12月10日〜16日のドイツのニュース



12月10日(月)

ノーベル平和賞がEUの代表に手渡される

オスロのノーベル賞委員会は、平和賞をEUの代表に手渡した。同委
員会議長トールビヨルン ヤーグランは授賞式で、この賞は受け取
るにふさわしいだけでなく、必要でもある、と述べた。EUの機関の
3つの議長が、5億人のEU市民を代表してこの賞を受け取った。それ
はEU委員会議長ジョゼ マヌエル バローゾ、EU評議会議長ヘルマ
ン ファン ロンパウ、ヨーロッパ議会議長マルティン シュルツ
である。感謝の演説の中でファン ロンパウは、この日をきっかけ
に、この不安定な時期において、ヨーロッパと世界の人々が、EUの
基本的な目的、ヨーロッパ国民の連帯を、現在そして未来において
前進させるという目的を思い出す、と述べた。この式典にはドイツ
首相アンゲラ メルケル、フランス大統領フランソワ オランド、
その他加盟27箇国の首相、大統領の多くも出席した。

     その他のニュース

ESM局長はイタリアにさらなる改革を促す

イタリア首相モンティが辞任を予告したことを受け、EU内部ではオ
イロ危機の深まりを懸念する見方が広がっている。オイロ救済基金
ESMとEFSFの局長レークリングは「南ドイツ新聞」のインタヴュー
で、イタリアに対して、取り入れた改革の方針を継続するように促
し、昨年は重要な改革が取られ、市場ではこれが今のところ高く評
価されている、と述べた。しかし先週末の動向に、不安な声が出て
おり、イタリアにとっても、共通通貨オイロの連合体にとっても、
改革の方針を継続することが重要だ、とも語った。モンティの辞任
予告の数時間前に、元首相ベルルスコーニは、政界への復帰を発表
し、彼は来年の国会議員選挙に立候補する方針である、と述べてい
た。

ギリシア政府は債務の買い戻しの期間を延長

ギリシアは国債の買い戻し計画を火曜日まで延長した。これにより
さらに投資家の持つ国債がさらに買い取られる可能性がある、とア
テネの国債を取り扱う代理店が派票した。本来であれば、買い取り
期限は金曜日に終了していた。土曜日には政府代表が、イタリアに
は呈示された買い戻し価格で、約300億オイロ規模での国債の購入
が申し入れられていた、と発表した。これに対してギリシアの「タ
 ネア」紙は、260億から270億オイロにすぎない、と報じてい
る。ギリシアは約300億オイロの規模の国債を買い戻し、その代わ
りに100億オイロ強を支払う方針である。これが実行されれば同国
は、最低限の買い戻し価格を用いて、その借金の山をほぼ200億オ
イロ分減らすことになる。

オーペル社は2016年からボッフムでは自動車を生産しない

経営不振の自動車製造会社オーペル社は、ボッフム工場での自動車
生産を中止する。同社社長セドランは、2016年末にこの工場で
は、最後の自動車が製造ラインに乗せられるが、この拠点はその後
も基本的には維持され、物流の本部として拡大され、自動車部品の
調達を行なう。約3千人の従業員の多くにとって、この計画は解雇
を意味するが、代償の支払いは述べられていない。事業所評議会は
抵抗する、と予告しており、労働争議を行なう、と威嚇している。
連邦経済相レスラーは、オーペル社に対する国の支援を行う可能性
を否定し、同社のボッフム工場の閉鎖予告は残念であるが、国はこ
れ以上の役割を果たすことはできない。ルール地方にあり長い伝統
を持つこの工場は、以前から閉鎖の危機にさらされていた。




12月11日(火)

