9月30日〜10月6日のオーストリアのニュース



9月30日(月)

     国外ニュース

NASAは3Dプリンターを宇宙に送り出す

NASAは、3Dプリンター技術で宇宙飛行を抜本的に変える計画であ
る。来年米国航空宇宙局は、宇宙向けに独自に開発した3Dプリンタ
ーを初めて国際宇宙基地に運び、これで3次元の物体を製造する方
針である。NASAは、努力を払ってお金をかけて、工具と交換部品を
宇宙に運ぶのではなく、「必要に応じて」飛行士自身に製造させる
ことによって、長期的には高額の費用を節約できる、と期待してい
る。これは、3Dプリンターからピッツァも作ることも含め、数年が
かりの有人宇宙空間作業の前提と見られている。

     国内ニュース

郵送投票用紙が議席配分を遅らせる

国民評議会選挙の郵送投票用紙の集計が、大きく議席配分を遅らせ
た。国民党は1議席増やし、47議席になる。また緑の党は2議席増え
る。この議席を失ったのは社会民主党(1議席)と自由党(2議席)
であった。新オーストリア党とシュトローナハ班は変化がなかっ
た。最終的な選挙結果を出すには、外国の地方選挙区からの投票用
紙がまだ届いていない。郵便投票は、シュタイアーマルク州などで
予期しなかった、との反応を引き起こした。




10月1日(火)

     国外ニュース

国連の報告書「世界の飢餓は大きく減少」

国連の食料に関する最新の報告書は、期待を生み出している。この
報告書によれば、この2年で2千6百万人が飢餓から逃れることがで
きた。5年間の比較では、その数は遙かに喜ばしいものになる。そ
れにもかかわらず、世界中では8人に1人が飢えに苦しんでおり、飢
えた人の数を2015年までに半減させるとの目標は、遙かに遠い。そ
れにもかかわらずこの報告書は、貧困と飢餓の負の連鎖を脱する道
を現在示している。

     国内ニュース

シュミートの退任を受けさらなる人事異動に関する観測

選挙が終わるやいなや、おそらくは社会民主党と国民党による新政
権の構成に関して、観測が花盛りである。教育大臣クラオディア 
シュミート(社会民主党)の退任で、人事異動が始まる。法務大臣
ベアトリクス カール(国民党)、農業大臣ニコラオス ベルラコ
ヴィチ(国民党)、厚生大臣アロイス シュテーガー(社会民主
党)などの閣僚交代に関する噂は、改めて否定したにもかかわら
ず、まだ続いている。現在さらに数人の名前が取りざたされ、後継
者となる可能性のある人に関する報道が起きている。事態が複雑に
なっているのは、政府の縮小計画と、新閣僚を各党が求めているこ
とによる。




10月2日(水)

     国外ニュース

ベルルスコーニは降伏 レッタは今後もイタリアの政権を担当

イタリア元首相シルヴィオ ベルルスコーニが、現政権を失脚させ
ようと試みていたが、失敗に終わった。ベルルスコーニが閣僚5人
を内閣から引き上げたことを受け、首相エンリコ レッタは水曜日
に、信任投票を実施した。敗北という醜態を避けるため、ベルルス
コーニは最後の瞬間に屈服し、自らの陣営に方針転換を求め、レッ
タに賛成票を投ずるように働きかけた。レッタは明確な多数で、こ
の投票に勝利した。政府はもはや脅しに屈服することはない、政府
は揺るぎがないためだ、とレッタは述べた。

     国内ニュース

社会民主党は自由党との間で板挟み

「自由党とは協力しない」というのが社会民主党の、数十年ではな
いまでも、長年の信念であった。この問題で社会民主党は板挟みに
陥っている。核となる有権者のために、社会民主党は今後も、自由
党とは一線を画さなければならないが、そのため傍観的な有権者の
支持を自由党に奪われている。現在は同党内部では、別の理由から
も、批判的な声も上がっている。今自由党を完全に拒絶するのであ
れば、おそらく連立を組む国民党およびその貪欲さに、このような
有権者を渡すことになる、というものである。




10月3日(木)

     国外ニュース

ランペドゥサ島沖で百人を超える死者 船舶事故に悲しみと怒り

涙、呆然、怒り。1百人以上の死者を出した難民の事件は、イタリ
アに大きな衝撃を与えている。ランペドゥサ市長は怒りながら、政
治は無力であると述べた。彼女は政府に対して、地中海の島にやっ
てきて、「この戦慄の事態を目の当たりにする」よう求めた。この
間に政府自身は、EU加盟国との連帯を強めた。EU委員会は、「ヨー
ロッパ全体の責任」を認め、移民政策に関する共同の努力を抜本的
に強める、と約束した。

