7月1日〜7日のドイツのニュース



7月1日(月)

エジプト軍は48時間以内に紛争を解決するよう政界に要請

反対意見も根強い大統領モハメド ムルシに対する大規模抗議行動
を受け、エジプト軍は同国の政治指導部に対して、紛争を仲裁する
ために最終期限を設定した。軍司令部は月曜日に、48時間以内に紛
争を解決しなければならない、国民の要求をかなえなければならな
い、との声明を出した。ここ数日間、反ムルシの抗議活動は劇的に
激化していた。カイロでは反政府勢力が、ムルシに近い立場のイス
ラーム教徒兄弟団本部の押し寄せ、事務所に火を放った。夜間すで
に、全故国各地での抗議活動は衝突に移行し、当局の発表によれ
ば、これで少なくとも16人が死亡していた。野党運動はムルシに、
火曜日午後までに辞任するように、と最終的な要求を突きつけた。
彼の閣僚のうち4人は、紛争の最中すでに辞表を提出した。批判勢
力は、ムルシがイスラーム教徒兄弟団の利益だけを代表している、
と非難している。またエジプトが抱える大きな経済的、社会的な問
題も、就任1年経っても解決されず、彼の正当性は失われた、とも
述べている。

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ドイツ政府は盗聴に関して「違和感」を表明

ドイツは米国に対して、ドイツおよびEUで秘密情報部NSAが取っ
た盗聴行動を解明するように、と主張した。連邦首相メルケルの広
報は記者会見で、EUおよびヨーロッパの各国の外交代表部が盗聴さ
れたことをが確認されれば、それは「容認できない」ものであり、
全面的な解明と、「同時に全体で一致し、かつきわめてはっきりし
たヨーロッパの応答」が必要になる、と述べた。ベルリンの連邦政
府が感じる違和感は、米国大統領府に伝えられた、とも述べた。フ
ランス大統領オランドは、ブルターニュ地方のロリアン市訪問の一
環として、EUと米国の自由貿易協定に関して、近々行われる予定の
話し合いが始まるのは、米国政府のスパイ活動が終わってからにな
る、と述べた。

国連軍はマリ北部の責任を引き継ぐ

国連軍兵士は、マリ北部の治安の責任を引き継いだ。いわゆるマリ
安定化国連派遣団MINUSMAは、公式にアフリカ保護部隊MISMAの
後任となった。アフリカ保護部隊は、フランスがイスラーム教徒に
対して介入したあと、この地域に派遣されていた。新たな保護部隊
は、ルアンダの将軍カズラの指揮の下で、1万2千人を超える兵士か
らなっている。彼らは主として、7月末に予定されている大統領選
挙の実施の安全を確保することになっている。

オバマはタンザニアでアフリカ訪問を終了

米国大統領オバマは、1週間のアフリカ訪問の最後の滞在地、タン
ザニアに入った。ダルエスサラームで彼は、まず大統領キクウェテ
との会談に臨んだ。引き続き彼は米国の実業家と会談する。訪問の
中でオバマは、1998年の米国大使館爆破攻撃の犠牲者を追悼する
式典にも参加する予定である。これより前に彼はセネガルと南アフ
リカを訪問していた。そこでは彼はアフリカの両国政府に、民主化
を進め、良好な政権運営を行なうよう求めた。オバマはケープタウ
ンの大学で政治的な原則に関する演説を行ない、歴史が示している
のは、政府がその国民を支え、流れに逆行しない時にのみ、前進が
可能である、ということだ、と述べた。




7月2日(火)

ムルシはますます苦境に追い込まれる

反政府勢力と軍との権力争いのせいで、イスラーム教徒のエジプト
大統領モハメド ムルシは、ますます苦境に追い込まれている。軍
は紛争を解決するための最終期限を設定していたが、月曜日夜にム
ルシはこれを退け、国に和解をもたらすために今後も努力を続け
る、と予告した。この間に外務大臣モハメド カーメル アムルを
含め、6人の閣僚が辞任したが、最高陪審裁判所は、ムルシが任命
した検事総長を再び罷免した。軍は政府に対して、48時間以内に政
治危機を解決するように最終期限を定めて要求する声明を発表した
が、これは公表される前には自分には「呈示」されていなかった、
とのべた。またそのため政府は、国を和解させるために、みずから
選んだ道を今後も歩み続けるつもりだ、とも述べた。

