10月29日〜11月4日のオーストリアのニュース



10月29日(月)

     国外ニュース

低級品を高額で販売 ナイキ社は中国での悪印象と戦う

米国のスポーツ用品の大企業ナイキ社にとって、現在中国市場の状
況はよくない。現在注文は大きく減少し、第1四半期の同社の売れ
行きははっきり減少した。以前の有力市場は、より厳しさを増した
競争と、高まる顧客の要望のため、もはや放っておいても売れるも
のはない。さらにナイキ社は自らが引き起こした、悪印象と戦って
いる。同社は、商品を他の国と比べて、より劣った品質のものを、
より高い価格で販売したことが明るみに出て、高額の罰金を支払わ
なければならない。中国の購買者は、自分たちを二流の客と見てい
る。

     国内ニュース

冷や水を浴びせる調査結果 政治に対する関心は急激に減少

傾向は強まっている。オーストリアの政治に対する不満に関する最
新の調査の基調音が明らかになった。それによれば、2004年と比
べて、政治に対する関心は下落し、今や「劇的に低い」水準に落ち
込んでいる。国民評議会の仕事ぶりに関する不満も、大きく強まっ
ている。この「きわめて問題ある展開」に対して取りうる措置は、
直接民主制の拡大である、と質問された人も、調査を行った側も見
ている。ただしこの調査によれば、問題の中心は、「国民には質問
するだけでよいか、それとも決定を任せるか」である。




10月30日(火)

     国外ニュース

暴風雨「サンディ」 ニュー ヨークの地下鉄は数日間麻痺

暴風雨「サンディ」が、米国東岸にどれほど壊滅的な打撃を与えた
かが、ようやくわかってきた。当初の推計では150億オイロの損
害、と見られていた。特に大きな影響を受けたのは、ニュー ヨー
クである。数百万人が住む大都市である同市は、数十軒の家が燃え
落ち、町の中心的な交通手段である地下鉄は、5日間ほど運行を停
止し、道路のトンネルは水につかった。嵐の影響を受けた全地域で
は、電力の供給が停止し、8百万人ほどが影響を受け、40人以上が
死亡した、と米国では報じられている。「サンディ」は北の方に進
んでおり、「まだ立ち去ったわけではない」とのことである。

     国内ニュース

国民議会では亡命を巡って激しい議論

火曜日には、国民議会で自由党が、亡命政策に関して緊急動議を提
出したが、僅かな理解しか得られなかった。同党首シュトラーヒェ
は、内相ミクル・ライトナー(国民党)に、亡命者の人数を発表す
るように求めた。シュトラーヒェは、亡命は社会福祉国家への移住
と同義である、との見方を取っている。ミクル・ライトナーは、シ
ュトラーヒェの「混乱を招く言い方」と、亡命希望者を犯罪者と見
なす見方を止めるように、と述べた。社会民主党、緑の党も同様の
反応であった。社会民主党の見方では、シュトラーヒェの首長は単
なる「不安をあおる」行為に過ぎない。




10月31日(水)

     国外ニュース

オバマ対「サンディ」 危機管理が選挙戦で有利に働く

米国大統領オバマは、暴風雨「サンディ」のため、公式には3日
間、選挙戦を中断し、木曜日にネヴァダ州で巡業を再開した。大統
領はしばらく大統領府や犠牲者の元におり、危機管理に尽力した、
と彼の事務所は発表した。一方共和党の対立候補ロムニーは、選挙
戦を続けた。水曜日にはオバマは、「サンディ」が大きな打撃を与
えたニュー ジャージー州を訪問したが、よりによって、オバマを
「権力者」とよぶ現地の共和党所属の知事が同行を受けた。このゴ
ム長靴を履いての訪問による好感度は、どんな大きな選挙集会をや
るよりも、大きな効果を上げたかもしれない。

