9月23日〜29日のオーストリアのニュース



9月23日(月)

     国外ニュース

キリスト教民主、社会同盟と社民党の連立 社民党は駆け引き

ドイツの選挙が終わり、勝利したアンゲラ メルケル(キリスト教
民主同盟)は、連立相手に関する合意を探り始めている。彼女が望
む連立相手の筆頭は、社会民主党である。しかし社会民主党は、第
1期メルケル内閣に参加した後、4年前の選挙で、徹底的な敗北を喫
している。再び大きな力を持つ連立相手を、政治的に押しのけるた
めには、社会民主党は今回は戦略的な対処を取り、入閣せずに勢力
を結集する必要がある。

     国内ニュース

国民評議会選挙 国民党は社民党の巨額の負担案に警告

国民党は選挙戦の最終段階で、社会民主党に対する攻撃に専念して
いる。経済連合事務長ペーター ハオプナーは昨日夕方の記者会見
で、経済が少なくとも150億オイロの負担をする「高額の選挙公
約」をしないように、と警告した。事務長ハネス ラオホは、実際
の会社では起きないとはいえ、社会民主党が、使用者側と被雇用者
側を対立させて、利益を得ようとしている、と批判した。




9月24日(火)

     国外ニュース

ロウハニは国連での初演説「イランは安定の要」

イラン新大統領ハッサン ロウハニは、緊迫感を持って見守られて
いた国連総会での初めての演説で、同国の核計画は民事利用であ
る、と強調した。彼は火曜日にニュー ヨークで、イランから「世
界にとって危険が生じることは決してない、」逆にイランは「不安
定な地域での安定の要」である、と述べた。彼は他の国々と、「建
設的な協力関係」を築くべく努力する、と述べた。同国の核計画に
関する対立では、具体的な提案をする義務がある。予定されていた
米国大統領バラック オバマとの会談は、中止された。

     国内ニュース

ファイマン対シュピンデレガー 最後のテレヴィ対決で厳しい応酬

首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)と、国民党の対立候補
ミヒャエル シュピンデレガーとの激しい討論が、金曜日のオース
トリア放送のテレヴィ対決の最終回を作り上げた。両者は共に、異
例なほど攻撃的な姿勢を示した。税制、労働市場政策のほか、年金
に関する問題で、感情を表しにした応酬が、両党の政策上の違いを
明らかにした。親しさのある議論ではあったが、対決は個人攻撃も
含んでいた。




9月25日(水)

     国外ニュース

ナイロビの人質事件 シャバーブは「さらなる凶行」との脅迫

ケニアの首都ナイロビの商業施設が攻撃を受け、数十人の死者が出
た後、ソマリアのシャバーブ民兵は、ケニアにさらに攻撃を行な
う、と威嚇した。ケニアbたいがソマリアから撤退しないのであれ
ば、ケニア人は「さらなる凶行が国内で起こる」ことを覚悟しなけ
ればならない、とシャバーブ頭目アフメド アブディ ゴダネの声
明の中では述べられている。一方後片付けの作業は続いている。捜
査陣は多くの未解決の問題を抱えている。その一つは数週間にわた
って人質を手元に置く計画であったのか、という問題である。

     国内ニュース

国民評議会の最後の会議で選挙戦開始を告げる轟音

昨日選挙前最後の国民評議会の会議が開かれ、個別の議論ではな
く、選挙戦開始を告げる轟音が鳴り響いた。自由党の提案を受け
て、すでに3回開かれた9月の特別会議が、直接民主制が不足してい
るという点をめぐって議論されルことになっていた。しかし各党
は、まず、選挙戦で訴えたいことを、視聴者に届けるために、この
機会を利用した。掲げた標語は、「全員にではなく全員が」であっ
た。野党各党だけでなく、連立与党社会民主党と国民党も批判し
た。国民党は社会民主党を攻撃し、社会民主党が要求している財産
税を導入しないように、と警告した。




9月26日(木)

     国外ニュース

「コスタ コンコルディア」丸の瓦礫の中から骨が見つかる

「コスタ コンコルディア」丸事件で、今なお行方不明の2名の捜
索で、木曜日には遺体の一部が発見された模様である。潜水夫はこ
の観光船の残骸の中から、骨を見つけた、とイタリア民間警備会社
社長フランコ ガブリエリたイタリアのテレヴィ局で発表した。た
だし最終的な身元確認は、遺伝子検査の後に可能である、とも述べ
た。2012年1月のこの事故では、インド人乗組員1名と、シチリア人
の女性乗客の行方がわからなくなっている。

     国内ニュース

テレヴィ対決で野党各党の3人が多くの論点で合意

国民評議会選挙に向けたテレヴィでの対決が最後の盛り上がりを見
せる11回目の放送で、首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)
と副首相ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)、さらにフラン
ク シュトローナハ(シュトローナハ班)の放送が終わった後、
「野党各党の回」となった。予想されていたとおり、出席者は、与
党両党に対する批判という点では、他を上回る可能性を逃さなかっ
た。それ以外の点では、活発な議論は深い墓穴を掘ったこともある
ものの、3人の論調は陽気であった。