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スノウデンはロシアへの亡命を断念

米国が配信容疑で行方を追及している元秘密情報部員スノウデン
は、ロシアへの亡命を断念している。ロシア大統領府によれば、大
統領プーチンが提示した条件が、断念した理由である、と発表し
た。プーチンは逃亡中の情報工学の専門家スノウデンに対して、反
米的活動を止めるように求めていた。30歳のスノウデンは、モスク
ワ空港の乗り継ぎ場所に足止めを食っている。米国が彼の行方を追
っているのは、米国秘密情報部の大規模な盗聴計画を公表したため
である。彼はドイツを含む多くの国に亡命を申請した。ドイツ内相
フリードリッヒは、このコンピューター技術者の受け入れは、法的
な理由から、難しいと見ている。ヴィースバーデンでの党集会に参
加しているフリードリッヒは、米国秘密情報部が連邦政府、複数の
ドイツ大使、ドイツのインターネット接続地点を盗聴していたこと
を示す証拠はない、と付け加えた。また彼は、代表団は週末に米国
に飛び、情報を収集する、と予告した。

極右ル ペンの不逮捕特権を剥奪

フランスの極右政党「国民戦線FN」の党首ル ペンは、イスラーム
教を敵視する発言を行なった容疑で、刑事訴訟手続きを覚悟しなけ
ればならない。ヨーロッパ議会は、同議員であるル ペンの不逮捕
特権を剥奪し、これによりフランス司法による訴追への道が開かれ
た。ル ペンは2010年に行なった演説で、路上で祈祷を行なうイ
スラーム教徒の集団を、道路の占拠になぞらえていた。リヨン検察
は人種的な憎悪をあおった容疑で、捜査を行っている。

オバマはアフリカでのテロ犠牲者を追悼

アフリカ訪問中の米国大統領オバマは、タンザニアとケニアの米国
大使館に対するテロ攻撃の犠牲者、220人以上を追悼した。タンザ
ニアのダルエスサラームでオバマは、ここで亡くなった人たちを追
悼するための記念碑に花輪を供えた。元大統領ブッシュも、この式
典には参加した。アル カーイダのテロリストが1998年8月7日に、
ナイロビとダルエスサラームにある米国大使館を、同時に爆弾を使
って攻撃していた。オバマはその後発電所を坊門市、アフリカの経
済的な可能性を改めて強調した。彼は電力政策の改善の必要性を強
調し、そのために米国は巨額の資金を提供し、5年以内に電気を利
用できるアフリカ人の数を倍増させる計画を支援する。オバマは、
現在3分の1しか電気を利用できていない、と述べた。




7月3日(水)

「ムルシは水曜日に辞任ないし解任」との報道

大統領モハメド ムルシに対して、軍司令部が設定した最終期限は
間もなく切れるが、エジプト人は初めて自由選挙で選ばれた大統領
が、権力を失う可能性がある、と見ている。国営新聞「アル・アハ
ラム」は、ムルシはおそらく水曜日に辞任するか、職務を剥奪され
るだろう、との推測を報じた。軍はムルシに、大統領選挙を早期に
行うなどの方法で危機から脱出するために、午後までの猶予を与え
ていた。テレヴィで中継された演説でムルシは、妥協するつもりは
ない、自分は正当な手段で選ばれ、圧力に屈するつもりはない、と
述べていた。数日前から、大規模な反ムルシの抗議活動が、同国を
揺るがせていた。夜には大統領の反対派と支持者の間で衝突が発生
し、数十人が死亡した。報道放送局ジャジーラは厚生省の情報とし
て、死者は少なくとも22人である、と伝えている。

