8月13日〜19日のドイツのニュース



8月13日(月)

エジプト人は軍指導部の後退を歓迎

エジプトの一般大衆の広い層は、イスラーム教徒の大統領モハメド
 ムルシが、今までの軍指導部から権力を奪ったことに賛意を示
し、受け入れた。ムルシは日曜日に、国防大臣モハメド フセイン
 タンタウィと参謀総長サミ アナンを解任した。長年にわたって
大統領をつとめたホスニ ムバーラクの腹心であったタンタウィ
は、2011年2月のムバーラク失脚後も、軍事最高評議会の議長を
務め、移行期間中にエジプトの権力を保持し続けていた。ムルシは
週末に、軍が大統領の権限を制約する憲法の条文を、無効である、
と発表していた。ムルシがその権限を有しているかどうかは、司法
関係者内部でも、異論がある。軍部は権力を喪失を甘受している模
様である。カイロからの情報では、解任された将軍たちが間もなく
暴動を起こすことを示す兆候はない。

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シリアの反乱勢力は飛行禁止地域の設定を求める

シリアでは反乱勢力は、大統領アル・アサドの政府軍に対抗できる
ように、飛行禁止空域の設置を重ねて求めた。蜂起勢力は政府軍の
戦闘機の妨害を受けなければ、もっと広い地域を制圧できる、と反
乱勢力の指揮官アラーは述べた。国連安保理が昨年リビアで行なっ
たのと同様の飛行禁止空域の設定は、シリアでは不可能であると見
られている。西側諸国と反対に、拒否権を持つロシアと中国は、相
変わらずアサド政権を支持している。反乱勢力は政府軍の戦闘機
1機を撃墜した、との情報もある。蜂起勢力は、同国東部のデイル
 アル・ソル州で起きたこの撃墜の映像を、インターネット上の
YouTubeにのせた。

ヴァティカンは教皇の元近侍を訴える

ヴァティカン司法は、教皇ベネディクト16世の秘密文書を公開した
件で、教皇の元近侍ガブリエレに対する訴訟を起こす。ガブリエレ
いは重大な窃盗の容疑がかかっている。またヴァティカン広報ロン
バルディは、担当する予審判事が、いわゆる「ヴァティリークス」
事件に関連して、情報科学者スキアルペレッティに対しても、ヴァ
ティカン(最高の機関である)国務省から、幇助容疑で訴えを起こ
す、と発表した。近侍ガブリエレは、教皇の執務机から秘密文書を
盗み出し、そのうちから問題をはらんだものを報道機関に届けてい
た、とされている。有罪判決が出れば、ヴァティカン法によって、
彼には6年から8年の拘留が言い渡される可能性がある。

委員会はブレイヴィク襲撃には当局にも責任があるとする

オスロとウトヤ襲撃の検討を行う独立委員会は、ノルウェイ警察を
厳しく糾弾した。首都オスロの官庁街での爆弾攻撃は、それまでに
認められていた治安対策が、効果的に実施に移されていれば、阻止
することが可能であった、と同委員会は首相ストルテンベルグに提
出される報告書で述べている。警察がもっと迅速に対応していれ
ば、ブレイヴィクの保養地ウトヤ島での銃乱射を、もっと早く止め
られたkの雨声がある、とも記されている。ブレイヴィクは昨年
7月に、オスロとウトヤで、合わせて77人を殺害していた。




8月14日(火)〜8月15日(水)


お休みです。




8月16日(木)

エクアドルはウィキリークス創設者アサンジの亡命を受け入れる

ジュリアン アサンジはエクアドルに政治亡命している。南米の同
国の外務大臣リカルド パティーニョは、キトでの記者会見で、ウ
ィキリークスの創設者である彼が米国で迫害される危険から、命を
守るために、この決定が下された、と述べた。アサンジはスウェー
デンへの引き渡しを避けるために、6月にロンドンのエクアドル大
使館に逃げ込んだ。スウェーデンでは彼には、性犯罪容疑が持たれ
ている。オーストラリア人である彼は、最終的には米国へ引き渡さ
れ、そこでウィキリークスが持つ破壊力の強い情報暴露力のため、
法的に訴追されることを恐れていた。ウィキリークスは、米国の秘
密急送公文書など数十万通を公開し、それにより米国政府の怒りを
買っていた。
英国は亡命の決定が出される直前に、アサンジをいかなる場合でも
引き渡すつもりである、と強調していた。パティーニョは、英国政
府はロンドン大使館を襲うとすら威嚇した、と述べた。

