10月1日〜7日のオーストリアのニュース



10月1日(月)

     国外ニュース

グルジアの選挙 野党が勝利を宣言

南カフカスの共和国グルジアでは、政権交代が起こる見通しであ
る。大富豪のイワニシュヴィリ率いる野党が、激しい争いとなった
国会議員選挙の後の月曜日に、自らが勝利したと発表した。公共の
右寄りのテレヴィ局も、投票者の調査を引いて、イワニシュヴィリ
が票の半分以上を獲得した、と集計した。現職の大統領サーカシヴ
ィリは、まだ敗北を認めていない。複雑な選挙法が、彼に優勢をも
たらす可能性もあるからである。両指導者は、それぞれの支持者に
平静を保つよう呼びかけた。

     国内ニュース

ビルンバッハー事件 マルティンツに5年半の拘留

クラーゲンフルト州裁判所で月曜日午後、4人に有罪判決を下し
て、ビルンバッハー裁判に決着を付けた。元ケルンテン州国民党
党首マルティンツは、執行猶予なしの5年半の拘留刑が言い渡され
た。ただ一人自白した税金の顧問ビルンバッハーは3年、うち2年は
保釈がない。ケルンテン州持ち株会社KLHの経営陣メギュモレツと
サンデルは、それぞれ2年と3年の拘留である。裁判官ヘルンホーフ
ァーは、この判決理由の中で、同社の中では「政治的賭博」が行な
われた、と述べた。この判決は最終確定ではない。




10月2日(火)

     国外ニュース

イランの通貨リアルが暴落 経済危機が加速

イランは経済的な負の渦巻きに、ますます巻き込まれている模様で
ある。同国の通貨リアルは昨年、対ドルでその価値が半分以下に下
がっていたが、ここ数日で25%まで下がった。物価は上昇し、失業
者数は増加している。その原因は、ただ一つではないとはいえ、諸
外国による制裁である。石油会社からの輸入の収益が減少している
ことで、イラン政府は以前と同じようには、食料品価格を燃料の価
格で相殺することができない。これにより、独裁的な現政府に対す
るガス抜きに、社会的な不満の爆発が混ざり合う状態になってい
る。

     国内ニュース

農相ベルラコヴィッチが汚職調査委員会で尋問を受ける

政務次官オスターマイアー(社会民主党)に続いて、火曜日には農
業大臣ベルラコヴィチ(国民党)も、2人目の現職の閣僚として、
汚職調査委員会に出席した。ベルラコヴィチは尋問の冒頭で、雑誌
広告問題の容疑では、高速道路資金調達株式会社ASFINAGとオー
ストリア鉄道のものを、区別しなければならない、と指摘した。自
分の担当する分野の事実公表は、現在無責任にも会計検査院批判が
広がっているにもかかわらず、「制御可能な情報事件」であり、政
府の仕事の中心的な一部である、として擁護し、「我々は常時情報
を提供しなければならない」と述べた。




10月3日(水)

     国外ニュース

榴弾による攻撃をうけトルコはシリアの目標地点を攻撃

シリア紛争は激化している。トルコは水曜午後、シリア国内の目標
地点を初めて攻撃し、シリアからの榴弾の攻撃で5人が死亡した事
件に対して報復した。「トルコはこのような挑発をそのまま放置す
ることはない」と首相エルドアンは声明の中で述べた。NATOはシ
リアによる国境侵害を、「好戦的な行動」であると非難し、「国際
法に違反」していると判断した。

     国内ニュース

大学は間もなく評価外に? さらに大学は地盤を失う

定期的に行われる国際的な比較で、オーストリアの大学は自尊心を
くすぐるような評価をほとんど得られなかった。発行された国際的
な「高等教育新聞」も、これの例外ではなかった。この執筆者の推
論は警鐘を打ち鳴らしている。「オーストリアは世界的な高等教育
の中で、その立場を失いつつある」とこの長沙では示されている。
先端的な研究を行う施設への大規模な投資がなければ、いずれにせ
よ代表的な大学は上位から間もなく姿を消す懸念がある、とのこと
である。これに対して、中国は世界の2百大学にますます多くの大
学を送りこむ模様である。




10月4日(木)

     国外ニュース

シリア問題で米国はトルコの後押しを強める

NATOが控えめな反応を示したことを受け、米国はシリアとの紛争
で、同盟国トルコを少なくとも言葉の上でははっきりと、後押しし
た。米国外務省は、榴弾によって攻撃を受け、死者を数人出したこ
とに対し、トルコの軍事的な反応は「適切」であった、と強調し、
報復は「見せしめの効果」も持っており、懸念される事態の悪化
は、軍事活動が認められたにもかかわらず、起こりそうにない、と
発表した。トルコ首相エルドアンは、同国は戦争を望んでいない、
ということを明言した。