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ボリビア大統領はスノウデンがらみで途中で強制着陸

ボリビア大統領モラレスは、モスクワから故郷に戻る途中で不本意
ながら、ウィーンに着陸しなければならなかった。複数のヨーロッ
パの国々が、火曜日夜に同機に対して、横断する権利を与えなかっ
た。その理由は、逃走中の米国秘密情報部員スノウデンが同機に乗
っている、との噂があったためである。ウィーンに着陸した後、同
機はオーストリア国境管理官による捜査を受けた、と外務省公報は
APA通信に述べた。その際には「不本意な調査」が行なわれたが、
モラレスはこれを認めた、とのことである。米州機構OASは、これ
に怒りを表明し、説明を求めた。スノウデンは現在、モスクワの空
港におり、ボリビアとドイツなどに亡命を申請した。ドイツ政府は
火曜日に、30歳のスノウデンの受け入れを拒否したが、受け入れる
ための前提条件が満たされていないことを理由として挙げていた。
元秘密情報部員スノウデンは、当面はモスクワのシェレメーチエヴ
ォ空港の乗り継ぎ区域に留まらざるを得ない見込みである。彼は米
国に、機密漏洩を理由に逮捕命令が出されて、行方を追及されてい
る。スノウデンは、米国および英国の秘密情報部の大規模な盗聴計
画を、暴露していた。

パキスタンでは米国の無人機による攻撃で少なくとも17人が死亡

パキスタンの紛争地域北ワジリスタンで、米国の無人機が攻撃を行
ない、治安筋の情報として、少なくとも17人が死亡した。タリバー
ンの指揮官と治安部隊の幹部は、死者の多くは急進派「ハッカニ網
状組織」に属していた。この攻撃では、2発のミサイルが、同州の
州都ミランシャハ最大の市場の近くにある家に撃ち込まれた、との
ことである。アフガニスタンとの国境地域は、急進派イスラーム教
徒タリバーンの拠点とされている。新首相シャリフは、米軍が出動
することで、同国の統治権を侵害した、と見ており、即時この攻撃
を中止するように求めた。アフガニスタン軍指揮官カリミの見方に
よれば、パキスタンはアフガニスタンでの武器を使用した紛争は、
数週間のうちに解決することが可能である。英国のBBCのインタヴ
ューの中で彼は、アフガニスタン国内での急進派イスラーム教徒タ
リバーンは、パキスタンから指令を受けており、アフガニスタン政
府は和平実現に向けて、パキスタンのタリバーンに対する米国の無
人機による攻撃を非難する以外の多くのことができる、と述べた。
パキスタン外務省は、この非難には「根拠がない」と退けた。

チャド元大統領は戦争犯罪容疑で法廷に立つ

チャド元大統領ハブレは、戦争犯罪容疑で法定で責任を問われる。
わざわざセネガルに設置されたアフリカ連合特別裁判所の主席提訴
人ファルが、これを発表した。ハブレは人間性に反する犯罪、虐
待、戦争犯罪容疑が持たれている。彼が有罪判決を受ければ、終身
拘留を覚悟しなければならない。彼は日曜日にセネガルで逮捕され
たが、1990年にここに逃亡して来てから、ほぼ邪魔されることな
くここで生活している。70歳のハブレは、1982年にフランスと米
国の支援を受けて、クーデタを起こして権力の座につき、8年間に
渡り反対派、キリスト教徒、様々な人種組織を押さえ込み、流血の
事態を生んでいた。チャドの裁判所は、2008年の欠席裁判で、死
刑を言い渡していた。




7月4日(木)

エジプト移行政権の新首相マンスールが宣誓

エジプト大統領モハメド ムルシが軍に追い落とされたのを受け、
憲法裁判所の長官が新たな大統領に指名された。アドリ マンスー
ルはカイロで、就任にあたって宣誓を行ない、選挙を行なうと約束
した。その日程は述べなかった。元大統領でイスラーム教徒のムル
シは、選挙で大統領に就任してからちょうど1年、大規模な抗議活
動を受け、失脚し逮捕された。彼を支援するイスラーム教徒兄弟団
の要人も逮捕された。国営の中東通信社Menaの報道によれば、
彼らはカイロ郊外のトラにある収容所にいる。ここには2年少し前
に失脚した権力者ホスニ ムバーラクも拘留されている。カイロで
は喜びの集会が開かれて、この事態が歓迎されたが、別の場所では
ムバーラクに反対する人と支持する人の間で、衝突も起きており、
少なくとも14人が死亡した。

