10月1日〜7日のドイツのニュース



10月1日(月)

ヴェスターヴェレはシリアに対する人道支援増額を約束

ドイツ外務大臣グイド ヴェスターヴェレは、シリアでの戦闘で流
血が続いているため、人道支援を増強する、と約束した。彼はフラ
ンス外相ローラン ファビウスとバーデン・ヴュルテンベルク州の
ミュルハイムで会談をした後に、国連安全保障理事会の状況が行き
詰まっているため、シリアの人々を助けるのが重要であり、そのた
めには、シリアの反政府勢力を支援することも欠かせない、と述べ
たが、詳細については言及しなかった。ファビウスは、シリアの反
政府勢力に対して、団結するように呼びかけ、ドーハおよびモロッ
コのマラケシュで会談が計画されている、と語った。また彼は、シ
リア紛争は「恐るべき結末」となり、大統領バシャール アル・ア
サドの一族にこの責任がある、と述べたが、フランスが反政府勢力
に武器を提供して支援するかどうか、という質問には否定の回答を
した。

     その他のニュース

シュタインブリュックは全会一致で社会民主党の首相候補に指名

社会民主党は元連邦蔵相シュタインブリュックを、首相候補に正式
に指名した。同党幹部の全員が、65歳の彼を、現連邦首相メルケル
(キリスト教民主同盟)の対立候補とすることに賛成する投票を行
った、と党首ガブリエルがベルリンでの委員会の会議後に発表し
た。形式上は、彼は12月9日にハノーファーで開かれる党大会で、
候補に選ばれることになる。彼は以前には党左派としばしば対立し
ていたが、その理由の一端は、彼が党内の動向をあからさまに批判
したためであった。しかし先日、党幹部の左派陣営も、シュタイン
ブリュックを支持する、と約束していた。連邦議会選挙はおそらく
2013年9月に行なわれる。社会民主党の目標は、緑の党との連立
政権の樹立である。

アルトマイアーは原発の負荷実験に関するEUの報告書を待つ方針

連邦環境相アルトマイアーは、ヨーロッパの原発の負荷実験に関す
るEUの報告書が、正式に公表される前には、その結果については言
及しない方針である。彼は、新聞の報道を信頼していない、とも語
った。「ヴェルト」紙は最終報告を引用して、68あるすべての原発
のほとんどに、安全対策を強化する必要がある、と報じていた。特
にフランス製の原子炉は、実験で悪い結果を出し、ドイツの施設で
は、自信の警戒態勢が不十分であ利、施設の増強に必要な費用は
100億ないし250億オイロである、とも伝えている。EUエネルギ
ー委員エッティンガーの広報は、この報告書が公表されるのは、
10月18日と19日に開かれる次回EU首脳会談になる、この文書作
りの作業はまだ終わっていない、と発表した。負荷実験は日本の福
島の原発事故を受けて、2011年6月に始まった。

メルケルは電気自動車百万台の目標を維持

連邦政府は自動車購入者に慎重にであるにもかかわらず、2020年
までに百万台の電気自動車をドイツの道路を走らせる、との目標を
今後も維持する。連邦首相メルケルは、この目標の数値を「達成す
るのは全く容易ではない」と認めたが、2020年までに「まだ8年
間仕事ができる」のだから、今この目標を放棄するのは誤りであ
る、と述べた。メルケルは政界、工業界、科学者の代表を、首相府
で行われる電力自動車問題に関する幹部会議に招待していた。連邦
政府はドイツを、電気自動車の世界の先駆的な市場にする方針であ
るが、フランスや米国のように購入の手当をつけることは拒否して
いる。ダイムラー社社長ツェッチェは、2020年までに60万台の電
気自動車をドイツの道路で走らせるのは可能である、と見ている。
現在は約4千5百台の電気自動車が走っている。




10月2日(火)

グルジア大統領サーカシヴィリは自党の敗北を認める

グルジアは国会議員選挙後、政権交代にいたる。大統領ミハイル 
サーカシヴィリはテレヴィのインタヴューで、自分の政党「統一国
民運動」の敗北を認めた。彼は、有権者の投票を尊重し、自らのヨ
ーロッパ寄りの政党が野党になる、と述べた。中央選挙委員会の発
表によれば、億万長者ビドシナ イワニシュヴィリが4月に結党し
たばかりの「グルジアの夢」が、すべての票の3分の1強を主計した
時点で、53%を超える支持を集め、優位に立っている。サーカシヴ
ィリの陣営は、わずか41.6%にとどまっている。イワニシュヴィリ
は、来年10月が大統領としての任期であるサーカシヴィリに、辞任
するように求め、来年秋に予定されている大統領選挙を早期に行わ
なければならない、と述べた。ヨーロッパ安全協力機構OSZEは、月
曜日の選挙が、民主的かつ自由なものであった、と賞賛した。