反ムルシ派は大統領宮殿への道路の封鎖を突破

エジプト情勢は緊迫したままである。カイロでの抗議行動では、大
統領モハメド ムルシに反対する人数百人が、大統領宮殿に続く道
の封鎖を突破した。これは要塞のようなコンクリート製の防壁であ
った。軍は介入しなかった。火曜日にも再び、大統領支持派と反対
派の双方が、大規模集会を開く予定である。左派、自由主義、その
他の反政府組織は、大統領宮殿への行進に参加するように呼びかけ
た。この行進は、ムルシが土曜日に設定したイスラーム教色の強い
憲法に関する国民投票に、抵抗するためのものである。イスラーム
教徒が押し通そうとしているこの憲法案が緊急動議で効力を持つこ
とになれば、エジプトがイスラーム教化するのではないか、と反政
府勢力は懸念している。大統領が自らに特別に全権を与える命令の
撤回では、反政府勢力にとっては不十分である。

     その他のニュース

シリアのアレッポ州で戦闘 死者十数人

シリアの反乱勢力は、同国北部のアレッポ近郊で、政府軍の巨大兵
舎を完全に掌握した。英国に拠点を持つ「シリア人権監視団」がこ
れを発表した。蜂起勢力は、2日前にシャイク・スレイマン兵舎を
攻撃していた。現地の活動家の言葉として発表されたところによれ
ば、この戦闘では、政府軍の兵士35人が殺害され、64人が負傷す
るか捕虜にされた。活動家の話によれば、クルド人が多く住むアレ
ッポの一画では、臼砲が撃ち込まれ、子供3人を含め11人が死亡し
た。

マリ軍はクーデタの噂を否定

マリ軍は首相ディアラが逮捕され、移行政権が無理矢理辞任させら
れた後で、これによりクーデタを扇動したのではなく、逆に首相は
もはやマリの利益を代表していなかった、と述べた。ディアラは同
国北部の反乱清涼との戦闘で、諸外国の介入部隊の派遣に賛成して
いた。軍は、間もなく首相を指名する、と予告した。イスラーム教
徒組織がマリ北部を掌握してから、ここにテロリストの拠点が築か
れるのではないか、との懸念が持たれている。ドイツ外相ヴェスタ
ーヴェレは、西アフリカの同国がようやく政治的に安定してきてい
るのを、最近の動向は破壊する危険がある、と警告した。

EU議会はEU特許法を認める方向

長年にわたる議論を経て、2014年からEU内では発明品が、統一
的かつさらに費用面でも有利な形で保護されることになりそうであ
る。ヨーロッパ議会は多数の賛成でEU特許法を可決した。これは加
盟27箇国のうち25箇国で効力を持つことになる。特許を取る費用
は、これで最大8割引き下げられる。これはヨーロッパの企業の競
争力は、特許料がきわめて安価な米国および日本と比べて強くな
る。イタリアとスペインだけが、この新制度に加盟しない。両国は
手続きに使う言語がドイツ語、英語、フランス語に限定されている
ことを拒絶し、そのためルクセンブルクのEU最高裁に訴訟を起こし
た。




12月12日(水)

シリア反政府勢力にとって外交上の勝利

シリアの反政府勢力連合は、ますます多くの国々によって、シリア
国民の正当な代表として、国際的に受け入れられている。130箇国
の代表がモロッコのもマラケシュで会合を開き、シリア国民野党同
盟を正式に承認する、との決定を下した。「シリアの友人たち」と
名付けられた緩やかなこの連合体は、英国、フランス、およびEUを
前例としている。この会合の前には、米国も正式に承認する、と発
表した。米国大統領バラック オバマは、この連合は様々な反乱勢
力が十分結集したものだ、と強調した。「シリアの友人たち」は、
バシャール アル・アサドの退陣を求め、大統領に国民に対して化
学兵器に使用を行わないよう、緊急の警告を行なった。ドイツ外務
大臣グイド ヴェスターヴェレは、ドイツは難民支援を中心とし
て、人道支援のためにさらに2千2百万オイロを調達するつもりであ
る、と予告した。

