7月16日〜22日のドイツのニュース



7月16日(月)

クリントンはイスラエルで近東和平について議論

米国外務大臣ヒラリー クリントンは、アラブ世界の大変動を、近
東における安定、平和、民主主義にとって好機である、と見てい
る。イスラエル大統領シモン ペレスとエルサレムで会談した後に
クリントンは、隣国シリアでの流血の紛争と、イランとの格を巡る
対立も、この件ではある役割を果たしている、と述べた。さらに彼
女は首相ベンヤミン ネタニヤフとパレスチナ首相サラーム ファ
イヤードとも会談し、数年前から停滞しているイスラエルとパレス
チナ人の間の和平に向けた過程も、前進させたい、と述べた。12日
間の外国訪問の締めくくりとして、クリントンはイスラエルを訪問
した。この前にはエジプトに滞在していた。

     その他のニュース

イスラエルはガザから収容者の家族の立ち入りを初めて認める

イスラエルで逮捕されたガザ帯状地帯出身のパレスチナ人は、5年
ぶりに家族の訪問を受けた。24人の収容者の家族たち40人が、最
初に訪問する、と刑の執行を担当する部局の広報は発表した。訪問
は将来的には、毎週可能になる、とのことである。訪問の再開は、
拘留状況改善に向けた合意の一部である。彼らの要求を強調するた
めに、1千6百人のパレスチナ人が、ハンガーストを行ったが、5月
にエジプトが介入して絶食はやめていた。イスラエルはイスラエル
兵士シャリットが2007年に誘拐された後数ヶ月間、ガザ出身の収
容者を訪問するのを禁止していたことがある。

ロシアはシリア紛争での態度に関して西側を非難

シリア紛争の解決を目指す駆け引きの中で、ロシアは西側を激しく
非難した。西側の国の中には、国連安全保障理事会の制裁を主張す
ることで、シリアの内線を挑発している国がある、と外傷ラヴロフ
はモスクワでの記者会見で述べた。シリアの権力者アル・アサド
は、国民の多数の支持を受けている以上、彼が退陣することは非現
実的であり、シリア国民は、このような諸外国の態度に代償を支払
っている、と述べた。一方シリア政府軍と反政府勢力は、首都ダマ
スカスで激しい戦闘を続けている。軍は朝早い時間帯に、アル・タ
ダモン街区を砲撃した、と反政府の現地調整委員会は発表した。活
動家の発表によれば、2011年3月に蜂起が始まって以来、ダマス
カスは日曜日に最も激しい戦闘に揺さぶられた。国際赤十字は、シ
リアは内戦状態である、と発表した。

裁判所はESMとEU財政管理官について9月に判断を下す

連邦憲法裁判所は、9月12日にオイロに関する緊急手続きに関して
判断を下す、とカールスルーエの同裁判所は発表した。同裁判所は
これにより、予想通り、本来の緊急手続きでよりも長い時間的な猶
予を手に入れる。救済の傘ESMに関する法律は、本来であれば7月
1日に発効することになっていたが、いくつかの申し立てがあった
ため、借り命令が公布されて、発効が延期となった。訴訟側はこの
緊急の申し入れにより、連邦議会および連邦参議院が6月末に可決
したESMおよび財政管理官に関する批准の法律に、連邦大統領ガオ
クが署名するのを、憲法裁判所が後の公判でこの件に決定を下すま
では、妨げる方針である。左翼党、「より多くの民主主義」組織、
キリスト教社会同盟の国会議員ガオヴァイラーらがこの訴訟を起こ
した中心であった。




7月17日(火)