     国内ニュース

E管理 電力とガスは安くできるはずである

オーストリアの電力とガスはあまりに高い。調整を担当する官庁で
ある「E管理」は木曜日に、再びこの点を批判した。この批判によ
れば、電力市場などでは、競争がまだ十分に機能しておらず、供給
会社は約4割の利ざやを得ており、ここ3年間でそれが倍増した。ま
た、ウィーン エネルギー社やEVN社などの3ないし4%ほどの値下
げでは、全く不十分である、とのことである。顧客は供給会社を変
えることで、その支払額をおそらく減らすことができる。




10月4日(金)

     国外ニュース

エジプトでの抗議活動で催涙ガスと実弾が使用され複数の死者

エジプトでは暴力が再び激化した。金曜日の礼拝の後、同国の複数
の都市で大規模な抗議活動が起こり、先日禁止されたイスラーム教
徒兄弟団の支持者たちが、暴力に打って出た。警察は催涙ガスを使
用し、目撃者の話によれば、実弾も発射した。複数の死者が発生
し、多くの負傷者が出た。カイロでは8月中旬以降では最大の集会
が開かれ、同市だけで数万人が、軍指揮官アブデル ファタハ ア
ル・シシに抗議の声あげた。シシは大統領ムルシが失脚した後、エ
ジプトの新たな有力者と見られている。

     国内ニュース

シュトローナハ班に混乱 国民党は連立の選択肢を失う

シュトローナハ班の混乱の日々は、他の政党にも大きな影響を与え
ている。国民党は全ての連立の選択肢を確保しておきたかったが、
それはおそらく社会民主党との最も有力視される連立をする場合
に、自分に有利になるようにするためである。しかしいずれにせよ
ありそうもなかった3党連立、国民党、自由党、シュトローナハ班
の連立は、実質的に考えられなくなった。国民党は胸襟を開かない
態度をとっているが、ティロール州首相ギュンター プラターとフ
ォアアルルベルク州首相マルクス ワルナーが、シュトローナハ班
を実質的に連立相手をする可能性を否定した。自由党党首ハインツ
・クリスティアン シュトラーヒェも、シュトローナハ班との協力
は考えられない、と述べた。




10月5日(土)

     国外ニュース

ランペドゥサ島事件 湾岸警備隊に激しい批判

イタリアのランペドゥサ島沖での難民の悲劇を受け、ある漁師が救
助隊を激しく非難した。「湾岸警備隊の反応は遅すぎ、その後はそ
れ以外に人々の救出を妨害した」というのである。湾岸警備隊は、
この目撃者の話を否定した。この事件では、船が炎上し、3百人ほ
どが死亡した可能性がある。捜査が全力を挙げて行なわれている。
密入国斡旋業者と見られる男が、拘留されている。

     国内ニュース

弁護士「シュトローナハは1千万オイロを引き上げる方針」

シュトローナハ班が国民評議会選挙で大きな成果を上げ、複数の幹
部議員の解任したことを受け、同党内部では相変わらず不穏な空気
が流れている。大富豪シュトローナハは、党に対する投資の一部を
引き上げるつもりである、との推測や報道が流れたが、同党弁護士
ミヒャエル クリューガーは、土曜日午後にこれを認めた。クリュ
ーガーによれば、シュトローナハは連邦同党から1千万オイロの返
却を求めており、この資金は「貸付金」である。またクリューガー
は、党の創設者である彼はこれによって、各州組織とは「個人的に
は一切の法律関係を持たなくなる」と述べた。




10月6日(日)

     国外ニュース

エジプトでは軍は強硬な姿勢 抗議活動で数十人が死亡

エジプトでは日曜日、全国的に政府と軍に対する抗議活動が行なわ
れ、数十人が死亡した。エジプトのイスラーム教徒兄弟団の支持者
たちは、政府の警告を無視して、軍によって地位を追われた大統領
モハメド ムルシを支持するデモを行なった。カイロでは彼らはタ
フリーフ広場に向けて行進したが、この広場には政府支持派が
1973年のイスラエル攻撃の記念日の式典に集まっていた。エジプト
治安部隊は、イスラーム教徒兄弟団の支持者たちに、催涙ガスと散
弾を使用した。

     国内ニュース

フォーフェス「社民党と国民党は『最後の機会』にかけるべき」

国民党を次期の新しく以前からの連立相手として、管理しながら獲
得しようという社会民主党の試みは、相変わらず続いている。テレ
ヴィ番組の中でシュタイアーマルク州の社会民主党の州首相フラン
ツ フォーフェスは国民党に対して昨日、早急に基本的な決定を下
すように求めた。社会民主党と国民党は、協力して「最後の機会」
を利用するべきだ、「一緒にやるのかやらないのか」が両党にとっ
て命運を分ける問題だ、と述べた。彼は、首相ウェルナー ファイ
マン(社会民主党)は、今後も自由党との協力を行う可能性はな
い、との立場である、とも述べた。もし国民党との連立がうまくい
かなければ、社会民主党は野党になることになる、とも語った。




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