１０月２８日〜１１月３日のドイツのニュース
１０月２８日（月）
「メルケルは夏までNSAに盗聴されていた」との報道
報道によれば、米国政府の代表は、連邦首相アンゲラ メルケルが
盗聴していたことを認めた。「ウォール街通信」は米国政府代表の
言葉として、米国政府が夏に委託した調査の後、この盗聴活動はよ
うやく中止された、NSAが35箇国ほどの諸外国の幹部政治家を監視
していたことが明らかになっている、と報じた。大統領府がこれに
ついて知った時には、メルケルに対するものを含めて、盗聴事件の
いくつかは終了していた、と政府高官は述べた、とも伝えている。
この報道が示しているのは、米国大統領バラック オバマは、それ
までスパイ活動については知らなかった、とのことである。報道に
よれば、NSA広報は、オバマが自らメルケルの盗聴に関して情報を
得ていたことは否定した。
連邦議会は11月18日に特別会議を開き、NSAのスパイ疑惑を討議
し、この事件を調査する委員会が成立するのは確実と見られてい
る。
その他のニュース
NSAはスペインでも数百万の情報を収集する
米国秘密情報部NSAは、おそらくスペインでも、大規模なスパイ活
動を行なっていた模様である。マドリードの「ムンド」紙の現在の
報道では、米国は昨年12月だけで、6千万以上の電話通話情報を収
集した。ただし通話内容は探られていない、と英国の暴露する記者
グリーンウォルドが執筆した記事には記されている。彼は米国秘密
情報部から離脱したスノウデンを支援している。スペイン政府は米
国大使コストスを呼び、大規模なスパイ事件とされる事件に関して
情報をよこすように求めた。金曜日には、首相ラホイが、米国が盗
聴活動を行なった証拠はない、と述べたばかりであった。
トルコ警察はデモ隊に催涙ガスを使う
トルコでは、デモ隊に死者が出たことを受け、再び激しい裁判が起
きた。裁判所の決定に怒って裁判所の建物前に集まった2千人ほど
を解散させるために、アンカラは放水車と催涙ガスを使用した。こ
の裁判所は、デモ隊殺害容疑で訴えられた警察官を逮捕するのでは
なく、映像によって審理に参加することを認める決定を下してい
た。過去数ヶ月、トルコでは再三反政府の抗議活動が起きていた。
原因となったのは、イスタンブルの公園の建設計画に反対するデモ
活動で、警察の強硬な行動である。
タイ元首相はバンコクで暴力行使容疑で訴えられる
バンコクの路上で流血の暴動が起きてから3年半、当時のタイ首相
が訴えられた。アピシットと当時副首相のスーテプは、デモ参加者
に対して、手入れを行なうように命じたが、これで92人が死亡し
た、と検察の訴状には記されている。二人は国会議員として不逮捕
特権を持っている。アビシットは現在、野党の指導者である。数千
人の反政府勢力が、2010年春にアビシットを退陣に追い込んでい
た。彼らはバンコクの中心部の交差点を、数週間にわたって占拠し
ていた。警察は数回にわたって、抗議活動に実弾を使用した。元首
相がこのような命令を出したことで訴えられるのは初めてである、
と人権組織「人権監視団」は評価した。この組織は、現政権が目指
している恩赦を拒否している。
１０月２９日（火）
国連はシリアでポリオが発生したことを確認
国連は、シリアで小児麻痺が流行していることを確認した。またシ
リア国境を子でて命にかかわるような子供の病気が拡大するかもし
れない、と警告した。国連広報はジュネーヴで、難民が流れ込んで
いることから考えて、この地域に病原体が拡大する危険は高いの
で、周辺諸国では予防接種を強化するべきだ、と述べた。世界保健
機関WHOの発表によれば、シリア北東部では急性灰白髄炎（ポリ