潘は北京でアサド対策への協調を求める

国連は二重の提案に関する話し合いを行い、ロシアと中国に対し
て、国連安全保障理事会のシリア決議を阻止する構えを放棄するよ
う、働きかける方針である。国連事務総長潘基文は北京を訪問し、
大統領バシャル アル・アサドの政権に対して、より厳しい措置を
とるのに抵抗しないように、と緊急の申し入れを中国に行なった。
彼は、ある政府に国民を凶行から守る意志がない場合、あるいはそ
の状況にない場合には、諸外国にそれを行う責任がある、と述べ
た。国連特使コフィ アナンはモスクワで、大統領ウラジミール 
プーチンを訪問し、国連で拒否権を持つ同国には、交渉に応じる意
向があるか、探る方針である。ダマスカスの目撃者の話によれば、
激しい戦闘がまだ続いており、シリア軍は戦車と戦闘用ヘリコプタ
ーを使って、反政府勢力に対抗している。国連の最新の集計によれ
ば、この間に11万人以上のシリア人が、国内での紛争を逃れて、外
国に脱出した。

     その他のニュース

国連安全保障理事会は東コンゴでの戦闘の中止を求める

国連安全保障理事会は、コンゴ民主共和国東部での反乱勢力の攻撃
を非難し、放棄勢力の武装解除を求めた。ニュー ヨークの同理事
会の15箇国は、反乱勢力に対する外国の支援はいかなるものであ
れ、直ちに中止しなければならない、と要請した。武装組織に対し
ては、進軍およびあらゆる種類の暴力の行使を、直ちに中止するよ
うにとの要請が突きつけられた。安全保障理事会は、反乱組織M23
の名前を挙げている。この組織はゴマ市まで40キロのところに進軍
した。この地域からはすでに20万人以上の人が、戦闘を逃れて脱出
した。

アルトマイアーは気候保護の速度を上げるよう促す

連邦環境相アルトマイアー(キリスト教民主同盟)は、いわゆる第
3回「ペーテルスベルク気候会議」を終えるにあたり、世界各地で
の気候保護の速度を上げるように促した。気候はもう待てない、と
2日間の会議の締めくくりで彼は述べた。ベルリンでは35箇国の環
境相が、気候変動との戦いで、今後取る措置について協議した。ア
ルトマイアーによれば、各大臣は諸国がもっとやる気を出す必要が
ある、ということで意見は一致しているが、各国が地球温暖化を最
大で2度に押さえ込むとの野心的な目標を守ることでのみ、これは
可能である。

EUはマイクロソフト社の油をしぼる

EU委員会はマイクロソフト社に対する形式的な手続きを開始し、こ
れにより、長年にわたる米国のソフトウェア会社との対立が次の段
階に入った。競争保護を訴える人々は、同社がウィンドウズの利用
者に対して、別のインターネット表示ソフトがあることを知らせて
いない、と非難し手いる。これにより、巨大ソフトウェア会社はEU
の命令に違反している、と競争委員アルムニアは述べた。彼はマイ
クロソフト社が製品を再び修正しないのであれば、「きわめて重大
な結果」になる、と威嚇した。1年間の売れ行きの10%ほどの罰金
が科される可能性もある。同社は木曜日に第1四半期の事業に関す
る情報を公表する方針である。




7月18日(水)

アサド政権の中枢に対する攻撃で死者発生

シリアの首都ダマスカスの中心で攻撃がおこなわれ、大統領バシャ
ール アル・アサドの政権の中枢部が狙われた。国営放送の報道に
よれば、治安閣議が襲撃を受け、国防大臣ラウド ラジェハ、アサ
ドの義兄弟の将軍アセフ シャウカ、さらにもう1人の将軍が殺害
された、この事件はアル・ラウダ街区で爆弾が破裂したもので、政
府の高官数人も重傷を負った。この攻撃を行なったと発表したの
は、2つの組織で、正規軍を離脱した兵士を中心とする「自由シリ
ア軍」とイスラーム教徒組織「リワ アル・イスラーム」である。
数日前から政府軍と反体制派は、ダマスカスで激しい戦闘を繰り広
げていた。これには、戦車と実弾も投入された。アサド軍は首都ダ
マスカスの支配を取り戻すこと胃は成功していないようである。こ
の水曜日には国連安全保障理事会は、シリアでの流血の紛争を改め
て議論する。

