9月2日〜8日のドイツのニュース



9月2日(月)

ロシアは米国に毒ガス使用の疑いのさらなる証拠を求める

ロシアは米国に対して、シリア政権に対する毒ガス使用の疑いを、
証拠で裏付けるように強く求めた。米国の協力国英国やフランスな
どが呈示したものは、説得力を持っていない、とロシア外務大臣セ
ルゲイ ラヴロフはモスクワで述べた。米国政府が出した資料は、
証拠がどこで誰から得られたかを示す具体性に欠けており、説得的
でない、とも語った。影響力の大きな外交政治家アレクセイ プシ
ュコフは付け加えて、米国外務大臣ジョン ケリーが言及した神経
毒サリンは、反乱勢力も使用した可能性がある、と付け加えた。米
国大統領バラック オバマは、シリアに対する軍事攻撃前に、議会
と協議したい、と予告したことを受け、ケリーはアサドが神経ガス
サリンを使用した、と発表していた。これは、採取した血液および
毛髪の中立の調査から得られたもので、ダマスカス郊外の砲撃後
に、支援隊が入手したものだ、とされている。ケリーは、この結果
は国連化学兵器査察団の調査から得られたものではない、と強調し
た。こちらの調査は今日から始まることになっている。

     その他のニュース

ナチス戦争犯罪裁判がハーゲンで始まる

ハーゲンの州裁判所で、ドイツでのナチ戦争犯罪者の最後の裁判の
1つが始まった。被告は92歳、ヴェストファーレン出身のブルイン
スである。彼は1944年に、オランダレジスタンス戦闘員の射殺に参
加していた、とされている。この事件は初めて法定で取り扱われる
が、それはこの犯行がではもともとは(発作的な)故殺に分類さ
れ、時効とされていたためである。今では検察は、この射殺を時効
がない計画的殺人と判断している。ブルインスは1980年にすでに、
ユダヤ人兄弟2人の殺害を手助けした容疑で、7年間の拘留刑を言い
渡されていた。オランダ生まれの彼は、ヒトラーの精鋭部隊である
親衛隊に属していた。彼は東部戦線に参加した後、1944年にからは
オランダレジスタンス制圧を手助けしていた。

ムルシは殺人教唆容疑で裁判を受けなければならない

エジプトの失脚した大統領ムルシは、殺人教唆の容疑で裁判を受け
なければならない。カイロ検察は、元大統領は、他の責任者および
イスラーム教徒兄弟団の14人と共に、この容疑で訴えられた、ムル
シはこの裁判では、2012年12月初めに殺害されたデモ参加者、少な
くとも7人の殺害の責任を問われる、裁判の期日は、当初発表され
ていなかった。彼と共に裁かれるのは、イスラーム教徒兄弟団の政
治部門である「自由と正義党」副党首アリアンである。イスラーム
教徒兄弟団に属する元大統領ムルシは、7月初めの彼および彼の政
権に対する大規模抗議活動の後、軍によって座を追われていた。彼
が失脚した後、支持者と反対派の間で、流血の権力争いが荒れ狂っ
ていた。8月中旬に治安部隊が、カイロの抗議勢力の野営地を暴力
的に立ち退かせ、9百人以上を殺害した後、情勢は悪化していた。

イランは拘留されていたスロヴァキア人8人のうち6人を釈放

パラグライダーを操っていた8人のスロヴァキア人が、スパイ容疑
でイランで逮捕されたが、そのうち6人が釈放された。スロヴァキ
ア首相フィコはブラスティラヴァでの記者会見で、釈放された人々
を紹介した。フィコによれば、残りの2人は、全ての容疑が晴れる
まで、拘留が続く。彼らが逮捕されたのは、5月であった。イラン
政府はイスファハーン州の立ち入り禁止地域で、彼らが写真を撮影
した、との容疑を持っている。この地域はナタンスのウラン濃縮施
設を含め、複数の核施設がある。釈放された1人は、彼らはイラン
では「丁重に扱われた」と述べ、スパイの意図は一切否定した。




9月3日(火)

