11月26日〜12月2日のドイツのニュース



11月26日(月)

障碍者工房で火災 14人が死亡

シュヴァルツヴァルトの障碍者工房で火災が発生し、14人が死亡し
た。そのほかに7人が負傷した、と警察は発表した。カリタスが運
営するこの工房では、知的障碍や複数の障碍を持つ120人ほどが働
いていた。火災の原因はまだ解明されていない。警察広報は、倉庫
で爆発があった、そこには化学物質が貯蔵されていたかどうか、ま
だ不明である、と発表した。この工房では、木製品が製造されてい
る。障碍者と職員は、空気供給装置を装備した消防隊員によって、
ティティゼー・ノイシュタットにある燃え上がり完全に煙が立ちこ
めた建物から救出された。

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ムルシは裁判官に譲歩する方針

エジプト大統領ムルシは、司法関係者との権力争いで、譲歩の努力
をしている、と法相メッキは述べた。メッキはムルシが司法の要人
との会談を前に、事例を限定して司法の権限を制約することに関す
る大統領命令を適用するとの司法最高評議会の声明が、その土台に
なり得る、と述べた。イスラーム教徒兄弟団出身のムルシは、彼の
命令の中で、新たな憲法ができないうちは、自分の決定を裁判官が
検証することを認めていなかった。この権力の拡大に抗議して、左
翼から自由主義政党が、広い範囲の抗議行動を組織した。多くの裁
判官と検察官が、ストライキに入っていた。

ドイツ政府はエジプトの動向に懸念を表明

ドイツ連邦政府は、エジプト大統領ムルシが、ますます独裁的な統
治手法を取っていることに懸念を表明した。政府、国会、司法の間
での権力の分割は、いかなる民主的な憲法でも基本事項である、と
政府広報ザイベルトは述べた。またエジプト革命は、大きな期待を
持って始まっており、この革命が秩序の取れた民主的な国家体制を
生み出す、とドイツは期待している、とも述べた。

ショイブレはギリシア支援で合意が得られると期待

連邦財務相ショイブレは、高額の負債を抱えるギリシアに対する今
後の支援に関して、諸外国の支援提供者が合意に達する、と見てい
る。国際通貨基金とヨーロッパ中央銀行の幹部を迎えて、ブリュッ
セルで開かれるオイロ使用国連合の財相会談を前にショイブレは、
解決が見いだされると確信している、と述べた。また彼は公的債務
者が参加した上での、ギリシアの負債削減は拒絶する、と強調し
た。ブリュッセルでの協議では、ギリシアに対する現在進行中の支
援計画のうち、315億オイロの支払いを行なうかどうかが議題とな
る。そのほか新たな巨額の歳入不足について、決定を下さなければ
ならない。




11月27日(火)

ギリシアに対する新たな支援に基本的な合意

諸外国の資金提供者は、数週間にわたる議論で金額を減らした上
で、ギリシアに対する約440億オイロの新たな借款の支払いに合意
した。そのうち344億オイロは、直面している国家としての破産を
回避するために、今年中にも支払われる。そのほかギリシアには、
長期的に負債の重荷を減らすために、一連の策を講じて支援が行わ
れる。ドイツ連邦議会は来る木曜日に、この新たな支援に関して決
定を下すことになっている。連立与党の政治家の発言によれば、こ
れには広い範囲からの賛成が得られる見通しである。連邦財務大臣
ヴォルフガング ショイブレは、負債の返却を断念するいわゆる債
務削減には、合意できない、と強調したが、来年にはドイツの予算
はおよそ7億3千万オイロを負担するだろう、と述べた。オイロ使用
国連合は、12月13日に巨額の支援金の支払いに関して、最終的な
決断を下す方針である。

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EUの裁判官はオイロ救済の傘に反対する訴えを棄却

ヨーロッパ法廷は、新たな救済の傘ESMを支持した。財政の困窮し
たオイロ使用国に対する巨額の基金であるESMは、適法に成立し
た、とルクセンブルクの同法廷の裁判官は決断を下した。この基金
は、ヨーロッパ条約の債務履行義務差し止め、いわゆる「緊急脱出
禁止条項」に違反していない、ということである。この条項によれ
ば、ある国が他の国の債務の責任を負うことは許されない。アイル
ランドの国会議員プリングルは、ダブリンの最高裁判所に訴訟を起
こしていた。アイルランドの裁判官は、ルクセンブルクの判決によ
って、自分の法解釈が確認された、と見ている。カールスルーエの
ドイツ憲法裁判所も、9月に緊急判決で、ESMを認めていた。

