３月３日〜９日のドイツのニュース
３月３日（月）
G7はウクライナに財政支援を申し入れる
ウクライナの情報によれば、ロシアは隣国ウクライナとの国境で、
軍事活動を強化している。軍はクリミア半島東の国境地帯で、戦車
をフェリー用埠頭に集めている、とのことである。ウクライナ国境
警備兵の報告によれば、ロシアはクリミアのいくつかの地域で携帯
電話網を遮断した。主要工業7箇国G7は、クリミアでのロシアの行
動を、ウクライナの主権を侵害していると非難し、ロシアのソチで
のG8首脳会談の準備を中止した。G7財務大臣は、ウクライナにロシ
アのエネルギー企業ガスプロム社に対する負債の弁済でも、支援を
申し入れた。ウィーンではヨーロッパ安全協力機構OSZEが、紛争地
域への監視団派遣について協議している。同機構はロシアに対し
て、ウクライナの一体性を尊重するように求めた。
その他のニュース
連邦政府は話し合いに戻るように呼びかける
連邦首相メルケルは、ウクライナの紛争当事者全てに対し、民主主
義に復帰するように呼びかけた。彼女の広報はベルリンで、政治的
な対処が危機を脱する唯一の理性的な道である、と述べた。連邦外
相シュタインマイアーは、ウクライナの紛争のため、ヨーロッパは
壁の崩壊後最悪の危機にある、と見ている。ブリュッセルで開かれ
た緊急EU外相改案で彼は、ヨーロッパには新たな分断の危険がある
と警告し、両者が出席して諸外国を交えた交渉を開くよう改めて求
め、軍事活動の激化という深みに落ちないためには、危機外交は弱
い手段ではなく、必要な手段である、と述べた。EU加盟各国の首脳
は、木曜日にブリュッセルで特別会議で、ウクライナ情勢を話し合
うことになっている。
ラヴロフは西側による制裁の威嚇を非難
ロシアとウクライナの紛争が暗い影を落とす中、ジュネーヴでは国
連人権評議会が会議を開いている。国連事務総長パンは、危機がこ
れ以上悪化しないように、と警告した。彼は、ヨーロッパ安全協力
機構を通じて、この紛争を仲裁するための交渉団を作る、という提
案をはっきり歓迎した。ロシア外相ラヴロフはジュネーヴでの会議
で、西側による制裁の威嚇に抗議した。ロシアに制裁を行なうと威
嚇する者たちは、これより前に計画的に対話を阻害しようとしたの
と同じ人である、とラヴロフは述べた。また彼は、クリミアでのロ
シア政府の活動は、現地のロシア系住民の保護措置であると擁護
、彼らの人権は、キエフの移行政権によって、意図的に軽視され
ている、とのべた。
国連の裁判所はセルビアに対する大量殺戮裁判を開始
デン ハーグの国際法廷では、大量殺戮容疑でのセルビア人に対す
る裁判を開始した。クロアチアは、1991年から5年にかけての内戦
中の民衆殺戮協定違反容疑で、1999年に当時のユーゴスラヴィアを
訴えていた。クロアチアの見方では、いわゆる民族浄化は一種の大
量殺戮であり、1万3,500人以上のクロアチア人が殺害された。その
ためクロアチアは、セルビア人に賠償金の支払いを求めている。ク
ロアチアは内戦中にセルビア人だけを、侵略者と見ていた。セルビ
ア人は対抗する訴訟を起こした。この訴訟は、国連の最高裁での裁
判で共に取り扱われることになっている。
３月４日（火）
米国はウクライナ支援に10億ドルを提供
米国外務大臣ジョン ケリーは、ウクライナでの会談の冒頭で、
10億ドル規模の米国の信用供与を行なう、と予告した。そのほかに
ウクライナに経済問題と汚職との戦いを支援するために、専門家達
を派遣する方針である。キエフの中央銀行と財務省を、専門的な鑑
定で支援することが考えられている。米国からの専門家はそのほか
に、重要なエネルギー改革を実施するのを援助することになってい
