7月23日〜29日のドイツのニュース



7月23日(月)

イラクで複数の襲撃事件 死者百人を超える

イラクでは連携を図ったとみられる連続暗殺と襲撃事件が起こり、
1百人を超える人が殺害され、2百人以上が負傷した。攻撃目標は、
治安部隊や政府の建物であった。スンナ派が多く住むタジ市だけ
で、42人が死亡した。救助隊が犯行現場に急行した時、自殺攻撃犯
が体に巻きつけた爆弾に点火し、多くの警官を巻き添えに自殺し
た、と地元当局は発表した。首都バグダードでは、自動車爆弾によ
り、少なくとも14人が命を落とした。この日は、この2年間で最も
多くの血が流れた日であった。

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シリアは化学兵器を使用すると威嚇

シリアは外部からの攻撃を受けた場合には、化学兵器を投入すると
威嚇しているが、EUはこれを批判した。EU加盟各国の外相はブリ
ュッセルで会談をし、EUはこの種の兵器の使用に関して、深刻な懸
念を有していると発表し、紛争がこれ以上軍事的に拡大しないよう
に警告し、すべての国家に対してシリアへの武器供給をやめるよう
に要請した。これより前に外相たちは、シリア政府に対する制裁を
改めて強化していた。大統領アル・アサド政権は月曜日午前中に、
化学および生物兵器の保有を初めて認めた。同国外務省公報は、こ
れらの武器が使用されるのは、外部からの攻撃を受けた場合に限ら
れる、と述べていた。戦闘が続く中、政府軍は首都ダマスカスの街
区いくつかを、反乱勢力から奪還した。その際には再び重火器が使
用された。経済面での重要都市アレッポでも、軍は蜂起勢力の拠点
を砲撃した。反乱勢力は相変わらず、レバノン、イラク、トルコと
の国境通過地点を押さえている。

EU委員会はギリシアがオイロ使用地域にとどまるのに賛成

ギリシアがオイロ使用をやめるのではないか、との観測が流れてい
るが、EU委員会はこれを否定した。同委員会の広報はブリュッセル
で、ギリシアはオイロ通貨同盟の中にとどまらなければならない
し、またとどまるであろう、と発表した。ただしEUは、ギリシアは
約束した改革の実施に遅れているので、早期に行動を起こすように
求めており、同国政府に対する次回分の資金の支払いを行うかどう
かは、9月に決定される、それまでは同国の資金は確保されてい
る、と述べた。国際通貨基金はギリシア政府をもはや支援するつも
りはない、との報道がなされているが、EU広報はこれについては言
及しなかった。ドイツ政府広報代理シュトライターも、同様の発言
をした。彼の発言は、連邦経済相レスラーのテレヴィ番組での発言
に応えたものであった。レスラーは、ギリシアがオイロ使用をやめ
ても衝撃を受けないのは、ずっと以前からである、と述べていた。

スペインの景気後退はさらに進む

危機に揺れるスペインは、ますます景気後退の深みにはまりつつあ
る。スペイン中央銀行の月例報告によれば、第2四半期の経済実績
は、0.4%減少した。これは3期続けての減少である。現在進行中の
景気後退の原因は支出削減策にある、と銀行は見ている。資本市場
では、スペイン国債の危険度の上昇は、歴史的な水準になってい
る。10年ものの国債の金利は7.4%に上昇したが、これはどんな国
家にとっても長期的には負担できない金額である。ヴァレンシア地
域に続いて、ムルシアも中央政府に財政援助を求めている。株式市
場は世界的に下落しており、いくつかの株の取引は一時中止となっ
た。スペインとイタリア政府は、一時的に空売りを禁止した。危機
的な情勢にあるにもかかわらず、スペイン政府はオイロ救済の傘の
下に逃げ込む必要はない、との自信をのぞかせている。経済相デ 
ギンドスは、政府がこの策を取る可能性はもちろんない、と述べ
た。