オ）ウィルスが疑われる10から22の事例が見つかっている。同機関
は、シリアではこの病気が発生するのは14年ぶりである、と説明し
た。同機関は、急性灰白髄炎の発生の原因は内戦にあり、患者は乳
児や2歳までの子供たちばかりで、「十分な予防接種を受けていな
い」とも説明した。
その他のニュース
アフガニスタン協力者がさらにドイツに来ることが認められる
アフガニスタンでの戦闘行為が終了するのを前に、ドイツは当初予
想していたよりも、遙かに多くの現地採用人員を受け入れることに
なる。内務省広報はベルリンで、現地で威嚇にさらされている合わ
せて182人のアフガニスタン人には、受け入れると約束していた、
彼らのうち何人がこの申し入れを受け入れるかは不明である、と述
べた。国防軍、ドイツ警察訓練担当者、外務省の協力者たちは、ド
イツ軍がクンドゥズから撤退したら、タリバーンの報復を恐れ、連
邦政府に支援を申し入れていた。連邦政府は今月初めに、受け入れ
の基準を拡大していた。国防軍だけでおよそ1千2百人の現地職員を
雇用していた。彼らの中には。通訳、清掃係、労働者、調理人、警
備員が含まれている。特に通訳は、ドイツ兵と密接に協力し、巡回
に同行していたので、危険にさらされている、と見られている。
「オバマは同盟国の監視中止を検討」との報道
「ニュー ヨーク タイムズ」紙によれば、米国大統領オバマに
は、同盟国の首相や大統領の盗聴を中止させる用意がある、と報じ
た。これは、連邦首相メルケルの携帯電話を長年にわたって盗聴し
たとの報道により生じた外交的な危機に対処するものだ、と同紙は
政府行政官および国会議員の話として報じている。米国上院の秘密
調査委員会は、大がかりな調査をする、と予告した。動員会議長フ
ァインスタインは、これはどうしても必要であり、大統領オバマ
は、首相メルケルの通話が2002年から把握されていたことは知らな
かった、と強調した。「ニュー ヨーク タイムズ」紙によれば、
メルケルの発言の抜粋が、秘密情報部の秘密文書にあらわれている
かどうかは不明である。同紙が名前を挙げた行政官は、自分たちは
一度も情報を見たこともない、盗聴されたメルケルの通話が分析さ
れる、と述べた。
南アの急進右派が長い拘留刑を言い渡される
南アフリカの急進右派組織ボーア軍に属する者たちに対する控訴審
で、被告には35年までの拘留刑が言い渡された。裁判官たちは、こ
の組織が2000年前後に当時のマンデラ政権を失脚させ、流血の凶行
をひき起こすつもりであったことが証明された、と判断した。20人
の容疑者は、プレトリアの最高裁で、40を越える犯罪の責任を問わ
れていたが、その中には反逆罪、破壊工作、殺人、国の安全を危険
にさらしたことが含まれている。ボーア軍の指揮官ドュ トイ、ハ
ネコム、プレトリアスはそれぞれ30年の拘留を言い渡された。フォ
ルスターとソウェト爆破事件の他の黒幕は、35年が言い渡された。
マンデラおよび彼の政権の閣僚の暗殺も、彼らの計画の一部であっ
た。最終的に彼らは白人であるボーア人国家の設立を狙っていた。
１０月３０日（水）
首相府代表団はNSA事件で米国大統領府を訪問する予定
連邦首相府の高官2人が、米国秘密情報部NSAのドイツでの盗聴活動
について、より多くの情報を集めるために、米国大統領府で話し合
いを行なう。この会合には、ドイツ側からは連邦首相外交顧問クリ
ストフ ホイスゲンと秘密情報部調整官ギュンター ハイスが出席
する。米国側は、国内安全を担当する顧問スーザン ライス、秘密
情報部部長ジェイムズ クラッパー、オバマのテロ対策顧問リーザ
モナコが代表となる。会談では一方では、米国秘密情報部が何年
も前から、連邦首相アンゲラ メルケルの携帯電話を盗聴していた
