9月24日〜30日のオーストリアのニュース



9月24日(月)

     国外ニュース

シナイ半島の攻撃犯14人のイスラーム教徒に死刑判決

エジプトの裁判所では、月曜日に14人の武装イスラーム教徒に死刑
を言い渡し、別の4人には終身刑を言い渡した。有罪判決を受けた
者達は、昨年シナイ半島で襲撃を行ない、複数の人を殺害した責任
があるとされた。専門家からは、この判決は「画期的」で、長年に
わたって大統領を務めたムバーラクが失脚した後、シナイ半島で暴
力の連鎖を生んできた「武装した者たちに対する明確な意志表示」
である、と評価した。

     国内ニュース

年金改革問題で専門家の呼びかけに厳しい批判

50人を超える社会福祉の専門家、経済学者、企業経営者は、オース
トリアの年金制度の抜本的な改革を求めている。彼らの計画には、
年金受給年齢を柔軟にして、今後この制度を掛け金口座を通じて、
使用目的が決まった国の補助金へと移すことが含まれている。現在
のものと似た年金制度を維持するためには、4年ないし5年長くは足
らなければならない。改革案に対する厳しい批判を、オーストリア
労働組合連合、労働者会議、高齢者代表は述べている。彼らは「社
会的に不合理な状況」が生まれ、大幅な加入料の引き上げが起こる
のではないか、と懸念している。




9月25日(火)

     国外ニュース

ギリシアは間もなく全面スト

新たな支出削減策に対する抗議から、ギリシアでは再び全面ストが
行なわれる。水曜日には、公および民間の部門で被雇用者ストを行
なう方針である。銀行および郵便局の支店は閉鎖されたままで、航
空管制官および鉄道のストは、交通の大きな障害となると見られ
る。115億オイロの支出削減に関する合意は、この間にもまだ成立
していない。火曜日には政府は、返済の延期を行なうとギリシアは
120ないし150億オイロの負担が増える、と認めた。ヨーロッパ中
央銀行は、これ以上の負債の削減策を持っていない、と明確にし
た。

     国内ニュース

雑誌広告問題で汚職調査委員会は「証人の削減」を開始

汚職調査委員会は、3週間遅れで、雑誌の広告問題にようやく取り
組む。この件では、連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主
党)の疑惑が問題となっており、彼は基盤整備大臣時代(2007年
から8年)に、高額の広告で宣伝をうち、大衆新聞に有利になるよ
うにしたが、その代金はオーストリア労働組合連合と高速道路資金
調達会社に支払わせた、というものである。ファイマンと労働組合
連合はこの疑いを否定しているが、元同連合会長シュテファン ウ
ェーヒンガーはファイマンと政務次官ヨーセフ オスターアイアー
(社会民主党)を、みずから広告を出して、厳しく批していた




9月26日(水)

     国外ニュース

中国から衝撃的な映像 デモ隊をローラーで処刑

現在中国の都市長沙で撮影されたと見られる映像が、一気に広がっ
ている。この映像は、土地を収用することに抗議して、ローラー車
で処刑されたデモ参加者の姿を写している。国営放送は、これに関
する報道を全力を挙げて否定しようとしているが、この犯罪の映像
と報道は、すでに中国の広い地域で、密かに広がっている。ひき殺
されたデモ参加者は、1989年の天安門広場で戦車に立ち向かった
名も知られていない人物同様、象徴的な人物となる。

     国内ニュース

汚職調査委員会でファイマンの元広報には多くの質問に答えず

水曜日に汚職調査委員会は、証人がただ1人で続けられた。当時基
盤整備大臣であったファイマン(社会民主党)の元広報トーマス 
ラントグラーフは、雑誌広告事件の闇にほとんど光を当てることは
できなかった。オーストリア労働組合連合と高速道路資金調達会社
ASFINAGの報道機関への協力を、同省が発案し、仲介したが、その
契約を結ばせたわけではない、と彼は述べた。ただし、ラントグラ
ーフはいくつかの詳細について、思い出すことができていない。




9月27日(木)

     国外ニュース

「ドイツ統一の首相」コールに記念式でお辞儀

「信頼の首相」として彼は「社会復帰」に取り組んでいるようであ
る。ヘルムート コールが、首相に就任してから30年になるのを記
念する式典が、木曜日午後にドイツで行われた。首相の後継者アン
ゲラ メルケルは、政党資金事件が起きてから彼に対して錯綜した
態度を取っていたが、今回は褒め称える言葉を述べた。コール自身
退任後、病気で厳しい状況にあるが、政界に対して、ヨーロッパ統
一という考え方に貢献するように呼びかけた。