     国内ニュース

新通勤交通費補助 有権者に対する税金の特典

通勤者に対する通勤距離とは無関係に与えられる税制面の特典は、
各政党の側で、早くも基本的な一致を見たが、その他の点では意見
が一致しないので、かなり異例のように見える。ただしオーストリ
アでは、数十万人の通勤者の問題になると、左遷に関しても同情が
ほとんど得られない。具体的には来年は選挙の年で、通勤者は、有
権者が気に入るような政策を出す与党が、選挙の年の甘いお菓子を
贈って、喜ばせる相手となる可能性がある。この修正を行う上でう
ってつけの期日が、政治的に調整をされることになる。




11月1日(木)


お休みです。




11月2日(金)

     国外ニュース

暴風雨「サンディ」の混乱は続く マラソンは中止に

暴風雨「サンディ」が、米国の大都市ニュー ヨークに甚大な影響
を与えたにもかかわらず、市政府は日曜日に予定されていたマラソ
ンを、最後までやる方針であった。4万5千人を越える参加者のうち
の多数がすでに出発している可能性もある中、緊急ブレーキが引か
れ、永い伝統を持つこの競争が1970年以来初めて中止となった。
「ニュー ヨーク タイムズ」紙が「歴史的」と評したこの措置を
引き起こしたのは、「サンディ」のあと数日経ってもニュー ヨー
ク市民が被らざる得ない混乱した情勢である。

     国内ニュース

不正資金問題 フォアアルルベルク州の閣僚が辞任

スポーツサーヴィス有限会社が不正資金支払いを行ったとされる疑
惑で、さらに1人が辞任した。州首相マルクス ワルナー(国民
党)との2人による会談後、州の閣僚であるスィーギ シュテルマ
ー(国民党)は、自らの意志で連邦政府を離れる、と述べた。




11月3日(土)

     国外ニュース

中国の権力交代を決める党大会は暗い影を投げかける

木曜日に始まる中国共産党党大会では、同国の指導部の交代を確定
するが、同党に暗い影を投げかける。早くも現在、国連とEUから
は、中国の人権状況に関して、緊急の勧告と要望書が作られてい
る。中国政府の新たな最高権力者習近平に何が期待できるかは、こ
の間にぼんやりとではあるが、感じ取られている。彼は党幹部の伝
統に根ざしてはいるが、中国の改革と開放を行なうことに期待が寄
せられている。少なくともこの方向へ進む兆しはある。

     国内ニュース

フォアアルルベルクは閣僚辞任を受け新閣僚人事を模索

州の閣僚スィーギ シュテーマー(国民党)が「小口の現金疑惑」
で辞任したことを受け、フォアアルルベルク州首相マルクス ワル
ナー(国民党)は、かなり大規模な内閣改造を行なう可能性を否定
しなかった。ただしその前に後継者の問題を決着させなければなら
ない。後継人事は11月中旬に行われることになっている。




11月4日(日)

     国外ニュース

ドーハでの会議 シリア反政府勢力は一体化を目指して議論

2011年の春からシリアでは内戦が続いており、その終結は視野に
入ってこない。大統領アサドはますます権力を維持することができ
そうなのは、完全にばらばらな反政府組織が、統合した反政府の前
線作りに合意できていないためである。西側とアラブ諸国の堪忍袋
の緒が切れる恐れが、徐々に出てきている。反政府勢力は、ドーハ
での会合で共同の移行政権樹立で合意するために、4日間の時間的
猶予がある。今回の秘密会議では、相変わらず対立が続いている。

     国内ニュース

オイロが崩壊すれば国内では15万7千人が新たに失業との予想

オイロが崩壊すれば、オーストリアには、新たに15万7千人の失業
者が発生するだろう、と高等研究所IHSの新たな調査では述べられ
ている。「北部オイロ」と「南部オイロ」に通貨が分割された場合
には、失業の増加は8万人、ギリシアがオイロの使用を止めた場合
には、13,100人との予想である。逆の場合の予想、「何もかもが
うまくいく」予想、つまり改革がうまくいき、債務が全額返還され
た場合の予想も、同研究所は行っている。その結果は前向きで、現
実的な中道の道を取ることができる。「のろのろ対策」を取った場
合の費用は重要ではないが、それはそうした場合にはオイロはいず
れにせよ没落を宣言されるからである。




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