6月17日〜23日のドイツのニュース



6月17日(月)

メルケルはトルコを批判

連邦首相アンゲラ メルケルは、イスタンブルおよびその他の都市
で、政府に批判的なデモ隊に対して、トルコ警察が暴力的な行動を
取ったことを批判した。メルケルは北アイルランドでのG8首脳会談
に出発する前のインタヴューで、近代トルコは、人々がたとえ少数
派であっても、自分の意見を表明することを容認しなければならな
い、と述べた。また彼女は、トルコ当局の暴力的な行動は、EU加盟
にふさわしいかどうかという問題について、今までの方針を転換し
て発言した。トルコ政府は抗議運動に、軍を投入すると威嚇した。
副首相ビュレント アリンクは国営放送TRTで、必要であれば軍も
介入させると予告し、デモは違法であり、今後も阻止する、と述べ
た。警察による暴力的な行動に対する抗議から、二大労働組合はス
トライキを呼びかけた。

     その他のニュース

「G20首脳会談も盗聴の対象」との報道

報道によれば、英国は2009年にロンドンで開かれたG20首脳会談
の代表団は、盗聴を受けていた。英国の「ガーディアン」紙がいわ
ゆる「告発者」スノウデンの文書を引用して報じたところによれ
ば、盗聴を受けたのはNATO加盟国トルコと南アフリカである。ス
ノウデンはしばらく前に米国の盗聴計画Prismを実行していた模様
である。G20首脳会談の代表団のスパイ行為を行なうようにという
指示を出したのは、当時の英国労働党政権の首相ブラウンであっ
た、とのことである。この行動で英国政府は、首脳会談での交渉の
行方を確かめるつもりであったのではないか、と報じられている。

イラン新大統領は核を巡る対立で透明性を高めると予告

イランの大統領に選ばれたルハニは、穏健な立場を取ることを約束
した。穏健派の聖職者である彼は、テヘランでの記者会見に出席
し、自分が大統領に選ばれたのは、イラン人が尊敬を求め、急進派
を拒否する声である、と述べた。また彼はイランの各計画を巡る対
立で、透明性を高めると予告した。彼は、イランに科されている制
裁を不公平であると述べた。64歳の改革派陣営の候補者である彼
は、外交政策では攻撃的な論調をしばしば取っていたアフマディネ
ジャドの後任として、8月に大統領に就任する。イランは核兵器を
作ろうとしている、と非難されている。シリア大統領アサドの支援
をしている件について、諸外国からの批判を受けている。またイラ
ンはイスラエルを敵視しているイスラーム教徒組織ヒズブッラーと
ハマースと、密接に協力している、と見なされている。

イラクで再び流血の攻撃

イラクでは月曜日に再び暴力がふるわれた。バグダードの北20キロ
にあるタジ市の食堂で、1発の爆弾が破裂した。警察と医師の発表
によれば、少なくとも7人が死亡した。小型バスに装着された爆薬
が破裂して、2人が死亡した。バグダードの西50キロほどにあるフ
ァルージャでは、警官の制服を着た自殺攻撃犯が3人を巻き添えに
爆死した。週末には攻撃と銃撃戦で、少なくとも30人が死亡したば
かりであった。攻撃が行われたのは、主としてシーア派が住む地域
であった。数ヶ月前から続く暴力の波を起こしているのは、主に急
進派スンナ派である、とされている。彼らはシーア派が中心の政権
と戦っており、宗教組織同士の対立をあおっている。




6月18日(火)

G8首脳会談はシリアに移行政権を作る方針

ロシアおよびその他のG8諸国は、シリアの内戦を政治的に終結させ
るために、移行政権を作るべく努力している。北アイルランドのエ
ニスキレンでのG8首脳会談に参加した代表団が、これを発表した。
それによれば、シリア大統領バシャール アル・アサドの将来の役
割や政治上の命運については、触れていない。移行政権がどのよう
な外見のものになるのか、アサドの辞任を暫定政権成立の前提条件
とするのかは、今のところ不明である。各国主のは月曜日から、共
通の立場に関して議論を続けていた。ロシア大統領ウラジミール 
プーチンは、ほぼ孤立していた。外交官の話によれば、彼も最後に
はこの文言に同意した。ロシアはイランを除くと、アサドと最も密
接な連帯関係にあり、同国政府に武器を供給している。