エジプトでは抗議に数千人が集まる

カイロでは数千人が、大統領ムルシの権力拡大に抗議する集会に集
まった。アレクサンドリアでも数百人が集まった。カイロ中心部の
タフリール広場では、若者と警察の衝突に発展した。現地では反政
府勢力が金曜日から、反ムルシの座り込みを行ない、抗議を続けて
いる。ムルシは先週、司法による監視をはねつける命令を出してい
た。新たなデモを呼びかけたのは、世俗派で自由主義的な反政府勢
力であった。ムルシに近い立場のイスラーム教徒兄弟団も、支持者
に集会に参加するように求めた。ただしこの集会は、暴力を回避す
るために、中止された。

コンゴ政府は反乱勢力の要請を拒否

コンゴ民主共和国政府は、反乱勢力が求めている占領したゴマ市か
らの退却要請を、お笑いぐさとして退けた。政府広報はキンシャサ
で、現在の状況を真剣に受け止めることはできない、と述べた。こ
れより前に反乱勢力M23運動は、撤退の条件として、大統領キバラ
が交渉に応じ、政治犯を釈放し、選挙委員会を解散する、との条件
を付けていた。反乱勢力と政府はウガンダの首都カンパラで、先週
末に会談を行ない、これを見ていた人々は、M23はゴマから撤退す
る、と発表していた。蜂起勢力である彼らは、州都ゴマを1週間前
から占領していた。この地域の人道情勢は、壊滅的である、と目さ
れている。




11月28日(水)

エジプトでは抗議活動が続く

エジプトではイスラーム教徒の指導部の権力拡大に対する抗議は、
切れ目なく続いている。火曜日夕方の大規模デモに続いて、カイロ
では数百人のデモ隊の強硬な中核は、大統領モハメド ムルシの憲
法に関する声明に対する抗議活動を継続している。憲法裁判所の裁
判官達は、大統領と彼に近い原理主義的なイスラーム教徒兄弟団
が、反司法当局の運動を指揮している、と非難した。裁判所はいか
なる圧力にも屈しない、と最高裁判所の国法マヘル サミは述べ
た。ドイツでは開発大臣ディルク ニーベルは、開発支援を停止す
ると威嚇し、ムルシはエジプトが民主化の途上であることを疑わせ
るようなことをすべきではない、と述べた。ドイツはエジプトに毎
年、約1億オイロの支援を行っている。12月中旬には、今後の協力
に関して、新たな話し合いが計画されている。

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ダマスカスでは激しい攻撃が2件発生

シリアの通信社Sanaによれば、首都ダマスカス近郊では、2件の
テロ攻撃が行なわれ、少なくとも34人が死亡した。目撃者は、
50人以上が死亡、負傷者も40人出た、と述べた。自動車爆弾が、
村落ジャラマナで破裂した。ここには主として、キリスト教徒とド
ルーズ派のイスラーム教徒が住んでおり、彼らは宗教に忠実である
と見られている。

バングラデシュでの大火事で経営者が逮捕される

バングラデシュの生地工場が大火事を起こし、110人が犠牲となっ
た事件で、同社の経営陣3人が逮捕された。警察は、この3人には、
建物からの退去を妨害した、との容疑が持たれている、と述べた。
目撃者によれば、この3人は出口に南京錠を取り付けていた、との
ことである。水曜日にはこの事件のため、3日連続して、数千人の
労働者が参加するデモが行なわれ、責任者の処罰を求めている。こ
のデモでは、衝突が起きた。警察は催涙ガスとゴム弾を使用した。

ドイツはパレスチナ人に対する国連の申し入れに賛成しない方針

パレスチナ人は国連における自らの地位を改善するよう申し入れて
いるが、ドイツはこれを支持しない方針である。連邦首相メルケル
の広報がベルリンでの記者会見で、「このような決議にドイツが賛
成することはないだろう」と予告し、しかし今後EU内部でより厳密
に意見を調整を行なうよう努力を続けている、と述べた。パレスチ
ナ人は国連総会で、オブザーヴァーの地位を与えるよう申し入れ
た。国際法の専門家の見方によれば、これは間接的にパレスチナを
国家として承認することに等しい。パレスチナ大統領アッバスは、
この木曜日にこの動議に関して即時投票を行なうように求めた。フ
ランスは賛成する方針である。英国は留保すると予告した。