7月24日(火)

ドイツが国債の格付けの最高評価を失う可能性がある

連立政権は、格付け会社ムーディーズ社のドイツ国債の格付けを引
き下げることに対して、冷静な態度を取った。キリスト教民主、社
会同盟と自由民主党の政治家は、ドイツが今後も最高の評価を享受
する、と指摘した。米国の格付け会社ムーディーズ社は、ドイツ、
オランダ、ルクセンブルクの見通しを、月曜日に「安定」から「否
定的」に引き下げた。これは信用力の引き下げに向けた第一歩にな
る可能性がある。またギリシア危機は、オイロ使用諸国に再び一息
つかせた。(EU、国際通貨基金、ヨーロッパ中央銀行の)三極の監
査官は、ギリシアの支出削減策の最終的な検証を行なうために、ア
テネ入りした。

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ギリシア首相は景気の落ち込みを覚悟

ギリシア首相サマラスは、今年さらに景気が落ち込むことを覚悟し
ている。彼は保守派の新民主主義党の国会議員を前に、経済は今年
7%以上縮小する可能性がある、その後は成長するかもしれない、と
述べた。EU委員会議長バローゾは木曜日には、3年ぶりにギリシア
に向かう。彼は現地で大統領パプーリアスおよび首相サマラスと会
談する方針である。この席上オイロ使用地域の経済状況、とくにギ
リシア情勢について話し合われることになっている。ギリシアはす
でに、5年連続して景気後退と戦っており、国際支援に頼って生き
延びることができている。

カタルニアは財政支援を必要とする

スペインでは財政支援を必要とする地域が増えている模様である。
カタルニア政府の経済委員は英国の放送局BBCに、カタルニアは中
央政府に対して支援金の提供を申し入れる、と述べた。カタルニア
政府の広報は、この発言を確認せず、支援の申し入れに関してはま
だ決定が下されていない、と述べた。カタルニアは同国で経済的に
は2番目に強い地域である。金曜日にはバレンシア地域が、すでに
財政支援を求めていた。スペイン政府はこれまでに、国内の打撃を
受けた銀行を支援しなければならなくなっている。EUはそのため
に、1千億オイロほどを準備している。

シリアの刑務所でも反乱が起こる

シリア反政府勢力は、刑務所の中で反乱が起きたが、アサド政権が
流血の事態の末に鎮圧した、と発表した。アレッポの中央刑務所で
は、実弾と催涙ガスが使用されて、少なくとも15人の囚人が殺害さ
れた、とシリア国民評議会が発表した。3日前には、ホムスの刑務
所で暴動が起きていた。アレッポの数カ所では、軍がヘリコプター
から銃撃を行った。シリアの権力者アル・アサドが、化学兵器を投
入するのではないか、との懸念が諸外国では起きている。米国大統
領オバマは、大統領アル・アサドが大量殺戮兵器を用いることがあ
れば、責任を問われることになる、と威嚇した。




7月25日(水)

ラメルトは選挙法で全政党が合意するよう促す

憲法裁判所の判決を受け、連邦議会議長ノルバート ラメルトは、
各党に対して、協力して新たな選挙法を練り上げるように求めた。
ラメルトは、「特定の政党ないしは候補者に有利あるいは不利にな
るような事態だけは回避するために」、新選挙法が緊急に必要とさ
れている、と述べた。ドイツの最高の裁判所であるカールスルーエ
の同法廷は、今週水曜日に現在の選挙法は、3つの点で憲法違反で
ある、選挙の公平性および直接性という原則に違反し、政党の機会
均等に違反している、と指摘した。特に憲法裁判所が批判を表明し
たのは、いわゆる(比例選挙での)超過議席に関してであった。超
過議席が生じるのは、ある政党がある州の直接選挙(第1票)で、
(比例選挙での)連邦議会の第2票により獲得する議席よりもより
多くの議席を獲得した場合である。今回の判決により、2013年秋
に行われる連邦議会選挙には、有効な法的な根拠がなくなることに
なる。現行の選挙法は修正が必要である。

