6月4日〜10日のオーストリアのニュース



6月4日(月)

     国外ニュース

シリア情勢は悪化の懸念 反政府勢力は停戦解除を発表

アナンの和平計画に基づいて取りまとめられたシリアの停戦は、ず
っと崩壊の際にあった。今回は反政府勢力が、これを全面的に解除
する、大統領アサドは最終期限を守らなかった、と発表した。反政
府勢力は政府軍に対する攻撃を強化した。暴力が軍事的にさらに悪
化することが懸念されている。専門家は、子供多数を含む百人以上
の死者を出したフラの虐殺のせいで、人間が何を容認でき、できな
いか、という点で事態は激変した」と確信している。

     国内ニュース

スカイリンク計画 空港の改築

21世紀を迎える頃に、ウィーンのシュヴェヒャト空港拡大であるス
カイリンク計画は、大きなものとなった。6月5日に正式に開場する
新空港ビルが「第3搭乗手続き所」と呼ばれるとはいえ、中期的に
はスカイリンクという名称は、多くの人の記憶に残ることになるだ
ろう。芸術家で建築写真家のローマン ベニシュは、空港の改築の
段階を克明にに記録した。彼の写真は、新たなビルの建設が、どの
ような段階を踏んで行なわれたかを映し出している。




6月5日(火)

     国外ニュース

マドリードから悲報 財政破綻に関する明らかさまな警告

現在進行中のオイロ危機のなか、さらに事態が悪化する見通しが生
じている。その根拠を形成しているのは、スペインの財政状況が緊
迫の度を増していることである。大蔵大臣モントロは火曜日に、ス
ペインには財政破綻が脅威となっている、とはじめてはっきり警告
した。彼は、スペインはこうしている間にも、金融市場を通じて資
金を調達するのに大きな問題を抱えており、これらの問題はスペイ
ンにとっては「実質的はもはや調達不能」である、と述べた。

     国内ニュース

透明化法案は合意に向けさらに議論

政府と野党は火曜日夕刻、長い交渉を行なった後も、(政党資金)
透明化法案と、政党に対する公的資金提供の新たな規則には、合意
が得られなかった。国からの補助金を得るための方法だけは、5つ
の政党は合意した。国会議員を出している5つの政党の交渉役は、
ほぼ5時間の話し合いのあとで発表したところでは、重要な問題が
まだまだ残っている。6月27日の特別会議では、この法案が可決さ
れることになっている。




6月6日(水)

     国外ニュース

スペイン政府は危機が通り過ぎるのを待つ

債務危機はスペインを奈落に引き落とす。同国政府に対して、オイ
ロ救済の傘の元に逃げ込むように、との呼びかけが強さを増してい
る。首相ラホイは、全力をあげて危機に対処しているが、それはさ
らなる支出削減の目標を義務づけられているからではない。同国は
新たな資金をほとんど手に入れられず、金融市場がいらだっている
にもかかわらず、同国の弱体介した銀行の救済に関する決断が下さ
れるまでには、まだ時間がかかる。スペインの危機は、これにより
一時中断している。

     国内ニュース

汚職調査委員会では書類をめぐるやり取りが続く

内務省と汚職調査委員会の間で、書類の引き渡しをめぐって激しい
議論が昨日も続けられた。過去数日間で内務省と調査委員会が、あ
いかわらず何をめぐって対立を続けているかは、明らかとなった。
内務省側は、実際に同省に保存されていた書類だけを引き渡し、既
に国家文書館に引き渡された古い書類は引き渡していない点であ
る。調査委員会の副議長モーサー(緑の党)によれば、はっきりし
た開示要求は、委員会側からは行なっていなかったので、今後それ
を行なう、とのことである。




6月7日(木)

     国外ニュース

大量殺戮の後 シリアの国連監視団は銃撃を受ける

シリアのは摩周で起きた新たな大量殺戮を調査している国連監視団
の代表達は、犯行現場に近づくことが拒否されただけではない。国
連事務総長潘基文によれば、監視団は銃撃すら受けた。彼はシリア
で続いている暴力を、「表現不可能な蛮行」と呼び、大統領アサド
は、「あらゆる正当性」を失った、と述べた。シリア特使コフィ 
アナンによれば、和平計画は今までの所実施に失敗しており、さら
に危機は深刻さを増し、「シリアはさらに分断されている」とのこ
とである。