     その他のニュース

トルコでは手入れ後に多数が逮捕される

イスタンブルでは政府に批判的な抗議活動が行われたことを受け、
警察は左翼急進派政党の支持者を、暴力的に逮捕した。抗議活動に
積極的な組織である「非抑圧者の社会党ESP」の党員90人ほどが、
自宅で逮捕された、とイスタンブル検察が発表した。テレヴィ局
NTVとCNNトルコはそれに加えて、同党に近い立場の「アティリム」
紙と通信社エトキンの事務所を、警察が捜査した、と報じた。NTV
によれば、その他に首都アンカラでは30人、北西部との市エスキシ
ェヒルで13人が逮捕され、さらに18の州で警官が動員された。検
察によれば日曜日の時点で、イスタンブルとアンカラでの抗議行動
で、6百人近くが逮捕された。

カルザイは治安の責任全体を引き継ぐと発表

アフガニスタン大統領カルザイは、同国全土で地元の部隊によって
治安の責任を引き継ぐ、と正式に発表した。NATOの部隊がアフガ
ニスタンから2014年末までに撤退する計画が進む中で、この措置
が前進の一里塚と目されている。NATO軍のが治安の責任を担当し
ている95の地区は、その後はアフガニスタン軍に委ねられる。これ
らの地区は、アフガニスタンのタリバーンが特に大きな力を持つ同
国南部および東部の紛争地域にある。その後約10万人のNATOの兵
士は、同国では支援的な役割だけを持つことになる。カルザイの演
説の前に、カブールでは爆弾攻撃が行なわれ、民間人3人が死亡
し、その他の24人が負傷した。警察の発表によれば、この攻撃は高
名なアフガニスタンの国会議員モハキクを狙ったものであったが、
彼はこの攻撃で負傷することはなかった。

イランは8月までに新たな核交渉を進めない

イラン政府は核を巡る話し合いの継続を、8月の新政権誕生までは
進めないことにした。イラン外務省広報がこれを発表した。新イラ
ン大統領ルハニは、8月に諸外国では問題視されているアフマディ
ネジャドの後継者に就任するが、月曜日の記者会見では、核を巡る
対立では透明性を高める、と予告していた。ルハニは、ウラン濃縮
は継続する、と述べた。国連で拒否権を持つ5大国(米国、英国、
フランス、ロシア、中国)とドイツとの話し合いを、集中的に行な
うつもりである、とも語った。イランは原子力の民間利用を隠れ蓑
に、核兵器の製造に取り組んでいる、との疑いを持っている。イラ
ン政府はこれを否定している。




6月19日(水)

オバマはベルリンでNSAの盗聴計画を弁護

米国秘密情報部NSAの盗聴計画Prismは、ベルリンで会談した米国
大統領バラック オバマとドイツ首相アンゲラ メルケルの仕事を
増やした。共同記者会見ではオバマは、問題となっている米国国内
でのインターネットおよび電話情報の収集を擁護した。この問題で
は、厳しい義務が課されており、国民の保護が目標であり、少なく
とも50の攻撃の可能性が、この計画の実施によって未然に阻止さ
れ、それはドイツでも同様である、と述べた。オバマは、秘密情報
部は電話通話を盗聴したわけではない、と強調し、さらに裁判所の
監視の下で、この活動は行なわれている、と述べた。オバマは秘密
情報部は、これ以上の誤解が生じないように、ドイツ情報部と密接
に協力するように、と指示する方針であり、インターネット上で安
全確保上の関心および市民の権利の間で均衡点を見いだすのを目標
としなければならない、とも語った。