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エジプトでの軍の介入に世界各地で不快感が表明される

エジプトでは軍によってムルシが解任されたことで、世界各地で異
議が表明された。ドイツ外相ヴェスターヴェレはベルリンで、北ア
フリカの同国の民主主義にとっては、手痛い逆行であり、民主的な
秩序に対してこのような解任は、同国の大きな問題を長期的に解決
することにはつながらない、と述べた。英国外相ヘイグはロンドン
で疑念を表明したが、軍による介入は国民の意志の支持を受けてい
た、とも付け加えた。米国大統領オバマはワシントンで、エジプト
国家に対して現在米国が行っている支援に、今回の成り行きがどの
ような法的影響を与えるか、検討する、と述べた。

EU議会は米国の諜報活動をすべて中止するよう求める

EU議会は、EUの代表部に対する米国の秘密情報部のスパイ活動と
見られる行為を厳しく非難し、諜報計画すべてを停止するよう求
めた。ストラスブールの同議会で賛成多数で可決された決議には、
米国はすみやかに、諜報計画Prismを通じて得たすべての情報を、
ヨーロッパ人が得られるようにしなければならない、と述べた。
EU議会の市民の自由を担当する委員会は、この疑惑の調査を担当す
る。この点で会派の代表たちは同意した。米国との自由貿易交渉
は、予定通り月曜日にワシントンで開始される。

モラレスはヨーロッパでの騒動を経てボリビアに帰国

ボリビア大統領モラレスは、オーストリアに予定外の着陸をした
後、故郷に帰国した。社会党の政治家である彼は、ラ パスで、歓
声を上げる大衆の出迎えを受けた。彼はロシアからボリビアへと帰
国する旅の途上であった。米国が機密漏洩容疑で負っているスノウ
デンが、同機には同乗しているのではないか、との噂を受けて、複
数のEU加盟国が空域を遮断していた。モラレスは13時間にわたり
強制的に足止めされていた。「これは大陸全体に対する明らかな挑
発であり、1人の大統領に対するものではない」と彼は帰国する途
中で述べた。米国が元秘密情報部員スノウデンの引き渡しを求めて
いるが、ボリビアはこれを退けた。同国外務省はラ パスで、スノ
ウデンはボリビア国土にいないので、この不当な要求は「法的に根
拠がなく、慣例のものでもない」と発表した。スパイ計画に関する
秘密情報を報道機関に渡したスノウデンは、モスクワ空港の乗り継
ぎ区域に滞在している。




7月5日(金)

エジプトではイスラーム教徒が大規模抗議活動を呼びかける

大統領モハメド ムルシが失脚したのを受け、エジプトではイスラ
ーム教徒と軍部の権力争いが、改めて激化する危険が増している。
イスラーム教徒兄弟団および連帯する確証は、「拒絶の金曜日」へ
の参加を呼びかけ、「軍事クーデタ」を甘受することは許されな
い、と述べた。軍司令部は、平和的な抗議活動に参加する権利は、
すべての市民にあるが、「行き過ぎ」は容認しない、と強調した。
過去数ヶ月、金曜日の礼拝のあとでは、何度も市街戦が繰り広げら
れていた。移行新大統領アドリ マンスールは、就任にあたって木
曜日に宣誓をした後、イスラーム教徒を政権に参加させる、と予告
していた。しかし宗教勢力は、これを断固として拒否している。

     その他のニュース

シナイ半島ではエジプト治安部隊をイスラーム教徒が攻撃

エジプトのシナイ半島で、イスラーム教徒は軍と警察の歩哨を攻撃
した。治安筋の情報によれば、ガザ帯状地帯との境界にあるラファ
で、急進派が警察の派出所をミサイルで砲撃し、警官1名が死亡、
2人が負傷した。アル・アリッシュ空港近くでは、軍の監視施設も
対戦車砲による攻撃を受けた、とのも発表された。この2つの攻撃
の間に関連があるのかどうか、またこれはエジプト大統領ムルシの
失脚に呼応するものなのかどうかは不明である。アル カーイダと
つながりがあると見られるこのイスラーム教徒の戦闘員は、砂漠地
域で強い勢力を持っている。エジプト政府は、長年にわたって権力
を握っていたムバーラクが、2011年に失脚した後、この地域の管
轄を引き受けなければならなくなった。