9月27日(金)

     国外ニュース

ロマを巡るフランス政府とEUとの対立は続く

ニコラ サルコジが大統領だった時代にもすでにそうであったが、
フランス政府はロマ(いわゆるジプシー)への対処のため、EUとの
長期間のいがみ合いを続けている。社会党政権下でも、この対立は
改めて激化している。内務大臣マニュエル ヴァルスは、ロマのう
ち実際に社会に溶け込む木があるものはごく僅かだけで、そのため
ロマを故郷に送り返す「以外の解決策はない」との意見を述べた。
これに対してEU法務委員ヴィヴィアン レディングが叱責し、フラ
ンスはEUからそのための資金を得ているにもかかわらず、統合の戦
略を実施していない、と述べた。これは対立をさらにあおっただけ
である。EUにはうんざりしている、「レディングは出て行け」との
声がパリからは聞こえる。

     国内ニュース

選挙戦は最後の1分まで続く

選挙戦は最終局面である。社会民主党、自由党、シュトローナハ
班、新オーストリア党(NEOS)、未来同盟は、金曜日にもう一度最後
の集会を行い、支持者を動員しようとした。社会民主党は国民党と
未来同盟の連立政権が生まれないように、と警告したのに対し、自
由党は「隣人愛」の理想を訴え、それを周りに巻いている。未来同
盟と新オーストリア党は、国会議員を出すことに自信をのぞかせ
た。シュトローナハ班は月曜日の作業に向け、準備を整えている。
国民党は今回、大規模な最後の集会を開かない。緑の党が選挙戦を
終えるのは土曜日になってからである。しかしいずれせよ、選挙を
めぐる戦いは最後まで続く。




9月28日(土)

     国外ニュース

イタリアではベルルスコーニの閣僚が連立を崩壊させる

エンリコ レッタ率いるイタリア内閣は、破綻の際にある。元首相
シルヴィオ ベルルスコーニの中道右派の政党「自由の人民」PdL
所属の閣僚5人が、みな辞任した、と同党首アンジェリーノ アル
ファーノが土曜日に発表した。これにより、火曜日に国会で信任投
票を受けるつモロのレッタは、打撃を受けた自分の連立を救う望み
を失ったことになる。「自由の人民」党の閣僚は、10月初めに予定
されている付加価値税の増税計画を問題視している、と述べてい
る。しかし本当の理由は、ベルルスコーニの上院からの除名が迫っ
ていることである。

     国内ニュース

選挙への関心が強まる 投票率が上昇する可能性

国民評議会選挙が間近に迫り、各党は有権者の票を得ることを切望
している。特に有権者を投票所に足を運ばせることが重要で、社会
調査相談研究所SORA所長クリストフ ホーフィンガーによれば、有
権者を動員することに各党の努力が向けられている。選挙戦が集中
する局面の前も後も、政治に対する関心の欠如が投票率を下げる原
因となっているが、専門家は慎重ながら楽観的に見ている。少なく
とも前回の国民評議会選挙よりも高い投票率となる可能性がある。
ホーフィンガーと政治学者ペーター フィルツマイアーは一致し
て、いずれにせよ関心は高まっている、と述べた。




9月29日(日)

     国外ニュース

ポルトガル人は地方選挙で政府を懲らしめる

オイロ危機の国ポルトガルの中道右派政権は、地方議会選挙で手痛
い敗北を喫した。信頼できる最初の最終集計予想によれば、ポルト
ガル人は、特に首相ペドロ パソス コエーリョ率いる自由主義の
社会民主党PSDを懲らしめた。テレヴィ局SIC、RTPによれば、リス
ボンに続いて人口が多い3つの市、シントラ、ヴィラ ノバ デ 
ガイア、ポルトでは、野党候補が当選した。今間のところ社会民主
党は、ずっと以前から発言権を握っていた。首都リスボンでは、現
職の社会民主党の市長アントニオ コスタは、圧倒的な勝利を収め
た、とのことである。

     国内ニュース

国民評議会選挙 大連立は手痛い敗北

社会民主党と国民党は支持を減らし、自由党と緑の党は伸ばした。
新たな政党が議席を獲得する。日曜日の国民評議会選挙は、国内の
政治に渦をもたらした。社会民主党は約27%の支持で第一党を維持
し、国民党は24%で第2位であった。両党の連立で、ぎりぎりの過半
数を得ている。自由党は特にシュタイアーマルク州で票を伸ばし、
約21%であった。緑の党は支持を増やし、12%強になった。シュト
ローナハ班は6%をぎりぎり越え、新オーストリア党が今夜の注目の
的となった。およそ5%を獲得して、堂とイウは国民評議会入りし
た。未来同盟は5%を越えなかった。この結果が出たため、他の考え
方もあるとは言え、大連立が継続される。




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