11月29日(木)

エジプト人は新憲法を持つ

エジプトでは憲法を制定する集会が、新憲法に関する意見調整を開
始した。234条のそれぞれについて、それぞれ意見調整が図られ
る。イスラーム教徒兄弟団とサラフィストがこの集会の過半数を持
っている。この委員会の自由主義陣営と左派は、憲法を練り上げる
際に、イスラーム教徒には譲歩をする用意がなかった、と批判し
た。野党は金曜日に、イスラーム教徒の大統領モハメド ムルシに
反対する大規模集会を、新たに開くよう呼びかけた。イスラーム教
徒兄弟団とサラフィストは、土曜日に対抗して集会を行なう、と予
告した。この集会は、よりによってカイロのタフリール広場で行わ
れる。この広場は、2年ほど前にアラブ世界の抗議活動が始まった
場所である。

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イラクでは流血の攻撃の新たな波

イラク南部では、シーア派イスラーム教徒を狙った連続襲撃事件が
新たに発生し、43人が死亡、百人ほどが負傷した。バグダードの南
にある村落ヒラで、2発の爆弾が破裂し、この件だけで女性と子供
を含め29人の巡礼者が死亡した、と警察は発表した。少なくとも
90人がこの場所で負傷した。またカルバラー市では、自動車爆弾が
少なくとも6人の命を奪った。イラクでは火曜日に、治安部隊と一
般市民を狙って、新たな連続攻撃が起きて、少なくとも30人が死亡
したばかりであった。攻撃の主たる目標は、バグダードにあるシー
ア派のモスクで会った。

クリントンはパレスチナ人が傍聴者の地位を求めたことを非難

米国外相クリントンは、パレスチナ人が国連で、議決権のない傍聴
者の地位を求めたことを批判した。国連によるパレスチナの外交的
な地位の向上は、パレスチナ人とイスラエル人が、2箇国並立によ
る解決に達する上で役に立つことがないだろう、と彼女は述べた。
また、解決に至る唯一の道は、直接交渉である、とも語った。イス
ラエルと米国は先に、木曜日には国連総会でこの動議の採決を行な
わせないとの圧力を、パレスチナ人に対して行使していた。パレス
チナ大統領アッバスは、これを退けていた。ドイツ外相ヴェスター
ヴェレは、ドイツは投票では自制するつもりである、と述べてい
た。一方他のEU諸国スペイン、デンマーク、オーストリアは賛成票
を投じる、と予告した。

ギリシア支援に関して広い範囲から賛成が得られるとの期待

負債を抱えたギリシアに対する新たな巨額の資金投入に関する投票
を前に、連邦議会では広い範囲がこれに賛成する見通しである。連
立与党会派の他、社会民主党と緑の党は金曜日に、巨額の資金提供
計画に賛成する方針である。その理由として、緑の党会派長トリテ
ィンは、ギリシアに改革の実施でより時間的な猶予を与えるのは、
正しいことだからだ、と述べた。オイロ使用国財相会談でとりまと
められたこの案を支持しないのは、左翼党だけと、他の政党の若干
の離反者だけである。キリスト教民主、社会同盟の会派の中だけ
で、この試験的な投票では、15人が反対した。




11月30日(金)

連邦議会はギリシアに対する新たな支援を承認

連邦議会は、高額の負債を抱えるギリシアへの新たな巨額の支援策
に、ドイツが参加することを賛成多数で可決した。473人の議員が
この総合対策に賛成、100人が反対、11人が留保した。連立与党
の他に、緑の党、さらに社会民主党の多くが賛成したが、左翼党は
断固これに反対した。キリスト教民主、社会同盟と自由民主党から
23人が反対、ないしは保留し、10人が投票を欠席した。これによ
り連立与党は再び、象徴的には重要な意味を持つ、「首相過半数」
の311票を逃した。ドイツは12月13日に、オイロ使用圏内部で、
ギリシアに対する総額440億オイロの借款および財政軽減措置を取
ることに賛成できる。連邦予算はこれにより、来年7億3千万オイロ
の負担を被ることになる。

