2月24日〜3月2日のオーストリアのニュース



2月24日(月)

     国外ニュース

ウクライナ変革 プーチンは将棋倒しの事態を懸念

ロシアはソチオリンピック終了を喜んだが、国会の反対側、わずか
数百キロ離れたところでは、ウクライナ野党が新時代の始まりを喜
んだ。予想に反して大統領ヴィクトル ヤヌコーヴィチが失脚した
ことを受け、ロシア政府はEUと対立した信頼できる協力国の一つを
失うことになる。支配を再び手に入れるかどうかは、大統領ウラジ
ミール プーチンの考え方次第である。すでにできた権力体制を維
持するつもりであれば、ロシアはウクライナの本物の民主主義を絶
対に容認できない。そうなれば、将棋倒し的に危険が拡大するかも
しれないからである。

     国内ニュース

国民評議会での応酬後に大連立は税制改革案を可決

月曜日午前中に国民評議会では、激しい応酬があった後、税金に関
する法律の修正案が連立両党によって承認された。財務大臣ミヒャ
エル シュピンデレガー(国民党)は、「増税したい人はいない」
と述べたが、目指した2016年での構造的赤字解消を「すばらしい目
標」である、とも指摘した。野党は、政府が選挙公約を破った、と
激しく批判した。若干の修正を加えた税制改革では、標準的消費税
NoVAとたばこ税が引き上げられるほか、ゼクト(発泡ワイン)税と
集団課税が再び導入される。




2月25日(火)

     国外ニュース

ウクライナ政変後のクリミア情勢は緊迫

黒海のクリミア半島は、ロシアとウクライナの不和の種となってい
る。1954年以降ウクライナに属しているが、6割を越すロシア系住
民が、相変わらず人口の多数を占めている。クリミアは東部では最
も人気のある夏の保養地であって、歴史的および経済的重要性をも
つ他に、特に港町セヴァストポリに海軍基地があるため、ロシアに
とっては戦略上大きな重要性がある。元大統領ヴィクトル ヤヌコ
ーヴィチが逃亡した後、ロシア大統領ウラジミール プーチンは、
クリミアへの影響力が失われることを懸念しており、軍事基地に警
戒態勢を強めるように呼びかけた。

     国内ニュース

最低保障は家族の費用負担で行なわれているか

社会扶助は、すでに3年半前に必需品をだけを支給する最低保障に
変えられたが、その実施は相変わらず激しい議論を招いている。国
民の代弁者ギュンター クロイターに従えば、最低保障は多くの事
例で、適切な額が支払われなかったり、あるいは全く支払われなか
ったりしている。他に「疑問の実施法」があると見ている貧困会議
からは、この批判を裏付ける論拠が出されている。相変わらず、結
局は請求書が家族が穴埋めしている可能性が否定できない、という
根拠である。




2月26日(水)

     国外ニュース

ウクライナではヤゼーニュクが首相に就任する見通し

元国会議長アルセニ ヤゼーニュクが、政権交代後のウクライナ
で、元ソ連の共和国の暫定首相に就任する。キエフの独立広場での
デモ隊のいわゆるマイダン評議会が、水曜日午後にこれを提案し
た。虐待されたと見られる反政府勢力のディミトリ ブラートフ
も、暫定内閣入りすると見られるが、これに対して野党の要人ユー
リア ティモシェンコ、ヴィタリ クリチコは名簿には上がらなか
った。解任された大統領ヴィクトル ヤヌコーヴィチは、ウクライ
ナにいる、と水曜日に発表された。

     国内ニュース

クレディ・スイス報告書 不正資金がオーストリアに流れた模様

米国上院の調査報告書によれば、スイスの大銀行クレディ スイス
は、米国内の裕福な顧客数千人を密かに募集し、彼らが脱税をする
のを支援した。「シュタンダルト」紙によれば、その事件では、い
くつかの痕跡がオーストリアにつながっている。この報告書の中で
はルクセンブルクと並んで、オーストリアは「至る所で知られてい
る租税回避地」とされている。脱税者の一人は、いくつかの秘密口
座をクレディ スイスの他、ライフアイセン中央銀行とオーストリ
ア銀行に持っている、との調書を提出した、とのことである。




2月27日(木)

     国外ニュース

EUの方針に対する反対 クリミアでは自治に関して投票

キエフの新しい親ヨーロッパ政権は、ロシア人充員が多いクリミア
半島では、ほとんど賞賛を得ていない。木曜日には地方議会は、
3月25日に住民投票を行ない、この地域の自治の将来について意見
を問う。これより前に親ロシア勢力は、政府の拠点に押し寄せ、数
時間選挙した。新首相アルセニ ヤツェニュクと彼の内閣の閣僚
は、そのため同国の分裂を回避するために、全力を挙げなければな
らない。