     その他のニュース

エジプト反政府勢力は国民投票で反対するよう呼びかける

エジプトの自由主義政党と左派政党は、支持者に向けて、イスラー
ム教徒の憲法草案の投票では、反対票を投ずるよう呼びかけた。野
党内部では、国民投票への不参加も議論されていた。大統領ムルシ
に反対する勢力は、この憲法案はイスラーム教の要素を帯びてお
り、また拙速に取りまとめられた、と批判している。軍が今週水曜
日に計画していた、政治危機を解消するための国民対話は、延期さ
れた。その理由として、軍の招待に対する反響が小さかったことが
挙げられた。国外にいるエジプト人はそれぞれがいる国の大使館
で、すでに憲法案に対する投票を行なうことができる。国営テレヴ
ィによれば、エジプト国内では問題の国民投票は2段階で行なわ
れ、12月15日に加えて22日にも行なわれる。

北朝鮮は新たなミサイル発射で挑発

北朝鮮は射程距離の長いミサイルを発射して、再び国際社会に挑戦
した。何度も警告を受けたにもかかわらず、共産主義の同国は、宇
宙空間を飛ぶミサイルを発射した。米国、日本、韓国その他の国々
の見方によれば、これは北朝鮮の核計画のための、偽装された武器
の試験である。長距離ミサイルは、核弾頭を輸送する手段としては
最重要である。国連事務総長潘は、このミサイル発射を、国連安全
保障理事会決議に対する明確な違反である、と判断した。米国は、
この地域の安全を脅かす「きわめて挑発的な行動」である、と述べ
た。EUは新たな制裁を加える、と威嚇した。批判はロシアと日本か
らも出されている。国連安全保障理事会は水曜日にもミサイル発射
問題を取り上げる方針である。

連邦議会は割礼法を可決

連邦議会は賛成多数で、若者に対する宗教的な割礼の正当性に関す
る法律を可決した。国会は記名投票で、両親は自分の息子に一定の
医療的な規則を守るという条件の下で、割礼を受けさせる権利を持
つことを明確に示す新たな規則を可決した。子供が生後6ヶ月まで
の場合は、医師だけでなく、訓練を積んだ割礼士も手術をできる、
とされている。宗教的な割礼に関する議論がドイツで行なわれた原
因は、割礼は傷害と評価されるとの裁判所の判断が5月に下された
ことであった。割礼は重要な宗教的な儀式であるとするユダヤ人と
イスラーム教徒は、この判決に怒りをあらわにした。連邦政府はこ
れを受けて、裁判を起こされないようにするために明確は法律を作
る、と予告していた。




12月13日(木)

ロシアはシリアでアサドが支配権を失なうことを認める

ロシアは初めて、シリア内戦で大統領バシャール アル・アサドが
敗北する可能性を、公式に認めた。アサドは同国の支配をだんだん
失っており、反政府勢力が勝利する可能性がある、とロシア外務大
臣代理ミハイル ボグダノフは述べた、とイタル・タス通信は伝え
ている。僅かに残ったシリアの同盟国であるロシアは、国連安全保
障理事会の制裁から、アサド政権を今まで守っており、武器を供給
していた。一方シリアでは流血の紛争が続いている。ダマスカスの
郊外にあるカタナでは、自動車爆弾が破裂し、住民の話によれば、
少なくとも16人が死亡、20人が負傷した。この攻撃は、将校宿舎を
狙ったものだ、とのことである。目撃者によれば、ダマスカスの社
会福祉および労働省からは、人がいなくなっている。この建物の近
くで専門家が自動車爆弾の信管を外した、とのことである。

     その他のニュース

中国と日本の島を巡る争いが再燃

中国と日本の間の東シナ海の島々をめぐる領土上の対立が、再燃し
た。両国が領有を主張する島々の上を、中国海軍の偵察機が飛行し
たのが、そのきっかけである。日本は中国が領空を侵犯したと非難
し、示威的にF15型戦闘機をこの地域に派遣した。中国外務省は、
日本政府のこの非難を退け、この飛行は全く通常のものである、と
説明した。この島々を巡る対立は、9月に日本が個人が所有してい
たこの島を購入した時に、悪化していた。

