9月30日〜10月6日のドイツのニュース



9月30日(月)

バグダードでは連続攻撃 血が流れる

イラクの首都バグダードは、再び連続攻撃を受け、血が流れた。数
分の間で、主としてシーア派が住むいくつかの街区で、14発の自動
車爆弾が破裂した。警察の情報によれば、少なくとも50人が殺害さ
れた。東部のシーア派が住む郊外のサドル市だけで、7人が死亡、
22人が負傷した。日曜日の夕刻には、自殺攻撃犯がバグダードの南
にあるムサジブ市での葬儀参列者の真ん中で、爆死したばかりであ
った。バグダードの北東にあるバアクーバーでは、急進派が夕刻に
7人を殺害した。過去数ヶ月で、スンナ派とシーア派の間の暴力
は、大きく激化した。少数派スンナ派は、シーア派が中心のヌリ 
アル・マリキ首相率いる政権で、自分たちが社会のすみに追い込ま
れている、と感じている。テロ組織網アル カーイダとつながりが
ある急進派組織は、イラクで戦闘員を集め攻撃を行なうために、緊
迫した情勢を利用している。

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CDU/CSUと社民党は金曜日に意向を打診する会議

キリスト教民主、社会同盟と、社会民主党は、この金曜日にベルリ
ンで、今後行われる可能性がある組閣に関して、初めての意向打診
の会議を開く。その後さらに意向の打診が行われるかは、まだ不明
である。社会民主党は、連立政権を作ることで意見が一致すれば、
交渉は数ヶ月続くと見ている。意向打診に続いて社会民主党は、連
立交渉を開始するかどうか、党委員会に決定を委ねる方針である。
引き続き党員約47万人が、連立協議をおこなうかどうか投票を行な
うことになっている。キリスト教民主、社会同盟は、連邦議会選挙
で最大勢力となったが、絶対多数には届かなかったため、緑の党と
も話し合いを行なう方針である。社会民主党と緑の党が求めている
増税を、キリスト教民主、社会同盟の幹部政治家は拒否している。

エルドアンはトルコでのヒジャーブ禁止を廃止する方針

トルコでは、国家公務員女性に対するヒジャーブ禁止が廃止され
る。国家公務員は今後は職場でも、ヒジャーブを着用できる、とイ
スラーム教的で保守派の首相エルドアンがアンカラで予告した。こ
れにより数十年間続いてきた禁止が撤廃される。警官、兵士、裁判
官、検察官に対しては、これは今後も効力を持つ、とエルドアンは
強調した。彼は過去数年、大学を含む複数の機関で、ヒジャーブ禁
止を緩和あるいは廃止していた。最近のこの措置は、少数派および
民族組織の権利を強化するための改革の一環である。私立学校での
トルコ語以外での教育も許可される。今後は市の名称の変更を可能
にし、つまり古いクルド語での名称に戻す道を開く法律も予定され
ている。野党の政治家とクルド人民族組織の代表は、数日前から議
論を続けていたが、この提案に懐疑的な態度を示した。批判的な勢
力は、エルドアンがますます独裁政治を強めている、と非難してい
る。

教皇ヨハネス パウロ2世は4月27日に列聖される

2005年に死去した教皇ヨハネス パウロ2世は、2014年4月27日
はローマで、前任者のヨハネス23世と共に、聖者に列せられる。教
皇フランツィスクスが、枢機卿集会でこの日程を発表した。2箇月
前にフランツィスクスは、この2人を列聖する、と予告していた。
はっきりした期日をあげるために、フランツィスクスはヴァティカ
ンの枢機卿会議を招集していた。来年の列聖式では、人気のあった
ポーランド人教皇ヴォイティワが聖人に列せられるため、たくさん
の信徒がローマにやってくると予想されている。




10月1日(火)

化学兵器の専門家がシリア入り

シリアの化学兵器を把握し、廃棄するための諸外国による活動が始
まった。デン ハーグに本部がある「化学兵器禁止機構OPCW」が派
遣した20人からなる査察団が、シリア入りした。専門家は化学兵器
の武器庫を検証し、来年半ばまでにそれらを破壊する準備を進める
ことになっている。アサド政権が毒ガスおよびその他の化学兵器を
保有している量は、45箇所の倉庫で1千トンに上る、と見積もられ
ている。同機構の専門家は、国連安全保障理事会の委託を受け、活
動している。ロシアと米国が合意したこと受け、同理事会では金曜
日に、シリアの化学兵器廃絶のための決議が採択された。この決議
は、8月21日に起きたダマスカス近郊での毒ガス攻撃に対する反応
である。米国の情報によれば、この事件で1千人以上が死亡した。