ナチ時代の犯罪容疑者に対しさらなる訴訟

第2次世界大戦からほぼ70年、ナチ時代の犯罪者と見られる者が、
さらに訴えられ、裁判を覚悟しなければならない。ナチ追及局は、
事前調査に基づいて、ドイツ前代で30の裁判を検察に委ねる、と局
長クルト シュリムはルートヴィヒスブルクで発表した。各地で調
査を担当する当局は、その後に、彼らを起訴するかを決定しなけれ
ばならない。被疑者には、ナチの強制および絶滅収容所アウシュヴ
ィッツに拘留されていた者の殺害を幇助した、との容疑が持たれて
いる。被疑者は最高で97歳である。強制収容所看守ジョン デムヤ
ンユクが2011年にミュンヒェンで有罪判決後に、この捜査は始まっ
たが、それはそれ以降、証拠の評価の仕方が変わったためである。
この変更により、強制収容所で組織的殺害が機能するのに貢献した
場合に、それが直接ガス室に携わったものであれ、料理人としてで
あれ、訴えられる可能性が生じた。ドイツに暮らす30人の容疑者に
加え、外国、中にはイスラエルに暮らす1人も含め、さらに7人のナ
チ犯罪の容疑者を特定した。さらに2人の容疑者の大罪場所は、ま
だ精確には調査できていない。

     その他のニュース

連邦大統領ガオクはフランスを公式訪問

連邦大統領ガオクは、ドイツの国家元首として17年ぶりに、公式に
フランスを訪問した。連邦大統領府の発表では、ガオクはドイツ・
フランス友好条約署名50年を機に、両国関係の多様性と強さをはっ
きり示す意向である。まずパリで、大統領オランドおよび首相エロ
ーとの政治会談が予定されている。水曜日にガオクとオランドは共
に、フランス中部のオーランドゥル・スール・グランを訪問する。
ここはナチの親衛隊SSの戦車師団が、1944年に女性と子供数百人
を含め、村の住民642人を殺害した場所である。ガオク以前にはこ
の場所をドイツの幹部政治家が訪問したことはなく、フランスでは
ナチの残虐さを最もよく示すものとされている。この訪問は、和解
の特別なあらわれと評価される。ガオクはフランス南部のヨーロッ
パ文化首都マルセイユにも立ち寄り、木曜日に訪問は終わる。

連邦議会で激しい応酬

連邦議会選挙まで約3週間、国会で連邦首相メルケルと、社会民主
党の首相候補シュタインブリュックが、今一度激しい応酬を行なっ
た。シュタインブリュックは、メルケルが怠惰であると非難し、彼
女はただ単に予告し、待ち、文句をつけるだけで、キリスト教民
主、社会同盟と自由民主党の連立では、労働市場の分裂が信仰し、
収入の格差が広がっている、と述べた。これに対してメルケルは、
予算の整理統合で大きな成果を上げ、経済情勢はきわめて良好であ
ると指摘し、これは賢明な政策のナセル技である、と強調した。シ
リア紛争に関しては、メルケルは諸外国が一致して、化学兵器攻撃
に応対するように迫り、化学兵器の残酷な使用によって、国際法の
明確な違反であることは、疑いようがない、と強調した。またメル
ケルは、国連安全保障理事会で、一致した立場に達することは、期
待薄であることを認めた。

シリア人2百万人が外国へ逃げ出す

内戦のため故郷から外国へ逃げ出したシリア人の数は、2百万人の
大台を超えた、と国連は発表した。それによれば、毎日5千人近く
がシリアを退去し、主として隣国に安全と人道支援を求めている。
国連難民高等弁務官グテレスは、過去百年でも大きな悲劇となり、
最近の歴史の中では全例のない規模の悲しみと国外脱出を伴う屈辱
的な人道災害となる、と述べた。70万人以上の難民をレバノンが、
50万人ほどをトルコが受け入れた。国連の発表によれば、シリア内
部では、425万人が政府軍と反乱勢力の戦闘を逃れて、逃亡してい
る。




9月4日(水)

プーチンはシリアへの軍事攻撃に参加する可能性を否定せず

ロシア大統領ウラジミール プーチンは、西側に対して、シリア政
府による化学兵器使用の疑惑の証拠を、改めて求めた。彼はロシア
のテレヴィ局チャンネル1とAP通信のインタヴューに答えて、この
疑いを立証する証拠があれば、国連安全保障理事会に提出しなけれ
ばならない、と述べた。この証拠が「説得力」を持っていれば、ロ
シアは「断固」行動するつもりだ、自分には西側の軍事行動に参加
する可能性を否定するつもりはない、とも語った。プーティンはシ
リアに対する武器供与に関しては、ロシアは以前からの契約を守っ
ていると強調したが、新型のミサイル迎撃設備S300はまだ納入さ
れていない、と述べた。ロシアはシリア大統領バシャール アル・
アサドの最後まで残った同盟国の一つで、中国と共に何回も国連安
全保障理事会でのシリア非難を阻止してきた。

