8月26日〜9月1日のオーストリアのニュース



8月26日(月)

     国外ニュース

EUはクロアチアの犯罪者引き渡し拒否に制裁を科すと威嚇

クロアチアがEUに7月1日に加盟してから僅かしか経っていないが、
早くもEUを深く怒らせた。クロアチアは、EU加盟国で行方を追及さ
れている犯罪差の引き渡しを拒否しているからである。クロアチア
政府が金曜日に、最後通牒を利用しないまま期限切れとなったら、
EU法務委員ヴィヴィアン レディングは月曜日に、補助金の支払い
を停止する、と威嚇した。クロアチアはこの威嚇に腹を立て、今ま
での方針を撤回しない、と主張している。

     国内ニュース

選挙後の所管部局の計画 厚生省は廃止か?

国民評議会選挙はまだ先であるが、今後の官庁の構成と職務の分担
に関して、すでに考慮が始まっている。その前提となるのは、大連
立が続くということである。報道によれば、社会民主党と国民党
は、厚生省を廃止し、その業務を社会福祉省に委ねる計画である。
その他の問題では意見が一致している点は少ない。国民党は労働問
題を再び経済省に、女性政策と家族政策を1つにまとめる方針であ
る。春の時点ですでに、生活省に関しては修正要求が出されてい
た。




8月27日(火)

     国外ニュース

アサドに対する軍事攻撃 介入に潜む危険

シリアでの紛争は、2年以上にわたって荒れ狂っているが、西側に
よる軍事介入は今までのところ全く取りざたされていなかった。毒
ガスが使用された模様であると発表された今になって、その分だけ
早期に対処されるかもしれない。アサド軍に対する軍事攻撃が間近
に迫っていることを示す兆候が高まっており、臆病とは全く反対の
誤解しようのない言葉が使用されることが増えている。その中には
躊躇するのには十分な理由があり、介入することで地政学上の危険
をはらんでいる。専門家は地上戦の可能性を排除していない。

     国内ニュース

アルピネ社倒産 債権者は何の成果も得られない可能性も

倒産したアルピネ社の債権者は、経済的に有意味な債務の支払いを
受ける可能性はほとんどない。それどころか全く支払いを受けられ
ない可能性もある。「私たちは、あるとしても、1%と見込んでい
る」と破産管財人のこの破産に関する申し入れを債権保護官は指摘
した。破産の規模がだんだんはっきりしてきている。専門家のハン
ス・ゲオルク カントナーは、手続きは「実質的に全ての方向」に
広がっており、要求額は50億オイロ規模に昇るかもしれない、と述
べた。




8月28日(水)

     国外ニュース

国連査察官「シリアはさらなる捜査を行なう方針」

シリアは国連査察官に、化学兵器が使用されたとされた地点、さら
に3箇所の調査を行うよう求めている。シリア国連大使バシャール
 アル・ジャーファリは水曜日にニュー ヨークで、シリア政府は
これに関する書簡を国連に送った、と述べた。アサド政権は、「武
装したテロ組織」による化学兵器の使用を、調査してもらう方針で
ある。国連安全保障理事会の会議は水曜日夜、英国が予告したシリ
ア決議に関する審議を行わずに終了した。

     国内ニュース

国民党に対する献金で新たな疑惑

国民党に対する違法な政党献金があったのかもしれないとされる事
件の捜査で、「ニューズ」誌とテレビ番組の調査によれば、新たな
詳細が判明した。オーストリア電信電話会社の資金の他に、オーバ
ーエスターライヒ信用金庫およびオーストリア宝くじからの資金
も、代理店「メディアセレクト」を経由して「国民党の口座」へ流
れ込んだ、というものである。国民党事務長ヨハネス ラオホは、
この非難を以前から知っており、実際に資金が不正に国民党に流れ
ていたのであれば、もちろんこれを返金する、と述べた。




8月29日(木)

     国外ニュース

毒ガス使用の責任がアサドにあるかどうか不明

米国政府と英国政府はシリアに対する軍事攻撃をちらつかせて、あ
からさまに威嚇した後、再び検討を行っている。ダマスカス近郊で
先週水曜日にに起きた毒ガス攻撃に関して、権力者バシャール ア
ル・アサドの責任があるかどうかは、完全には証明されていない、
と米国秘密情報部も英国首相デイヴィッド キャメロンも木曜日に
認めた。その分だけ、国連シリア査察団の役割は増している。同査
察団は少なくとも土曜日までは同国で証拠探しを続けることになっ
ている。ただしロシアには、査察団にあまり長く活動させるつもり
はない。もし査察が長期化すれば、ある程度後のことになる。

