12月16日〜22日のオーストリアのニュース



12月16日(月)

     国外ニュース

米国の裁判所「電話盗聴はおそらく法律違反」

NSAの盗聴活動は、おそらく憲法違反である。この決定は暫定的な
ものであるが、米国連邦裁判所が月曜日にこれに達した。米国の電
話情報を数百万回にわたって盗聴したことは、憲法に基づく理由な
き捜査からの保護に違反している、とワシントンの裁判所は発表し
た。裁判官たちは、「オーウェル的な規模」の盗聴活動で、これに
対する裁判は、「勝訴する大きな見通し」を持っている、と述べ
た。それがそのようになるかは、もちろん不明である。この判断は
暫定的な決定ではあるが、同裁判所は政府の意義がある、と見てい
る。

     国内ニュース

外務省は鍵を握る人事

副首相で財務大臣に再任されたミヒャエル シュピンデレガー(国
民党)は、月曜日に外務省を自分の後継者セバスティアン クルツ
(国民党)に任せた。その直前に公に紹介したばかりであった。こ
れは新たな閣僚をその協力者の紹介にあてられている。元科学大臣
カールハインツ テヒテルレは、片目は笑い、片目は泣きながら、
この職を経済大臣ラインホルト ミッターレーナー(国民党)に委
ね、「若干の危険な実験がうまくいくように」と述べた。




12月17日(火)

     国外ニュース

安いガスと巨額の資金でロシアはウクライナを支援

ウクライナ大統領ヴィクトル ヤヌコーヴィチは大急ぎで、破綻直
前の同国のための方策を探していた。EUが先日、求めていた資金注
入を拒否したあと、火曜日にはロシアは時間を味方につけ、大統領
ウラジミール プーチンとヤヌコーヴィチの会談後に、ロシアのガ
スの価格を3分の1引き下げ、さらにロシア政府は110億オイロをウ
クライナの国債に投資する、と発表した。数週間前からキエフの路
上に出ていた野党は、ヤヌコーヴィチがウクライナの独立を、ロシ
アに売り払った、と激怒している。

     国内ニュース

科学を経済省が担当することに対する批判は止まない

科学と経済の2つの省庁を合併することに対する批判は、止むこと
がない。火曜日には9千5百人の反対派が路上に出て、激しい抗議を
行ったが、各大学は黒旗を掲げた。大学評議会議長21人は、共同声
明を発表し、全ての専門家の意見に反するこの合併は、驚愕を持っ
て受け止めた」と述べた。科学・経済大臣ラインホルト ミッター
レーナー(国民党)は、科学が没落することはないと述べて、事態
を沈静化させようとした。




12月18日(水)

     国外ニュース

エルドアン対元同盟者 トルコではあからさまな権力争い

大臣の息子たちと数十人の実業家が逮捕され、主要人物が与党を去
り、支持者は離反している。トルコ首相レジェップ タイップ エ
ルドアンの権力は、ますます反撃にさらされている。この背景に
は、よりによって、以前エルドアンの盟友であった有力な説教師フ
ェトフッラー ギュレンがいると言われている。ギュレンは米国で
生活しているが、彼の運動の影響力は大きく、彼の支持者が学校を
運営し、報道機関、銀行1つと病院も経営している。ギュレンの運
動は影響力を拡大しようとしているが、そのため、その影響力は警
察および司法の様々な箇所に及んでいる。

     国内ニュース

独財相ショイブレは新財相シュピンデレガーをあざける

EUの最重要計画の一つ、ヨーロッパ銀行連合は、間もなく完成す
る。EU加盟28箇国の財務大臣は、水曜日に全力をあげて、新たな規
則に関する交渉を行なった。新財務大臣ミヒャエル シュピンデレ
ガー(国民党)はこの際、公務員を代理として送った事実は、国際
的な舞台で混乱を生んだ。シュピンデレガーは欠席の理由として、
月曜に宣誓したばかりであったことを挙げた。ドイツの財務大臣ヴ
ォルフガング ショイブレはこの状況に対して、あざけるように、
「幸いなるオーストリアよ」という言葉を述べた。ショイブレ自身
は、火曜日に宣誓を行なっていた。