る。月曜日にはワシントンの大統領府は、ウクライナの黒海のクリ
ミア半島をめぐる危機への対策として、ロシアとの軍事協力を凍結
した。米国国防省は、この決定は相互の会談、演習、軍事計画の会
議が含まれる、と発表した。大統領バラック オバマは、ロシア政
府が現在の方針を継続するなら、ロシアを孤立させるために、経済
的および外交的措置をとる、と威嚇した。EUもウクライナに対して
支援策をたてて、援助する方針である。おそらく水曜日に、これは
可決される。
その他のニュース
ガスプロム社はウクライナに再び正規のガス価格の支払いを要求
ロシアのエネルギー企業ガスプロム社は、ウクライナに今まで認め
ていたガス価格の値引きを取り消す。4月からウクライナ政府は、
再び世紀の金額を支払わなければならない、と同社社長ミラーがモ
スクワで発表した。さらに彼は、ウクライナはすでに2月のガス料
金請求を支払うことができず、15億2千9百万ドルの負債を負ってい
る、とも述べた。11月に当時にウクライナ大統領ヤヌコーヴィチ
が、EUとの歴史的な条約に署名しなかったことを受け、ロシアはガ
ス料金の3割値引きと150億ドルの負債を凍結していた。ドイツ経済
相ガブリエルは、ウクライナに対する早期の支援を求め、ヨーロッ
パが支援の申し入れを真剣に考えるなら、特に財政的に崩壊の危機
にあるウクライナのエネルギー問題を解決するように、と訴えた。
プーチン「ウクライナに軍事的に介入する理由はない」
ロシア大統領プーチンは、ウクライナの政変をクーデタと判断し
た。生中継されたウクライナに関する最初の記者会見で彼は、ウク
ライナ国民は変化は求めていたが、「違法な変化」は支持できな
い、と述べた。さらにプーチンは、今のところウクライナに軍事介
入する理由はないと見ている、と明言した。それにもかかわらず、
ロシアはウクライナにいるロシア人保護のために「全ての手段」を
取る可能性を残している、と説明した。ドイツはウクライナ紛争
で、諸外国が接触をする組織を作るように提案しているが、プーチ
ンはこれを受け入れる姿勢を示し、「原則的にはそれは可能であ
る」と述べた。彼は、失脚した大統領ヤヌコーヴィチにはもはや政
治的な未来はないが、正当な大統領であるのは変わらない、と述べ
た。過去数日間、ロシアは数千人の兵士を、ウクライナのクリミア
半島に派遣し、これは現地にいる人種上のロシア人を守るためであ
る、と説明している。プーチンは現在、これは「自衛の部隊」であ
る、と述べた。
エジプトではハマースが禁止される
エジプトの軍事政権は、隣接するガザ帯状地帯のイスラーム教徒に
対して、実力を持って対処する。カイロの即決裁判所は、急進派イ
スラーム教徒のパレスチナ人組織ハマースは、エジプトでの一切の
活動を中止しなければならない、との決定を下した。首都カイロの
ハマース事務所は閉鎖され、ハマースの資産は凍結される。司法は
ハマースには、エジプトでの攻撃の責任がある、と非難した。イス
ラーム教徒を母体とするハマースは、2007年にパレスチナ大統領ア
ッバス率いる穏健なファタハと、短時間ながら流血の戦闘を行った
末、ガザ帯状地帯での権力を手に入れていた。エジプトでは、昨年
7月に失脚した大統領ムルシの母体であるイスラーム教徒兄弟団
は、9月に禁止され、12月にはテロ組織に分類されていた。数千人
の活動家が、拘留中である。
３月５日（水）
ウクライナ政府「ロシア兵がウクライナのミサイル基地を占領」
ウクライナの深刻な危機を解決するために、ロシアは国を一つにま
とめる政府を作るように、強く求めた。そのほか、全ての地域の利
益に配慮して、憲法改正を行なうことが必要である、とロシア外務