     その他のニュース

米国大統領オバマはスウェーデンを訪問

米国大統領オバマは、2日間のスウェーデン訪問の冒頭で、首相ラ
インフェルトと会談した。緊張を持って見守られているロシアのサ
ンクト ペテルブルクでのG20首脳会談を前に、シリア情勢がこの
会談の中心議題となった可能性が高い。夕刻には他の北欧諸国の首
相を交えて、夕食会が予定されている。オバマは他の協力国から、
アサド政権に対する限定的軍事攻撃に対して、少なくとも象徴的な
支持を得られるかもしれない。ラインフェルトとの会談と並行し
て、スウェーデンの首都ストックホルムでは、デモが行なわれた。
国際アムネスティの代表はオバマに対して、キューバのグアンタナ
モ収容所を閉鎖するように求め、さらに抗議は、シリアの軍事攻撃
計画に向けられた。「密告屋」スノウデンに対するロシアへの亡命
に怒って、オバマがロシア大統領プーチンの招待を断ったために、
今回のスウェーデン訪問はようやく可能になっていた。

シリアがクラスター爆弾を使用したとの情報

支援組織の発表によれば、シリア軍は内戦で、住居が密集する地域
で、広い範囲で非難を受けているクラスター爆弾を使用した。
2012年中頃から、大統領アサドの政府は、反政府勢力との戦闘で、
この種の兵器を大量に使用していた、とジュネーヴで公表された反
クラスター爆弾連合の報告書には記されている。同連合には、90を
越える国々の350ほどの非政府組織が属している。クラスター爆弾
の使用により、少なくとも165人が死亡した、とのことである。こ
の爆弾は多くの小さな爆弾を、広範囲にばらまくものである。爆弾
の多くはすぐには爆発せず、たとえば子供たちがおもちゃとして使
った時などに爆発する可能性がある。死亡しなくても、体の一部を
失なうことがおおい。この武器は国連のクラスター爆弾禁止協定
で、禁止されている。112箇国が今年7月末までにこの協定に加わっ
た。シリアは署名国には含まれていない。

女性を誘拐したカストロは遺体で発見

クリーヴランドの誘拐犯カストロは、囚人房の中で遺体で発見され
た。53歳の彼は8月上旬に、3人の女性をクリーヴランドの自宅で、
長年にわたる誘拐、虐待、強姦したため、終身刑を言い渡されてい
た。米国の放送局CNNによれば、カストロはオハイオ州オリエント
郊外の刑務所の房の中で自殺した。失業中のバス運転手である彼
は、3人の女性を2002年から2004年の間に誘拐し、自宅に閉じ込
め虐待した。彼女たちの苦難は、女性の1人が閉じ込められている
間に生まれた娘と共に逃げ出すことができて、彼女たちの苦難は
5月にようやく終了していた。カストロは裁判の中で、合わせて
977の項目で有罪を認め、死刑を免れていた。




9月5日(木)

G20首脳会談が始まる

サンクト ペテルブルグで、最も重要な工業国と中進国20箇国の首
脳会談が始まった。公式の議題の中心は、租税回避地対策、世界の
財政の監視強化、および世界経済の現状である。シリア情勢が議題
の中心になる。その際米国大統領バラック オバマは、バシャール
 アル・アサド体制に対する限定的な軍事攻撃の計画を支持する予
定である。しかしG20の内部では、今までのところフランス、オー
ストラリア、トルコなど若干の国だけが、制裁活動を支持している
だけである。ロシア大統領ウラジミール プーチンは、相変わらず
厳しい批判を続けている。ただしオバマは、国内政治で議論を強め
ている。米国政府内では、上院外務委員会がぎりぎりの多数で、
60日間に限定した派兵を可決した。今回の首脳会談には、国連とア
ラブ連盟のシリア特使ラクダル ブラヒミも参加する意向である。
彼は米国とロシアが計画しているシリア会議が、早期に実現するよ
う求める方針である。