     その他のニュース

ムルシは対話のために将校をダマスカスに派遣

エジプト大統領ムルシは、治安部隊の高位の将校をシリアに派遣し
た。2日間の首都ダマスカス滞在の期間中に、この将校は、治安当
局を中心に、数人の要人と会談する予定である、との情報を通信社
dpaは渡韓だ。イスラーム教徒のムルシは、シリア大統領アサドを
表立って批判しているが、同国への軍事介入は拒否している。9月
中旬にはシリアの内戦を終結させるために、トルコ、イラン、サウ
ジ・アラビアと共に、いわゆる「地域発議」を提出する、と予告し
ていた。

ドイツ統一の日を祝う国民祭が始まる

ミュンヒェンでは、ドイツ統一の日の中央式典が始まった。バイエ
ルン州首相ゼーホーファーは、ルートヴィヒ通りで、「バイエルン
で共に祝おう」という標語を掲げた2日間の国民祭を開始した。冒
頭でゼーホーファーは、ドイツ人は過去22年間で成し遂げたことを
誇ることができる、と述べた。この祭は、カトリックとプロテスタ
ントの共同礼拝と、10月3日の式典で、最高潮に達する。これには
連邦大統領ガオク、連邦首相メルケル、連邦憲法裁判所長官フォー
スクーレも出席する予定である。バイエルン州が現在、連邦参議院
の議長を務めているため、ミュンヒェンが統一記念式典を主催す
る。

ナイジェリアでは武装した者が学生寮で凶行

ナイジェリアでは何者かが学生寮を襲撃し、凶行に及んだ。ナイジ
ェリア当局の情報によれば、この事件が起きたのは、ムビ市の工業
大学近くである。イスラーム教の一派ボコ ハラムは、この地域で
数回にわたって学生組織を襲撃していた。数日前には治安部隊が同
市で、武装した一派に対して、大規模な作戦行動を取っていた。こ
の一派は、西洋風の生活様式一切を拒否し、ナイジェリアにシャリ
ア法に基づく神の国を建国するつもりである。




10月3日(水)

連邦議会議長はヨーロッパのさらなる連帯を呼びかけ

連邦議会議長ノルバート ラメルト(キリスト教民主同盟)は、ド
イツ統一の日に、ドイツ再統一がヨーロッパの次元で持つ意義を強
調した。ヨーロッパ分断が克服されなければ、ドイツの統一は不可
能であった、と彼はミュンヒェン国立歌劇場での中央式典で述べ
た。またラメルトは、オイロ債務危機に対する反応として、国民国
家が新たな競争関係に入ることがないように、と警告した。また彼
は、勇気が各国を見放したという理由で、ヨーロッパ統合の過程が
これ以上前進しなければ、ヨーロッパは歴史を置き去りにすること
になる、と述べた。これより前にバイエルン州首相で、現在連邦参
議院議長を務めるホルスト ゼーホーファーは、22年前の再統一語
の期間を総括して、肯定的な評価を下し、ドイツは16の州からなる
幸福な国である、と述べた。この式典には連邦大統領ヨアヒム ガ
オクと連邦首相アンゲラ メルケルも出席した。バイエルン州が現
在連邦参議院の議長を務めているため、今年はミュンヒェンが中央
式典を主催している。

     その他のニュース

数万人の客がモスクを訪問

ドイツでは数万人が、「開かれたモスクの日」にイスラーム教の寺
院を訪問した。連邦各地で670ほどのモスクが、案内、公演、展示
を行なって、イスラーム教の文化への貢献を伝えるために、「イス
ラーム教の芸術と文化」という標語を掲げて、人々を招いた。
1997年からイスラーム教徒連合は、ドイツ統一の日にモスクへの
招待を続けている。彼らの発表によれば、これによってドイツとの
連帯を表明するつもりである。

アレッポ攻撃で死者多数

シリアの経済都市アレッポで連続攻撃が行なわれ、反政府勢力によ
れば、少なくとも40人が死亡、90人以上が負傷した。国営放送に
よれば、中心部のサーダラ・アル・ジャビリ広場や旧市街の近く
で、数分間のうちに5発の爆弾が破裂した。ロンドンに拠点を置く
「シリア人権監視団」によれば、この攻撃は士官クラブとあるホテ
ルを狙ったものである。国営放送によれば、この2つの建物はほぼ
完全に破壊された。大統領アサドに反対する放棄勢力は、先週アレ
ッポであらたな攻勢を開始した。政府軍との戦闘では、世界遺産の
一つである歴史ある街頭市場が炎に包まれ、大幅に破壊されていた。