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国家予算を巡る対立は米国行政府を麻痺させる

米国は国家予算をめぐる緊急事態の最中にある。大統領オバマ政権
の資金は尽きたが、それは与党民主党と野党共和党が、火曜日に始
まる財政年度に向けて、予算を可決することに失敗したためであ
る。最初の段階では、政府は行政の大部分を停止し(「政府閉
鎖」)、さらに約80万人の国家公務員を一時帰休にした。大統領府
だけで、約1千7百人の職員のうち1千3百人近くが、これに該当し
た。軍と基本的な医療、治安分野だけが、「閉鎖」の例外となって
いる。予算を巡る対立が激化しているのは、共和党が財政の緊急事
態を利用して、オバマの反対意見もある健康保険制度改革を阻止す
るつもりだからである。民主党はこれを厳しく拒否している。共和
党は下院で過半数を、民主党は上院で過半数を持っている。予算は
議会の両院で多数を得た場合にのみ、可決される。通信員によれ
ば、妥協は見えていない。先に米国では1995/6年度末に、予算の
緊急事態が発生していた。大統領クリントン政権の麻痺は、26日間
続いた。

米国は作家トロヤノフの入国を拒否

米国はドイツ人作家イリヤ トロヤノフの入国を拒否した。トロヤ
ノフは「フランクフルト一般新聞」のインターネット版に寄稿し、
拒否の理由は伝えられたなかった、と述べた。彼はドイツ文学者会
議の招待を受けて、ブラジルから米国に飛行機で入るつもりであっ
た。48歳の彼は9月に他の作家と共に、米国秘密情報部NSAによる
監視に対する連邦政府の態度に抗議していた。トロヤノフと作家ツ
ェーが発案した連邦首相メルケルに対する公開書簡には、7万人ほ
どの市民が署名していた。

教皇はローマ教皇庁を批判

教皇庁改革に向けた枢機卿委員会の第1回会合を直後に控えて、教
皇フランツィスクスは、教会とヴァティカンを新しいものにする意
欲を強調した。イタリアの新聞「レプブリカ」との話し合いで、カ
トリック教会の長である彼は、教皇庁の機関が、世俗的な利益を追
い求めすぎているヴァティカン中心の見方を取っている、と非難し
た。また教皇は、新時代を開くように再び呼びかけた。現代世界最
大の悪は、若者の高い失業率と、多くの高齢者の孤独である、と自
分は考えている。この改革委員会には、ヨーロッパ人としては唯一
ミュンヒェン大司教マルクスが参加しており、来週火曜日に初めて
協議をおこなう。枢機卿たちは教皇の委託を受けて、教皇庁と教会
の改革の提案を直接伝える。




10月2日(水)

レッタはイタリア上院での信任投票に勝利

イタリアでは首相エンリコ レッタは、政権の未来に関する国会で
の信任投票2回のうち、最初の投票に勝利した。上院での投票で、
明確な多数議員が社会民主党を支持した。元首相シルヴィオ ベル
ルスコーニが意外な方針転換をし、保守派の政党「自由の民衆」が
レッタを支持することを約束してので、連立政権の継続はすでに投
票開始前に確実視されていた。その後レッタは国会の2つ目の議
会、下院で信任投票を行なう方針である。土曜日にはベルルスコー
ニは、「自由の民衆」所属の5人の閣僚の辞任を強行したばかりで
あった。専門家は、この背後には、77歳のベルルスコーニが、上院
議員の地位と不逮捕特権を失う可能性が生じないようにしている、
と推測している。ベルルスコーニは脱税容疑で、有罪が確定した。
しかしこの陽動作戦は、身内から怒りの嵐を買い、ベルルスコーニ
は譲歩を強いられた。