     その他のニュース

EUと教皇はシリア問題の政治的解決を求める

EUは、シリア内戦の外交的な解決を求めている。EU委員会議長バロ
ーゾは、アラブの国であるシリアの情勢は、現在人道上最悪の破局
状態であり、諸外国には行動する義務がある、とG20首脳会談直前
に述べた。EU評議会議長ファン ロンパウも、外交的な解決を求め
た。彼はサンクト ペテルブルグで、大統領アサド政権による毒ガ
ス使用に対して、強くかつはっきりした対応を取ることが必要では
あるが、紛争を軍事的に解決することはできない、と述べた。教皇
フランツィスクスは、首脳会談の主催者に書簡を送り、シリアでこ
れ以上の大量殺戮が起こるのを阻止するように、と参加者に呼びか
け、軍事的な解決という無意味な企ては放棄し、代わりに紛争の当
事者が平和的な解決を模索すべきである、と述べた。書簡の中でフ
ランツィスクスは、G20諸国が、万人が人間としての尊厳を持った
生活をできるような世界経済のために、全力を挙げるように求め
た。

「経済省は財政の目標を疑問視」との新聞報道

新聞報道によれば、連邦経済省内部では、連邦政府の財政目標に大
きな疑問が生じている。キリスト教民主、社会同盟と自由民主党
が、選挙に勝利した後、公約を実施すれば、連邦の新たな負債は
2014年には約「70ないし80億オイロ」増加して、倍増することに
なるだろう、と「ライン新聞」が入手した13ページの文書から引用
して報じている。報道によれば、その文書には、構造的に収支の均
衡が取れた予算を2015年に実現するという目標は、守れないだろ
う、その後数年間新たな負債はさらに大きく増加するだろう、とそ
の文書には記されている。

オイロ使用国連合総裁「ギリシアはさらなる支援を必要とする」

オイロ使用国連合総裁ダイセルブルームの判断によれば、ギリシア
はおそらく第3弾の支援計画を必要とする。彼はブリュッセルのヨ
ーロッパ議会の経済および通貨会議で、ギリシアの問題は最近の改
善にもかかわらず、2014年には完全には解消しないのは明らかだ、
現実的には、現在進行中の支援計画が終了した後も、追加の支援が
必要である、と述べた。また彼はオイロ使用国連合はすでに、ギリ
シアに適切な支援をする用意がある、との方向性をはっきり示して
いる、とも述べたが、ギリシアが必要とする金額については言及し
なかった。諸外国の資金提供者は、100ないし110億オイロが必要
だ、と推定している。ドイツ財相ショイブレは8月中旬にすでに、
ギリシアが2014年以降も、協力国からの財政支援を必要としてい
ることを認めたが、2度目の負債の減免は行わない、と述べてい
た。




9月6日(金)

レディングはEU情報保護でメルケルの助力を求める

外国の秘密情報部の活動が暴露されたことを受け、EU法務委員ヴィ
ヴィアン レディングは、ドイツ連邦政府がEU情報保護条例を支持
するように訴えた。彼女はベルリンでの記者会見で、連邦首相アン
ゲラ メルケルが、この議題を中心案件にすることが「重要だ」と
述べた。ルクセンブルク人のレディングによれば、彼女が提案した
規則は、企業が秘密情報部に情報を譲り渡すのに歯止めをかけるも
ので、さらにEU全体で、企業や当局に対する市民の権利を定めるも
のである。情報提供者エドワード スノウデンの発言によれば、米
国および英国の秘密情報部は、電子メイル、銀行振替、電信電話通
話の暗号化する現在使われている技術を入手できる状態にある。秘
密情報部の手伝いをしているのは、「秘密の協力者」で、情報技術
企業が含まれているが、その名前は挙げられていない。

     その他のニュース

G20首脳会談は米国のシリア軍事攻撃の件で意見が一致せず

シリア紛争解決では、国際社会が一致した路線を取る兆しはない。
ドイツ首相メルケルはサンクト ペテルブルグでのG20首脳会談後
に、現在のところ、シリアでの毒ガス使用に関する見解を一致さ
せ、国連決議を可決する見通しはない、と述べた。しかし彼女は、
絶対に政治的な過程を前進させなければならない、という点では広
い範囲で意見が一致している、とも語った。米国大統領オバマは、
国内でシリア大統領アサド政権に対する軍事的な懲罰行動を取るべ
きだとの支援を受けており、現在のところ自分の計画を推し進めて
いる。「ウォール街通信」紙は、米国はシリア攻撃が実施された場
合には、イラクで報復攻撃が起こる可能性があり、イラン高官がシ
ーア派民兵に宛てたこれに関する親書がある、と報じている。米国
外務省はこの間に、ベイルートの大使館員を引き上げ、さらに米国
市民全員に、レバノンおよびトルコへの旅行を中止するよう呼びか
けた。