     国内ニュース

グラーフ事件 国民党もはっきりと辞任を求める

社会民主党、緑の党、未来同盟は何度も発言を求め、国民評議会第
三議長グラーフ(自由党)の辞任を求めていた。彼には、ある基金
との関連での公金使い込み容疑が持たれている。国民党は今まで控
えめな意見しか述べていなかった。しかしここに来て、同党会派長
コプフはグラーフの辞任を視野に入れた発言を行ない、「彼が国民
党の幹部であれば、彼に辞任を勧める」と述べた。




6月8日(金)

     国外ニュース

オイロ救済の傘 スペインはなぜ取りすますのか

EU筋の情報によれば、早ければ土曜日にもスペインはオイロ救済の
傘に、金融支援を申し込むかもしれない。しかしスペイン政府は、
冷静な行動を続けている。決定はまだ下されていない、とのことで
ある。スペイン政府は、完全にオイロ救済の傘の元に入った場合、
主権を失い、EU、国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行の三極による
監視下に置かれるのではないか、と懸念している。ある専門家は、
「支援の申請は誤りを認めることになるかもしれない」し、そして
これによって、「スペインの国家財政への信頼が、全く失われる可
能性もある」述べている。

     国内ニュース

気温は乱高下

2012年の初夏は暑い日はカゲロウのように短い。オーストリア各地
では聖体の祝日はまさに暑い日であったが、過去数週間しばしばそ
うであったように、すぐに冷え込んだ。その結果国内の湖の水温
は、この時期にしては低すぎる。水温が20度に届くぐらい湖は数少
ない。




6月9日(土)

     国外ニュース

フランスで国会議員選挙 オランドは追い風に期待

選挙後は選挙前である。オランドがフランス新大統領に選ばれてか
らほぼ1ヶ月、国民評議会は2段階で6月10日と17日に選ばれる。
オランドにとっては、改革を進めるための国会議員の過半数が必要
であるため、自分の陣営をどれだけ強固なものにするかが重要であ
る。今のところ保守・右派陣営が国会の発言権を握っている。最大
の不確定要因は投票率である。投票率次第で、急進右派国民前線の
野望がくじかれる可能性がある。

     国内ニュース

シュトラーヒェはウィーン自由党党大会で再選を目指す

ウィーン自由党は日曜日に、第33回州党大会を行なう。連邦同党首
ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェはこの大会で、ウィー
ン同党首に再選に乗り出す。障害は極めて高い。2年前には彼は代
議員の99.12%の賛成を受けた。シュトラーヒェは2004年からウ
ィーン自由党を率いている。内容的には、外国人政策、社会民主党
と緑の党の市政権の「無慈悲な行動」が議論となる。シュトラーヒ
ェのほか、事務長で国民評議会議員ハーラルト ヴィリムスキ、市
議会の会派長ヨハン グーデヌスも立候補する。「故郷への愛に基
づいて。最強かつ決定権を持つ勢力へ」という題目を掲げるほか、
46の動議が投票にかけられる。




6月10日(日)

     国外ニュース

フランス国会議員選挙 左派が躍進

フランソワ オランドが大統領選挙で勝利して5週間、フランス社
会党は再び喜びの声を上げるかもしれない。集計予想によれば、日
曜日の国民会議議員選挙の第1回投票で、社会党は協力者と合わせ
て優位に立った。それによれば、社会党およびその協力者が、
577議席のうち少なくとも287議席を得る。しかし決定は、1週間
後の第2回投票でようやくはっきりする。また極右国民戦線は、国
会議員を出す望みもある。

     国内ニュース

グラーフ「基金疑惑についての非難はすべて誤っている」

国民評議会第3議長マルティン グラーフ(自由党)は、高齢の女
性の資産の基金の幹部としての活動をめぐって多くの疑惑が生じて
いるが、これに関して弁護をするだけである。自由党党大会で配ら
れた小冊子で彼は、自分に向けられた告発は「すべて誤っている」
と述べている。自分にとってこの非難は、報道機関を用いた意図的
な宣伝活動である、自分の目から見れば、自分には何らとがめられ
る点はないからだ、とも記している。彼は党首シュトラーヒェから
も支持を受けている。




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