5月20日〜26日のオーストリアのニュース
5月20日(月)
国外ニュース
金と銀の危機 機関投資家が貴金属から手を引く
貴金属市場で価格下落が続いている。金と銀はさらに価格を下げて
いる。銀は25年間で最も安い価格を付け、4月初めからだけでも
25%値下がりした。暴落した金は、同じ期間でおよそ15%の値下
がりを被った。原材料の専門家は、銀の価格のさらなる値下がり
は、電気製品などの製造で、銀が使用されることが原因である、
と説明している。
国内ニュース
原則を定める判決 大学の座席不足で賠償
最高裁判所は、オーストリアの大学にとって大きな影響力をもつ原
則を定める判断を発表した。元医学部の学生に対して、大学での座
席不足の賠償が、初めて認定された。同法廷は、この学生は計画通
りに履修を進めることができず。そのために職業生活に遅れて入る
ことになり、代償を得ることなしに授業料を支払った、と判決理由
を説明した。大学生たちは喜びの声を上げたが、それは大学は規則
通りに履修をができるように取りはからうためで、もしそうしなけ
れば訴訟が起こされるからである。
5月21日(火)
国外ニュース
イランではラフサンジャニが選挙から排除される
イラン元大統領アクバル ハーシェミー ラフサンジャーニーは、
6月14日の大統領選挙には、立候補できない。監視人評議会が、穏
健派と目される彼の立候補を禁じた、と国営通信社Farsが火曜日に
報じた。現大統領マハムード アフマディネジャドの盟友エスファ
ンディアル ラヒーム、マシャイエも、立候補できない。680人を
越える立候補希望者のうち、8人だけが立候補を認められた。
国内ニュース
ザルツブルク州国民党は緑の党とシュトローナハ班と連立の意向
ザルツブルク国民党幹部会は、5月5日の州選挙で最大の票を獲得し
たが、火曜日午後に全会一致で、緑の党およびシュトローナハ班
と、具体的な連立協議に入ることを決定した。これが精鉱すれば、
社会民主党は次期政権に参加できなくなる。
5月22日(水)
国外ニュース
ラフサンジャニが立候補禁止 イラン選挙ではハメネイは板挟み
イランで権力を握る監視人評議会は、大統領選挙まで3週間のこの
時点で、マハムード アフマディネジャドの現体制に忠実な後継者
の道を確保した。大統領選挙に名乗りを上げたほぼ7百人のうち、
僅か8人だけが立候補を認められ、そのうち7人は宗教派で保守派の
陣営に属している。同国で方針転換が行なわれる希望は、芽のうち
に摘み取られた。元大統領アクバル ハシェミ ラフサンジャニが
排除されたことで、最高指導部は全く好意を示さなかった、という
ことで専門家の意見は一致している。宗教上の最高指導者アリ ハ
メネイ師がこの決定を覆せば、好ましくない候補者が選挙で勝利す
る可能性がある。そうなれば、イランには再び激しい抗議の波が吹
き荒れる可能性がある。
国内ニュース
国民評議会は2017年までの財政の枠組みを決定
国民評議会は木曜日、2014年から17年にかけての連邦の財政の枠
組みを決定する。スポーツ振興の改革と平等の扱いに関する新法
も、議題に上がっている。冒頭では連邦首相ウェルナー ファイマ
ン(社会民主党)が、国会議員の質問に応える。財政問題の議論の
中で彼は、EU首脳会談に関して報告を行なう保身である。平等の扱
いに案する法律では、差別からの保護を改善するものの、社会民主
党と緑の党が求めていた「平等への引き上げ」にはつながらない。
「平等への引き上げ」は、住宅市場などでの公共施設などの使用の
際の差別も禁止するものであった。
5月23日(木)
国外ニュース
オバマは無人機による暗殺を減らす
テロ容疑者を米国の無人機が殺害していることが、諸外国では激し
い議論を数回にわたって巻き起こしている。米国政府は、米国国籍
を持つアル カーイダの活動家の可能性がある者を処刑したこと
を、先日初めて認めたばかりであった。大統領バラック オバマは
木曜日の演説の中で、米国は攻撃の危険を回避するために、今後も
この最終手段を手放さない方針であるが、今後はより厳しい規則に
基づいて実施する、と述べた。「テロのと戦い」の別の前線でも、