オランダはスレブレニッツァの犠牲者の責任を負う

最高裁判所の判決によれば、オランダ国家は、1995年スレブレニ
ッツァで起きた大量虐殺で、ボスニアのイスラーム教徒3人の死に
責任がある。デン ハーグの高等評議員は、下級審の判決を確認し
た。これにより、国を訴えた家族は、賠償を請求する権利を持つ。
スレブレニッツァは、オランダ人国連兵士の保護下にあり、セルビ
ア部隊によって1995年7月11日に蹂躙された。その後セルビア人
は、ボスニア人イスラーム教徒男性および青年約8千人を殺害し
た。今回の裁判官たちの理解によれば、自国内にある他国の飛び地
の事例の場合には、国連軍兵士の責任を負うのは、国連ではなくオ
ランダ国家である。

イラン外相はホロコースト否認派とは一線を画する

イラン新外相サリフは、元大統領アフマディネジャドのホロコース
ト否認とは、距離を取っている。サリフはインターネット上で、ホ
ロコースト否認はアフマディネジャドの個人的な意見であった、と
述べた。サリフのこの発言は、米国の著作家クリスティーン ペロ
シに対する回答である。米国下院で民主党の少数派を始動するナン
シー ペロシの姉妹である彼女は、サリフが以前に送ったユダヤ歴
の新年のあいさつに答えて、ホロコースト否認が終わったら、新年
はさらにすばらしいものになる、と述べていた。サリフの返答は、
西側およびイスラエルとの関係を改善するという、イラン新政府の
攻勢の一部と見られている。大統領ロウハニは、核を巡る対立で
も、緊張を緩和する方向に進んでいる模様である。外務省は間もな
く、西側との対話の責任を取る。今までは保守派強硬派ジャリルが
主席交渉役を務めていた。




9月7日(土)

ドイツはペテルブルグのシリア声明に何とか同調する

ドイツは、シリア紛争に対する声明に、後から同調した。この声明
では、サンクト ペテルブルグでのG20首脳会談で、米国大統領バ
ラック オバマの方針を10箇国がが支持していた。ドイツ外務大臣
グイド ヴェスターヴェレは、リトアニアの首都ヴィリニュスで、
これを発表し、EUが共通の立場に合意したので、これが可能になっ
た、と述べた。金曜日サンクト ペテルブルグではドイツは、この
声明にまだ署名していなかった。EU加盟各国の外務大臣は、シリア
大統領バシャール アル・アサドが、自国民に対して化学兵器を利
用したことに責任がある、としている。現在手に入る情報は全て、
責任は政府側にあることを示している。とEU外務委員キャサリーン
 アシュトンは大臣協議の後にヴィリニュスで述べた。米国外務大
臣ジョン ケリーも、この議論には参加していた。アシュトンは、
今回の化学兵器使用は、「これにふさわし回答を出さなければなら
ない重大な国際法違反」である、と述べた。

     その他のニュース

オーストラリアで政権交代

オーストラリアでは、首相ラッドを擁する左派の労働党政権が、同
党にとって壊滅的な選挙結果となり、敗北を認めた。新首相には、
保守派の連立を率いるアボットが就任する。彼は最初の職務行為と
して、二酸化炭素税を廃止すると予告していた。全ての選挙結果予
想によれば、この連立が国会の150議席のうち80以上を獲得し、労
働党は50議席強となる。今まで労働党は71議席を持ち、無所属の議
員の支援を受けて、政権を担当していた。ラッドは敗北の後、労働
党党首を辞任する、と発表した。