     国内ニュース

グラウィシュニヒとシュトローナハのテレヴィ対決 

木曜日夕刻に国民評議会選挙に向け、第1回のテレヴィ対決が緑の
党党首エーファ グラウィシュニヒと自由党党首ハインツ・クリス
ティアン シュトラーヒェの間で行なわれ、厳しい攻撃の応酬があ
った。論題は分散した。グラウィシュニヒは、汚職対策を取り上
げ、シュトラーヒェの自由党は、汚職に深く関与している、と見て
いる。シュトラーヒェは「筋違い」である、と訴え、予想外に外国
人政策を取り上げた。汚職問題が「大物」ではなく、いかさま師や
他の「小者」に及んだ時には、両者は慎重な議論で一致した。選挙
後の連立の構成のあり方について、両者は発言をためらった。




8月30日(金)

     国外ニュース

シリアの毒ガス攻撃 米国は証拠物件を公開

米国は、先週シリアで行なわれた毒ガスによる攻撃に関する秘密書
類を公開し、情報戦で攻勢に出ている。米国外務大臣ジョン ケリ
ーは金曜日に、政府に大量殺戮の責任があることを示す「明確かつ
説得力のある」証拠多数を提出した。軍は数日前に、この出撃につ
いて検討し、攻撃開始直前には、兵士に対してガスマスクを利用す
るよう、指示を出していた、とケリーは列挙した。米国は「独自の
日程表」に基づいて行動する、化学兵器使用への対処を行わなけれ
ば、間違った印象を与えることになる、と米国大統領オバマは述べ
た。

     国内ニュース

収入不足の人はますます増える

どのようにすれば収入でやりくりできるか。この問題は選挙戦の中
でもほとんど浮上してくることはない。労働者会議AKの労働現況指
数によれば、ますます多くの被雇用者が収入ではやっていけなくな
っている。2人に1人が、苦境を切り抜けるためには、ぎりぎりの収
入である。何の心配もない人の数は、減少している。いくつかの職
種では、そして特に女性にとって、「働く貧困層」に陥ることは特
に多い。




8月31日(土)

     国外ニュース

ボコ ハラムによる攻撃 ナイジェリアでは数十人が死亡

ナイジェリアでは再び、宗教的な動機に基づく暴力が激化してい
る。イスラーム教徒のボコ ハラム派閥は、同国北部で2回の攻撃
を行ない、数十人を殺害した模様である。ボコ ハラムに対抗しよ
うとした民兵が死亡した。イスラーム教徒である彼らは、民兵を支
持する軍部に偽装していた。今なお多くの人が行方不明である。こ
の地域では、ボコ ハラムの蜂起を終了させるために、軍が5月に
攻撃を開始して以来、非常事態が課されている。

     国内ニュース

自由党の選挙戦が始まる 社会民主党と国民党を攻撃

リンツでは、自由党が今日、正式に国民評議会選挙の選挙戦に突入
する。同党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、昨
晩、連立与党社会民主党と国民党を正面から攻撃し、首相ウェルナ
ー ファイマン(社会民主党)の真の他律候補は自分である、と述
べた。




9月1日(日)

     国外ニュース

米国「シリアでサリンが使用された証拠がある」

米国政府が手に入れた地検によれば、シリアの内戦で、神経ガスサ
リンが使用された。ダマスカス近郊での射撃の後、支援隊員によっ
て集められた血液および頭髪を、中立の機関が検査し、この結果が
出た、と外相ジョン ケリーが日曜日に米国の放送局CNNに述べ
た。国連化学兵器査察団の調査の結果は、まだ出ていない。ケリー
は米国議会に、シリア政府に対する軍事攻撃を政府に認めるように
求めた。シリアの権力者バシャール アル・アサドは、戦闘的な態
度を続けている。

     国内ニュース

選挙法が予期しない事態を生む可能性

国民評議会選挙に適用される選挙法は、最初の印象では、比例代表
制選挙権があるため、票の分配に関して見通しや計算がつきやす
い。基本的にはオーストリアは、1992年の国民評議会選挙規則に
基づいて選挙を行なうが、今年は事前投票に関して、新しい規則が
できている。39選挙区を見ると、新しい候補者名簿の登場により、
予期しない事態を生む可能性もある。ウィーンの選挙区など、直接
投票による選挙は、全く予想がつかない。




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