11月11日〜17日のオーストリアのニュース



11月11日(月)

     国外ニュース

フィリピンの大混乱 台風後には疫病の恐れ

巨大台風「ハイヤン」のあと、数万人のフィリピン人には、時間が
経つごとに災害の影響が悪化している。月曜日には政府は災害自体
を宣言し、非公式ながら1万人を越える死者が発生した、と発表し
た。救援隊は、破壊の状況になすすべなく立ち尽くしており、多く
の人が相変わらず、食料、水、医薬品を手に入れることができてい
ない。緊急事態では、略奪が起きている。路上には相変わらず、多
くの遺体が置かれたままである。席病が発生する恐れもある。

     国内ニュース

ヨーロッパ中央銀行の金利引き下げに南北で分裂

ヨーロッパ中央銀行EZBは、基準金利を0.25%引き下げ、記録的低水
準の0.25%としたが、これはヨーロッパ各地で混乱を招いている。
南部の国では同銀総裁ドラギの行動を歓迎しているが、オーストリ
アやドイツでは批判が雨あられと降っている。しかし同銀行評議会
事態も、深い分裂を呈している。「フィナンシャル タイムズ」紙
によれば、金利引き下げの背景には、6人の「暴動」があった。オ
ーストリア発券銀行総裁エーワルト ノウォトニーもこれに属して
いた。




11月12日(火)

     国外ニュース

台風被害 多くの場所が外界と途絶

巨大台風「ハイヤン」がフィリピンを通過してから数日経っても、
災害の規模はまだ不明である。大統領ベニグノ アキノは、死者は
2千5百人ほどと見積もり、当初の予想よりさらにかなり少ない死を
嘆くことになると表明した。国連側では相変わらず「最悪」の事態
を予想している。その理由として、被災地の多くは相変わらず、外
部と途絶しているためである。諸外国の支援機が到着し始めている
のもかかわらず、すでに通行が可能になった地域でも、情勢は混沌
としている。

     国内ニュース

予算を巡る対立 交渉は党首の案件に

予算不足に陥る可能性があることで、連立内部の対立の最中で、財
政問題に関する交渉は火曜日に党首の案件となった、と宣言されて
いる。そのため連邦首相ウェルナー ファイマンは、予定されてい
たパリ訪問を中止し、国民党党首ミヒャエル シュピンデレガー
は、交渉に加わっている。支出削減の必要は、専門家の予想を土台
にして、両党首の間で決定されることになっている。しかし各州か
らは、なだめるような声が出ており、ウィーン市長ミヒャエル ホ
イプルは、予算不足そのものを否定した。




11月13日(水)

     国外ニュース

サウジ・アラビアの外国人労働者の問題

サウジ・アラビアは、外国人に対して極端に厳しく対処している。
先週、正式の書類を持たない数十万人の労働移民に対する恩赦が終
了したことを受け、週末には貧しい外国人がすむ一画で、暴動が起
こり血が流れて、2人が死亡した。それ以来警察は、大規模に移民
を逮捕した。巡礼者の町メッカだけでも、2万人が拘留された、と
発表した。同国は多くの安い外国人労働者に依存しているが、他方
高い失業率とも戦っている。

     国内ニュース

予算の「誤差」を公式に認める

巨額の予算不足が明らかになったことを受け、政権の交渉役は水曜
夕刻までに、本当のことを発表するための時間を持つ。それによれ
ば、2018年までの歳入不足は、184億4千万オイロに上る。首相ウェ
ルナー ファイマン(社会民主党)と副首相ミヒャエル シュピン
デレガー(国民党)はさらに、およそ60億オイロが銀行の国からの
支援のために取っておく、と発表した。ファイマンによれば、歳入
不足だけでなく、実際の財政規模の「誤差」が問題かもしれない。
さらに家族支援や税制改革など、選挙前に予告されていた改革の措
置のいくつかを実施するのが、少なくとも遅れざるを得ない。




11月14日(木)

     国外ニュース

アイルランドとスペインはオイロ救済の傘から出る最初の国に

オイロ使用地域は、債務危機との戦いで、一段階を超えようとして
いる。アイルランドとスペインは、来週にも救済の傘から離れる意
向である。オイロ使用国連合は木曜日に、これに向けた方針を示し
た。両国は、それぞれの支援計画を早期に終了した後、万一に備え
て債権を申請するつもりはない、と発表した。オイロ使用国連合会
長イエールン ダイセルブルームは「両国にお祝いを言う」と述べ
た。EU通貨委員オリ レーンは、「アイルランドとスペインにとっ
てよい日」であるばかりではなく、「ヨーロッパにとってもよい
日」である、と述べた。