     その他のニュース

EU委員会はルーマニアに悪い成績をつける

EU委員会は、ルーマニア首相ポンタ率いる政府を、法治国家と司法
の独立を、組織的に侵害していると非難し、そのためルーマニアを
厳しい監視下に置く方針である。ブリュッセルで発表された報告書
の中では、現在政府は、首相と憲法裁判所との間で権力争いを続け
ているが、法治主義の観点から深刻な不安が生まれている、と指摘
されている。EU委員会は、年末までにいくつかの緊急命令の撤回を
求めている。首相ポンタは数ヶ月前からくすぶる権力争いで、緊急
命令を出すなどして、保守派の大統領バセスクの職務解任手続きを
推し進めている。その際ポンタは、そのような手続きの規則につい
て憲法裁判所との間での対立を引き起こしていた。

憲法裁判所は亡命希望者に対しより多くの資金を出すよう求める

カールスルーエの連邦憲法裁判所の判断では、ドイツにおける亡命
希望者と難民に対する社会的給付はあまりに少ない。これは(憲法
にあたる)基本法に抵触することになり、亡命希望者には、ハルツ
IV法に基づく給付の受給者と同額の支援金を、ただちに支給しなけ
ればならない、との判断である。裁判官たちの判断によれば、社会
福祉国家法は、その人の出身地によって区別することはない、すべ
ての人にとって生存するための最低条件は同じであって、大幅な物
価上昇にもかかわらず、給付額は1993年以降、月額225オイロで
変わっていないので、全く不十分である。この法律がこれに合わせ
て修正されるまでは、成年に達した亡命希望者は月額336オイロの
給付を受ける、との暫定的な規則が適用される。約13万人がこれに
該当する。

憲法擁護庁「イスラーム教徒と急進右派による危険が存在」

連邦内相フリードリヒは、退任する憲法擁護庁長官フロムと共に、
2011年憲法擁護報告書を提出した。総括すると、暴力をいとわな
い急進右派は増加しているが、暴力をいとわない左翼運動およびイ
スラーム教徒テロリストによる脅威も増加している。連邦憲法擁護
庁は、その仕事を今後は、イスラーム教に基づくテロ攻撃との戦い
にも重点を置くことになる、とフロムは述べた。アル カーイダの
ようなテロ組織は弱体化したものの、個人あるいはサラフィストな
どの小集団が勢力を強め、攻撃を計画している、とも語った。また
憲法擁護庁は、急進右派が数年間活動を中止していたテロ組織「ナ
チ地下運動」を手本にする可能性がある、との懸念を持っている、
とのことである。憲法擁護庁長官には8月上旬にテロの専門家マー
センが就任する。




7月19日(木)

連邦議会は特別会議でスペイン支援に関して議決

連邦会議で最終的な投票が行われるのを直後に控え、連邦大蔵大臣
ヴォルフガング ショイブレ(キリスト教民主同盟)は、スペイン
に対する1千億オイロの支援計画に賛成するように訴えた。彼はベ
ルリンで、スペインの銀行業界が抱える問題は、オイロ使用地域全
体の安定にとって問題となる危険性がある、と述べた。彼はまた、
スペイン国家には、経営が厳しい同国の銀行を支援する責任があ
る、と述べた。すべての会派から反対票が出ると予想され、また左
翼党は全党をあげて反対する方針であるが、連邦議会で過半数を得
るのは確実と見られている。ショイブレが、オイロ使用国の大蔵大
臣の中で、支援を認める方向性を示すためには、賛成が必要であ
る。