     国内ニュース

シュトローナハの党結成集会にたくさんの人が押し寄せる

木曜午後にフランク シュトローナハに結党集会に、1千5百人の人
が参加し、大きな雑踏を生んだ。産業界は、ニーダーエスターライ
ヒ州のエープライヒスドルフにある彼の「マグナ  ラチーノ」に
招待された。ただし要人は姿を現さなかった。シュトローナハは、
前日の記者会見で、50分の演説を行ない、新党の基本方針を説明し
ていた。




9月28日(金)

     国外ニュース

教皇の従者が法廷に ヴァティカンの真実が暴かれる時

暴露事件がヴァティカンを混乱に突き落とした。教皇の私室から秘
密のそして大きな影響力を持つ文書が、今年の初めに報道機関にも
たらされ、陰謀と苦境についての情報が漏洩した。数ヶ月にわたっ
て、あちこちが捜査された。ベネディクト16世の元侍従長パオロ 
ガブリエレが、文書の窃盗容疑で法定で責任を問われる。現在、こ
れが氷山の一角に過ぎないかどうか、そしてベネディクト周囲にこ
れ以外に犯人がいるかどうか、推測がなされている。

     国内ニュース

汚職調査委員会では元高速道路資金調達会社広報も発言を拒否

汚職調査委員会では発言拒否が増えている。高速道路資金調達会社
ASFINAGの元広報マルク ツィマーマンは、連邦首相ウェルナー 
ファイマン(社会民主党)の雑誌広告事件について、発言をするこ
とになっているが、火曜日にも出席をしない。APA通信が昨日これ
を調査委員会から知らされた。本来であればツィマーマンは、9月
26日に発言を行うことになっていた。彼は代わりの日程として、木
曜日15時を申し入れた、と国会は発表した。




9月29日(土)

     国外ニュース

トルコ首相エルドアンは未来に向けて方針転換

およそ10年間、首相エルドアンはトルコで支配を続けてきた。彼の
イスラーム教に基づく保守派の校正発展党の党大会は、58歳の彼に
とって、日曜日は未来に向けて方針転換する日となる模様である。
トルコで過去数年の改革の方針を維持するか、それとも同国を再び
独裁的な方向に導くかが、特に大きな問題である。「ボスポラス海
峡の強力な男」も、最後の跳躍をして今後に賭けている。

     国内ニュース

フィッシャーは徴兵義務支持の姿勢を強調

連邦大統領ハインツ フィッシャーは昨日、ウィーナー ノイシュ
タット(ニーダーエスターライヒ州)で「少尉の日」に出席し、兵
役義務維持の方針を強調した。ただし彼にとっては、国防軍に改革
が必要であるのは決定済みの事柄である。国防大臣ノルバート ダ
ラボス(社会民主党)は、これに反対して、職業軍人による軍を改
めて支持した。




9月30日(日)

     国外ニュース

シリア紛争:クルド人が不安定要素に トルコへ影響が拡大

シリア軍と反乱勢力の毎日の戦闘が終結しない中、おそらくシリア
のクルド人が、シリア大統領アサド失脚後に向けて準備を進めてい
る。彼らはどちらの側にも与せず、予想される権力の空白を自治
を、必要があれば武器をも行使して、拡大する好機と見ている。た
だしこのような事態になれば、この地域全体がさらに不安定化する
ことになる。というのは、トルコ、イラク、イランは少数派クルド
人を多く抱えているためである。トルコでは最初の影響が早くも目
に見える形になっている。

     国内ニュース

ライムントの作品新たな演出でほこりが払われる

フェルディナント ライムントが演劇界の原因となっている。「ア
ルプスの王と人間嫌い」で知られるオーストリア国民劇場の古典作
家を、原作に十分忠実に演出することはできない、と思う人もいれ
ば、この作品に急進的な解釈を加えるべきだ、と考える人もいる。
これを上演したウィーンのブルク劇場では、土曜日夜から事態はは
っきりしている。第3の道がある。演出家ミヒャエル シャッヒャ
ーマイアーは、ロマンティックで喜劇的な魔法の童話に全面的に読
みかえ、かわいい妖精を生み出し、アルプスの王を頑固者の心理劇
とした。この夜、電子音楽家グスタフが、これに適切な音を生み出
した。



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