との疑惑が取り上げられるものと見られるが、他方、連邦政府は米
国との「スパイ禁止」協定を結ぶよう迫っている。会談の直前に、
米国秘密情報部部長クラッパーは、米国の外国の有力政治家に対す
る盗聴工作は、「他の手段では代えがたい」と弁護していた。
その他のニュース
CDU/CSUと社民党は拡大会議
連立交渉が始まってから1週間、キリスト教民主、社会同盟と社会
民主党は、多くの人が参加する2度目の会合を開き、初めて決定を
下す方針である。両者の約75人の代表者が、ベルリンの社会民主党
本部で交渉を行なっている。特に共通のヨーロッパ政策について話
し合いが行なわれているとのことで、それにはヨーロッパ金融取引
税の早期導入も含まれている。この税の導入により、ヨーロッパの
経済成長、雇用、競争力が促進されることになっている。首相メル
ケル（キリスト教民主同盟）は首相としての3期目を利用して、ヨ
ーロッパの改革を進める方針である。銀行の規制、ヨーロッパ、オ
イロを担当する下部の作業班が出した中心となる文書によれば、両
党はより強いヨーロッパを作ることに賛成している。ただし両党
は、水の供給などの民営化は阻止する方針である。
ドイツの労働市場の秋の活性化はさほど大きくない
ドイツの10月失業者の数は、先月と比べて4万8千人だけ減少し、
280万人となった。失業率は9月と比べて0.1%下がり、6.5%となっ
た。連邦労働紹介所は、控えめな減少であり、ドイツの労働市場は
基本的な状況がよい、と発表した。同所長ヴァイゼは、ただしドイ
ツには推進力が不足している、と述べた。
アサドは反乱勢力の支援を止めるように要請
シリア大統領アサドによれば、シリアの和平交渉が成果を上げるこ
とができるのは、反乱勢力が外国からの支援を、これ以上手に入れ
ない場合だけである、と述べた。また国営放送によれば、彼は国連
特使ブラヒミとの会談の際に、このようなテロ組織を支援する国々
に対して、圧力をかけなければならない、とも述べた。会談前にブ
ラヒミは、シリア各政党間の対話に向けて、会議を準備するつもり
である、とシリア･アラブ通信社SANAは報じた。一方野党陣営の要
人たちは、仲介役の辞任を求めた。シリア国民連合に属するハムダ
ンは報道テレヴィ「アラビヤ」に、ブラヒミはその発言により、交
渉の一部になるはずの項目を前もって決めてしまっている、と述べ
た。
１０月３１日（木）
米国はドイツの輸出超過を叱責
米国政府は、高額の輸出超過をしていることを理由にドイツを批判
した。米国財務省が国会向けに作った報告書の中で、ドイツの輸出
の強さが、ヨーロッパの安定と世界経済に損害を与えている、ドイ
ツは国内の消費を促進するために、より多くのことをなさなければ
ならない、と記されている。財務省によればドイツはオイロ危機の
最中も、経常収支では高い輸出超過を維持し、そのため2012年には
中国さえ上回った。ミュンヒェンのIfo研究所の計算によれば、ド
イツは今年の経常収支では輸出超過の新たな記録を塗り替える。
その他のニュース
シリアの化学兵器は封印される
シリアでは、化学兵器の生産拠点がすべて生産不能になり、化学兵
器庫は封印された。化学兵器禁止機構OPCWは、国連安全保障理事会
が設定した期限が切れる前に、最後の施設が土曜日に使用不可能に
された、と発表した。そのほか数千トンの化学兵器と大量殺傷兵器
が、確実な形で封印された、とも述べた。シリア政府は9月に、シ
リアの化学兵器を破壊することで、国連安全保障理事会と合意して
いた。同国はこの間に化学兵器禁止協定に加入し、化学兵器禁止機
構査察団が現地入りしている。2014年6月30日までに、全ての化学