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米国予算を巡る対立で合意が得られる兆しはない

米国では、予算を巡る対立が早期に仲裁される見通しはない。大統
領オバマ率いる民主党が多数を持つ上院は、共和党が多数派の下院
の新たな提案を拒否した。オバマは共和党を非難して、健康保険制
度改革に対する空論じみた十字軍遠征を行なっており、国民経済全
体を人質に取っている、と述べた。彼は、予算審議の中で、健康保
険制度改革について交渉することを、断固拒否している。共和党の
有力者ベーナーは、オバマが硬直した態度を撤回するように、改め
て求めた。民主党と共和党はここ数日、火曜日からの財政新年度に
向けて合同で暫定予算に合意知ることができなかった。国家予算が
緊急事態に陥ったのは、17年ぶりである。約80万人の国家公務員
が、無給の休暇状態であるが、それは米国政府が彼らの給与を支払
えないためである。官庁は閉鎖されたままで、博物館、国立公園も
閉鎖されざるを得なかった。

米国はベネズエラの外交官3人を国外追放

ベネズエラが米国人外交官3人に国外退去を命じたことを受け、米
国政府は同国の駐米代理公使リオスを国外に追放した。同国のさ
らに2人が、米国を去らなければならない。ベネズエラ大統領マド
ゥロは月曜日に、米国の代理公使カイダーリングと2人の職員が、
野党に資金を提供し、破壊活動を計画した、と非難した。米国とベ
ネズエラの関係は、亡くなった前大統領チャベスの任期中から、き
わめて緊迫していた。2010年から両国には、お互いの国の大使館
はなくなっており、代理公使が最高の外交官である。

米国と韓国は新たな防衛策に署名

北朝鮮が2月に核実験をしたことに対抗して、米国と韓国は新たな
防衛協定で合意した。米国国防相ヘイゲルは署名後に、この協定は
韓国の核抑止を強化する、と述べた。さらにこの協定は、北朝鮮の
化学兵器によって、韓国が脅威にさらされていることにも対処して
いる、とも語った。韓国の国防問題の専門家によれば、共産主義の
北朝鮮は、5千トンほどの化学兵器を備蓄しており、これはシリア
の武器庫の5倍に相当する可能性がある。またヘイゲルは、米国の
役割は代理保護国としてのものである、と強調した。北朝鮮の核保
有を目指す試みは、数ヶ月前からこの地域の軍事的な緊張を生んで
いる。この間に情勢はさらに緊迫している。米国は現在韓国に2万
8千5百人の兵士が駐留している。ヘイゲルは、米軍の駐留は維持さ
れる、とも述べた。




10月3日(木)

ランペドゥサ島沖での難民の事故 死者は90人を越える

イタリアの地中海の島ランペドゥサ沖で、難民の事故が再び発生
し、90人以上が溺死した。そのほかに多くの移民が行方不明になっ
ている。当局の発表によれば、5百人ほどを乗せた船は、沖合1キロ
ほどのところで火事を起こし、その後転覆した。150人以上が救助
された。難民はほとんどがエリトリア出身である。現在は地中海地
域の天候は良好なため、アフリカおよび近東各国の住民の中には、
海を行くにふさわしい装備をほとんど持たない船で、ヨーロッパの
沿岸へ向けて危険な航海に思い切って乗り出そうとするものが増え
ている。この間にEU内務委員ツェツィーリア マルムストレムは、
EUが移民政策で協調して努力するように求めた。彼女の広報は、密
入国を指せる犯罪組織との戦いに加えて、EUは難民の出身国および
経由国との協力を改善し、ヨーロッパへの合法的移民の可能性を作
り出さなければならない、と述べた。

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福島の原発では新たな穴が発見される

日本の核の廃墟福島では、高い放射線を含む水をためた貯蔵容器の
さらに一つに、穴ができた。経営するテプコ社の発表によれば、水
の一部はおそらく海に流れ込んだ。貯蔵容器からどれぐらい多くの
水が流れ出したかは、まだ不明である。同社によれば、貯蔵容器の
ところで測定した放射線による体への影響は、1リットルあたり
20万ベクレルに上る、とのことである。法律で定められた上限は、
30ベクレルである。同社は事故を起こした原子力発電所の敷地に、
およそ1千の容器を持ち、放射線に汚染された30万トンを超える水
を貯蔵している。この水は、jころの冷却に使われたもので、原子
炉の建物の中には、さらに日々地下水が流れ込んでおり、冷却水と
混ざっている。福島は2001年3月11日の大地震と津波の影響で、大
きな被害を受け、炉心溶解を起こしていた。