EUはヨーロッパの銀行監視に合意

EU加盟各国の財相は、夜を徹した長時間会議の末、オイロ使用地域
の銀行監視に合意した。ヨーロッパ中央銀行が今後、オイロ使用地
域の大規模な金融機関を監視することになる。問題の兆候が現れた
場合には直ちに、同銀がより小規模な金融機関にも介入することが
できるようになる。通貨基金連合の庇護の元で、新たな監視体制は
2014年に作業を開始する、とドイツ財相ショイブレは述べた。午
後にはEU加盟国の首脳が、2日間の会議に集まる。今年のEU首脳会
談は、これが最後である。この会合では、オイロ使用地域の改革が
議題となる。

裁判所がエル マスリの基本法違反を認める

ヨーロッパ人権裁判所は、マケドニアによるエル マスリの米国秘
密情報部CIAへの引き渡しは、重大な基本法違反であると認めた。
ストラスブールの同法廷の裁判官たちは、ノイ・ウルムの父親に、
6万オイロの賠償金の支払うように決定した。エル マスリ
(49歳)は、マケドニアで10年ほど前に人権を侵害するような待
遇を受けた、と訴えていた。ヨーロッパ人権裁判所での裁判は、損
害を賠償させる最後の機会であった。エル マスリは、マケドニア
からアフガニスタンに移され、そこで虐待も受けていた、と述べて
いた。




12月14日(金)

連邦議会はトルコへの地対空ミサイルの派遣を承認

国防軍はペイトリオット型地対空ミサイルの発射台2基と、兵士4百
人をトルコに移動させ、NATO同盟国トルコがシリアからの攻撃さ
れた場合に、迎撃することになる。連邦議会は、NATOの支援を申
し入れたトルコを支援を、賛成461票、反対86票、保留8で可決し
た。連邦政府の発表によれば、2014年1月までの期限のこの派遣命
令は、2千5百万オイロ以上の負担となり、純粋に防衛的な性質のも
のである。これは、シリア上空の飛行禁止地域の設置でも、別の種
類のシリア内戦への介入への準備でもない、とのことである。ドイ
ツのペイトリオット型ミサイルは、シリア国境から120キロほど離
れたトルコ南東部に置かれる。米国も、最新式のPAC3型のミサイ
ル発射台2基と、担当する4百人の兵士を派遣する。そのほかに2つ
の部隊がオランダから派遣されることになっている。

     その他のニュース

メルケル「オイロ危機の警戒を解除する理由はない」

連邦首相メルケルは、オイロ危機克服では大きな前進があったもの
の、警戒を解除する理由はない、と見ている。彼女はEU加盟27箇
国の首脳がブリュッセルで行った会議の閉会後、長年にわっていい
加減な予算の原則と、競争力の喪失は、短期間には取り戻せない
し、安定と成長のための確固とした対策の影響は、数年後になって
ようやく目に見えるようになる、と述べた。この首脳会談のもう一
つの重大な議題は、シリア情勢であった。参加国すべてが今一度、
権力者アサドの辞任を支持した。メルケルは、内戦の続く同国は、
アサドがいなくなった場合にのみ未来を持つ、と述べた。EU評議会
議長ファン ロンパウは、外相会談では、シリアの反政府勢力支持
のためのすべての選択肢を検討するように求める、と述べた。

米国「アサドの日はあと数日」

NATOに続いて、米国もシリアの支配者アサドの支配が早期に終わ
る、と期待している。「私たちは、アサド体勢に残された日々は数
えられている、と考えている」と米国外務省公報は述べた。誰も未
来は予言できないが、反政府勢力は最後には決定的な成果を収める
だろう、と述べた。これより前にNATO事務長ラスムセンは、アサ
ド体勢の早期崩壊を予言していた。一方ロシアは、副外相ボグダノ
フのものとされる「反乱勢力のの勝利が間近い」との発言を否定し
た。ロシア外務省によれば、ボグダノフは木曜日の発言では、シリ
ア反政府勢力の位置を繰り返し述べたに過ぎない。いくつかのロシ
アの通信社は、ボグダノフの言葉として、アサドはシリアの支配を
失っており、反乱勢力が内戦に勝利するかもしれない、との発言を
伝えた。