兵器が破壊されることになっている。
米国は東エルサレムの入植地建設を批
国連と米国政府は、イスラエルが東イスラエルに新たな入植計画を
持っていることで、これにより近東和平交渉が阻害されるとの懸念
を持っている。米国外務省は、この計画は交渉に「役に立つ環境
を」作ることはない、と批判した。国連事務総長パンは、入植地建
設を非難した。一方イスラエル兵士が西ヨルダンランド北部で、パ
レスチナ人1人を殺害した。軍広報によれば、ジェニンの南にある
村落で、パレスチナ人50人ほどが、デモを解散させた兵士たちに投
石した、とのことである。新たな近東和平交渉が始まってから、西
ヨルダンランドではパレスチナ人10人とイスラエル人3人が死亡し
た。
福島原発を運転する会社が利益を出す
福島の核事故から2年、これを運転するテプコ社は利益を大きく増
やすことができた。前年の同四半期には111億円の利益であった
が、今四半期は1,783億円（13億オイロ）の利益であった。この利
益は、大幅な経費節約と整備作業の延期によって可能になった。テ
プコ社は福島の核事故後、倒産を回避するために、国有化された。
高額の賠償要求があるため、国家が同社に巨額の資金を支払い、持
ちこたえさせた。全回の営業年度では、テプコ社は6853億円の赤字
を記録していた。今年の営業年度に関しては、予想がまだ発表され
ていない。
１１月１日（金）
スノウデンはドイツでの対話に応じる用意がある
元NSAの秘密情報部職員エドワード スノウデンには、ドイツでス
パイ疑惑に関して発言する用意がある。しかし、その後がレガドイ
ツあるいは別の同等の国に滞在し、そこで安全が確保されることが
はっきりしていなければならない、と緑の党の政治家ハンス･クリ
スティアン シュトレーベレがベルリンでの記者会見で述べた。シ
ュトレーベレは昨日、モスクワでスノウデンと会談していた。その
際情報提供者であるスノウデンは自分に対して、NSAのスパイ疑惑
解明を助ける、と約束した、とのことである。連邦政府は今のとこ
ろ、スノウデンのモスクワでの事情聴取は可能である、と見てい
る。
その他のニュース
ケリーは秘密情報部事件で方針を転換すると約束
米国外相ケリーは、米国の秘密情報部NSAのスパイ疑惑で、方針を
転換すると予告した。ロンドンでの映像回線を用いた会議で、米国
政府は、いくつかの事例で大きな逸脱をしたが、今後これを繰り返
すことはない、と述べた。また彼は、監視活動を検証し、いくつか
の活動は中止し、信頼を回復しなければならない、とも語った。米
国上院の秘密情報部委員会は、NSAによる電話情報の収集を制限す
る方針である。同委員会は、集めた電話通話情報の利用などを、厳
しく制限するとの法案を可決した。
ドイツ銀行に対しても金利操作容疑で訴訟
米国の国立不動産金融機関ファニー メイは、ロンドン銀行間取引
Liborの金利をめぐる事件で、外国の大銀行9行に対して訴訟を起こ
した。この中にはドイツ銀行も含まれている。ファニー メイの広
報は、国際的な基準金利の操作により、同行は8億ドルほどの損失
を被った、そのため同行はニュー ヨークの連邦裁判所に訴えを起
こさざるを得ないと見ている、と発表した。ファニー メイは、ロ
ンドン銀行間取引の決済が誠実に決定されていると信頼していたた
め、巨額の金利をおわされていたので、これだけの高額の損失を計
上した、と主張している。訴えられた銀行のうち4行、スイスUBS、
バークレイズ、スコットランド ロイヤル銀行、オランダのラボ銀
行は、複数の規制当局との交渉を行ない、すでに高額の罰金を受け
入れていた。ドイツ銀行以外には、銀行クレディ スイス、バンク
オヴ アメリカ、シティグループ、JPモルガン チェイスも訴え
