訪問している。いくつかのインタヴュー、パリとベ
ルリンでの会談で彼は、EUとの間で取りまとめたギリシアの支出削
減策を拒否することが、なぜヨーロッパにとってもよいことなの
か、伝えるつもりである。

     国内ニュース

ベームドルファーは調査委員会で手数料は「合法的」

司法当局がなぜ2003年に、それまで支持していた計画「逃走路」に
従うのをやめ、ウィーンの高層ビルに引っ越ししたのかは、汚職調
査委員会の月曜日の主題であった。不動産仲介業者プレッヒと院外
陳情家のマイシュベルガーが、この手数料支払いによって、利益を
得たとされているからである。元法務大臣ベームドルファーは、高
層ビルへの引っ越しの決定と、60万オイロを越える手数料のプレッ
ヒへの支払いを弁護し、この支払い要求は「法律に基づいて行なわ
れた」と述べた。一方プレッヒは52万オイロ以上の手数料が建設会
社ポルによって没収され、マイシュベルガーもともに利益を得たの
は知らなかった、しかしそのような二重の仲介は、何度も行なわれ
た、とも述べた。




5月22日(火)

     国外ニュース

エジプト大統領選 イスラーム教徒か「ムバーラクの残党」の選択

権力者ムバーラク失脚後初めての大統領選挙には、13人が立候補す
る、革命の代表は立候補者の中で、ようやく勢力を取り直してい
る。イスラーム教徒と、批判的な人が「ムバーラクの旧体制の残
党」と呼ぶ、旧体制で影響力が強い職に就いていた政治家が、主な
立候補者である。誰が選挙で勝利するにせよ、どのような場合でも
緊迫した事態になるのが予想されている。イスラーム教徒兄弟団は
事前に、旧体制の政治家を選ぶのは、イスラーム法に反している、
と述べていた。

     国内ニュース

グラサーは手数料問題で「魔法の三角」を否定

元大蔵大臣グラサーは火曜日に国会の調査委員会で、任期中に国の
事業に近い範囲で、不動産会社から資金を得たのではないか、との
容疑を否定した。彼、院外陳情家マイシュベルガー、不動産業者プ
レッヒからなる「魔法の三角」は、未来同盟所属の国会議員ペッツ
ナーが指摘したのとは異なり、存在していなかった、とも語った。
自ら委員会に出席したマイシュベルガーは、その当時、「本格的ビ
オトープ」で泳いだが、手数料を負担する彼の会社について議論は
するつもりはなかった、と述べた。彼は有名になった「ヴォー ヴ
ォアール マイ ライストゥング(私は何に貢献したのか?)」と
いう言葉を述べていた。




5月23日(水)

     国外ニュース

EU首脳会談はオイロ債券をめぐり分裂

EU加盟各国の首脳は水曜日、ギリシアをオイロ使用地域に残すとの
意向を強調したが、ただしいかなる犠牲を払っても残留させるわけ
ではない。ギリシア政府は支出削減の約束を守らなければならな
い、とブリュッセルでの非公式会議では述べられた。オイロ使用国
共通の債権いわゆる「オイロ債券」をめぐる対立が、この会議に暗
い影を投げかけている。フランス新大統領オランドは、これに関す
る議論が始まったと見ている。ドイツ首相メルケルはこの問題で、
厳しい拒否の姿勢を変えていない。

     国内ニュース

グラーフは寄付金をめぐる混乱で容疑を否定

国民会議第三議長マルティン グラーフ(自由党)は、ある90歳の
ウィーンの女性の私的財団に関する問題の取り扱いをめぐる非難
で、反撃に出た。この女性はグラーフが自分に悪い助言をし、騙し
たと非難したので、彼女はそれ以降自分の資産へ介入させなかっ
た、すべては正しく行なわれた、とグラーフは述べた。彼はこの非
難の背後には、女性の新たな助言者がいる、とみており、現在進行
中の裁判手続きが行なわれているが、これでは自分が勝利する、と
指摘している。




5月24日(木)

     国外ニュース

ドラクマへ回帰か オイロ地域はギリシアとの離別を準備

以前にはなかったほどあからさまに、最新のEU特別会議は、ギリシ
アのオイロ使用地域からの離脱の可能性を述べている。しばらく前
までは、考えられない措置であったが、現実的な選択肢の可能性と
なった。舞台裏を除くと、離脱の準備が全力で進められている。具
体的な措置については、各国政府、発見銀行、銀行の連合は沈黙を
続けているが、同時にEUはギリシアのオイロ離脱が他のヨーロッパ
諸国に影響を与えないよう、そしてギリシアが新しい混乱に入り込
まないよう、慎重に行動しなければならない。