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デ メズィエールは南アフガニスタン入り

国防相デ メズィエールは、急遽アフガニスタン南部の米軍を訪問
した。彼はドイツの閣僚としては初めて、特に危険な南アフガニス
タンのカンダハル州を訪問したことになる。到着直前には、米国の
陣営は、激しい攻撃にさらされ、数人の米兵が負傷した。米国が治
安の責任を担当している南部は、国防軍がアフガニスタン部隊とし
て4,650人と最大の兵を駐留させている北部と比べると、遙かに危
険と見なされている。デ メズィエールは、カンダハルの後に、カ
ブールを訪問する。カブールでは彼は国債アフガニスタン保護部隊
の指揮官を務め米国の将軍アレンと面会する意向である。

トルコはシリアとの国境を閉鎖

シリア反政府勢力がトルコの輸送車を攻撃したこと受け、トルコは
シリアとの国境を大きく閉鎖した。トルコの税関、貿易大臣ヤジチ
の発表によれば、難民と第三国の国籍保有者は今後も、トルコに入
国できるが、トルコ人が陸路を通じてシリアに行くことはできなく
なる。またシリアとの国境を越える交通も、安全面の理由で禁止さ
れている、とのことである。シリア大統領アル・アサドとの戦闘
で、反政府勢力は数カ所の国境通過地点を支配下に収めた。トルコ
政府はアサドに辞任するよう求めた。16ヶ月前から続くシリアでの
暴動では、1万8千人ほどが死亡、数千人が隣国に逃げ込んだ、と反
政府勢力は見積もっている。

英国経済は後退局面に

英国経済は、ロンドンオリンピック開始直前に、深刻な危機に落ち
込んだ。ヨーロッパで3番目の経済大国である英国の国内総生産
は、第2四半期には前期と比べて0.7%下がった、と英国統計局
ONSは発表した。これは2009年の第1四半期の金融恐慌が最も厳
しかった時点以来、最も大きな減少である。英国の国内総生産は、
3四半期連続の後退である。2012年第1四半期には、0.3%の減少
であった。




7月26日(木)

ギリシアには新たな支出削減の用意を完了

高額の負債を抱えるギリシアの政府は、新たな支出削減策で合意し
た、と複数の報道機関が一致して伝えている。これには総額117億
オイロの支出削減が含まれている、と同国大蔵省の発表を引用して
報じている。最も厳しい支出削減で、ギリシアの年金受給者が影響
を受ける、とのことである。同国大蔵大臣ヤニス ストゥルナラス
は、この間にアテネで、EU委員会、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨
基金の代表と会談した。このいわゆる三極は、現在ギリシアの財政
状況と、合意した支出削減および改悪計画の実施状況について検討
を行なっている。ギリシアがさらなる支援を得られるかどうかは、
本質的に三極の報告次第である、とのことである。木曜日夕刻に
は、EU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾがアテネに到着する
予定である。

     その他のニュース

スペインの追加支援を検討

スペインの財政状況が危機に瀕していることを受け、オイロ使用国
連合は、スペインを支援するために、新たな方策を探っている模様
である。「南ドイツ新聞」によれば、同国の金利負担を軽減するた
めに、オイロ救済基金EFSFを経由して、同国国債の買い上げを検
討している。スペン政府が動議を提出すれば、行動を起こす用意は
できている、とあるEUの外交官は同紙に述べた。1週間前にオイロ
使用国連合は、疲弊したスペインの銀行に対して、総額1千億オイ
ロの支援計画を最終的に可決したばかりであった。しかしそれ以
来、オイロ使用国としては第4の経済大国である同国は、金融市場
では大きな圧力にさらされている。

