5月6日〜12日のオーストリアのニュース



5月6日(月)

     国外ニュース

シリア紛争でのイスラエルの計算

イスラエルがシリア国内の目標地点を最近空から攻撃したことで、
激しい内戦が再び注目の的となった。多くの報道機関が、近東での
「大火」が間もなく起こる、と警告している。ただしイスラエル
は、アサド政権がおそらくイスラエル全土を射程距離に収めるスカ
ッド・ミサイルらしきものを、南レバノンにいる急進派イスラーム
教徒ヒズブッラーに密売するつもりであるとして、自国の安全に対
する脅威に対して、空爆で応じた。また空からの攻撃は、イランに
対する米国の親書である。たとえ関係がますます変動することにな
っても、事態の激化はまだ起こりそうにない。

     国内ニュース

ザルツブルク州選挙の社民党および国民党支持は中年層中心

ザルツブルク州の州議会選挙では、連立与党社会民主党と国民党
が、手痛い打撃を受けたが、投票者の行動の分析が行なわれてい
る。世論調査機関SORAと「世論戦略」が達した結論によれば、両
党に投票したのは主として中年の有権者であった。この点ではおそ
らく、国民党の動員が勝っていた。さらに厳しい支持減を喫した社
会民主党のような事態を回避できたのは、多くは女性票によるもの
である。有権者女性を巡る駆け引きでは、緑の党が得点を稼いだ。
自由党とシュトローナハ班は、主として男性に訴えかけた。




5月7日(火)

     国外ニュース

行方不明の米国女性 誘拐犯は警察に知られていた

米国のオハイオ州クリーヴランドで、過去2度に渡り警察官は、3人
の女性を誘拐した52歳の男の家の扉の前に立ったことがあった。捜
査当局は記者会見で、この際には警官が容疑を持つには至らなかっ
た、と発表した。隣人には気づかれることなく、女性たちは10年間
に渡って監禁されていた。火曜日には誘拐された人たちが、ここで
生まれた6歳の娘と共に、ようやく逃げ出すことに精鉱した。以前
スクールバスの運転手であったこの家の持ち主と、2人の兄弟が逮
捕された。この事件の状況は、まだ闇の中にある。

     国内ニュース

ケルンテン不動産銀行救済は予算にとって最大の危険

危機にある公立銀行アルプ・アドリア不動産銀行に、修正した救済
計画を適用し、それによってEU委員会からより長い時間的猶予を手
に入れようという粘り強い努力を、同銀行監査役会も公式にとる方
針である。新特別対策班は、実行可能な立て直し計画を練り上げる
ことになっている。この救済がどれだけ多くの負担を納税者にかけ
るかは、財務大臣マリーア フェクター(国民党)は口を閉ざして
いる。しかし150億オイロほどとの声が聞かれている。専門家はこ
の銀行救済は、予算上最大の危険である、と見ている。




5月8日(水)

     国外ニュース

新たな方針 EUは銀行にさらに多くの業務を求める

EU委員会は徐々に銀行に対する忍耐を失いつつある。2年前から
EUは、拘束力のない勧告を出し、銀行業界により顧客よりの営業
を行なうように働きかけていたが、成果を上げることはなかっ
た。水曜日に同委員会は指針案を提出した。すべてのEU市民の口座
と並んで、課される利用料を比較するサイトを作ることも含まれて
いる。顧客がある銀行から別の銀行に乗り換えることも、容易化さ
れることになっている。

     国内ニュース

教員勤務法は相変わらず合意の見通しなし

教員勤務法の改革に関する合意は、昨日夜の政府と労働組合の交渉
の後も成立する見通しがない。「私たちは多くの分野で、比較的大
きく対立している」と教員側の主席交渉役パウル キンベルガー
(FCG)は、4時間を越える教育大臣クラオディア シュミート
(社会民主党)、公務員大臣ガブリエレ ハイニシュ・ホーセク
(社会民主党)および財務大臣マリーア フェクター(国民党)と
の会談後に述べた。




5月9日(木)

     国外ニュース

スロヴェニアは増税と民営化で危機に対抗

打撃を受けたオイロ使用国スロヴェニアは、木曜日に債務危機への
対処法を発表した。付加価値税の増税、新規導入した不動産税、支
出削減、期限付きの特別所得税により、巨大な国家財政の赤字を処
理することになっている。さらに同国は、リュブリャナ空港、スロ
ヴェニア電信電話会社など多くの企業を国から切り離し、EUの支援
を当てにする事態を回避する方針である。