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ムルシとイスラーム教徒に対する抗議が再び

エジプトでは野党の支持者数千人が、大統領ムルシとイスラーム教
徒の政策に抗議するために、路上に繰り出した。カイロの中心部の
タフリール広場では、デモ参加者が「国民は体制の崩壊を望んでい
る」と唱えた。アレクサンドリアとスエズ運河沿岸のいくつかの都
市からも抗議活動が報告された。ムルシが自らの権力拡大を行った
命令の他、憲法委員会が、自由派と左派に属するデモ隊の批判の的
となっていた。憲法委員会内部では、イスラーム教徒が新エジプト
憲法の草案を、賛成多数で可決していた。この憲法案には、イスラ
ーム教徒の法シャリーアの原則が、立法の最重要の源と規定されて
いる。新憲法に関する決定は、国民投票で行なわれる。

イスラエルは入植地での住居新築を許可

国連によるパレスチナ人の地位の引き上げに対抗して、イスラエル
は東エルサレムと西ヨルダンランドでの入植地拡大を許可した。
「ハーレツ」紙とAFP通信が、エルサレムの政府高官の言葉として
報じているところでは、3千の新たな住居が建設される。木曜日に
は国連総会で、パレスチナ人に対して、非加盟国として議決権を持
たない参加国の地位が認められた。イスラエルと米国などが、これ
に反対していた。イスラエルの入植地と住居建設は、近東紛争の中
心的な争点の一つである。イスラエルとパレスチナの和平交渉は、
そのため数年前から行き詰まっている。

国防軍はアフガニスタンのクンドゥーズ基地を閉鎖

国防軍はアフガニスタンで2番目に大きく最も危険にさらされてい
るクンドゥーズ基地を、設置ほぼ10年で閉鎖する。この基地には現
在1千1百人ほどの兵士が駐留しているが、来年中には閉鎖する、と
国防省は発表した。またバグラン州にある北部前哨は現在6百人の
兵士が駐留しているが、これは放棄する、とのことである。これに
よりドイツの戦闘軍のアフガニスタンからの撤退は、ますます具体
的な形を取る。2014年末には、NATOが指揮する国際部隊のアフ
ガニスタンでの活動は終了することになっている。水曜日には連邦
内閣は、部隊の規模の削減に向け、新アフガニスタン委託を可決し
ていた。投入される兵士の数は、現在の4千6百人から、3千3百人
に減少することになっている。連邦議会での可決は確実視されてい
る。




12月1日(土)

エジプトではムルシ支持派がデモ

反政府勢力が再び大規模なデモを行ってから1日、エジプトではイ
スラーム教徒の大統領モハメド ムルシの支持者阿智は、数千人規
模で路上に繰り出した。カイロでは、1万人ほどが、イスラーム教
徒兄弟団が組織したデモのために、大学前に集まり、大声で大統領
とイスラーム教の影響が強い新憲法の草案を支持する、と発表し
た。イスラーム教徒達は木曜日の夜に、自由主義者と左派が参加し
なかった憲法集会で、この草案を可決していた。新憲法が発効する
ためには、国民投票で受け入れられることが必要である。ムルシは
近々国民投票の期日を定める、と予想されている。

     その他のニュース

ダマスカスと空港をめぐり戦闘

シリアでの戦争では、政府軍と蜂起勢力の戦いが首都地域とダマス
カス国際空港に集中している。ロンドンに拠点を持つ「シリア人権
監視団」によれば、空軍は空港を攻撃から守るために、反乱勢力が
手中に収めている一画を爆撃した。国営テレヴィは、空港は閉鎖さ
れておらず、そこへの道も確保されている、と伝えている。これに
対しドイツ通信社dpaは、国営シリア航空の他は、どの航空会社も
ダマスカスに向けてもはや飛行機を飛ばしていない、と伝えてい
る。首都ダマスカスでは、2日間の中断があったが、再びインター
ネットへの接続機能し始めた。

反乱勢力はコンゴの国境の町ゴマを去る

コンゴ民主共和国東部のゴマを2週間ほど前に占領した反乱勢力
M23は、この大都市を立ち去った。全面に目隠しをして、満員に積
んだトラックにのって、民兵達はこの街から出て行った。ウガンダ
の監視団の発表によれば、政府に忠実な警察の部隊が、ゴマの治安
の責任を引き受けた。M23の戦闘員の撤退は、ウガンダが主導する
アフリカ大湖沼隣接国によって、仲介されたものである。ツチが指
揮する反乱運動は、1千6百キロ離れた首都キンシャサまで進軍す
る、と威嚇していた。国連は、M23を支援しているルワンダとウガ
ンダを非難しているが、両国はそれを否定している。