     その他のニュース

シリアでは権力の中枢部への攻撃後に新たな暴力が発生

シリア指導部中枢が襲撃を受けてから1日、首都ダマスカスでの戦
闘は激しさを増している。政府軍は、ダマスカスおよびその周辺
で、反政府勢力の拠点を、ヘリコプターを用いて攻撃した。大統領
府および政府の建物のある一画から見える範囲でも、戦闘がおこな
われている。活動家の話によれば、住民数百人が逃げ出した。最重
要の腹心が襲撃を受けてから、大統領アル・アサドは公衆の前には
現れておらず、実際にどこに滞在しているかは不明である。ニュー
 ヨークでの国連安全保障理事会は再び会議をおこなう前に、木曜
日にはドイツと他のヨーロッパ諸国は、暴力を押さえ込むために、
シリアに対して制裁を科すよう迫っている。ロシアと中国はこのよ
うな措置を拒否している。

イスラエルはブルガス襲撃の責任はイランにあるとする

イスラエルの観光客が乗ったバスがブルガリアでテロ攻撃を受け、
流血の事態となったことを受け、イスラエル政府はこの犯行を引き
起こした責任はイランにあるとした。国防相バラクの発言によれ
ば、レバノンのヒズブッラー民兵がこの犯行を起こし、この犯行は
イスラエルの不倶戴天の敵イランからの依頼によるものである。黒
海沿岸のブルガスの空港で起きた襲撃では、イスラエル人5人、ブ
ルガリア人運転手1名、さらに自殺攻撃犯と見られる男が死亡し
た。30人以上が負傷した。イラン政府は、いかなる関与も否定して
いる。この非難は政治的な動機で行われている、とソフィアのイラ
ン大使館は発表した。

失脚したチュニジアの権力者ベン アリに対してさらなる拘留刑

チュニジアの裁判所は、失脚した大統領ベン アリに、欠席のまま
終身刑を言い渡した。裁判官たちは、昨年彼に反対する抗議活動が
行なわれた時に、デモ隊に死者が出たのは彼の責任である、と判断
した。彼の政権の元治安担当大臣は20年、元内務大臣は15年の拘
留である。失脚した政権の代表あわせて40人が拘留を言い渡され
た。これ以前の裁判ですでに、ベン アリは欠席のまま、拘留刑が
言い渡されていた。彼は2011年1月にサウジ・アラビアに逃亡し
た。チュニジアでの暴動は、いわゆるアラブの春の起点であって、
これによって長年権力を握ってきたエジプトとリビアの権力者が、
その座から追い落とされた。




7月20日(金)

米国では錯乱した銃撃犯の身元が判明

米国のコロラド州のオーロラの映画館での大量殺戮では12人の死者
が出たが、警察は逮捕された銃撃犯の身元を特定した。米国での報
道によれば、24歳のこの男の名前はジェイムズ ホームズで、当局
は今まで関心を払っていなかった。彼は「バットマン」の新作映画
「暗黒の騎士の誕生」の初日に、映画館を訪れた人を銃撃した。
12人が死亡、38人が負傷した。米国大統領バラック オバマの広
報は、現時点ではこの犯行にはテロの背景があるものを見いだすこ
とはできない、と述べた。

     その他のニュース

シリアの首都ダマスカスでは再び戦闘

シリアの首都ダマスカスの中心部では、武装した反政府勢力が、政
府軍とさらに戦闘を繰り広げた。目撃者の話によれば、反政府勢力
は、警察署を中心に攻撃している。国営ラジオによれば、この間に
シリア治安部隊の隊長イクティヤルも、ダマスカスでの緊急会議で
襲撃での負傷が原因で死亡した。これに対してイラクは、ダマスカ
スから市民数百人を飛行機で脱出させ始めた。陸路はあまりに危険
である、とのことである。反政府の「自由シリア軍」は、体制側に
立っていると推定される外国人も殺害するよう呼びかけた。ニュー
 ヨークでは現在、国連安全保障理事会の各国が、金曜日に期限が
切れるシリアの3百人の監視団の任期を、今一度延長するかどう
か、協議がおこなわれる。