連邦参議院は国家民主党禁止動議を可決

連邦参議院は、国家民主党禁止に向け新たな出発を切った。連邦参
議院は、ヘッセン州が保留したのを除き、全会一致で右派急進政党
である同党の禁止を、連邦憲法裁判所に提訴することを決めた。
12月初めには各州首相は、この方針に合意していた。ヘッセン州法
相ハーン(自由民主党)は、この裁判が司法面および政治面での危
険性が高いことを指摘し、最大の危険はまたこの裁判が失敗した場
合であり、その際には国家民主党を勢いづかせることになる、と述
べた。連邦内相フリードリヒも、疑問を呈していた。連邦議会と連
邦政府が、各州によるこの動議に追随するかどうかは、まだ不明で
ある。連邦政府は2013年の第1四半期に、これについて決断を下
す方針である。極右の同党に対する最初の禁止裁判は、2003年
3月にカールスルーエの憲法裁判所で、却下されたが、それは憲法
擁護庁のスパイとして活動していた国家民主党党員の発言が、証拠
物件の中に引用されていたためであった。




12月15日(土)

反政府勢力は憲法案の国民投票で不正があったと非難

エジプトの有権者2千6百万人が、長期にわたって権力を握っていた
ホスニ ムバーラクが失格してほぼ2年、異論もある最初の憲法案
について投票を行なうよう、呼びかけられている。人が殺到したた
め、投票所は現地時間の21時まで、2時間延長して開かれた。野党
の支持者はイスラーム教徒兄弟団が、不正を行ったと非難し、イス
ラーム教徒兄弟団は賛成票を投じるように、投票所で呼びかけ、投
票者には砂糖、油、お茶などが配られた、とのことである。野党各
党は支持者に対して、投票に行き、反対票を投ずるように呼びかけ
ていた。自由主義、世俗派、キリスト教徒、その他批判的な人々
は、中心部分はイスラーム教徒兄弟団が作成した基本法は、イスラ
ーム法シャリアに大きな地位を与えている、と訴えている。国民投
票の第1回投票では、27州のうち10州で投票が行われるが、ここ
にはカイロとアレクサンドリアが含まれている。第2回投票は来た
る土曜日に計画されている。

     その他のニュース

ボンでの爆弾発見後容疑者が特定されるとの報道

ボン中央駅で爆発物が発見されて数日、捜査陣は爆弾の入った鞄を
置いた色黒の男の身元がかなりしぼられてきた、と発表した。犯人
とされる男は、ボンの急進的なイスラーム教運動出身で、国外のア
ル カーイダ陣営の人物とつながりを持っている、と「フランクフ
ルト一般新聞日曜版」は、連邦検察の検察官の言葉を引用してい
る。西ドイツ ラジオも、治安担当官の言葉として、捜査陣はノル
トライン・ヴェストファーレン州のランゲンフェルト出身の男を、
容疑者と特定した、と伝えている。この2人が同一人物かどうかは
不明である。カールスルーエの連邦検察は金曜日に、捜査を引き継
いだ。報道によれば、この爆弾は月曜日に遠隔操作で点火された
が、設計の間違いのため爆発しなかった。

米国の小学校での凶行をうけ悲痛と驚愕

世界各国の首脳が、米国のコネチカット州の小学校で死者28人を出
した凶行に、悲しみと驚愕をあらわにした。小都市ニュートンでの
この犯罪は、クリスマス直前に描きようのない悲しみを多くの家族
にもたらした、とドイツ首相メルケルはベルリンで述べた。金曜日
には20歳の男が、まず小学校の教師であった母親を射殺していた。
警察が集めた情報によれば、その後彼は母親の車で学校に行き、そ
こで5歳から10歳までの子供20人、大人6人を射殺した。その後彼
は自ら命を絶った。彼の動機はまだ不明である。米国大統領オバマ
ははっきりわかるような動揺をしながら、家族に対して弔意を述べ
た。また彼は、政治的な責任を追及する、と予告したが、詳細につ
いては述べなかった。ワシントンの大統領府前では、デモ隊が武器
法の強化を求めた。

