1月20日〜26日のオーストリアのニュース



1月20日(月)

     国外ニュース

和平会議は茶番 シリアの写真は大量拷問を裏付ける

国連はイランを招待することで、スイスでの和平会議計画を、崩壊
の際に追い込んだ。しら野党と米国は抗議したが、国連事務総長パ
ン ギムンは、この板挟み状態のために「狼狽」し、イラン政府の
招待を取り消した。イランは事前に、課された条件があるとして、
いずれにせよ参加を拒否していた。外交的には気まずいこの芝居
は、現実に追い越された。外国へ秘密裏に持ち出された書類によれ
ば、バシャール アル・アサド政権から、1万1千人の拘留者が死に
至るまで虐待されたことを裏付けている。

     国内ニュース

不動産業界のならず者へ国立銀行が警告制度を開始

オーストリアの住宅の価格は過去数年、他のオイロ使用地域ではな
いぐらい大きく値上がりした。2007年初めから2013年半ばの間に、
不動産はそして特に持ち家は、平均で39%値上がりし、ウィーンで
はそれが80%になっている。この価格高騰問題では、オーストリア
国立銀行OeNBも介入する。独自の指標が適切な時点で、危険な不動
産業界のならず者に警告をすることになっている。




1月21日(火)

     国外ニュース

シリア和平会談は困難な前兆と共に始まる

誰も成果が上がるという大きな期待は持っていない。利害は対立し
ており、情勢は隘路に落ち込み、準備もうまくいっていないためで
ある。水曜日にはスイスでシリア和平会議が始まるが、この会議で
は初めて大統領バシャール アル・アサド政府と、反政府勢力が初
めて対決することになっている。反政府勢力は脆弱で、結束力がな
く、内戦ではアサドに切っ先を突きつけているイスラーム教徒組織
は、代表を送っていない。また、ロシアがどのような役割を果たす
か、決まっていない。招待を取り消されたイラン抜きで解決がそも
そも可能かどうかは、不明である。

     国内ニュース

閣議後に登場 今までの「記者会見場」を中止

新政権は、クライスキー時代(1970〜83年)からの習慣を破った。
「新手法」の一環として、首相ウェルナー ファイマン(社会民主
党)と副首相ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)は、閣議後
にはもはや定期的にではなく、「機会を捉えて」報道関係社の前に
立つ方針である。新たな記者会見場の初日は、火曜日であった。厚
生大臣アロイス シュテーガー(社会民主党)と法務大臣ウォルフ
ガング ブラントシュテッター(国民党)が、報道関係者の前に姿
現した。これは大きな混乱を招いたが、結局は公表すべき具体的
な決定は何も下していなかった。




1月22日(水)

     国外ニュース

ダヴォスの商売と政治 舞台裏で取り決め

スイスのダヴォスでは水曜日に、4日間の日程で毎年恒例の世界経
済公開会議が始まった。幹部政治家、経済界の要人、学者、芸術家
2千人が、失業や増間開く貧困層と富裕層の溝について話し合う方
針である。ただし本来の商売と政治会談は、非公式に奥の間で密か
に行なわれている。イラン大統領ハッサン ロウハニは、イスラエ
ル首相ベンヤミン ネタニヤフと、そのような形で遭うかもしれな
い。またEUと米国の主席交渉役の間で、自由貿易地域問題につい
て、直接話し合いが行なわれる可能性もある。

     国内ニュース

50センチの新雪 冬が帰ってくる

さらに雪が降るかもしれない。金曜日には冬がオーストリアに帰っ
てくる。予報によれば、冬は山岳部に多くの人が待ち望んでいた雪
をもたらす。西部からはイタリア低気圧がオーストリアに近づき、
山岳部に50センチほどの新雪をもたらす。南部では他の地域よりも
優位にあり、今回は全く雪が降らないも同前であった地域も白くな
る可能性が高い。




1月23日(木)

     国外ニュース

ウクライナでは緊急会議後も解決策が見えず

ウクライナ大統領ヴィクトル ヤヌコーヴィチと野党の代表は、流
血の衝突が起きたこと受け、木曜日夜に長時間の協議をおこなっ
た。ただし大きな大きな成果は上がらなかった。「祖国党」のアル
セニ ヤゼニュクは、これ以上血を流すことなく紛争を終わらせる
「大いなる可能性」がある、と述べた。しかし彼はこの交渉の詳細
は明らかにしないままであった。一方キエフでは路上で暴力が続い
ている。新たにデモ参加者1人が、銃撃を受けて病院に運び込まれ
た。ウクライナ政府は、警官によるこの流血の措置を謝罪した。