発展大臣ニーベルはジンバブエを訪問

連邦発展大臣ニーベル(自由民主党)は、4日間の訪問のためジン
バブエ入りした。ドイツの閣僚が同国を訪問するのは15年ぶりであ
る。ニーベルは同国の民主化勢力を励まし、改革を求める方針であ
る、と発表した。問題の大統領ムガベとの会談は、計画されていな
い。しかし彼は、長年にわたり野党を指揮し、現在は首相となって
いるツヴァンギライとは会談する意向である。開発に向けたドイツ
の協力は、野党に対して政治的な暴力が行使され、白人の農場主が
追放され、選挙で不正があったことを受けて、2002年に凍結され
ていた。ムガベと彼の一派に対しては、EUの制裁が行なわれてい
る。2008年の選挙の後、ムガベは圧力を受けて、ツヴァンギライと
の連立政権を組閣した。88歳のムガベは、来年の大統領選挙に、再
び立候補する方針である。




12月2日(日)

エジプト憲法裁判所は仕事を中止

イスラーム教徒の大統領モハメド ムルシとの権力争いで、エジプ
ト憲法裁判所は、無期限で仕事を中止した。裁判官は声明の中で、
裁判所に対する抗議行動は、心理的な殺人計画である、と述べた。
ムルシの支持者は裁判所の建物を取り囲み、裁判官が協議のために
集まれないようにした。本来であれば同裁判所はこの日曜日に、イ
スラーム教徒が中心となっている憲法を制定する集会の適法性を決
定する方針であった。この決定も、無期限に延期された。ムルシは
先週命令を出し、憲法裁判所が憲法集会を解散させる指示を出すの
を禁じていた。同委員会を支配するイスラーム教徒は、緊急手続き
で憲法案を可決した。これに関して、国民は12月15日に投票を行
ない、決定を下すことになっている。

     その他のニュース

イスラエルはパレスチナ人の資金を凍結

国連がパレスチナの地位を引き上げたことを受け、近東紛争の前線
は激しさを増している。パレスチナ人の名前で取り立てられた税、
オイロに換算して9千万オイロを、自治政府には支払わない、とイ
スラエル政府は発表した。また同国内閣はエルサレムで、イスラエ
ルは国連によるパレスチナ国家の承認の土台について、パレスチナ
人と交渉するつもりはない、との決議を可決した。国連総会は、パ
レスチナ人に対して木曜日に、非加盟国として議決権を持たない傍
聴者の地位を与えていた。

「サウジはドイツの戦車を再び購入する意向」との報道

「シュピーゲル」紙の報道によれば、サウジ・アラビアは、「ボク
サー」型装輪装甲車数百台をドイツで購入する方針である。連邦安
全保障評議会は、この売買についての同国からの正式の照会に関す
る決定を、2013年まで延期した、とも報じている。連邦政府は、
この報道について、何も表明していない。「ボクサー」は世界最新
式の戦闘用車両のひとつで、国防軍は部隊輸送用の装甲社として、
アフガニスタンに投入していた。同誌によれば、同型車両は道路用
でもあり、蜂起勢力との戦いにもむいている。以前の報道では、サ
ウジ・アラビアはドイツの戦車「レオパルト2」型にも関心を持っ
ている、とのことであった。

シーア派はクウェートの国会議員選挙で勝利

クウェートの国会議員選挙は、多くの国民が参加しないまま行なわ
れ、少数派シーア派が大きく議席を増やした。湾岸の同国の選挙委
員会の発表によれば、シーア派の政治家が50議席のうち17議席を
獲得した。スンナ派が中心の野党が選挙への不参加を呼びかけた
が、人口120万人のクウェートの約3割をしめるシーア派だけが、
これに追随しなかった。この不参加は、選挙法の改正がきっかけで
起きたもので、野党の理解では、政府がこの選挙法で、選挙結果に
影響を与えるつもりである。クウェートの野党は、250年前から支
配を続けるアル・サバーハ王家の優位を制限するために、長年にわ
たって民主的な改革を求めていた。




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