     国内ニュース

高等研究所長コイシュニッヒ「計算上国家予算には余裕はない」

高等研究所長クリスティアン コイシュニッヒは、政府の予算計画
は「最低限」の状態だ、と見ている。予告された対策を取った場合
に、EUの基準を守ることになるが、それは「失敗が何もない場合
に」限られる、と木曜日に経済成長に関して発言した。現政権は前
日に、184億4千万オイロの予算の赤字と見積もっていた。これによ
る余裕は「全くない」と彼は述べた。同様の判断をオーストリア経
済研究所長カール アイギンガーも発表し、政府が挙げた数字は、
「現実的な見通しの最低限」である、と述べた。実際には赤字の総
額は、計算手法の問題であり、専門家が予想した300億オイロの歳
入不足の可能性がなくはない。




11月15日(金)

     国外ニュース

リビアではデモが激化 数十人が戦いで死亡

リビアの首都トリポリでは激しい衝突で血が流れ、金曜日には少な
くとも31人が死亡、285人が負傷した。数百人のリビア人が民兵に
反対して行なった集会は、当初は平和的に始まったが、暴力に発展
した。公式発表によれば、武装した者たちが身すら他民兵の本部か
ら出てきて、最初は空に向けて、その後はデモ隊に向けて射撃を行
なった。他の民兵たちがその後、建物に押し寄せて放火した。

     国内ニュース

専門家は低所得者の負担軽減は行なえると見る

予算は240億オイロ不足している。首相ウェルナー ファイマン
(社会民主党)は、かなりの規模の税制改革が好ましいが、当面は
それは行わないと述べ、そのような事態は今回の任期中には起きな
いとの期待を表明し、これにより低所得者の負担軽減は先延ばしに
なる、と述べた。高等研究所長クリスティアン コイシュニッヒ
は、テレヴィ番組の中で、次回の選挙前に大きな税制改革を行なう
可能性はほとんどない、低所得者層の負担軽減は、それを優先する
ことを認め、交通費減税などの聖域を犠牲にすれば、実施可能であ
る、と見ている。




11月16日(土)

     国外ニュース

モルディブで驚き ヤミーンが元大統領に勝利

土曜日のモルディブの大統領選挙で、候補者アブドゥッラー ヤミ
ーンが予想外に勝利を収めた。54歳の彼は、元独裁者で、インド洋
の保養地を30年以上にわたって、強権的な手法で支配していたマウ
ムーン アブドゥル ガユームの異母兄弟である。現地での報道に
よれば、元大統領で事件活動家のモハメド ナシードは、小差で敗
れた。この投票の前には、憲法裁判所が無効と判断し、延期された
失敗に終わった選挙が試みられていた。

     国内ニュース

教員勤務法 長い対立は混乱の中最終段階へ

2001年以降政権が何代か変わっても、教員勤務に関する新たな法律
は、後送りにされてきた。今年の夏にようやく教員勤務法の法案
が、教員の賛成が得られないまま、専門家の判断を受けている。そ
れ以来、労働組合は政府の独断専横に激しく抗議し、34回の交渉を
重ねたが、成果は上がっていない。月曜日の会議もよい兆しはな
い。さらにこれが最終期限になる可能性もあり、最後にはこの案が
火曜日に閣議で可決される兆候も強まっている。教員労働組合は、
交渉による解決に賭けているが、ストライキも話題に上がってい
る。




11月17日(日)

     国外ニュース

巨額の受注 アラブ系航空会社は設備を拡充

現在飛行機製造会社には、まさに金の雨が降り注いでいる。ドゥバ
イでの航空見本市では冒頭で早くも、ボーイング社とエアバス社が
記録的な注文を喜んでいる。ドゥバイののエミレイツ航空は、
760億ドル(560億オイロ)で新たなボーイング777X機を発注した。
また好敵手のエアバス社も、手ぶらでは帰らない。アラブ系航空会
社が、総額200億ドルの飛行機を受注した。これにより湾岸諸国
は、アジアとヨーロッパ間の便に、新たな回転ドアを作るつもりで
あり、打撃を受けたヨーロッパの航空会社は深刻な打撃を受ける。

     国内ニュース

ホイプルは予算には「大災害はない」と見ている

今までの連立与党社会民主党と国民党は、新たな連立政権に向けて
交渉を行なっているが、一つの点で合意している。両党の見方で
は、2018年までに240億オイロを越える歳入不足があるにもかかわ
らず、「予算の穴」はない、という点である。ウィーン市長ホイプ
ルも日曜日にテレヴィ番組で、2013年予算は収支が均衡している、
とその根拠を述べた。また彼は、将来の予想は「全く別のものであ
る」とも語った。彼は社会民主党党首ウェルナー ファイマン同じ
見解であり、実際にはいくつかの疑問符がつけられているとはい
え、減税は可能である、とも述べた。有権者を選挙前には「だま
さ」なかった、と彼は確信している。




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