通貨危機のためテヘランでは抗議活動

イランの首都テヘランでは、警察と闇商人が激しく衝突した。数百
人の警官が金融機関の集まるフェルドウシで、詐欺を行なう両替商
の取り締まりを行ない、両替所と商店の閉鎖を命じた。商人たち
が、大幅に値下がりしている為替相場にどのように対処するべきか
わからないため、大街頭市場は閉鎖されたままである。リアルの相
場は火曜日に、記録的な水準まで値下がりした。商人達によれば、
自由市場ではドルは、前日の1ドル34,200リアルから、37,500リ
アルに値上がりした。2011年末からイランの通貨は、その価値の
8割以上の値下がりをした。米国外務省公報ヌーランドは、これは
問題の核計画を理由としたイランに対する制裁の成果が出てきてい
ることを表している、と評価した。




10月4日(木)

トルコ議会はシリアへの軍派遣を可決

榴弾による攻撃を受けて、死者が発生したことに対抗して、トルコ
議会は隣国シリアへ軍を派遣することを承認した。1年間に渡っ
て、国境を越えるものも含め活動を許可する、との政府の動議に対
して、野党は反対票を投じたが、国会議員の多数は賛成した。首相
レジェップ タイップ エルドアンは、同国は挑発を甘んじて受け
入れるつもりはない、と述べた。また彼は国連安全保障理事会に対
して、シリアの行き過ぎた行為を止めるさせるように求めた。
NATO、EU、米国は、シリアが国境を越えて同盟国トルコを攻撃し
たことを、厳しく非難した。外務大臣グイド ヴェスターヴェレ
は、ドイツはNATO加盟国トルコの側に立っている、と述べた。

     その他のニュース

負荷試験で北ドイツの原発は不合格

EU委員会は予告していたとおり、原子力発電所の安全に関するいわ
ゆる負荷試験を提案した。それによれば、北ドイツでのすべての原
発が落第した。EUは、地震が起こるとの警告があった祭に、行動の
必要がある、と見ている。EUの専門家達は、これらの施設には地震
に対応する警戒装置を取り付けるように、と勧告している。また専
門家達は、ニーダーザクセン州とシュレースヴィヒ・ホルシュタイ
ン州にある6つの原発を非難しているが、このうちブロークドル
フ、エムスラント、グローンデ原発だけが稼働中である。ドイツで
は17の反応炉を持つ12の癌発が、調査を受けている。EUの計画に
よれば、加盟国は今年末までに、どのようにして欠陥を取り除くの
かを説明することになっている。専門家達は、EU全体に対して、稼
働中の反応炉すべてを装備化以前の費用を、100億オイロないし
250億オイロと推定している。その大部分は、多くの電力を原子力
で発電している、フランスに当てはまる。この試験は、フランスの
原子力発電所の多くの欠点を暴いている。

人口首脳会談は老いていく社会について協議

連邦政府にとっては、人口統計上の変動の中心議題は、柔軟性であ
る。社会の高齢化と人口の減少が、経済の世界規模かと並んで、最
重要課題である、と連邦首相メルケルはベルリンで述べた。ベルリ
ンでは閣僚数人、政務次官、労働組合、科学者、連合組織、地方自
治体の代表が、ドイツは老いていく社会の問題には、どのようにす
れば対処できるかを協議している。春に予定されている次回の首脳
会談で、解答が提示されることになっている。メルケルは重要な問
題として、家族の枠組みを決める条件、健康保険制度、高齢者向け
の職場、教育、そして移民問題を挙げ、社会的市場経済をこの議論
の土台とすることが重要であり、社会的市場経済の特徴は、「経済
上な実績を上げる能力と連帯に基づく共同性」である、と述べた。

ドイツはイエメンの民主主義作りに協力する方針

ドイツとイエメンは、アラブ国家であるイエメンでの政権交代後の
関係を、新たな土台の上に建設する方針である。連邦首相メルケル
は、イエメン大統領ハジとベルリンで会談し、重要なのは平和的に
民主主義を導入し、すべての若者により大きな機会を与えることで
ある、と述べた。メルケルは、テロ組織アル カーイダとの戦いお
よびアフリカのつのでの海賊対策にとって、イエメンは戦略的な重
要性を持っている、と指摘した。