検察はプーチンの批判家に6年の強制労働を求める

ロシアの反政府の主要政治家であるナワルニーに対する問題の刑事
裁判で、検察は背任容疑で6年間の強制労働施設への収容を求め
た。37歳のナワルニーは、林業企業の顧問として、国営企業の財産
を意図的に横領した、とキーロフ市検察は述べた。モスクワ市長を
目指し、大統領職への野望も抱いているナワルニーに対しては、こ
のほかにも裁判手続きが取られている。弁護士は、大統領プーチン
を最も厳しく批判する一人である彼に対する容疑を否定し、無罪を
求めた。弁護士ミヒャイロワはインターファクス通信に、「この裁
判は私の依頼者の信頼を失わせるためのものだ」と述べた。インタ
ーネット上で、汚職との戦いを進めている彼は、2009年に林業企
業から、換算して40万オイロをだまし取った、とされている。ナワ
ルニーは、この容疑は政府の演出である、と述べている。

米国市民も盗聴計画に反対のデモ

米国でも、秘密情報部NSAの大規模な盗聴活動に反対する抗議活動
が組織されている。数千人の市民が独立記念日に、いくつかの都市
での監視計画Prismに抗議するデモに参加した。ワシントンの大統
領府前に掲げられた横断幕には、「私的な生活に関する私の権利を
奪うな」と書かれていた。活動家たちは、NSAによる組織的な盗聴
を、憲法違反と見なしている。50万人以上が「我々の監視を止め
よ」という請願に署名した。これは議会に対して、スパイ計画全体
の規模に関する情報を明らかにするように求めている。




7月6日(土)

エジプトでは流血の夜 ムルシ失脚後の市街戦

エジプトでは失脚したイスラーム教徒の大統領モハメド ムルシの
支持者と反対派が、全国の路上で戦いを繰り広げ、公式発表によれ
ば、少なくとも30人が死亡した。カイロの厚生省は、負傷者は1千
人を超える、と発表した。流血の衝突は、深夜まで、首都カイロ、
第二の都市アレクサンドリア、スエズ、さらにナイル三角州地帯の
ディムヤート州とブハイラ州で起きた、と伝えられている。軍は各
地で、大規模な介入を行ない、敵対する陣営を引き離そうとした。
イスラーム教徒兄弟団の中心的な軍略家と目されるハイラト アル
・シャーテルは、暴力を扇動した容疑で、カイロで逮捕された。イ
スラーム教徒兄弟団は、暴力が激化しているため、ムルシの解任を
撤回させるため、行進を継続する、と予告した。
国連事務総長潘基文は、エジプト人に対して、これ以上「報復」し
ないように警告し、すべての重要な政党と結社に対して、平和的で
政治的な過程に参加するように促した。

     その他のニュース

シリア軍はホムスで反乱勢力に向け進軍

シリア政府軍は、1週間以上前から激しい攻防戦を続けているホム
スで、再び反乱勢力に対して進軍した、と公式に発表した。シリア
のテレヴィ局によれば、同軍は今までの反乱勢力が押さえていたハ
リジエ地区の近くにある重要な建物を占領した。国営のシリア ア
ラブ通信社SANAは、包囲攻撃を受けている同市の別の街区でも、
軍の作戦活動が行なわれ、かなりの数の「テロリスト」が殺害ある
いは負傷された、とのことである。国連は金曜日に、ホムス市の中
で反乱勢力が押さえている地域には、2千5百人から4千人が閉じ込
められている、と警告していた。大統領アサドの部隊は、ホムス奪
還のための攻撃で、おそらくレバノンのヒズブッラーの戦闘員と、
政府に忠実な民兵の支援を受けている。ホムスにいるシリアの活動
家は、改めて政府を、毒ガスで攻撃を加えた、と非難した。シリア
政府は、化学兵器の使用を否定し、その種の武器を使用しているの
は反乱勢力である、と非難している。