     国内ニュース

ブルク劇場報告書 数多くの犯罪の疑い

ブルク劇場事件では、経済調査事務所KPMGの調査報告が提出され
た。それによれば、解任された副支配人シルヴィア シュタンタイ
スキーの行動により、7百ないし8百万オイロの損害が発生した、と
見ている。さらに、書類、証拠物件、決算書の偽造、資金洗浄さら
に背任の容疑も浮上している。この報告書公表の前から、シュタン
タイスキーの行動に対しては、匿名の告発が汚職検察に持ち込まれ
ていた。ブルク劇場の社長で監査役会会長ゲオルク シュプリンガ
ーも、彼女に対する容疑を主張したが、自分にも責任がある、と述
べた。ブルク劇場の支配人マティアス ハルトマンは、自分の責任
を否定した。




2月28日(金)

     国外ニュース

ウクライナはロシアに「挑発を止めるよう」求める

黒海のクリミア半島でのウクライナ新政権とロシアの間の緊張は、
さらに強まっている。移行大統領アレクサンダー トゥルチノフ
は、ロシア大統領ウラジミール プーチンが、対立を生もうとして
いると非難し、全ての「挑発」を止めるように求めた。対立はこの
間に、国連安全保障理事会でも扱われた。クリミアの情勢は相変わ
らず不透明である。武装した部隊、ウクライナ政府はロシアの支援
を受けている、としているが、この部隊が半島の一部を支配下に収
めている模様である。数百人のロシア兵が、クリミアに移動させら
れた。米国大統領バラック オバマは、軍事介入を行わないよう
に、と初めてはっきりした言葉で警告した。

     国内ニュース

国民党はEU議員の候補者名簿に苦労して合意

EU議会選挙まで3週間を切り、国民党は候補者名簿に合意した。連
邦も各州もそれぞれの候補の順位をはっきりさせようとしたため、
上位4人の候補が争そうのは、数週間前にすでにはっきりしてい
た。党首ミヒャエル シュピンデレガー、実際には金曜日には、全
く問題ない形では解決しておらず、「議論の必要があった」と示唆
していた。ようやく「西部の要人」がシュタイアーマルク州の候補
を押し切り、同州の候補者ベアトリクス カールは、不幸なことに
第6位の候補となった。シュタイアーマルク州国民党は、後悔して
いる、と表明した。




3月1日(土)

     国外ニュース

プーチンは軍派遣を準備 威嚇にウクライナの危機が深まる

ウクライナで軍事的な衝突が起きる危険が高まっている。ロシア国
会は土曜日、クリミアでの軍事活動に賛成した。ロシア大統領ウラ
ジミール プーチンの威嚇的な態度に、新ウクライナ政府は平静と
秩序を守るための措置で、対抗しようとしているが、部隊を臨戦態
勢に置くこともした。ウクライナの「戦略的な施設」防衛は、強化
された。首相アルセニ ヤツェニュクは、「介入が戦争の始まり」
であることをはっきり伝えた。

     国内ニュース

節約ではなく豪華 不動産銀行は顧客の接待に巨額の出費

サッカー、スキー、狩猟旅行、ビジネスクラスの利用。アルペ・ア
ドリア不動産銀行は危機の年2008年に、破綻への道を突き進むのを
止めることがなかったが、ティロ ベアリーン周辺の幹部達は、当
時支出削減とは全く異なるものを念頭に描いていた模様である。
「プロフィル」誌によれば、同銀行が国からの支援9億オイロを必
要としたこの年、大きな催しに顧客を招待するために、巨額の金を
支出していた。クラーゲンフルトでのサッカーヨーロッパ選手権の
試合に百人単位で客を招待した件だけで、118万オイロが消費され
た。同銀の緊急国有化直前の2009年に、アルペンスキーのキッツビ
ュールのハーネンカム協議会に、二十数人を招待し、50万オイロ以
上を使っていたと同誌は書いている。




3月2日(日)

     国外ニュース

クリミア危機の外交 ロシア政府に対する諸外国の批判が続く

クリミアでは週末に、ロシアの民兵が勢揃いし、ウクライナはこれ
を占領であると判断し、ロシア政府は安定させるための措置であ
る、と述べた。たとえ情勢が落ち着いても、冷戦終結後、ロシアと
西側の関係の最も深刻な危機が取りざたされている。米国政府は大
統領ウラジミール プーチンにG8首脳会談から除名される、と脅し
ており、NATOは国際法違反である、と警告している。ただしその全
てをロシアは意に介していない。それでも諸外国の監視団なら、政
治対話をすすめることはできるかもしれない。

     国内ニュース

シュピンデレガーはEU政界入りとの噂を否定

国民党党首で副首相のミヒャエル シュピンデレガーは、EU議会選
挙後にブリュッセルに行き、EUの委員になる可能性がある、との噂
を初めて否定した。自分の任務は、オーストリアに「健全な財政を
生む」ことであり、自分は財務大臣に留任する、との発言を「クリ
ール」紙は引用した。特に党内からの批判と、困難な不動産銀行問
題のため、政界および報道界では数週間前から、シュピンデレガー
がヨハネス ハーンから委員職を引き継ぎ、国民党党首の椅子を放
り出すのではないか、との計画が話題に上がっていた。そしてハー
ン自身は、EU委員に留任するつもりである、と強調した。




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