     国内ニュース

アカデミー舞踏会をめぐり激しいやりとり

ウィーンのアカデミー舞踏会(旧WKR舞踏会)がウィーン王宮で開
かれるのを前に、自由党が組織したこの催しに議論が起きている。
警察は事態の激化を懸念しているが、そのためウィーンの状況は、
異例なほどの措置がとられるかも知れない。今日、王宮前広場での
禁止だけでなく、複数の区域での仮装も禁止されている。「新たな
問題を提起しよう」という住民発議には、ナチ時代の強制収容所の
生存者も属しているが、すでに昨日認可されたデモを取りやめてい
た。報道関係者労働組合は、「検閲」に対する抗議を行なったが、
それは記者が実質的には警察監視を行なっているからである、とし
ている。




1月24日(金)

     国外ニュース

カイロでは4回目の攻撃でさらに死者が発生

エジプトの首都カイロでは金曜日、数時間のうちに起きた4度目の
攻撃で、爆弾攻撃によりさらに1人が死亡した。これより前に同市
では爆発物が破裂していた。合わせて少なくとも6人が死亡、およ
そ80人が負傷した。政府はイスラーム教徒兄弟団がこのテロ攻撃の
背後にいると見ており、これらの事件は、長期にわたって権力の座
にあったホスニ ムバーラクに対する蜂起が始まってから3年の記
念日を直後に控えた土曜日に起きた。

     国内ニュース

アカデミー会員舞踏会に抗議デモ 騒乱と逮捕沙汰

壊された商店の飾り窓、傷がつけられた車、逮捕劇、警官とデモ隊
に負傷者。自由党が主催した王宮でのアカデミー会員舞踏会に抗議
して、6千人の人がおおむね平和的な抗議活動を行なったが、金曜
夜にはシュテファン広場周辺では、これが激化した。警察は2千人
ほどの警官を動員し、事前に激しい批判を受けた広い範囲での王宮
周辺の広場の使用を禁止したが、、この抗議を阻止することはでき
なかった。




1月25日(土)

     国外ニュース

ウクライナの権力争い 野党は政府の提案を拒否

ウクライナ野党は、政府が申し入れた政権の職を受け入れるのを拒
否した。野党の指導者ヴィタリ クリチコは土曜日午後に、キエフ
で歓声を上げる反政府勢力の前で、これを発表した。ウクライナは
今年中に選挙を行い、ロシア寄りの大統領を解任しなければならな
い、との要求を彼は述べた。過去数日間、衝突が起きたことを受
け、大統領は政府批判側の元外相アルセニ ヤゼニュクを新政府の
首相にし、クリチコをその代理にする、と提案していた。

     国内ニュース

元司教クルト クレンが逝去

元司教クルト クレンが、長く厳しい闘病生活の後、土曜日にサン
クト ペルテン近くのゲレルスドルフの「汚れなき聖女マリアのし
もべ修道院」で死去した。ここでからは最後の数年間、看護を受け
ていた。クレンは長年にわたって、公の場に姿を現していなかっ
た。彼は13年間、サンクト ペルテン司教区を始動していた、児童
性愛および神学校での性的放埒に関連して、当時の教皇ヨハネス 
パウル2世の意向を受けて、2004年秋に辞任していた。




1月26日(日)

     国外ニュース

反EU政党UKIPがキャメロンを追い立てる

右派大衆迎合政党英国独立党UKIPは、英国首相デイヴィッド キャ
メロンをますます圧迫している。最新の世論調査によれば、同党は
有権者の間で第一位を獲得し、キャメロン率いる保守党は労働の後
塵を拝し、第三位に転落した。この人気の理由は、独立党がEUに批
判的な態度を取っていることであり、EUからの離脱が同党のはっき
りした目標である。キャメロンはこれに追随し、思い切った賭に出
ている。2015年の選挙で再選された場合には、彼は国民に、EUに残
留するかどうか投票を行なう、と約束した。ロンドンの金融街は、
すでに警鐘を打ち鳴らしている。

     国内ニュース

不動産銀行の清算 政府への圧力が強まる

国営化された問題の銀行アルペ・アドリア不動産銀行の資産を管理
する銀行は、どのようにすれば設立できるか、連邦首相ウェルナー
 ファイマン(社会民主党)と副首相ミヒャエル シュピンデレガ
ー(国民党)は、月曜午前中に、発券銀行と不動産銀行特別対策本
部の幹部と協議をおこなう。政府首脳は古い債務解消のために4つ
の方式を提案しているが、これはいずれも10億オイロ単位の金額を
食うことになる。納税者に最も資金がかからない場合では、大銀行
が「自らの意志で」参加する「基金」を作ることになる。銀行の姿
勢は曖昧で、時間は迫っている。主導権を握っているのは政府で、
この点では特別対策本部と銀行は意見が一致している。




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