シリアで誘拐されたドイツ人支援隊2人が解放される

支援組織「緑の兜」のドイツ人職員で、シリアで誘拐された3人の
うち2人が、数週間にわたる人実生活を終え、解放された。ベルリ
ンの外務省広報は、この2人は「無傷で」ドイツに到着した、彼ら
は「状況の割には良好な」状態である、と述べた。一方3人目の人
質の運命は、まだ不明である。外務省の緊急対策班は、全力を挙げ
てこの1人の所在の解明に努力している、とも広報は発表した。ド
イツの支援隊は、5月半ばにシリア北部の住まいにいたところを、
何者かに誘拐された。彼らは戦争による破壊からの復興で、住民を
支援するつもりであった。

ナイジェリアの学校が襲われる 死者発生

ナイジェリア北東部で、イスラーム教徒と見られる者が、寄宿学校
を攻撃し、少なくとも27人の子供と1人の教師を殺害した。攻撃側
は、夜間にポティスクム市近くの学校を襲い、建物に放火した。こ
の攻撃の背後に何者が潜んでいるかは不明である。過去数年間、こ
の地域はキリスト教徒とイスラーム教徒による流血の紛争に揺れて
いた。テロ組織ボコ ハラムが、多くの攻撃を行なった、とされて
いる。




7月7日(日)

スノウデンはNSAは「ドイツと結託」していると発言

米国秘密情報部NSAと連邦情報局BNDの協力は、今まで知られてい
たより、遙かに密接な関係にあったようである。「シュピーゲル」
誌の報道によれば、NSAの職員は「ドイツ人と結託」していた、と
米国秘密情報部の元職員エドワード スノウデンは電子メールで行
なわれたインタヴューの中で述べた。そのためNSAは連邦情報局に
対して、ドイツを通過する外国の情報の流れを分析する器具を提供
しており、連邦情報局は、合わせて5つの接続時点から情報を得て
いた、とのことである。
スノウデンは今では、中南米に亡命できるとの期待を持つ十分な理
由がある。ベネズエラとニカラグアに続いて、ボリビアも逃亡中の
情報工学の専門家である彼に、米国当局からの保護を提供した。
30歳の彼はおそらく、モスクワのシェレメーチエヴォ空港の取り次
ぎ地点に、適切な書類を持たず、今もいると見られているが、その
ため彼の出国は困難になっている。

     その他のニュース

イスラーム教徒はエルバラダイの首相指名を阻止

軍が主導したエジプトでの権力転覆は、動きが取れなくなってい
る。ノーベル平和賞受賞者エルバラダイが、移行政権の首相に任命
された、とのカイロからの報道は、数時間後に暫定大統領マンスー
ルの広報が否定した。広報によれば、イスラーム教徒勢力が、親西
側の野党の政治家エルバラダイの氏名を阻止した、とのことであ
る。暴力がこのところ激化している中、イスラーム教徒兄弟団は、
全土で大統領ムルシ失脚に全土での抗議活動に参加する用呼びかけ
た。軍は中央部の広場や国の建物への動員を強化している。

英国人は憎しみをあおる説教師カターダをヨルダンに追放

10年ほどの法的闘争を終え、英国政府は憎しみをあおるイスラーム
教説教師カターダをヨルダンに移した。彼は以前、テロの指導者ビ
ン ラーディンの右腕と見なされていた。ヨルダン司法は、テロ攻
撃に関与したとの容疑で、2件の法的手続きを新たに展開する方針
である。彼の移送が可能になるのは、英国とヨルダンが、虐待によ
って引き出した発言が、カターダ裁判に使用されない、との協定が
結ばれてからのことになる。

トルコの野党勢力は政府に対する抗議活動を継続

トルコでは抗議連盟「タクシム連帯」が、イスタンブルで先日起き
たデモ隊に対する警察の暴力を厳しく非難した。また同連盟は、イ
スラーム教に基づく保守派政府に対する抗議を継続する、と予告し
た。治安部隊の隊員は土曜日夕刻にタクシム広場で、数千人のほと
んどは平和的なデモ隊に対し、放水車と催涙ガスを使用して対処し
た。数週間前に、イスタンブル中心部の最後の緑地帯の一つの建設
計画がきっかけとなった抗議行動は、その後首相エルドアンの独裁
的な政治手法に対して向けられるようになった。




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