     その他のニュース

カルザイはタリバーンとカタールでの話し合いに参加しない方針

大統領カルザイが率いるアフガニスタン政府は、米国が努力してい
る急進派イスラーム教徒タリバーンとの和平交渉に参加しない方針
である。カブールの大統領宮殿の発表によれば、「アフガニスタン
内部」の和平の過程が前進しない限りは、湾岸の国カタールでの交
渉には参加しない方針である、と述べた。さらに米国に対する怒り
のため、部隊の撤退後の強力に関する話し合いは中断された。米国
大統領オバマは、カルザイの批判に冷静に対応した。ドイツ訪問中
のオバマは、「大きな不安」がアフガニスタンを支配しており、
「戦争の最中」にある、と述べた。交渉の予定にもかかわらず、タ
リバーンは攻撃を続行する方針である。和平交渉の期間中には、停
戦が行われるわけではない、とタリバーンのカタール連絡事務所の
シャヘーンは、放送局ジャジーラに述べた。空軍基地バグラムを狙
ったミサイル攻撃では、火曜日夜に4人の米兵が死亡していた。

モガディシオの国連の建物が攻撃を受ける

ソマリアの首都モガディシオでは、自殺攻撃犯とイスラーム教徒シ
ャバーブ民兵の戦闘員数人が、国連の建物を攻撃した。警察によれ
ば、自殺攻撃犯は、国連開発計画UNDPの入口のところで、爆発物
に点火し、そのご数人の武装した男たちがこの建物に押し寄せ、周
辺を銃撃した。政府は少なくとも15人が死亡した、と発表した。国
連の支局は、要塞ほどの厳重な警備が取られた空港から、数百メー
トルの所にある。この空港を経由して、アフリカの角にある内戦中
の同国でのアフリカ和平部隊に対して補給を行なっている。

中国と北朝鮮は「戦略的対話」を行なう

中国と北朝鮮の高官は、先に両国の関係がもつれている兆しが現れ
ていることを受け、北京で新たな話し合いを開始した。中国外務省
は、朝鮮半島の緊張と両国関係に関する「戦略的対話」である、と
発表した。中国に対しては、北朝鮮政府に対して影響力を行使し、
北朝鮮が各計画を中止するように、との諸外国からの圧力が強まっ
ている。ほぼ全面的に孤立している北朝鮮は、ミサイル発射計画と
核実験を行ない、強硬な対立姿勢を進んでおり、先週には再び緊張
緩和の方向性を示していた。韓国紛争は北京では、元首で共産党党
首習近平と国連事務総長潘基文の対話の主題でもあった。




6月20日(木)

米国はカタールのタリバンとの対話実現に努力

アフガニスタン大統領ハミド カルザイとの間で、タリバーンとの
和平交渉を巡って対立を続ける米国政府は、緊張緩和に向けて努力
をしている。カブールの大統領宮殿の発表によれば、米国外務大臣
ジョン ケリーが、前日に数回にわたってカルザイに電話をしてき
た、ケリーはカルザイに対して、「イスラーム教首長国アフガニス
タン」と宛先を記した記念碑は、カタールの首都ドーハにあるタリ
バーンの新事務所から撤去した、と明言した、とのことである。急
進派イスラーム教徒タリバーンの連絡事務所にあるタリバーンの旗
も取り除かれる、とも述べた。米国の代表とタリバーンの代表の初
めての会談が、間もなく開かれる、との報道は両国の代表筋が否定
した。
パキスタンではタリバーンが2009年に誘拐された米国兵士を、グ
アンタナモ収容所に収容されている5人の同士と交換することを申
し入れた。

     その他のニュース

デ メズィエールは今後のアフガニスタンへの関与の条件を提示

ドイツ国防相デ メズィエールは、国防軍がアフガニスタンに長期
的に関与するための条件を提示した。彼はアフガニスタンの部隊を
訪問し、この条件の中には、「持続的で信頼できる部隊の地位に関
する合意」が含まれている、と述べた。アフガニスタン大統領カル
ザイは、米国と同様の地位に関する話し合いを前日に突然中止した
が、それは急進派イスラーム教タリバーンとの話し合いに関する米
国の計画に、彼が怒っているためである。軍の地位は、米国との二
国間安保協定の重要な一部である。デ メズィエールは、同国北部
のマザリシャリフにあるドイツの本部をまず訪問した。その後彼は
西部のヘラートで、アフガニスタン国防相モハマディおよびイタリ
ア国防相マウロと会談した。イタリアは国際アフガニスタン保護部
隊ISAFの枠組みの内部で、同国西部の4つの州の指揮を担当し、
3千6百人の兵士を出し、米国、英国、ドイツに続いて、4番目に多
くの兵力を提供している。