     その他のニュース

メルケルは初めてカナダを訪問

連邦首相メルケルは、カナダ首相ハーパーから、軍隊式の出迎えを
受けた。その後保守派の両首脳は、第1回の話し合いに戻った。議
題はオイロ危機、近東およびアフガニスタン情勢、気候変動と見ら
れる。ドイツとカナダは原料およびエネルギー部門での協力を拡大
する方針である。オタワに到着する前にメルケルは、カナダ政府が
国家財政の厳しい原則を明確な経済成長に結びつけているのは、オ
イロ危機克服の模範と見ている、と明言していた。

中国はシリアに対話を呼びかけ 国連は戦争犯罪を弾劾

中国はシリア政府に、対話と改革を呼びかけている。外相楊は、イ
ラク政府に対して、国民の変化を求める願いを叶えるため、実質的
な措置を取るように求めた。シリア大統領顧問シャーバンと北京で
話し合った後、中国はシリア情勢について「きわめて心配してい
る」と述べた。中国はシリアの数少ない友好国の一つで、ロシアと
共に国連安全保障理事会のシリア決議を、3回に渡って不成立に追
い込んでいた。一方シリアの戦闘機が、反乱勢力が支配するアサス
市を爆弾で攻撃し、人権団体「人権監視団」によれば、女性と子供
を含め、40人以上が死亡、1百人以上が負傷した。国連はこの間
に、シリアでは戦争犯罪が行なわれている、と発表した。国連人権
評議会は、政府軍とそれに近い立場の民兵が、5月に起きたフラで
の大量殺戮に責任がある、と述べた。この事件では、1百人を超え
る民間人が殺害された。ただし蜂起勢力も小規模とはいえ、戦争犯
罪を犯した、とも述べた。一方国連の集計では、内戦中の同国では
250万人が緊急に支援を必要としている。

パキスタン空軍基地が攻撃を受ける 9人が死亡

蜂起勢力がパキスタン北部パンジャーブ州の空軍基地を襲撃し、少
なくとも9人が殺害された。軍の発表によれば、重装備の攻撃犯が
水曜日夜に、首都イスラマバードの北西約60キロのカムラにあるミ
ンハス基地を襲撃した。その後彼らは、2時間以上にわたって、治
安部隊と戦闘を繰り広げた。その際に銃撃、ミサイル発射、榴弾の
爆発音が聞かれた、と治安当局の代表は述べた。それによれば、こ
の戦闘で治安部隊の少なくとも1人とイスラーム教徒と見られる8人
が死亡した。中央パキスタンのパンジャーブ州にある基地には、パ
キスタン空軍の建築部門が駐留している。現地ではミラージュ型戦
闘機とJF-17型戦闘機が配備されている。犯行声明を出したもの
は、今のところいない。ただし過去に数回にわたって軍の基地を襲
ったパキスタンの反乱勢力タリバーンが、主な容疑者である。




8月17日(金)

パンクバンド「プッシー ライアット」は懲罰収容所入り

ロシアのパンクバンド「プッシー ライアット」の3人は、2年間に
渡り拘留を受けなければならない。モスクワのハモーヴニキ裁判所
は、被告たちは違法な宗教行為を行なった、ナジェージダ トロコ
ンニコワ、マリア アリョーヒナ、エカチェリーナ サムツェヴィ
ッチの抗議活動により、「その場にいた信徒に精神的な苦痛」が生
じた、との判決を下した。彼女たちは、懲罰収容所で刑期を過ごさ
なければならない。裁判官は、量刑を決定するにあたって、情状酌
量を行ない、より穏やかな判断をした、と述べた。ほぼ6ヶ月にわ
たる未決勾留期間は、刑期に含められる。検察は3年間の拘留を求
刑していた。3人のモスクワ女性は2月にモスクワの救世主キリスト
大教会堂で、プーチンに批判的ないわゆる「パンク礼拝」で歌って
いた。ドイツ外務大臣グイド ヴェスターヴェレは、今回の判決は
このバンドの行動とは無関係である、と批判した。連邦政府の人権
委員マルクス レーニングは、この判決はロシア司法の状況を、は
っきりと表している、と述べた。