メルケルは東西の一様化に資金が不足していると見る

連邦首相メルケルはドイツ再統一から23年、東西ドイツの生活環境
を均衡させるにあたって、資金が不足している、と見ている。キリ
スト教民主同盟党首でもある彼女は、シュトゥットガルトでのドイ
ツ統一記念中央式典で、東部では失業が、給与が高い西部より多い
ので、まだなすべきことがいくつか残っている、と述べた。連邦参
議院議長クレッチュマン(緑の党)は、ドイツとヨーロッパで地方
分権を強めるように求め、州の財政調整を早期に改革し、連邦各州
がそれぞれの課題をうまく実行できるようにしなければならない、
と述べた。連邦大統領ガオクは、ドイツが世界政策への関与を強め
るよう求め、もしドイツが国連安全保障理事会に常時議席を得るの
であれば、遙か離れた地域で危機が起きた場合に、ドイツがどのよ
うな役割を果たすつもりかも、自分に問いかけねばならない、と述
べた。今年の統一記念式は、バーデン・ヴュルテンベルク州の州都
で行われるが、それは同州が現在連邦参議院で議長の座を占めてい
るためである。シュトゥットガルト中心部での市民祭には、数十万
人の訪問者が予定されている。

「開かれたモスクの日」を10万人が訪問

連邦全土で木曜日に行われた「開かれたモスクの日」を、10万人を
越える人々が訪れる予定である。イスラーム教徒中央評議会の発表
によれば、1千人のモスク教区がこれに参加する。1997年からイス
ラーム教信徒団が、この活動を主催している。訪問者の8割ほどが
非イスラーム教徒である。




10月4日(金)

ランペドゥサ島沖での難民事件で考え方を変えるよう求める声

ランペドゥサ島沖での難民船が火災を起こしたのを受け、ヨーロッ
パの難民政策に対する批判が強まっている。多くの政治家と難民支
援組織は、移民政策の考え方を変え、ヨーロッパの国境を難民に開
くように求めた。イタリア大統領ジョルジオ ナポリターノは、諸
外国とEUに向けて、イタリアが難民の殺到の解決を支援するよう求
めた。また彼は、イタリアの移民法を迅速に改定することを求め
た。ドイツ大統領ヨアヒム ガオクもEUに対して、難民をよりうま
く保護するよう訴え、問題に目をつぶることは、ヨーロッパの価値
観を軽視することだ、と述べた。一方ランペドゥサ島沖での事故現
場では、救助作業が続いている。今までに111人の遺体が、地中海
から引き上げられた。この事故では合わせて3百人以上が死亡した
のではないか、と懸念されている。船に乗っていたおよそ5百人の
うち155人だけが、救助された。

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教皇は世界に平和と融和を訴える

教皇フランツィスクスは世界に対して、アッシジのフランチェスコ
がいう意味での融和と平和を緊急に呼びかけた。教皇は、イタリア
のウンブリアにある彼の守護聖人(名前にゆかりのある聖者)が生
まれ、活動した場所を訪問した。カトリック教会の長である彼は、
世界の多くの武装紛争、暴力、不和を終わらせるように、情熱的に
訴えた。アッシジのフランチェスコ教会堂の前で開かれた教皇の礼
拝には、5万人が参列した。今回の訪問には、ランペドゥサ島沖で
の難民船の大事故の犠牲者追悼が、暗い影を落とした。フランツィ
スクスは、この悲劇に直面して目に見えて心を乱し、今日は「涙の
日」である、と述べた。彼は、ランペドゥサ島沖での事故のような
事態にさらされた他人の困難を、人々が見過ごすことを非難した。