FBIは米国に無人機を使用したことを認める

米国連邦警察は、国内でも監視のために無人機を使用したことを、
初めて認めた。FBI長官ミュラーはワシントンの上院法務委員会
で、これはきわめて「まれ」にしか行われていない、「ごく僅かの
無人機しか」保有しておらず、その使用は「きわめて限られた事例
に限定」されている、ともミュラーは述べた。FBIは現在、無人機
の使用に関する、基本方針を策定中である、FBIが追加した態度声
明の中では、この飛行機が使われた例として、慎重な扱いの必要な
状況でのスパイの保護や、人質事件を挙げた。他の米国当局は、す
でに長年にわたって無人機を利用している。特に国土防衛省はこの
飛行機を用いて、メキシコとの国境を監視している。国外では武装
した米国の無人機は、パキスタンとイエメンで急進派や蜂起勢力と
見られるものとの戦いに使われる。

UNESCOはシリアの文化施設に懸念を示す

国連教育科学文化機関UNESCOの推定によれば、シリアの内戦は、
同国の歴史的遺産の所在地を危険にさらしている。同機関はカンボ
ジアの首都プノン ペンでの年次会合で、シリアにある世界文化遺
産6つすべては、武装紛争のために、もはや十分に保護されていな
い、と発表した。それによれば、この6箇所は世界危険遺産の一覧
表に記載された。その中にはアレッポ、ダマスカス、ボスラの歴史
的な旧市街、パルミラのオアシス、サラディン要塞、北部の古い村
落が含まれている。同機関の文書によれば、特にアレッポ旧市街
は、「紛争の最も激しい破壊の一つにさらされ」ている、とのこと
である。




6月21日(金)

メルケルとプーチンは今度は展覧会を訪れる

連邦首相アンゲラ メルケルとロシア大統領ウラジミール プーチ
ンは、サンクト ペテルブルグでの展覧会を、共に開会した。メル
ケルはサンクト ペテルブルグで開かれたプーチンとの合同記者会
見で、プーチンとの直接対話のおかげで、これまでは中止と発表さ
れていた二人そろっての展覧会訪問を実施することができた、と述
べた。両者は夕刻には声明を発表する、発表した。メルケルは、こ
れは重要な展示会で、自分とプーチンはこれに関して態度表明を行
なう、とも述べた。展覧会訪問の中止は、大問題であると評価され
ていた。その背景には、ドイツとロシアが、第二次世界大戦からの
いわゆる略奪美術品に関する対立があった。ドイツ政府の発表によ
れば、メルケルが演説の中でこの対立に言及するつもりであったこ
とが、ロシア側にとって好ましくなかった、とのこと得ある。ドイ
ツは美術品の返還を求めているが、ロシアはこれを拒否している。
エルミタージュ美術館で開かれる「青銅の時代 国境のないヨーロ
ッパ」という展覧会では、第二次世界大戦後にソ連兵によってドイ
ツからロシアに持ち出された、およそ6百の作品が展示される。

     その他のニュース

ギリシア連立政府は崩壊

ギリシアでは選挙から1年と少し、連立政府が破綻した。「民主左
派」党は、国営放送局ERTが閉鎖されたために、連立政権から離脱
することを決定した。首相サマラスは、連立相手との申し合わせな
しに、同局の閉鎖を命じて、政権の危機を招いていた。サマラスの
保守派新民主主義党ともう一つの連立相手社会民主主義の「全ギリ
シア社会主義運動Pasok」は、民主左派の参加がなくても、国会で
はぎりぎりで多数を持っている。