ナイジェリア軍はボコ ハラムの戦闘員50人を殺害

ナイジェリア軍は、イスラーム教徒の一派ボコ ハラムの戦闘員
50人を射殺した。軍広報によれば、兵士たちはイスラーム教徒を野
営地まで追跡し、その後銃撃戦で軍は蜂起勢力を殺害した。この作
戦は、イスラーム教徒側の先日の攻撃に対抗するものである、とも
広報は述べた。この一派に属する者たちは前日、同国北東部のガジ
ラン市にある市場を襲い、民間人15人を殺害していた。ボコ ハラ
ムは2009年から、ナイジェリア北部のイスラーム教徒が多数派を
占める地域で、暴力を用いて神の国を目指して戦っている。5月に
この組織に対して軍が攻撃をかけてからは、多くの地域で非常事態
が課されている。

ソマリアでは爆弾攻撃 多数の死者

ソマリアの首都モガディシオでは、爆弾攻撃が行なわれ、少なくと
も15人が死亡した。警察の発表によれば、ある食堂の前で2発の爆
発物が破裂した。当初の情報では、爆弾1発は自動車の中に置かれ
ており、2発目には自殺攻撃犯が点火した。急進派イスラーム教徒
のシェバーブ民兵が、この攻撃を行なったと発表した。ソマリアで
は20年前から、流血の内戦が荒れ狂っている。全国で機能している
行政府は存在していない。テロ組織網アル カーイダと連携するシ
ェバーブ民兵が、ソマリアの複数の地域を掌握し、攻撃を繰り返し
ている。




9月8日(日)

オバマは米国国会でのシリア討論を前にあらゆる手を尽くす

米国大統領バラック オバマは、米国人と国会に、対シリア軍事攻
撃を認めさせるべく全力を挙げている。大統領府の発表によれば、
オバマは月曜日に、合わせて6者の放送局のインタヴューを受け、
その後火曜日に大統領執務室から国民に依頼する。また大統領とそ
の安全保障対策班は、国会議員と個別に電話をかけ、秘密会議を連
続して開く方針である。それによれば、8月21日のシリア政府によ
る毒ガス攻撃とされるものに対抗して、武器を取って戦うことに、
国会が賛成しないことを、オバマは恐れている。
米国外務大臣ジョン ケリーはパリで、EU加盟各国がヴィリニュス
での会合で採択した「きわめて強い声明」に「勇気づけられた」と
述べた。EU加盟各国の外務大臣は、シリアでの化学兵器の使用に対
して、軍事攻撃は拒否したものの、「はっきりとしたそして強い回
答」を求めた。
「ロス アンジェルス タイムズ」は、米国政府はシリアで以前発
表したより、かなり集中的な軍事活動を計画している、との情報を
得た、と伝えている。大統領府は国防省に、今まで予定されていた
よりも「かなり広範な」約50箇所の攻撃目標を、一覧表にするよう
に求めた、とも報じている。

     その他のニュース

「アサドは毒ガス使用を許可しなかった模様」との報道

ドイツ秘密情報部が得た知見によれば、シリア軍司令官たちは数ヶ
月前から、内戦での毒ガスを使用するように迫っていた。「ビルト
紙日曜版」が、ドイツ安全保障筋の情報として伝えたところによれ
ば、これは連邦海軍の艦船がシリア沖で傍受した無線通話に基づく
ものである。司令官が要求した毒ガス攻撃は、そのたびごとに拒否
され、諸外国が弾劾している8月21日の使用は、おそらく大統領ア
サド自身によっては、許可されなかった、と同紙は報じている。

エジプトは新憲法に向け新たな出発を切る

大統領ムルシのイスラーム教徒政権が失脚した後、エジプトは再び
新憲法に向けて歩み出した。カイロでは憲法評議会が会合を開い
た。同評議会は60日以内に憲法案を作成することになっている。同
議長には、元大統領候補ムサが選ばれた。イスラーム教徒は、50人
体制のこの評議会では十分、自分たちの意見が反映されない、と不
満を述べた。

NATOのアフガニスタン空爆で少なくとも10人が死亡

NATOがアフガニスタン東部を空爆し、少なくとも10人が殺された。
国際アフガニスタン保護部隊ISAFは、攻撃目標は敵対的な戦闘員た
ちで、民間人の犠牲者については報告がない、と発表した。一方現
地当局は、クナル州での攻撃では、民間人を中心に死者が出た、と
発表した。パキスタンとの国境にある同州は、急進派イスラーム教
徒タリバーンとその他の武装勢力の本拠地と目されている。




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