激しいアレッポ攻防戦

シリアの都市アレッポでは、反乱勢力と政府軍が激しい戦闘を繰り
広げている。反政府勢力の発表によれば、蜂起勢力は軍の大攻勢に
抵抗しており、政府軍は戦闘機も投入した。首都ダマスカスでも、
戦闘は続いている。目撃者は、爆発音と機関銃の発砲音が聞こえ
た、と伝えている。戦闘に絶え間がないため、本来はシリアの停戦
を監視するはずであった非武装の監視団150人を、国連は帰国させ
た。国連事務総長潘は訪問先のボスニア・ヘルツェゴヴィナで、シ
リアの大量殺戮を中止させるための緊急提言を、各国に提出し、世
界各国は、激しい人権侵害を阻止する義務を負っている、と述べ
た。

オバマは武器をよりうまく監視するのに力を注ぐ

コロラド州でいわゆる映画館大量殺戮が起きたことを受け、米国大
統領オバマは、武器の販売をよりうまく監視するのに賛成である、
と述べた。彼はニュー オーリンズでの集会で、暴力を減らすため
の対策に関して、国会で合意を得るつもりである、武器に関する問
題に言及すると、今までこれに関する試みはくじかれてきた、と述
べた。憲法がすべての米国市民に武器を持つ権利を与えてはいる
が、自動小銃が犯罪者の手に入らないようにし、米国の各都市の路
上で捜査を行わなくてすむようにすることについて、多くの武器所
有者も自分に合意する可能性がある、とも語った。先週金曜日に
は、ある学生がデンヴァー近郊のオーロラにある映画館で、バット
マンの新作映画の封切りで、12人を射殺していた。




7月27日(金)

メルケルとオランドはオイロ使用地域を防衛する方針

ドイツとフランスは、あらゆる手段を使って、オイロ使用地域を防
衛する方針である。首相アンゲラ メルケルとフランス大統領フラ
ンソワ オランドの共同声明の中で、両国はオイロ使用地域を守る
ために、あらゆる事を断固行なう、加盟国とヨーロッパの機関は、
そのために義務を果たさなければならない、と述べられている。さ
らにヨーロッパの統合をさらに進めるために行なわれた先のオイロ
使用国首脳会談の決定は、早急に実施に移さなければならない、と
も記されている。

     その他のニュース

三極はギリシア政府の監視を続ける

ギリシアの首都アテネでは、いわゆる三極が、首相サマラスと話し
合った。この会合は、具体的な成果を上げることなく終了した。
EU、ヨーロッパ中央銀行、国際通貨基金の三極は、現在ギリシアの
支出削減および改革の課題の実施状況を監視している。財政的に窮
状にあるスペインにとって、次回の巨額の支援が行われるかどうか
は、それにかかっている。今後2年でおよそ115億オイロの支出削
減を行い、30億オイロの増税を行う、とギリシアは約束している。
この措置により、国家の負債を減らすことになっている。9月上旬
には、三極は支出削減の進展を、最終的に評価する意向である。

スペインの失業率は25%ほど

スペインの2012年第2四半期の失業率は、初夏には観光業を中心
に、多くの人が雇い入れられるのが通例になっているにもかかわら
ず、記録的な水準の約25%に増加した。6月末にはおよそ570万人
が失業中で、これは24.6%に相当する、と統計局は発表した。第1
四半期の失業率は、24.4%であった。若者の場合、情勢は悲惨で、
ほぼ2人に1人に職がない。オイロ使用地域でスペインほど失業率が
高い国は、他にはない。スペインは高い失業率だけでなく、景気後
退とも戦わなければならない。高額の負債を抱える同国の国債の金
利は、先週さらに値上がりした。