オバマは国内政治上、若干の妥協をせざるを得なかったが、ここで
も彼は実施の速度を落とそうとしている。
国内ニュース
スポーツ振興の新たな策が国民評議会で可決
国民評議会は昨日夕刻、与党社会民主党と国民党のほか、自由党の
賛成で、スポーツ振興の改革を可決した。これは成果をさらに上
げ、監視体制を強化するための策である。緑の党、自由党、シュト
ローナハ班は、これによって多くの点が変わらないのではないか、
と疑問を呈し、振興策を委託する際には、今までと同じ連邦スポー
ツ団体の所轄が発言権を持つことになるのではないか、と述べた。
これにもかかわらずスポーツ大臣ゲーラルト クルーク(社会民主
党)は、第二共和国のスポーツ振興策の中で、これが最大の改革で
ある、と見ている。
5月24日(金)
国外ニュース
サッカー決勝でテロの不安 ロンドン警察は封鎖を行なう
テロを動機として英国兵が殺害されたことを受け、ロンドン警察は
当面、土曜日のサッカー大会の決勝戦の危険性が高まるとは見てい
ない。しかし心配は大きい。動員計画を直前に練り直す可能性があ
る、とのことである。木曜日からはロンドンでは、警官を1千2百人
追加動員している。一方拘留されている容疑者2名が、数年前から
秘密情報部の視野に入っていたことで、議論が巻き起こっている。
国内ニュース
インターネット上での資金調達問題を解決する時間は足りない
政界は国民評議会選挙までに、インターネットを通じた大衆からの
資金調達を、法的に確実な基盤の上に確立する方針であったし、今
もなおそれは変わらない。しかし企業にとって新たな資金調達方式
とも見えるこれに関しては、意見が若干隔たっているように見え
る。APA通信によれば、国民党、緑の党、自由党は、「自由主義的
な」法律による解決を求めているが、社会民主党はそれを押さえて
いる。どの程度の金額から、記号はその投資家にどれほどの量の情
報を伝達しなければならないか、という問題、つまり内容説明の義
務が、懸念材料となっているようである。解決するためには、今な
お数週間の時間しか残っていない。
5月25日(土)
国外ニュース
ロンドンでの殺害後 パリで兵士が首を切りつけられる
ロンドンで英兵が殺害されて数日、パリでも兵士が刃物で切りつけ
られる事件が起きた。報道によれば、逃亡中の犯人は、カッターで
兵士の首を切りつけた。犠牲者は生命の危機にあるが、フランス国
防省は殺意があったと見ており、「兵士であるという理由で、犯人
は彼を殺すつもりであった」と発表した。「テロ組織との容赦ない
戦い」は続ける、とのことである。
国内ニュース
オーストリアのイスラーム教徒モハメド M.はエジプト人か?
「オーストリアのイスラーム教徒」モハメド M.は密かに、エジプ
トの国籍を取得した、との推測が流れている。「クローネ新聞」
(日曜版)も、秘密情報部筋の情報を元に、未解明の国籍問題を報
じている。彼の引き渡しを求めている法務省は、トルコからの返答
を待っている。
5月26日(日)
国外ニュース
制裁は解除 シリアへの武器供与がEUを分断
シリア紛争でレバノンのヒズブッラー民兵の兵力が介入を強める一
方、EU各国は反乱勢力に対する武器の提供を巡って争っている。蜂
起勢力に武器を与えて支援する方針の国と、断固それに反対する国
がある。オーストリアは、武器禁輸が中止されるのであれば、ゴラ
ン高原へ派遣された兵士を引き上げる、と威嚇した。早期の決定が
下されなければならないが、それは妥協が成立しなければ、EUの制
裁は6月上旬に解除となる。しかし政治的な駆け引きが行われてい
るため、的確な決定が下されるのは容易ではない。
国内ニュース
行動派の芸術家のオットー ミュールが死去
おそらくこれより議論を呼んだオーストリア人芸術家はいないだろ
う。日曜朝に行動派の芸術家オットー ミュールが87歳で、「ポル
トガルの友人の中で心安らかに死去」した、とミュール資料館は発
表した。彼は国道主義派の創設者の一人であり、フリードリヒスホ
ーフ共同体の主であった。彼は6年にわたり、未成年者とのわいせ
つな行為および薬物乱用容疑で拘留された。彼の共同体計画は失敗
に終わったが、その後には芸術家として評価を受けた。