6月25日〜7月1日のオーストリアのニュース



6月25日(月)

     国外ニュース

スペインに続いてキプロスもEUに支援を要請

スペインが正式にEUの銀行支援を申し込んだ数時間後、今度は多額
の負債を抱えるキプロスも、ヨーロッパの救済の傘の元に入りこむ
意向である。これは月曜日に政府が声明の形で発表した。同国は既
にしばらく前から、オイロ救済の傘の元に置かれる候補国と見なさ
れていたが、その決断は予想外に早かった。支援要請の中で同国政
府は、ギリシア危機の拡大を叱責した。

     国内ニュース

「プロフィル」誌 病気用マスクの取引はますます不可解

国民党所属の元厚生大臣ラオホ・カラットと報道雑誌「プロフィ
ル」の間の新たなやり取りは、激しさを増している。ラオホ・カラ
ットは、インフルエンザ用マスクの高額の調達および、夫であるメ
ンスドルフ・プイイの陳情家としての役割に関する報道に関して、
同誌を訴える方針であるが、これにより新たに12年前の物品調達に
関して新たな違法行為が明るみに出た。メンスドルフ・プイイの顧
客に有利になるように、購入の当初の決定をする上で、重要な書類
が紛失している模様である。メンスドルフ・プイイにとって、この
武器売り込み活動は密接な関係がある。この件に関する裁判は、秋
に始まる可能性もある。




6月26日(火)

     国外ニュース

シリアで激しい戦闘 ダマスカス近郊で砲撃

外交的には相変わらずトルコ軍機がシリアによって撃墜されたこと
が、大きな興奮を生んでいるが、シリア政府は反乱勢力の拠点に対
する攻勢を相変わらず続けている。未確認情報によれば、火曜日だ
けで、十数人が死亡した。首都ダマスカス近郊でも、初めて激しい
砲撃が行なわれた。数週間の間妨害を受けて、シリアにはようやく
入国した国際監視団団長の報告書が、緊迫感を持って待たれてい
る。

     国内ニュース

メンスドルフ・プイイは青色警告灯事件について沈黙

武器を売り込む陳情家メンスドルフ・プイイは火曜日、国会の汚職
調査委員会で、自ら回答する姿勢をほとんど示さなかった。「私は
これを回避する」と、青色警告等事件に関して、国会議員の質問に
対して標準的な回答を行なった。この委員会の大きな議題は、火曜
日に終わった。全体としてメンスドルフ・プイイは、30回以上回答
を拒否した。彼によって招かれた元内相シュトラサー(国民党)の
官房ウルマーと、アルカテル社社長で国民党の連邦議会議員ヒマー
は、1つのことだけを申し立て、記憶の空白は記録的に疑わしい水準
に上った。




6月27日(水)

     国外ニュース

EU首脳会談を前にメルケルとオランドが合意を目指して議論

ドイツとフランスは、木曜日のEU首脳会談を前に、合意に向け努力
している。ドイツ首相メルケルとフランス大統領オランドは、パリ
での初めての会談で、お互いに歩み寄る姿勢を示した。オイロ危機
からの出口を探して、前進があった、と両者は述べた。これより前
にメルケルとオランドの間では、激しいやりとりが続いていた。対
立点はオイロ債券である。メルケルは、「私が生きている間は」そ
のような共同の負債を認める可能性がないわけではない、とした。
フランスはいくつかのEU大国と並んで、オイロ債券導入を求めてい
る。

     国内ニュース

OECDのオーストリア報告 移民の多くはEUから

オーストリアは移民の受け入れ国である。ただし、主に他のEUから
の人を受けている。経済開発協力機構の最新の移民調査が、水曜日
に発表され、このような結論に達した。およそ8万人が2010年に
移民した。危機が起こって以来、移民増加の流れが予想されてい
る。最大の移民はドイツからのもので、1万8千人である。労働移民
が管理されているEU以外の国からやって来る人は、2%に留まって
いる。ただし移民は、労働市場の流動性を高める上で、重要な役割
を果たしている、と同機構は発表した。




6月28日(木)

     国外ニュース

ネオナチによる殺人 ドイツ当局は文書を破棄

木曜日にはドイツの国内秘密情報部、憲法擁護庁をめぐる騒ぎが起
きた。ネオナチのテロ分子ツヴィッカオのNSUが起こした連続殺人
事件で、捜査の手抜かりを調査する委員会で、本来ならネオナチの
連続殺人事件の解明につながるはずの文書を、憲法擁護庁が破棄し
ていたことが明らかとなった。テロ組織が壊滅してちょうど1週間
後の出来事であった。問題は、これは手抜かりかそれとも意図的な
ものか、という点である。