米国は大量殺戮に警告 アレッポ情勢は緊迫の度を増す

数日前から攻防戦が行なわれているシリアの百万都市アレッポは、
今後によっては情勢を左右しかねない戦いにさらされている。ロン
ドンに拠点を持つ「シリア人権監視団」は、軍はヘリコプターから
同市を銃撃し、市の中心部では地上軍が投入されている、と伝え
た。蜂起勢力は、軍の大攻勢に備え、数百人の戦闘員が市内を封鎖
した、とのことである。米国は大量の部隊が集結しているのを見
て、大統領アル・アサドの政権に対して、大量殺戮を行わないよう
に、と警告した。アサド軍のアレッポへの進軍を、米国政府は緩み
を見せている同国の支配体制を、再び手に入れようという破れかぶ
れの努力ではないか、と見ている。ドイツ外相ヴェスターヴェレ
は、中国とロシアに対して、アサド政権をこれ以上支援したり、国
連安全保障理事会で、より厳しい制裁実現を妨害する態度を取るの
をやめるよう、緊急に訴えた。




7月28日(土)

反乱勢力「アサド軍はアレッポ大侵攻を開始」

シリア政府軍は、数日前から予想されていたアレッポ大進軍を開始
した。反政府勢力によれば、政府軍は百万都市であるアレッポを現
在、戦闘用ヘリコプターから砲撃している。反乱勢力をその支配下
にある町の一画から追い出そうとしている。アレッポの複数の地区
では、ロンドンに亡命している「シリア人権監視団」によれば、蜂
起が始まってからもっとも激しい戦闘が行なわれており、多くの蜂
起勢力が立てこもっていたサラヘディン地域を巡って、激しい戦闘
が行われている。シリア経済の中心であるアレッポを巡る攻防戦
は、1年半前から続く紛争を決着させる上で決定的なものである、
と見られている。内戦の圧力を受け、大統領バシャール アル・ア
サドは、シリアのクルド人地域から戦闘地域に部隊を移動させた。
未確認情報によれば、複数のクルド人組織が、トルコとの国境地帯
の自治国にたどり着くために、この機会を利用しようとしている、
とのことである。

     その他のニュース

国連は武器取引の監視に関する会議を開くも成果なし

巨額の武器の国際的な取引に関する規則を作るための国連の会議
は、失敗に終わった。ほぼ1ヶ月間、190を超える国の代表団が、
武器売買の監視に関する国際的に通用する条約を初めて結ぶため
に、合意を目指していた。この案には、人間性に対する犯罪あるい
は戦争犯罪に使われる可能性がある場合には、武器の輸出を国家に
よって禁止することを含んでいた。さらにこの条約は、テロリス
ト、反政府勢力、あるいは犯罪者が武器を手に入れることを阻止す
ることを目指していた。米国は弾薬類をこの条約に含めるのに反対
した。交渉でさらに対立した点は、武器の商業的な取引と、物資の
無料の供与の違いであった。中国はこの条約は、商業取引にのみ当
てはめることを求めていた。

フリードリヒは連邦警察の幹部を罷免との報道

連邦内相フリードリヒは、連邦警察の幹部を完全に交代させるつも
りの模様である。「フォークス オンライン」は、連邦警察長官ゼ
ーガーおよび彼の代理2人が退任する模様である、との情報を伝え
たが、連立政権筋はこれを認めた、とのことである。それによれば
ゼーガーの後任は、内務省でテロ対策局の局長をつとめるローマン
になる、とのことである。今のところ内務省はこれを確認していな
い。連邦検察は2005年に、もと連邦国境守備隊から生まれたもの
である。

ショイブレ「スペインに対する支援計画はない」

連邦蔵相ショイブレ(キリスト教民主同盟)は、オイロ危機の中
で、スペインに対するさらなる支援計画は当面はない、と否定し
た。スペイン政府からこれに関する申し入れが行われるのではない
か、との観測があるが、これは「あたっていない」と「ヴェルト」
紙日曜版で彼は述べた。複数の報道機関がこれより前に、ヨーロッ
パ中央銀行とオイロ救済基金が、高い金利を押さえ込むために、ス
ペインの国債を購入する、と報じていた。ショイブレは、スペイン
の銀行に対する先に支援で、「十分に大きな支援策」が取られてい
る、と強調した。月曜日にはショイブレは、観光地ズィルトで、米
国蔵相ガイトナーと、ヨーロッパと米国の経済情勢について協議し
ていた。