10月5日(金)

国連安全保障理事会はトルコの決定を厳しく非難

トルコとシリアの間の国境紛争で、情勢は沈静化した。トルコ政府
は、同国は戦争を目指しているわけではない、と強調した。ただし
首相レジェップ タイップ エルドアンは、シリア政府に対して、
トルコの防衛能力を挑発しないように、と警告した。シリア大統領
バシャール アル・アサドは、自国軍を国境から呼び戻した、との
ことである。ただし彼は、公式の決定を口にしたわけではない。ニ
ュー ヨークの国連安全保障理事会は、トルコの国境の町が榴弾で
攻撃されたことを非難した。議席を持つ15箇国の声明の中では、こ
の事件はシリア紛争が、近隣の安全およびこの地域の平和と安定
に、どれほど重要な影響を与えているかをはっきり示している、と
記されている。トルコの村落アクチャカレでは、シリアで発射され
な榴弾によって、5人が死亡していた。トルク軍は報復のために、
シリアの目標地点を砲撃した。

     その他のニュース

ヨルダンでは改革を支持する大規模デモ

ヨルダンでは金曜日の祈祷の後、1万人ほどが政治体制の抜本的な
改革を求めて、デモを行なった。首都アンマンでの抗議活動の参加
者は、憲法を修正し、首相を選挙で選ぶことを可能にするよう求め
た。今のところ首相は国王が決めている。イスラーム教徒兄弟団
が、この抗議活動への参加を呼びかけていた。目撃者は、アラブの
春が始まってからヨルダンで行なわれたデモとしては最大のものの
一つである、と述べている。国王アブドゥッラー2世は木曜日に、
国会を解散し、選挙を早期に行なう、と予告していた。

メルケルはギリシアを訪問

連邦首相メルケルは、来週火曜日に、ギリシア首相サマラスと協議
するためにアテネを訪問する、と政府広報ザイベルトがベルリンで
発表した。これより前にサマラスは「商業新聞」で、高額の負債を
抱えるギリシアに連帯するよう、強く訴えていた。保守派である彼
は、ギリシア情勢に関する暗い情報を示し、ギリシアを転落させな
いように、と強く警告した。失業が増えることによって、社会の結
びつきが危険にさらされており、これはドイツのヴァイマル共和国
が終焉を迎える頃の状況と似ている、とサマラスは述べた。ネオナ
チ政党「金の黎明」が勢力を伸ばすことで、社会全体の脅威となっ
ている、とも語り、ギリシア人は支出削減策と最悪の経済状況によ
って、5年もすれば生活水準を3分の1以上切り詰めなければならな
くなってしまうだろう、とも指摘した。

レスラーは南アフリカと原材料条約を結ぶ方針

連邦経済相レスラーによれば、ドイツは、モンゴルやカザフスタン
との間で結んでいるのと同様に、長期的な原材料に関する協力関係
を南アフリカとの間に樹立するべく努力する。自由民主党の党首で
ある彼はプレトリアを訪問し、今まではドイツよりも、フランスや
ベルギーなどの国々が、大きな経済政策上の努力を払っており、ア
フリカが経済に持つ意義は過小評価されている、とも語った。レス
ラーは、ドイツ・南アフリカ工業貿易会議結成60年を期に、南アフ
リカを訪問している。




10月6日(土)

教皇の元近侍に18ヶ月の拘留刑

いわゆる「ヴァティリークス」裁判で、教皇の元近侍パオロ ガブ
リエレは、18ヶ月の拘留刑の判決を受けた。ヴァティカンの裁判所
は、彼に窃盗容疑で有罪判決を言い渡した。46歳の彼は、秘密文書
を複写したことを認め、この秘密文書がその後に、イタリアの報道
機関に渡され、汚職、陰謀、権力争いがヴァティカンの最高幹部に
いたる範囲まで広がっていたことを示していた。パオロ ガブリエ
レは数回にわたって、教皇を守りたかっただけで、教会内部の弊害
に関して情報を発信したかったのだ、と主張していた。