オイロ使用国はスペインの銀行への1千億オイロの支援を可決

オイロ使用国連合は、スペインの銀行に対する1千億オイロの支援
を正式に可決した、と同連合会長ユンカーは蔵相との映像を用いた
会談の後に発表した。この資金は、スペインの金融業界を安定させ
るために、4回に分けて振り込まれる、とのことである。債務履行
義務は国が持つ。木曜日にはようやくドイツ連邦会議がベルリン
で、この支払いを認めたばかりであった。ドイツ政府はこの間に、
連邦蔵相ショイブレの問題の政府声明に、市場が神経質な反応を起
こさないように努力していた。ショイブレはスペインの銀行危機が
伝染しないようにと警告したが、これは他のヨーロッパ諸国には当
てはまらない、と政府広報ザイベルトは述べた。スペイン自体では
政府が先に取った支出削減策に反対して、80の都市で数十万人がデ
モを行なった。

ナチ体制に対する抵抗を想起

ベルリンではナチ体制に対して抵抗して戦った人の追悼が行なわれ
た。ベンドラーブロックの記念施設で、連邦大統領ぜーホーファー
は、抵抗運動の犠牲者に花輪を備えた。この建物では1944年7月
20日夜に、ヒトラー殺害計画が失敗に終わった数時間後に、シュタ
ウフェンベルクと4人の共謀者が処刑された。1933年から45年に
かけて、ほぼ3千人が殺害されたプレッツェン湖の記念施設では、
午後に国防相デ メズィエールおよび国と国会の代表が、追悼式に
参加した。




7月21日(土)

米国はデンヴァー近郊での凶行の犠牲者を悼む

米国はデンヴァー近郊で、精神錯乱に陥った上での殺人の犠牲者を
追悼した。大統領バラック オバマは、連邦のすべての建物で半旗
を掲げるように、と命じた。犯人の動機は相変わらず不明である。
逮捕された24歳の狙撃犯とされる男は、自分に関する容疑につい
て、今までは何も述べていない。警察の発表によれば、彼は過去
2ヶ月、大量の弾薬と武器を入手していた。この男はデンヴァー郊
外のオーロラの映画館で、観客を無差別に射殺した。12人が死亡
し、60人ほどが負傷した。この犯行は、武器所有権に関して、米
国で新たな議論を引き起こした。

     その他のニュース

シリア ダマスカスで新たな戦闘

シリアでは、政府軍と反乱勢力の戦闘が相変わらず続いている。報
道によれば、軍のヘリコプターが首都ダマスカスで、反乱勢力の陣
地をミサイルで攻撃し、反乱勢力が部分的に制圧した市の中心部
に、戦車が狙いを定めている。政府軍が郊外のシャバを急襲したと
の報道もあるが、これは未確認である。ロンドンに拠点がある「シ
リア人権監視団」によれば、シリアの経済面での主要都市アレッポ
でも、戦闘が行なわれた。数日前から戦闘が続いているため、同国
から脱出しようとする人の数はますます増えている。今までのとこ
ろ10万人を超えるシリア人が、レバノンとトルコに逃げ込んだ、と
されている。

臓器提供事件の監視強化を要請

政治家と医師は、ドイツで移植用臓器の提供に関する監視を強める
よう求めている。背景にあるのは、ゲッティンゲン大学病院に関す
る報告である。ここでは移植用臓器をより迅速に手に入れられるよ
う、元院長が患者の検査所見を偽造していた、とされている。倫理
評議会の評議員もつとめているエッセン大学病院の医局長ナーゲル
は、ドイツラジオで、よりよい監視体制を作るための土台を作るこ
とに賛成した。彼は、よりうまく監視ができるように少数の移植本
部を作ることも考えられる、と述べた。連邦医師会の常任臓器移植
委員会議長リリーは、無所属の研究医が所見を再調査するように提
案した。連邦厚相バールは、「ヴェルト」紙日曜版で、性急に結論
を出さないようにと警告し、臓器提供は以前から生命を救ってい
る、と述べた。