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裁判所は国防軍の国内での活動をさらに限定する

連邦憲法裁判所は、国防軍の国内での活動の範囲を、より限定的な
ものとした。カールスルーエの同裁判所の裁判官たちは、原則を示
す判決の中で、国防大臣ではなく連邦政府だけが、国内の安全を守
るために、軍を投入するよう命ずることが許される、との判断を下
した。これにより防空法には修正が必要となる。国防相デ メズィ
エールと内相フリードリヒは、カールスルーエの裁判官たちの判断
は、極端な場合でも国民の安全を保証しなければならない、という
政府の法解釈を核心部分では認めたものである、と述べた。この判
断によれば、国防軍はテロ防衛のために、今後は国内でも投入が可
能となる。しかしテロ攻撃を受けた場合には、旅客機を撃墜するの
は禁止されたままである。緑の党は、キリスト教民主、社会同盟に
とって、これは「大きな音を立てる平手打ち」であると述べた。一
方左翼党は「裏口での憲法改正である」と述べた。

正教とカトリック教会は和解を呼びかける

ロシア正教会総主教キリルと、ポーランドのカトリック司教会議議
長大司教ミハリクは、ワルシャワで歴史的と見られる和解の訴えに
署名した。この声明の中で、ポーランドとロシアの信徒に、しばし
ば流血の事態となった両国の歴史を、過去の時代のものとし、両国
の各人は、相手国の各人を兄弟そして友人と見てほしい、と呼びか
けが行なわれた。キリルは、1千年にわたる緊張に満ちたカトリッ
ク教会と正教会の緊張に満ちた関係のなかで、ロシアの教会の長と
して初めて、ポーランドを訪問した。

ダマスカスとアレッポで激しい戦闘

シリアでは政府軍と反乱勢力が、相変わらず激しい戦闘を続けてい
る。ロンドンにある「シリア人権監視団」によれば、ダマスカスの
最重要軍港の近くで、軍と蜂起勢力が戦闘を行なった。また北部の
経済都市アレッポでは、シリア軍が再び、反乱勢力が手中において
いる町の一角を銃撃した、とのことである。アレッポ攻防戦は、ほ
ぼ4週間にわたって行なわれている。ニュー ヨークの国連本部に
いる西側外交官の情報によれば、アルジェリアの元外相ブラヒミ
は、シリア仲介役アナンの後任を引き受ける、と原則的に約束した
が、ただし彼はもう1つの委託も求めている。アナンは任期の終わ
りに進展が見られないことに失望して、退任していた。




8月18日(土)

プッシー ライアットの有罪判決に抗議が続く

ロシア政府に批判天気な女性パンクバンド「プッシー ライアッ
ト」の3人に拘留刑が言い渡され、世界各地で抗議が起きた。ドイ
ツ首相アンゲラ メルケルは、2年間の懲罰収容は、ヨーロッパ的
な法治主義および民主主義の価値観と一致していないが、ロシアは
ヨーロッパ評議会の一員としてこれを支持した、と述べた。世界各
地の多くの都市で、この若い女性たちに、連帯する集会が開かれ
た。この判決が発表されたモスクワの裁判所の建物前では、警察が
数十人のデモ隊を逮捕した。プーチンに批判的で、チェスの元世界
王者ガルリ カスパロフも、一時逮捕された。彼は警察に殴られ
た、と非難した。一方警察は、カスパロフが警官の指にかみつい
た、と非難した。

     その他のニュース

シリア特使ブラヒミは過大な期待を持たないようにと述べる

国連のシリア新特使に指名されたことを受け、ブラヒミは、シリア
への軍事介入に関す議論が行われる中、不信感を表明した。軍事的
な選択肢について語ることは、外交的交渉を断念することを認める
のに等しい、とアルジェリア元外相である彼はAP通信に述べた。米
国とEUは、78歳の彼を全面的に支援する、と約束した。ブラヒミ
は、停戦を巡る努力が実を結ばず、今月初めに退任した国連元事務
総長アナンの仕事を引き継ぐ。この間に最後の国連監視団員が、シ
リアからの撤退を開始した。暴力を押さえ込もうという諸外国によ
る努力が失敗したことを受け、国連安全保障理事会は監視団の活動
を終えることを決定していた。