     その他のニュース

トルコはシリアからの攻撃に報復

シリアとトルコの国境での紛争は、4日連続して続いている。シリ
アから榴弾が再び打ち込まれたことを受け、トルコ軍は犯人と見ら
れる者達を砲撃した、と報じられている。今のところ死傷者に関す
る情報はない。しかしトルコ当局は、榴弾の弾着を、同国に対する
攻撃とは見なさず、シリア側では大統領アサドの部隊と、反乱勢力
が激しい戦闘を行っていることから、跳弾であると述べている。水
曜日にはシリア側が発射した榴弾が、トルコで5人を殺していた。
その後トルコ軍は報復攻撃を行なっていた。トルコ国会はこの間
に、国境を越えた出撃も承認していた。大統領エルドアンは、トル
コの「国境と決然とした態度」を試すことがないように、と警告
し、シリアとの戦争を望んではいないが、国内の安全を脅かすもは
何であっても、躊躇せず対抗する、と述べた。ドイツ首相メルケル
は、この情勢を「きわめて深刻」と評していた。

イスラーム教徒ハムザが米国に引き渡される

テロ容疑で訴えられていたイスラーム教の憎悪をあおる説教師ハム
ザと4人の同調者が、英国から米国へ引き渡された。部一区司法省
の発表によれば、うち2人は午前中に裁判所に姿を見せる、とのこ
とである。ハムザは米国で、11の項目で訴えられている。54歳の
彼は、1998年にイエメンで起きた人質誘拐事件、米国のテロ参加
者養成施設の開設、およびアフガニスタンでのテロ攻撃の支援へ参
加した、との容疑が持たれている。判決では、ハムザには終身刑が
言い渡される可能性がある。彼と同時に、52歳のエジプト人バリと
50歳のサウジアラビア人ファウワズも引き渡された。彼らはケニア
の首都ナイロビの米国大使館攻撃と、タンザニアのダレサラム攻撃
に参加した、との疑いが持たれている。

北朝鮮兵士が韓国に寝返る

北朝鮮の兵士1名が韓国側に寝返り、その際に上官2名を射殺した。
韓国国防相広報によれば、この兵士は離反兵であって、韓国の歩哨
に近づくことを知らせるために、拡声器を使用した。韓国軍はこの
事件で、警戒態勢をより高度な者に引き上げた。北朝鮮側の死者に
関する中立の確認は、今のところ取れていない。1953年の朝鮮戦
争終結後、共産主義の北と西側を指向する南の間は、停戦状態とな
っている。それ以来2万4千人以上の北朝鮮人が、中国や東南アジア
を経由するなどして、隣国に逃げ込んでいる。




10月7日(日)

ベネズエラ大統領チャベスは再選に不安

ベネズエラではおよそ1千9百万人が大統領選挙に臨む。1999年か
ら政権を握る大統領フーゴ チャベスは、南アメリカの同国でさら
に、6年間政権を握るべく努力している。彼の最大の対立候補、保
守派の元州知事ヘンリック カプリレスに、勝利の可能性がある、
と見られている。選挙監視団の入国は認められなかった。チャベス
は米国を厳しく批判しており、同時にイラン、シリア、ベラルーシ
政府を支援している。

     その他のニュース

フィリピンで和平協定

フィリピンでイスラーム教徒反乱勢力の蜂起が始まってから40年た
つが、政府と主要な地下組織が和平協定に合意した。大統領アキノ
がテレヴィの演説で、この枠組みに関する合意のおかげで、長期的
な和平に向けた道が開かれる、と述べた。反乱組織モロ イスラー
ム教徒解放戦線の代表は、和平が始まった、と発言した。イスラー
ム教徒の反乱勢力は、70年代からフィリピン南部に独自国家を建国
するために戦いを続けてきた。10万人以上が死亡した。フィリピン
はカトリックが多数の国である。

国営放送「クウェート首長が国会を解散」

国営放送によれば、クウェート首長が国会を解散した。首長シャイ
ク サバーハ アル・アハマド アル・サバーハが、これに関する
命令を発布した、と国営放送は伝えている。国会は2009年に選ば
れたが、1年後に解散された。憲法裁判所が、2月の選挙を憲法違反
と判断した後、委員会が再び設置された。議会の解散は、野党が中
心となって求めており、今年2度目の選挙を行なうことになる。こ
れで5年で5度目の選挙となる。湾岸の国であるクウェートでは、政
治危機が常態となっている。

トルコとシリアの国境にそって新たな戦闘

報道によれば、シリアの放棄勢力はトルコとの国境地帯で、勢力下
に置いた地域を拡大した。反乱勢力は同国北西部の村落ヒルバート
 アル ジョスを占領した、とジャジーラは報じた。一方、榴弾が
一発トルコの村に打ち込まれ、トルコはシリアの基地を砲撃した。
百万都市アレッポでは、シリア政府軍は、反乱勢力に対する攻勢を
続けている。




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