     国内ニュース

汚職調査委員会と軍について社会民主党は意見が不一致

社会民主党は来週末に行われる連邦党大会で、選挙の年2013年に
向けて準備をする方針である。首相ファイマンが党首に再選される
まで数日の時点で、同党は現在一枚岩になっているとの印象を与え
ていない。特に首相府と党の周辺で、雑誌広告問題と汚職調査委員
会、さらに兵役義務の問題が、一般党員と幹部の間で意見が分かれ
ている。いずれにせよ、党の方針に対して主要な批判的な声がある
模様である。たとえばEU議会のヨーロッパ社会民主党会派長スウォ
ボダとザルツブルク州首相ブルクシュタラーから、批判が出てい
る。




10月5日(金)

     国外ニュース

トルコとシリア 国境で事態が再び悪化

シリア政府は、反乱勢力との戦いの中で、隣国トルコとの戦争の危
険が増しているのを我慢している。金曜日の午後には、シリアの榴
弾が、トルコ領内に着弾した。トルコ軍は直ちに応戦した。この前
には事態が沈静化する兆しが生まれていた。しかしトルコ首相エル
ドアンは、シリア大統領アサドに、「我々は戦争を望んではいない
が、戦争を回避しているわけではない」との警告を発していた。

     国内ニュース

国民評議会では汚職調査委員会の終了が確定

金曜日午後に、連立両党の社会民主党と国民党が、国民評議会で汚
職調査委員会の終了を公式に確定した。同委員会は遅くとも10月
16日に終了する。この議論は再び、野党の厳しい批判を招いた。野
党は以前同様、全面的な解明の必要がある、と見ている。調査委員
会の委員長ローセンクランツ(自由党)は、「恥ずべき」終了であ
る、と述べた。同委員会の問題は、政治だけではなく司法も含め
て、今後対処することになるのは間違いない。与党はこの「興奮し
たふり」に驚いていた。




10月6日(土)

     国外ニュース

選挙前に失業者数を偽造? オバマの雇用確保策を巡る対立

米国大統領選挙を直後に控え、失業者の数が4年で最低になった喜
びを、現職のオバマは長く持ち続けられなかった。影響力の大きな
経営者ウェルチは、意地の悪い批評を加え、この数字が粉飾された
かもしれない、との全国的な議論を巻き起こした。共和党員たちす
ら、「ばかげた陰謀説」である、と述べている。反オバマ派は、こ
れについて「ありがた迷惑」であり、失業者数の「改善」の背後の
実態は、自分たちにとっては、議論のよい根拠である、と述べてい
る。

     国内ニュース

電信電話会社とベラルーシの取引でシュラフ投資会社に捜査

間もなく活動を終える汚職調査委員会での投資会社シュラフの証人
発言が、緊張感を持って見守られている。ウィーン検察は、オース
トリア電信電話東部会社との関連で、シュラフ社を捜査しているこ
とを認めた。ベラルーシの携帯電話供給会社ヴェルコム売却の際の
手数料の支払い、込み入った同社内部の組織、この取引の際に同社
が果たした不可解な二重の役割が問題になっている。




10月7日(日)

     国外ニュース

政治家も標的に ギリシアは脱税と戦う

ギリシアは脱税者対策を強化し、政界の有名人の前でもひるむこと
はない。日曜日に新聞が報じたところでは、全国で十数人の政治家
と公務員が調査されている。脱税、違法な利得、資金洗浄が懸案と
なっている。そのほかに過去3年間の脱税回避、国外への振り込み
を標的としている。現在すでに1万5千人が、不正な海外資産を持っ
ている容疑で、捜査を受けている。

     国内ニュース

ブルゲンラント州選挙 社民党と国民党が微減

ブルゲンラント州では日曜日に市長171人と、地方議会議員
3,141人が新たに選ばれた。有権者の数はおよそ26万人である。全
体としては、政治の風景が大きく変わることはなかったが、細部で
はいくつか驚きの結果があった。市長選では、社会民主党が81、国
民党が72、有権者名簿が5となった。今までは社会民主党が88、国
民党が78、ブルゲンラント州有権者名簿が1、市民有権者が5の市
町村長を出していた。あわせて13の市町村で、市長候補が当選に必
要な絶対多数を得られず、11月4日に決選投票が行なわれる。現在
の状況では、5つの市町村で少数派政権ができる。



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