     国内ニュース

カンプッシュ事件が再調査されることに

ナターシャ カンプッシュ事件は、まだ決着がついていない。国会
のない無為委員会の常設小委員会がこの件に関して、記者会見で発
表したところによれば、この事件は、米国連邦警察などの未解決事
件専門家の支援を受けて、新たに評価を受けることになる。




6月29日(金)

     国外ニュース

EU首脳会談は予想を上回る結果

数ヶ月しか立っていないのに、EU首脳会談は別の目標を追いかけて
いる。今まではEU加盟各国首脳は、専門家と金融市場を常に失望さ
せていた。事前には意見の対立が今までなかったほど激しくなって
いた今回の首脳会談で、よりによって期待を上回る結果が出た。緊
急対策としては、疲弊したスペインの銀行に対する直接支援が決定
された。ヨーロッパ中央銀行に併設する中央銀行監視局とともに、
問題の「銀行連合」が出発した。EUはこれにより、債務危機の「悪
魔の渦巻き」を突破した、と期待している。もちろん細部の多くは
まだ未決定である。

     国内ニュース

マフィア条項の改正が予告される

多くの批判がある刑法のマフィア条項278条aを改正する、と法務省
が昨日発表した。ウィーン近郊ノイシュタット検察は、2011年5月
に言い渡された犯罪組織へ加わったとの容疑を持たれた動物保護活
動家13人の無罪判決を認めていた。この条項が現在の形になったの
は1997年であった。法務省広報カール(国民党)は、これは「実
際には当初期待していた目標を達成しなかった」ので、法律改正が
計画されており、昨年始まった評価の結果に従ったものである、と
述べた。これに関する法務省の案は、夏中にも専門的な判定を受け
たあと、公表される、とのことである。




6月30日(土)

     国外ニュース

メキシコではまもなく政権交代

メキシコでは日曜日にに政権交代が迫っている。旧政権の独裁的な
左派の国家政党「制度的革命党PRI」に対して、2001年に勝利して
から、保守派の「国民行動党PAN」が政権を担っていたが、先日大
統領カルデロンが退任した。同党は、大統領が再び「制度的革命
党」に戻ることを画しなければならない。世論調査によれば、制度
的革命党の敏腕な候補者ペーニャ ニエトが優位に立っていること
を疑わせるものはない。ただし、このところ学生たちが燃え上がら
せている「メキシコの春」に、政界を混乱させ、選挙戦が緊張を増
している。「政治テレヴィ小説」という声も上がっている。

     国内ニュース

6月は歴史的な暑さで終わる

屋外プールや湖が大賑わいである。降り注ぐ日差しと、30度を超え
る天気が、6月最後の日をオーストリアの記録的に高い気温の日と
した。ウィーンとニーダーエスターライヒ州では、37.7度となり、
6月のオーストリアで観測された中では一番暑い日となった。現在
の天気予報によれば、すばらしい天気の期間が終わるのは、7月上
旬ではない見通しである。




7月1日(日)

     国外ニュース

トンブクトゥでイスラーム教徒が聖なる霊廟を破壊

イスラーム教徒組織アンサル・ディネは、日曜日にマリのトンブク
トゥ市で、ユネスコの世界遺産に属するイスラーム教徒の霊廟の破
壊を続けた。諸外国の怒りが強まっている。この間に16ある百年前
からある霊廟のうち8つが破壊された。アンサル・ディネの広報
は、すべての墓を破壊する、と述べた。このイスラーム教徒たち
は、トゥアレグ反乱勢力とともに、マリ大統領失脚後の権力の空白
を利用して、同国の大部分を勢力下に納めようと試みている。

     国内ニュース

シュピンデレガー「EU加盟国は権限を引き渡すべきである」

副首相ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)は、日曜のテレヴ
ィ番組で、EU加盟国は今後は権限をEUに委ねるべきであるという
主張に、一切の疑いを表明しなかった。国民党党首でもある彼は、
通貨に関して共通の政策がなければ、共同通貨を運営することはで
きないし、EU内部には、より多くの権限を持った金融委員会が必要
である、とも述べた。外務大臣でもある彼は、ヨーロッパ安定機構
が、国民評議会の来週の会議で可決される、と期待している。




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