ケニアではイスラーム教徒とキリスト教徒が再び衝突

ケニアの港町モンバサでは、イスラーム教徒とキリスト教徒の間で
新たな暴力事件が起こり、急進派イスラーム教の説教師の他に、
3人が殺された。警察の発表によれば、急進派と目されるイスラー
ム教の聖職者イスマイルと、彼に随行する3人が車に乗っていたと
ころ、何者かが銃撃した。イスマイルの死が引き金となって、怒っ
た人々の抗議が起きた。デモ隊はモンバサにある教会に放火した。
引き続き起きた暴動で、1人が殺害された。イスマイルは、昨年8月
に殺害されたイスラーム教徒の指導者マハメドの後継者になる可能
性がある、と見られていた。マハメドは、ソマリアのイスラーム教
徒民兵シャバーブと、テロ組織網アル カーイダとつながりがあっ
たとされて、国連および米国が作成した制裁対象者名簿に載ってい
た。

イタリア上院委員会はベルルスコーニの除名に賛成

イタリア上院の委員会は、元首相ベルルスコーニの上院からの除名
に再び賛成した。これに関する2週間ほど前の決定に続き、この員
会の委員は金曜日にも、予想通りベルルスコーニに対する上院留任
に反対する投票を行なった。ただし最終的な決定は、上院総会で下
される。投票は10月中旬に予定されている。ベルルスコーニは8月
1日に脱税容疑で、法的拘束力を持つ有罪判決を受けていた。




10月5日(土)

ケリーは米国外交にとって損害が発生すると警告

米国外務大臣ジョン ケリーは、予算の停滞が世界に於ける米国の
地位に損害をもたらす可能性がある、と警告した。火曜日以来、米
国の連邦行政は、議会が予算に合意できないため、大部分が停滞し
ている。ケリーはインドネシアのバリ島で開かれるアジア・太平洋
経済協力APECの首脳会談を前に、この停滞は、米国がその方針を維
持する上で、信頼性を失なわせかねない、と述べた。ただし彼は、
これは「例外的で一時的な事態」に過ぎない、と確信している、と
も語った。ケリーは米国大統領バラック オバマの代理として、バ
リ島を訪問していた。オバマは予算を巡るつ対立のため、長期間の
予定であったアジア訪問を中止した。この停滞のため米国政府は、
EUとの自由貿易協定に関して開く予定であった会談も中止した。

     その他のニュース

ランペドゥサ島沈没事件を受け呼びかけが行われる

イタリアのランペドゥサ島沖で先日起きた海難事故を受け、EU人道
支援委員ゲオルギエワは、ヨーロッパが難民政策を修正するように
求めた。彼女は日刊紙「ヴェルト」に、「人々が我々の支援を必要
とする場合には、」EUは彼らを歓迎しなければならない、と述べ
た。キリスト教民主、社会同盟の連邦議会会派で、外交問題を担当
するミスフェルダーは「ベルリン新聞」に、ヨーロッパを要塞とし
て築こうとしても、うまくいかないだろう、と述べた。元ヨーロッ
パ議会議長ペテリング(キリスト教民主同盟)は、難民の運び屋に
対する措置を厳しくするように求め、職業を与えるために、 EUは
北アフリカ諸国との協力関係を改善しなければならない、と述べ
た。ランペドゥサ島沖では、木曜日に1百人を遙かに超えると見ら
れるアフリカ人が、溺死していた。

エジプトでは新たな抗議活動の波

失脚した大統領ムルシの支持者たちは、反政府の抗議活動を改めて
呼びかけた。日曜日には中心となるタフリール広場で、巨大な集会
が行われることになっている。金曜日には、イスラーム教徒と治安
部隊の間の市街戦が、再び起きていた。米国外務省公報代理は、全
ての関係者に対して、暴力公使を断念し、平和的に政治的な移行過
程に参加するように訴えた。同様のことを国連事務総長パンの広報
も述べた。ドイツ外相ヴェスターヴェレは、新たに暴力の波が起こ
ることがないように、と警告し、「エジプトの路上で暴力が激化し
て、再び血が流れることがないように」責任者たちはあらゆること
を行わなければならない、と述べた。

ハメネイはロウハニの攻撃を批判

イランの宗教界の長アヤトッラー ハメネイは、大統領ロウハニの
国連訪問を批判した。「ニュー ヨークで起きたことのいくつか
は、適切ではなかった」と彼はインターネット上で表明した。ただ
し彼はこれより詳しくは発言しなかった。ロウハニは多くのインタ
ヴューの中で核を巡る対立解決に向け、自分の意欲を表明するため
に、国連総会登場を利用していた。また彼は米国大統領オバマと電
話で話し合ったが、これは1979年以来の直接対話であった。ハメネ
イは、この外交的努力は大きな機会ではなく、米国政府は信頼でき
ず、高慢であり、分別がなく、約束を違える、とも述べた。西側は
イランは秘密裏に核兵器を開発している、と推定しているが、イラ
ン政府はこれを否定している。