られている。ロンドン銀行間取引は、各銀行がお互いに資金を貸す
際の金利を定めている。この金利に基づいて、巨額の債権の国際的
な取引が行なわれている。
タイ国会は問題の恩赦法を可決
タイ国会は、政治的に迫害を受けた人の恩赦に関する法律を可決し
たが、これには反対意見もある。これは2004年以降政治的な抗議活
動に参加した人に、恩赦を与えるものである。この法律が問題視さ
れているのは、恩赦は2006年に失脚した首相タクシンにも与えられ
ているためである。野党はこれを絶対に受け入れる方針はなく、新
たな抗議活動を行なう、と威嚇している。タイは2004年以降、多く
の抗議活動に揺れており、1百人以上が死亡した。
１１月２日（土）
ロシアはスノウデンの事情聴取に抗議を申し立てない
ロシア政府は、ドイツの代表にとって、米国秘密情報部の秘密を暴
露したエドワード スノウデンに、ロシア国内でNSAの監視体制に
関して質問する上で、障害があるとは見ていない。ロシアで亡命中
のスノウデンは、会いたい人と自由に会える状況にある、と大統領
ウラジミール プーチンの広報は述べた。緑の党の連邦議会議員ハ
ンス･クリスティアン シュトレーベレは、事情聴取のために彼を
ドイツに招くことに理解を求めている。74歳のシュトレーベレは、
急遽元秘密情報部員スノウデンとモスクワで会談した。ただしスノ
ウデンのモスクワでの弁護士アナトーリ クチェレーナは、スノウ
デンは一旦出国すると難民としての地位を失うので、ドイツでの庇
護が保証される場合にのみ、ドイツに渡航することができる、と述
べた。一方スイスの国会議員も、スノウデンに関心を寄せている、
と発表した。彼らは、ジュネーヴでの米国秘密情報部の活動に関す
る情報を、彼から得られるものと期待している。スイスには国連お
よび多数の国際機関が存在している。報道によれば、スイスにある
米国の使節団には、ベルリンの大使館同様の盗聴装置が備え付けら
れている。
その他のニュース
ブラジルとドイツは国連でスパイ行為に関する提案を行なう
米国の盗聴工作とされるものが明らかになったことを受け、ブラジ
ルとドイツは国連にスパイ行為に反対する決議案を提出した。この
中で、全ての国に対し外国で監視行動を行なう場合には、立法と実
施を検討することを求めている。また人々がインターネットなどに
つながっていない時に持つ権利、たとえば私生活に干渉されない権
利などは、これにつながっている時にも保護されなければならな
い、としている。この文言はブラジルと協力して作り上げられたも
ので、同国の大統領ルセフは、連邦首相メルケル同様に、米国秘密
情報部NSAに盗聴されていた、とされている。担当する人権委員会
は、3週間以内にこの提案を審議し、その後総会に勧告を提案す
る。この決議案には拘束力はないが、かなりの象徴的な意義があ
る。
パキスタンのタリバーンは新たな指揮官を任命
パキスタンのタリバーンの頭領マフスードが死亡してから1日、イ
スラーム教徒のサイナが新たな指揮官に指名された。彼の年齢は
40歳ぐらいと推定され、マフスードの部族に属し、南ワジリスタン
のラッダ出身である。マスフードは金曜日に、米国の無人飛行機に
殺害されていた。この間に彼の他に、この攻撃で死亡した急進派
4人が埋葬された。墓の精確な場所は発表されなかった。30歳ほど
のマスフードは、パキスタンで最も力を上げて行方が追及されてい
た人物のひとりであった。米国は彼が多くのテロ行為をひき起こし
た、としており、5百万ドルの懸賞金を彼にかけてきた。報道によ
れば、マスフードは同国北西部のアフガニスタンとの国境地帯で、
見つけ出された。無人機が4発のミサイルを隠れ家に発射し、マス