4百人を超える難民がランペドゥサ島に到着

イタリアの沿岸警備は、ランペドゥサ島沖で、4百人を超えるアフ
リカ難民を捕まえた。彼らは全長20メートルのボートで、不法にイ
タリアの島に上陸しようとしていた。サハラ以南の地域の出身の人
々は、まずランペドゥサ島の収容所に運ばれ、その後イタリアの別
の地域に分けれて収容される。支援組織「子供を救え」によれば、
ランペドゥサ島には7百人以上の難民がおり、一部は大混乱状態に
なっている。過去数年で、数百人のアフリカ人が逃亡しようとし
て、遠洋用ではない漁船上で、死亡していた。




12月16日(日)

エジプト反政府勢力は新たな抗議行動を予告

憲法案の第1回国民投票を受け、エジプトの最重要反政府運動であ
る国民救済戦線は、火曜日に全国でデモを行なうよう呼びかけた。
その声明の中で、自由を守り、欺瞞を阻止し、憲法案を撤回させる
ことを求めるため、人々が路上に出てほしい、と述べた。イスラー
ム教徒兄弟団の政党の発表によれば、国民投票では有権者の56%
がこの案に賛成した。反政府勢力は政府が、選挙で不正を行なっ
た、と非難した。今までのところ、州の一部でだけ投票が行なわれ
た。残りの州では、来る土曜日に第2回投票が行なわれる。

     その他のニュース

アッバスはシリアでのパレスチナ人の攻撃を止めるよう求める

パレスチナ大統領アッバスは、諸外国に対して、シリアの国民を保
護するための措置をとるように要請した。彼はラマラで、パレスチ
ナ人はこの紛争には何の関係もない、この攻撃は直ちに中止しなけ
ればならない、とも述べた。これによりアッバスは、政府軍による
ダマスカスのパレスチナ人難民収容所の銃撃に、答えたことにな
る。シリア反政府勢力の発表によれば、この攻撃で少なくとも25人
が死亡した。犠牲者はモスクに救いを求めていた、とのことであ
る。難民収容所ジャルムクは、今まで比較的安定している、と目さ
れていた。それゆえ、ダマスカスの他の地域から多くの住民が、こ
こに押し寄せていた。アサド政権の部隊は、数週間前から、首都ダ
マスカス南部の蜂起勢力を追い出そうとしていた。

ニュータウン:錯乱者の犠牲者の追悼式

米国の町ニュータウンでの精神錯乱を受け、ドイツ時間の今夜、犠
牲者追悼式が行われる。出席者として、米国大統領オバマが発言す
る予定である。そのほか彼は、犠牲者の家族と出動した部隊とも話
し合う方針である。この間に警察は、集めた情報を新たに公表し
た。その情報によれば、犯人の自動車の中には散弾銃が見つかっ
た。犯行現場ではすでに、ピストル2丁と銃1丁が見つかっていた。
犯人は金曜日に、小学生20人、女性教員6人、母親、最後に自らを
射殺した。彼の動機は相変わらず不明である。

ラムザオアー「ベルリン空港長を解任」 鉄道建設には復帰せず

連邦交通相ラムザオアーは、ベルリン大空港長シュヴァルツを解任
するのに賛成した。彼の意見によれば、この措置はずっと以前に実
施していなければならなかった、とキリスト教社会同盟の政治家で
ある彼はテレヴィ番組で述べた。飛行場会社の連邦の持ち株の割合
は、このような決定を下すためには、十分に大きくない、とも語っ
た。シュヴァルツは空港建設の遅れのため、批判を受けている。ラ
ムザオアーは、鉄道建設計画「シュトゥットガルト21」の高負担に
ついても言及し、この問題では、連邦は正しい交渉相手ではない
が、自分はここに逆戻りすることはないと述べ、考えられる選択肢
も、同様に高くつく、とも述べた。鉄道は先に、新たな路線と地下
駅の建設には20億オイロ以上かかるかもしれない、と発表してい
た。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system