12月19日(木)

     国外ニュース

中国人報道関係者に対する思想調査

中国人記者は、今後も記者として働くことを認められるためには、
思想調査を受けなければならない。集中講座への参加と、数百頁に
わたる教科書で、彼らはマルクス主義的報道観と、中国的な特質を
持つ社会主義の理論を学ぶこと胃なる。その際には、共産党に反対
するいかなる報道も、例外なく禁止される。報道の専門家はずっと
以前から、報道に関する規制は、新大統領習 近平が就任してか
ら、抜本的に強化されている、と警告している。

     国内ニュース

2014年の景気はより急速に回復する

来年からオーストリア経済は再び、力強く成長する。来年は実質的
に1.7%、2015年にはおそらくそれ以上になる。ただし高等研究所
IHSと経済研究所WIFOの予想によれば、失業率はさらに上昇する。
両研究所は木曜日の新たな四半期の予想の中で、国内総生産は1.7%
の増加、と予想し、2015年には高等研究所はさらに加速して2.0%も
あり得る、と見ている。原動力は、各企業の力強い投資活動と、外
国との貿易の活性化である。個人消費も増加するが、経済研究所に
よれば、景気上昇はまだ急には起こらない、とのことである。




12月20日(金)

     国外ニュース

フランス アフリカに非自発的な「近衛兵」がいる

アフリカがますます武装した大陸になるのはいつか、フランスは事
実上、現地での危機の火消しを、少なくとも軍事的にはつとめてい
る。今年初めからフランス兵は、マリでイスラーム教徒民兵と戦っ
ている。また現在1千6百人が内戦にさらされている中央アフリカ共
和国で活動している。フランス政府はそのために、新植民地主義の
「フランサフリク」政策に陥っている、との批判を受けざるを得な
くなっている。この動機については特に経済的、内政的な憶測が繰
り広げられている。「近衛兵」のアフリカでの役割は、全く自由意
志に基づくものではない。

     国内ニュース

新法務大臣の計画

しばらくぶりに無所属の法務大臣が宣誓し、元刑事弁護人のウォル
フガング ブラントシュテッターは、野心的な計画をたてて、注目
を集めている。彼によれば、長い間議論されていた検察に対する命
令権を改革し、「繊細さを擁する」若者に対する刑罰の対案を提出
し、手続き全般を迅速化する計画である。また区裁判所の閉鎖を今
後も継続するかどうかについては、彼は熟慮している。彼は来年に
改革の実施を期待しており、そのための議論は「どのような結果に
なるかにか変わらず」行なう意向である。




12月21日(土)

     国外ニュース

ホドルコフスキー恩赦 今後の計画について発言

ロシアの反体制派ミハイル ホドルコフスキーは、10年にわたる拘
留から釈放されてから、初めて公の場に姿を現すのが、緊迫感を持
って見守られている。日曜日にホドルコフスキーはベルリンの壁博
物館で、今後の計画について話す方針である。今まで彼は、ロシア
にいる他の囚人のために力を尽くすつもりである、と示唆していた
に過ぎない。ただしロシアへの帰国は、これに関連する申し入れが
あるものの、今のところ考えていない模様である。土曜日には彼は
息子の他に、モスクワからベルリンにやってきた両親とも会った。

     国内ニュース

総合学校をめぐり新連立政権初めての対立

就任の宣誓から1週間経たないうちに、新教育大臣ガブリエレ ハ
イニシュ・ホーセク(社会民主党)は、総合学校をめぐる発言で、
注目を集めている。政権綱領の中には書かれていないが、総合学校
の問題は解決がまだついていない。国民党の新事務長ゲルノート 
ブリューメルは「連立協定のインクが乾いていないのに、ハイニシ
ュ・ホーセクはこの協定を反故にしようとしている」と批判した
が、ハイニシュ・ホーセクはこれに早速応えた。ブリューメルは、
政権綱領は、彼女にも適用される、と教育大臣のインタヴューに関
して怒りを述べた。




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