10月6日(日)

国防軍はクンドゥズから撤退 アフガニスタン南部で米兵死亡

国防軍は10年間に渡る駐留の末、アフガニスタン北部のクンドゥズ
の拠点を立ち去り、ヒンドゥクシでの戦闘活動をほぼ終了する。国
防大臣トーマス デ メズィエールは、アフガニスタン治安部隊へ
野営地を譲り渡す式典で、クンドゥズは国防軍が初めて戦闘を行っ
た場所である、と述べた。また彼は外務大臣グイド ヴェスターヴ
ェレと共に、アフガニスタンに向けて旅立っていた。
クンドゥズでは襲撃を受けたり、交戦の歳にドイツ人兵士18人が殺
害されたが、これは第2次世界大戦終了以降、他の場所で死亡した
よりも多い。アフガニスタンでは合わせて54人の国防軍兵士は死亡
した。デ メズィエールは、紛争地帯の安全の全責任を、最終的に
アフガニスタン軍に受け渡した。
一方アフガニスタン南部からは、新たな突発事態が報告され、4人
の米国人NATO兵士が死亡した。

     その他のニュース

ランペドゥサ島沖からさらに死者を発見

イタリアの潜水夫は、ランペドゥサ島沖で、難民船の事故の犠牲者
をさらに発見した。イタリア警察は、沈没した船の残骸を日曜日に
初めて捜索し、10人の遺体を引き上げた、と発表した。これで今ま
で121人の遺体が収容された。この船にはエリトリアとソマリアか
らの難民5百人ほどが乗っており、木曜日にはシチリアの沿岸で沈
没した。高波と風が救助作業の障害となっている。イタリア首相レ
ッタは、EU委員会議長バローゾが、ランペドゥサを来週訪問する、
と発表し、バローゾには現地で自ら情勢について情報を収集するよ
うに求めた、とも語った。

化学兵器査察団はシリアでの作業を開始

シリアでは化学兵器禁止機構OPCWの専門家たちが、現地の武器庫を
破壊するための作業を開始した、と通信社が代表団の言葉として報
じた。この専門家たちは、まず兵器の検証に手がついていない地域
に入った、とのことである。これ以上の詳細は発表されていない。
査察団は先週月曜から、内戦が続くシリアに滞在している。大統領
アサド政権は、約1千トンの化学兵器を保有している、との見積も
りもある。国連安全保障理事会の決定によれば、国連は2014年中頃
には、化学兵器のない地域になる。一方アサドはドイツがシリア紛
争で、仲裁の役割を引き受けるように提案したが、ドイツ外相ヴェ
スターヴェレはこれを拒否した。アサドは報道雑誌「シュピーゲ
ル」に、ドイツ特使がダマスカスに派遣されればうれしいのだが、
と述べていた。

リビアでアル カーイダの指導者を米軍が捕らえる

米国特殊部隊が、リビアとソマリアで、イスラーム教徒テロリスト
に対する行動を取った。米国国防省によれば、リビアの首都トリポ
リでは、アル カーイダの高官リビを捕らえた。米国当局は、この
男の逮捕に関して総額5百万ドルの懸賞金ををかけていた。リビに
は、ケニアおよびタンザニアの米国大使館爆破事件に関与し、2百
人以上が死亡した。ソマリア沿岸の都市バラウェでは、米国の精鋭
部隊ネイヴィー シールズは、シャバーブ民兵の有力な指揮官を逮
捕しようとした。この民兵たちには、ケニアの首都ナイロビの商業
施設を2週間前に襲撃した、との容疑が持たれている。通信社の報
道によれば、米国部隊はシャバーブ戦闘員との長い銃撃戦を行なっ
た。テロリストの指導者はここでは、逮捕できなかった。インドネ
シア訪問中の米国外相ケリーは、米国は急進派追及を緩めることは
ない、と述べた。




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