デ メズィエールはアフガニスタンの州知事と会談

国防相デ メズィエール(キリスト教民主同盟)は、アフガニスタ
ンのマザリシャリフを訪問し、「いくつかの条件が満たされれ
ば」、今後もドイツは同国北部に関与を続ける、と約束した。訪問
の最後に彼は州知事アタと会談した。アタはアフガニスタン政府と
タリバーンの間の話形交渉に賛成した。一方米国政府は、急進派イ
スラーム教徒タリバーンと、捕虜交換に関する交渉に対する態度を
決めていない。タリバーンはおそらく、グアンタナモ収容所にいる
収容者を引き渡すように主張するだろう、と外務省公報プサキは述
べた。米国は何度も、2009年夏ににアフガニスタンで誘拐された
兵士ベルグダールの「安全な帰国」を、イスラーム教徒と話し合い
たい、と主張していた。

EUは太陽光発電設備を交渉で仲裁する方針

中国製太陽光発電装置に対する制裁関税を巡る対立で、EUは「平和
的な解決」を目指す。EU貿易委員ドゥ グヒュトは北京での会談の
後で、交渉は始まったばかりである、と述べた。中国の貿易委員高
虎城は、両者が受け入れ可能な価格で合意しなければならない、と
述べた。EUが6月初めに、中国製太陽光発電装置に対する制裁関税
を課していたが、それはEUの見方によれば、不当に安い価格で提供
されているためである。貿易委員ドゥ グヒュトは、相互の投資保
護協定に関しても、中国と交渉を行っている。EUは金融および電信
電話の事業で、市場への参入をしやすくするよう求めており、中国
で著作権がより守られるように求めている。




6月22日(土)

英国人もインターネット内でひそかにかぎまわる

「ガーディアン」紙によれば、英国の秘密情報部「政府通信本部
GCHQ」は、電話とインターネット情報の大規模な収集を行ない、
これを米国と共有していた。同本部はそのために、多くのインター
ネットの接続地点に接続することができるようにしていた、と同紙
は報じている。この情報は米国のコンピューター専門家エドワード
 スノウデンがもたらしたもので、彼は先日、米国秘密情報部NSA
の盗聴計画Prismを暴露したばかりであった。彼の情報によれば、
特に「テンポラ」という名前で、1年半前から政府通信本部の計画
は、より大規模になっていた。「ワシントン ポスト」紙によれ
ば、この間に米国司法は、スパイ、窃盗、政府の秘密の漏洩容疑
で、スノウデンを訴えた。

     その他のニュース

ブラジルでは大統領は抗議運動に歩み寄りを見せる

ブラジル大統領ルセーフは、公的な業務を改善するために「大きな
対策」を取ると予告した。ルセーフは周囲の重要人物と緊急会談を
した後、テレヴィで演説し、そのほかに汚職を押さえ込むために、
さらに多くの措置をとる、とも述べた。彼女は抗議活動を賞賛した
が、少数派の暴動を非難し、政府はこの暴動は容認しない、と述べ
た。一方同国では改めて数千人が汚職に反対し、社会的な苦境を訴
えて路上に繰り出した。リオ デ ジャネイロの西にあるバラ ダ
 チジュカでは、警察は短時間ながら催涙ガスを使用した。イパネ
マとレブロン地域では、平和的な抗議活動が起きた。サン パウロ
とその周辺でも数千人が、国際空港グアルーリョスにつながる中心
部の道路を占拠した。国際サッカー連盟は、現在行われているコン
フェデレイションズ杯は中断しない、と発表した。また同連盟の意
向では、来年の世界選手権も予定通り、ブラジルで実施する。

特殊部隊がモスクワの人権組織の事務所を襲う

ロシアの特殊部隊が、モスクワにある人権団体の事務所を襲った。
ラジオ局「モスクワのこだま」によれば、人権活動家2人が負傷し
た。71歳の主要人権活動家ポノマリョフは、腎臓を踏みつけられ
た、と述べた。自由主義の野党「ヤブロコ」の党首ミトロヒンは、
階段から突き落とされた、と述べた。当局は警察を派遣した理由と
して、「人間の権利のために」という組織の賃貸契約が切れていた
ためである、とした。ポノマリョフはこの見解に反論している。
「記憶」という組織の職員は、警察による「極端な暴力」であっ
た、と述べた。