フードおよびその他のタリバーンが殺害された。パキスタン当局
は、報復攻撃を受ける懸念から、公共の建物、広場、鉄道などの治
安値策を強化した。
「黄金の夜明け」に対する攻撃の犯人の痕跡は見つからず
ネオナチ政党「黄金の夜明け」が銃撃されて死者が出てから1日、
ギリシア警察は犯人の痕跡をまだ見つけていない。国営ラジオが捜
査陣の言葉として報じたところによれば、弾道に関する調査によれ
ば、犯行に使われた武器は強盗の襲撃やテロ攻撃に使われたことは
なく、犯人たちは詳細な計画に基づき、冷血な行動を取っているこ
とから、プロである。一方極右である同党は、2人の犠牲者は「黄
金の夜明け」の党員であることを確認した。左翼地下組織の報復攻
撃であるかもしれない、と推測されている。9月中旬に、「黄金の
夜明け」に属すると見られる者たちが、左翼のラッパーを殺害して
いた。それ以来司法は反ユダヤ人政党である同党に対して、厳しい
措置をとっている。
１１月３日（日）
「スパイ禁止条約」で前進があった模様
米国は、スパイ禁止条約に関する話し合いで、ドイツに対して歩み
寄った模様である。報道雑誌「シュピーゲル」の情報によれば、米
国には工業スパイを断念する用意があるが、連邦政府が中心項目と
して求めている、ドイツ国土で技術を用いたスパイを行わないよう
にとの要求は、まだ決着がついていない。連邦内務大臣ハンス・ペ
ーター フリードリヒは、ドイツでのコンピューター網の安全性を
高める意向である。「ヴェルト紙日曜版」に彼は、インターネット
接続業者は将来、ヨーロッパでの情報のやりとりを、もっぱらヨー
ロッパのコンピューター網に限って行なうことを義務づけることに
なる、と述べた。
その他のニュース
政府は環境に配慮した車の高速道路料金を値引きすることを検討
連邦交通省は、オーストリアを前例として、トラックの高速道路交
通量の導入を検討している。同省広報は、これに関する新聞報道を
確認した。それによれば、ドイツと外国のトラック運転手は、将来
的に1年に1百オイロほどの高速道路利用券を入手することになる。
ドイツの自動車運転手は、自動車税でこの費用を決済することがで
きるほか、排出物の少ない自動車を持っている人は、環境配慮の割
引が受けられるよう検討している。トラック利用料の導入は、キリ
スト教民主、社会同盟と社会民主党の連立交渉での対立点である。
キリスト教社会同盟は選挙戦中に、外国の自動車運転者に対して高
速道路利用料を課すことを求めていた。社会民主党はこれを拒否し
ており、首相メルケルもトラックの高速道路利用料は導入しない、
と述べていた。
「サウジ・アラビアはドイツの潜水艦を購入する計画」との報道
報道によれば、サウジ・アラビアはドイツ製潜水艦を購入する方針
である。「ビルト紙日曜版」は、当面5隻を25億オイロで購入し、
長期的には25隻ほどの潜水艦を調達する計画である、と報じてい
る。紛争地域への武器の輸出は、キリスト教民主、社会同盟と社会
民主党の連立協議での争点である。社会民主党は、規則を強化する
ことを支持している。
コソヴォで地方議会選挙
コソヴォでは数十年ぶりに地方選挙が行われる。170万人が投票を
行なうことになっている。約8万人のセルビア人も投票権を持って
いる。今回の投票は、コソヴォとセルビア両国政府の関係の正常化
を試すもの、と目されている。セルビア人の多数はこの選挙に参加
しない方針であるが、それは彼らがセルビアにのみ所属する意向だ
からである。報道によれば、セルビア人が多数を占めるコソヴォ北
部では、多くの投票所が投票が始まって1時間経っても開かれなか
った。その理由として、技術的な問題がある、とされている。