     国内ニュース

イエメンで誘拐されたオーストリア人が解放される

イエメンで誘拐されてからほぼ5ヶ月、オーストリア人ドミニク 
ノイバオアーと2人のフィンランド人の人質が解放された。外務省
が木曜日夕方、これを確認した。26歳の学生と、フィンランド人夫
婦は、12月にイエメンの首都サヌアで誘拐されていた。3人とも現
在、ウィーンのシュタマースドルフにいる、とのことである。




5月10日(金)

     国外ニュース

毒ガス使用の疑いとミサイルを巡る対立 シリアは国際的に翻弄

シリア危機解決を巡る足の引っ張り合いは、新たな頂点に達した。
トルコ首相レジェップ タイップ エルドアンが、バシャール ア
ル・アサド政権が、化学兵器を使用したと非難し、少なくとも米国
の指揮の下で飛行禁止地域を設定するように求めているが、ヒズブ
ッラーは今回はイスラエルに対して攻撃を行なう方針である。イス
ラエルはシリア領土で、イランが急進派イスラーム教徒組織である
ヒズブッラーに対する武器の納入を行っていた輸送者談に、爆撃を
行なったばかりであった。米国とロシアの間の会談の雰囲気も悪化
した。米国とイスラエルの抵抗が抵抗する中、ロシアはシリアにミ
サイル迎撃設備を納入する方針である。

     国内ニュース

フィンランド系イエメン人人質は「私たちはよい扱いを受けた」

オーストリア人ドミニク ノイバオアーと2人のフィンランド人
が、数ヶ月にわたってイエメンで人質となった後、解放されたこと
を受け、人質時代の詳細を初めて発表した。フィンランド人の人質
は、ウィーンで短時間医師の手当てを受けた後、早くもヘルシンキ
に向かったが、誘拐犯たちの扱いはよかった、と述べた。解放の詳
しい状況に関する情報は、相変わらず少ない。テロの専門家は、公
式には身代金の支払いが否定されているが、実際には支払いがあっ
た可能性がある、と見ている。




5月11日(土)

     国外ニュース

ブルガリアでは厳しい危機の中で選挙

低賃金、多くの若年失業者、貧富の格差の拡大、ブルガリアが解決
しなければならない課題の一覧表は長い。貧困と汚職に抗議する焼
身自殺と大規模抗議活動は、2月に市民階層が示威するボイコ ボ
リソフ率いる政権を、辞任に追い込んだ。ニーダーエスターライヒ
州の電力会社EVNなどの諸外国の企業も、デモの標的になった。日
曜日にはブルガリアでは、国会議員選挙が行なわれる。EU加盟国中
最貧国である同国の選挙戦の中心は、社会的経済的な問題ではな
く、盗聴問題である。

     国内ニュース

イエメン人質事件 外務省は費用の負担を検討

数ヶ月にわたってイエメンで人質となった後、幸運にも帰国したオ
ーストリア人ドミニク ノイバオアーは、当面一般社会からは切り
離される。外務大臣シュピンデレガー(国民党)は、費用の分担問
題に関してインタヴューの中で、ノイバオアーは「恐ろしい」扱い
を受けていたので、解放にかかった費用の問題に彼を直面させたく
ないと述べた。法律に従って検討する、と外務省は発表している。
一方誘拐の背景に関する観測が、広く行なわれている。




5月12日(日)

     国外ニュース

ブルガリア選挙 抗議が暗い影を落とす

ブルガリアでは国会議員選挙が予定を早めて日曜日に行なわれた
が、暴力的な抗議活動も生じた。激怒した人々が、「古い国会の改
訂版」に抗議してデモを行なった。当初の見通しによれば、元政権
党GERBが選挙を有利に進めている可能性がある。大規模な抗議が原
因で行なわれた今回の投票には、ますます危機を拡大しかねない盗
聴事件が暗い影を落としている。第二党である社会党BEPは、GERB
が「選挙操作」を行なったと非難し、土曜日には警察が35万の偽造
投票用紙を押収していた。

     国内ニュース

イエメン人質事件で外交的な対立は生じなかった

フィンランドとオーストリアの秘密情報部の間には、イエメン人質
事件をめぐり感情のもつれがあると報じられているが、フィンラン
ド政府はこれを否定した。「協力を進める間には、どの段階でも対
立は生じなかった」と外相エルッキ トゥオミヤは昨日インターネ
ット上に書き込んだ。




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