アサド軍はアレッポとその他の都市を銃撃

活動家の情報によれば、シリアでは政府軍が、攻防戦が繰り広げら
れているアレッポの住宅地2カ所が、夜間爆撃を受けた。ブスタン
 アル・カルス地区では、現地の反乱勢力の指揮官が死亡した、と
ロンドンにある「シリア人権監視団」は発表した。ホムスとヒラク
の両市の街区も、大統領アル・アサド政府軍の銃撃を受けた、との
ことである。同団によれば、アレッポ近郊の反乱軍の拠点アサス
を、空軍が攻撃した。この地域では水曜日にも空爆が行なわれ、
40人ほどが死亡していた。また金曜日の戦闘では、全国で129人
が死亡し、うち 90人が民間人、10人が反乱勢力、29人が兵士で
あった、とのことである。

南ア鉱山での暴力事件後警察の内部捜査が行なわれる

南アフリカ警察の秘密捜査陣が、プラチナ鉱山で起きて死者も出し
た衝突事件の捜査を開始した。現地では警官がストライキ中の労働
者と衝突して、炭鉱労働者34人を射殺していた。当局の代表は、捜
査陣はマリカナ炭鉱の衝突現場に入っており、彼らの任務は、警察
の出動が、炭鉱労働者による威嚇との関連で生じたのかどうかを解
明することである、と発表した。警官は、発砲したのは自衛のため
であり、スト参加者は武装していた、と述べていた。大統領ズマは
この炭鉱を訪れ、調査委員会を設置すると予告した。




8月19日(日)

ドイツの海軍船舶がシリア沿岸を航行

ドイツは今まで発表してきたよりも、シリア紛争により強く参加し
ている模様である。「ビルト」紙日曜版によれば、ドイツ海軍の偵
察用の艦艇が、シリアの沿岸を航行しており、この船は連邦情報局
の最新型スパイ技術を艦上に搭載し、これを用いて海岸から6百キ
ロほど離れた地点までシリアでの軍の動きを監視する。シリア治安
部隊の軍事行動などについての治験は、米国および英国の情報部に
渡され、そこからさらにシリアの反乱勢力に届けられる、とのこと
である。ベルリンの国防省は、海軍の艦艇が東地中海で活動してい
ることだけを認めた。同省広報は、作戦に関する詳細について、同
省は原則的に情報を発表しない、と述べた。

     その他のニュース

アサンジは今後について沈黙し、支援に感謝

ウィキリークスの創設者アサンジは、ロンドンの公の場で、エクア
ドルの支援に感謝する発言を行なった。また彼は米国に対して、自
分のインターネット上のサイトであるウィキリークスを迫害をやめ
るように、呼びかけた。41歳の彼は、エクアドル大使館のバルコニ
ーから発言した。南米の同国は、彼の亡命を認めたが、英国は彼が
大使館の建物を離れた場合には逮捕し、スウェーデンに引き渡す、
と威嚇している。スウェーデンでは彼は、性犯罪容疑で尋問される
ことになる。オーストラリア人である彼は、その後米国に引き渡さ
れ、イラクおよびアフガニスタンでの戦争に関する秘密文書を、ウ
ィキリークスをを通じて公表した容疑で、法的な追及を受けること
になる、と懸念している。

スーダンで飛行機が墜落 死者発生

スーダンでは飛行機が墜落し、現地での報道によれば、32人が死亡
した。その中には宗教問題担当相、青少年およびスポーツ担当相、
観光相も含まれている、と現地の通信社Sunaが伝えている。また
死者の中には、秘密情報部員、軍関係者、国営放送の局員もいる、
とのことである。この飛行機は、イスラーム教徒の断食月ラマダー
ンが終わるのを祝うために、同国南部に政府代表団を運ぶことにな
っていた。同機は、1年以上前に分離独立した南スーダンとの国境
の目的地タロディ近郊の山中に墜落した、と同通信社は報じた。原
因は不明である。

350人以上の難民がイタリア沖で救助される

今週末のイタリア沿岸では、350人以上の難民が2隻の船舶に救助さ
れ、ランペドゥーサ島に運ばれた。湾岸警備隊によれば、船のうち
の1隻には、サハラの南の国々出身の231人が乗っていた。2隻目
の船は全長10メートルの救命ボートで、これは126人のチュニジ
ア人であふれていた。この何mんはシチリアに運ばれることになっ
ている。彼らのうち多くは、故郷に追放される、と見られている。
過去数ヶ月で、難民の波は減少していた。火災後に一部だけ再建さ
れたランペドゥーサ島の収容所は、ほとんど新規の受け入れはでき
ない。




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