プーチンは問題の「スパイ法」を発効させる

激しい批判にもかかわらず、ロシア大統領プーチンは、非政府組織
を「外国のスパイ」として監視するための法律に署名した。モスク
ワでのロシア政府広報がこれを発表した。これにより、国家から独
立した組織は、罰金刑あるいは拘留刑を科される危険を冒したくな
ければ、今後は外国からの支援すべてを例外なく公表しなければな
らない。ロシアの人権活動家はこれからは、スパイとして排除され
るのではないか、と危惧している。急いで可決されたこの法律は、
ドイツ政府の人権委員レーニッヒからも強く批判されていた。




7月22日(日)

ノルウェイ人はウトヤ島とオスロの襲撃事件を追悼

オスロとウトヤ島での襲撃事件から1年、ノルウェイ人は77人の犠
牲者を追悼した。首相イエンス ストルテンベルグは、ノルウェイ
の首都オスロでの追悼集会で、この犯行に対して国民が取った態度
を賞賛した。急進右派の犯人アンネシュ ベーリング ブレイヴィ
クは、爆弾と弾丸でノルウェイを変えたいと願っていたが、これに
失敗し、民主主義は安定している、とストルテンベルグは、述べ
た。大きな被害が出た政府の建物の近くでの式典には、皇太子ホー
コンと皇太子妃メテ・マリットも出席した。彼女の腹違いの兄弟
も、ウトヤ襲撃で死亡した。現在33歳のブレイヴィクに対する判決
は、8月末に出る予定である。裁判所が彼に責任能力があると見な
すか、見なさないかによって、彼には長い拘留刑あるいは精神科へ
の入院が命じられる可能性がある。

     その他のニュース

シリア軍は対抗して攻勢に出る

シリア軍は、放棄勢力に反攻に出た。目撃者の話によれば、大統領
アル・アサドは、首都の周辺地区を大規模に砲撃させた。赤十字の
情報によれば、2日間で3万人が、内戦の混乱を避けてレバノン国境
を越えて逃げ出した。隣国イスラエルは、シリアの化学兵器が急進
派イスラーム教徒二手に落ちるのではないか、と懸念している。ア
ラブ連盟は日曜日には、情勢について協議している。EUは、アサド
政権に対する制裁措置を強化する方針である。

オランド「フランスがユダヤ人国外追放に荷担したのは犯罪」

フランス大統領オランドは、第二次世界大戦中にユダヤ人の国外追
放にフランス警察が荷担したのは、犯罪であったと呼んだ。パリで
の追悼集会で彼は、1万3千人以上のユダヤ人をナチの絶滅収容所に
送り込んだことに対して、フランスは歴史的な責任がある、この犯
罪はフランスで行なわれただけでなく、フランス人によって行なわ
れた、と述べた。フランスでは1942年7月16日と17日に、ユダヤ
人が大量に逮捕され、これにはフランス警察が参加していた。
1995年にようやく当時のシラク大統領が、フランス当局の関与を
認め、それまで公式にはドイツの占領軍にその責任を帰していた。

元蔵相ムケルジがインド新大統領に

インドは新大統領を持つ。元蔵相ムケルジが国家最重要職に選ばれ
た。76歳の彼は、西ベンガル州出身で、ソニア ガンディ率いる与
党「国民会議党」の大黒柱と目されている。彼は2007年に女性と
して初めて大統領に就任したパティルの後継者となる。大統領府は
インドでは、ドイツ同様、国を代表する人物との性質のものであ
る。ムケルジは、12億を超える国民を抱えるインドで、すでに外
相、国防相、さらに2度に渡って蔵相を務めた。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system