     国内ニュース

政党資金透明化法案で政府は妥協の姿勢を示す

監視と制裁が不足しており、政党支援金が減少ではなく増加し、政
党寄付金の公表の上限を引き上げること。政府の正当資金透明化法
案に対する専門家と野党の批判は強まった。しかしこれを決定する
ためには、いくつかの点で国会の3分の2の賛成が必要であり、少な
くとも野党1党の賛成が必要である。木曜日の第1回5党協議の後、
交渉役は、自由党を除き、合意が得られることに楽観的な姿勢を示
している。緑の党の交渉役コークラーは、政府が妥協を受け入れる
ことについて「驚いている」と述べた。




5月25日(金)

     国外ニュース

ドイツは重圧にさらされる EU経済成長計画を模索

ドイツは、厳しい支出削減に対抗して、いくつかの国が求めている
EU経済成長策をめぐる論争で、重圧にさらされている。政府はおそ
らく反撃に出た模様である。ドイツの雑誌「シュピーゲル」は、政
府筋の情報として6項目の計画を伝えた。これは危機にある国々の
弱い経済を活性化し、これ以上の負担をほとんどおわないようにす
るためのものである。その中には、特別経済区と被雇用者の権利の
縮小が含まれる。ドイツの専門家によれば、これらはすべて、誤っ
た方向である。

     国内ニュース

グラーフ事件 新たな基金検査官が指名される

国民評議会第三議長マルティン グラーフ(自由党)が、自由党党
首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェの支援を受けて、基
金創設に関連して90歳の女性の訴えから、強く自らを弁護したのを
受け、この女性ゲルトルート メシャールの弁護士が新たな一撃を
加えるべく用意をしている。今までの基金の検査官が解任されて、
新たな人物が任命された。複数の新聞のインタヴューで、この弁護
士は、彼女の財産を基金に移す際に、彼はメシャールに悪い助言し
た、と非難した。「メシャールの望みを叶えるためには、予防的な
全権に関連して、専門的な遺言を作っているべきであった、とこの
弁護士は「クリール」紙に述べた。




5月26日(土)

     国外ニュース

シリアで32人の子供が殺害 国連は「流血の悲劇」を非難

シリア政府は、反政府勢力の拠点ホムスのとある村落で、民間人を
攻撃して、90人以上の命が失われた。殺された中には子供32人が
含まれている。軍は榴弾とミサイルで、民間人を狙って攻撃した。
国連監視団の団長モードは、「流血の悲劇」である、と述べた。彼
はこの発言で、国連の仲裁役アナンの到着直前に行なわれたこの攻
撃を、異例の強い言葉で非難した。

     国内ニュース

フィッシャーは国民投票を制止

数週間前から直接民主制の拡大をめぐる議論がくすぶっているが、
連邦大統領フィッシャーも、これに関する発言を求めた。彼はオー
ストリア人に、このような修正にあまりに大きな期待を寄せすぎな
いように、と警告し、それによって民主主義の重要な支柱である国
会の力が弱まる可能性がある、との懸念を抱いている、と述べた。
フィッシャーはこの問題は全く別の場所にあり、政治家は「依頼
人、つまり有権者に責任を返す」のではなく、自ら引き受けなけれ
ばならない、と述べた。




5月27日(日)

     国外ニュース

シリア大量殺戮 国連安保理は証拠を提出

シリアの都市フラで民間人が大量に殺戮されたあとも、ロシアはア
サド政権をまだ見捨てておらず、流血の行為を行なったとの国連が
非難するのを妨害した。国連安全保障理事会の突然の招集は、成果
を上げた。同理事会ではロシアの代表も、アサドがこの犯罪に責任
があることを示す証拠を提出させられた。この会議は、この虐殺が
今までの想定よりも多くの犠牲者を生んでいたことを明るみに出し
た。108人の死者の他に、3百人の負傷者も出ていた。これに関す
る激しく怒りの抗議活動を行なったシリア人が、放置されたもよう
である。

     国内ニュース

カンヌ映画祭 金のヤシ賞はミヒャエル ハーネケに

オーストリアの映画監督ミヒャエル ハーネケは日曜日にカンヌ映
画祭で、最優秀映画に対する金のヤシ賞を受けた。「アムール」で
ハネケは、世界で最も重要かも知れないこの映画祭で、2度目の同
賞の受賞をした。ハネケの映画は、有力とされていた。ただし審査
員は3年で2度目の同賞の受賞を疑問視する向きもあった。オースト
リアは今回、2つの映画をカンヌに送っていた。ウルリヒ ザイド
ルの問題作「楽園 愛」は審査員の好みには合わなかった。




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