インドネシアは人工降雨に賭ける

インドネシアは、スマトラ島の巨大な森林火災を止めるために、巨
大な消火作業を開始する。それにあたって、人工的に雨を降らせる
ために、化学物質を雲の中にまき散らす。この火災は数日前から巨
大な煙を作り出し、スマトラだけでなく、マレーシアとシンガポー
ルの空気を汚している。そのため厚生省は、人々が屋外に留まらな
いように、と警告している。環境保護活動家は、大規模農園建設に
向けて原野を整備するために、農家と農園所有者が意図的に火事を
起こしたのではないか、と推測している。放火容疑で、インドネシ
ア当局は14の農園会社を捜査している。インドネシアでは焼き畑農
業は違法である。




6月23日(日)

情報提供者スノウデンは香港を出発

米国の秘密情報部の元職員エドワード スノウデンは、さらに旅を
続けるために、香港からまずモスクワに飛び立った。政府広報は、
スノウデンは香港を合法的に出国した、米国の引き渡しの申し入れ
は、法的に必要な要件を完全には満たしていなかった、と述べた。
スノウデンはモスクワに向かっており、その後さらに旅を続ける、
とのことである。これより前に彼は香港の新聞に対して、米国秘密
情報部は中国の携帯電話を盗聴しただけでなく、米国のスパイは、
北京の名門精華大学のシステムに侵入したが、中国のインターネッ
ト通信の大部分がここを通過している。アジア太平洋地区の光ケー
ブル網の経営会社パックネット社も、米国秘密情報部NSAによって
監視されている、とも語った。北京の国営通信新華社は、この暴露
に冷たく論評し、米国こそが情報技術を用いたスパイの中で「最悪
のならず者」である、と呼んだ。

     その他のニュース

マレーシアはスモッグによる緊急事態を宣言

東南アジアの各地を厚いスモッグが多い続けている。インドネシア
での火災の影響と、それから生じた大気汚染のため、マレーシアは
南部ジョホール州の2つの地域に緊急事態を宣言した、と現地では
報じられている。この報道は、政府筋の情報として、被害を受けた
地域の住民に、自宅に留まり、扉と窓を閉めておくように求めた、
と伝えている。数日前には、シンガポール当局が、煙の粒子が原因
の大気汚染は、過去にはなかったほどの水準に達した、と発表して
いた。この間にインドネシアは、スマトラ島での山火事との戦いを
開始した。数機の飛行機とヘリコプターが土曜日から投入され、炎
を上空から消火しようとしている、とのことである。

アルバニアでは国会議員選挙

アルバニアでは国会議員選挙が行われる。およそ330万人の市民
が、2005年から政権にある右派保守派の首相ベリシャが、3期目
の政権を担当するかどうか、決定することになっている。専門家
はベリシャ周辺の保守派民主党と、社会党のラマの統一左翼各党
が、接戦であるとみている。両陣営は選挙戦の中で、経済危機の克
服と、EU加盟を強く訴えていた。EUはアルバニアが加盟するため
の条件として、自由かつ公正な選挙を挙げていた。米国もこの投票
を、NATO加盟に向け、民主主義が根付いているかを示すものであ
る、と見ている。

アレッポとダマスカスで戦闘と爆発

シリアの首都ダマスカスでは、自殺攻撃犯が爆死した。国営シリア
 アラブ通信SNAは爆発直後に、数人の民間人の犠牲者が出た、と
報じた。ルクネディン地区でのこの攻撃を行なった、との発表は今
のところ内。「シリア人権監視団」の発表によれば、少なくとも
3人が死亡、10人が負傷した。大統領アサドの政府に反対する人た
ちは、これより前に反乱勢力と政府軍が、この地域の警察署の前で
戦闘を繰り広げた。シリア第二の都市アレッポでは、自動車爆弾が
破裂し、12人が死亡した、とのことである。




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