7月29日(日)

シリアの反乱勢力はアレッポへの攻勢に抵抗

大規模な軍事攻撃が行われているにもかかわらず、大統領バシャー
ル アル・アサド率いるシリア政府軍は、経済の中心都市アレッポ
を、再び制圧することができなかった。通信社によれば、軍は2日
連続して同市北西部を、戦車、大砲、ヘリコプターで攻撃した。ア
レッポの反乱軍の長アブデル ジャバール アル・オカイディは、
諸外国に対して攻撃を行ない、飛行禁止地域を設定するように呼び
かけた。アレッポでの暴力が続いているため、諸外国が派遣してい
るシリア特使コフィ アナンは、政府軍と蜂起勢力に対して、人道
的な国際法を守るように呼びかけ、いかなる流血の行為も回避しな
ければならない、と述べた。
シリアの隣国ヨルダンは、難民の数がふくれあがっているため、大
きな難民収容所を初めて開設した。公式発表によれば、テント村は
約14万人を収容可能である。トルコへの避難民の波は続いている。
日曜だけで2百人以上が内戦を逃れて、トルコへ逃げ込んでいる。

     その他のニュース

ルーマニア大統領バセスクに関する国民投票

ルーマニアでは国民が、保守派の大統領バセスクの罷免に関する国
民投票を行なった。世論調査によれば、ルーマニア人の3分の2は、
大統領に反対している。しかし国民投票が効力を持つのは、有権者
1,830万人の少なくとも5割が投票した場合に限られる。政府はで
きるだけ投票率を上げるために、投票所の開場時間を、中部ヨーロ
ッパ夏時間の22時まで延長した。最終的に56%が投票した6月の地
方議会選挙と、今回の投票は午後の時点では同じぐらいの投票率で
あった。専門家は、必要な過半数に達しないのではないか、と見て
いる。首相ポンタ率いる左派・自由主義政権が、この投票を発議し
た。数週間前から彼らは、60歳の保守派の大統領と、権力争いを続
けている。国会では、バセスクが権限を踏み越えたとして、政府多
数派が彼から大統領職を剥奪した。ドイツと他のEU加盟国、EU委員
会は、この手続きを厳しく批判している。今やルーマニア市民が自
らの意志を示す時点である。

メルケルとモンティはオイロ地域の防衛を確認

連邦首相メルケルとイタリア首相モンティは、オイロ地域を防衛す
るためには、あらゆる事を行なうつもりである、と政府広報代理シ
ュトライターはベルリンで発表した。両者は電話会談で、6月末の
EU首脳会談の成果を、できるだけ早い時期に実施に移す事で合意し
た、その合意によれば、国家財政の状況がよいEU加盟国は、国債を
購入するなどして、現在の救済の傘EFSFそして計画中のESMを支え
ることができることになっている。金曜日にはメルケルはフランス
大統領オランドと、オイロ地域の情勢に関して電話で話し合い、協
力してオイロを防衛することを確認していた。

ロムニーはイランの核兵器の危険性を強調

米国共和党の11月の大統領選挙の有力候補ロムニーは、イランの核
武装に関する警告を発した。彼はイスラエル首相ネタニヤフとエル
サレムで会談し、この危険性を真剣に受け止めている、と述べた。
ネタニヤフは、イランへの制裁および話し合いは、今まで何の効果
も上げなかったので、イラン政府に対しては「制裁を含め強力な軍
事的な威嚇」が必要である、と語った。イランは、秘密裏に核爆弾
の製造を目指している、との容疑が持たれている。イラン政府はこ
れを否定している。イスラエルでは、イランに対する軍事攻撃が公
に議論されている。ロムニーは1週間の国外訪問を行ない、世界各
地に名前を広めようとしている。




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