省は発表した。一方ウクライナ政府の発表によれば、ロシア兵はク
リミア半島にあるウクライナ軍のミサイル基地2箇所を、部分的に
支配下に置いた。ただし国防省広報は、エフパトリア基地の参謀本
部と管理本部は、その後もウクライナの手にあるが、すでにミサイ
ルはこの基地から運び出されていた、と述べた。また2つ目の基地
は、セヴァストポリ近くのカープ フィオレントである。ウクライ
ナ外務大臣アンドレイ デシュチトシアはパリで、同国は紛争を平
和的に解決するつもりで、ロシアと戦うつもりはない、と説明し
た。
その他のニュース
EUはウクライナに110億オイロを提供
EUはウクライナに今後2年で110億オイロを提供して、支援を行なう
方針である。EU委員会議長バローゾはブリュッセルで、ヨーロッパ
再建開発銀行およびヨーロッパ投資銀行と協力して、信用供与と補
助金が計画されており、EUは貿易を容易にする措置を進め、同国に
ガスを供給して支援する用意がある、とも述べた。EUはウクライナ
政府が改革を望んでおり、国民のあらゆる部分を代表する政権を作
ることになる、と見ている、ともバローゾは語った。さらにEUは、
政治変動の間に暴力と人権侵害を引き起こしたと見ているウクライ
ナ人18人の口座を凍結した。この人物の名前は木曜日に公表されて
いる。ウクライナ国会は、対抗して制裁を科す、と予告した。
イスラエル海軍はイランのミサイルを積んだ船を拿捕
イスラエル海軍は、イラクの地対地ミサイル多数を、ガザ帯状地帯
にある急進派パレスチナ人組織に運び込むのを阻止した、と発表し
た。それによれば、海軍は数ヶ月にわたる秘密作戦の末、後悔で輸
送船を停船させた。軍広報は、この拿捕は国際海域で、平和的に行
なわれ、この船はイスラエル海軍が随行して、数日後にエイラート
港に入ってくる予定である、と述べた。ガザ帯状地帯は2007年か
ら、急進派イスラーム教徒のパレスチナ人組織ハマースによって支
配されている。他の急進派パレスチナ人組織も、ここに拠点を持っ
ている。この地域からミサイルがイスラエルの国境地帯に、再三撃
ち込まれている。
3箇国がカタールから大使を引き上げる
アラビア湾岸のサウジ・アラビア、ブラヒミ、アラブ首長国連邦
は、大使をカタールから引き揚げる方針である。3箇国は共同声明
を発表し、これを首長国の通信社WAMが伝えたが、その中で、カタ
ールは昨年11月の湾岸協力評議会加盟国との合意を守っていない、
と述べている。この対立の背景には、エジプトのイスラーム教徒兄
弟団および他のイスラーム教徒組織を、カタールの支配者家族が支
援していることがある。
３月６日（木）
武装した者たちがOSZE監視団のクリミア入りを妨害
ヨーロッパ安全協力機構OSZEの監視団は、ウクライナのクリミア半
島への立ち入りを禁じられた。ロシアに忠実な「自衛部隊」は木曜
日に、諸外国の専門家組織に、クリミア半島北西部のアルムヤンス
クにある監視所にから撤退するように命じた、と西側の外国間達は
ウィーンで述べた。専門家達はクリミア入りしようと、別の監視所
へ行こうとしている、とのことである。専門家たちは来週水曜日ま
でに、ウクライナに於けるロシアの軍事活動を監視することになっ
ている。これより前に（クリミア）自治共和国国会は、クリミアの
ウクライナからの分離と、ロシアへの併合に賛成した。国会の決議
は直ちに効力を持つ、と副首相ルスタム テミルガリエフは述べ
た。ウクライナ兵は今後、占領軍兵士と見なされ、彼らは部隊を撤
収させるか、あるいはロシア国籍を取得しなければならない、とも
語った。住民は3月16日の国民投票で、クリミアの今後の地位に関
して決定を下すことになっている。
その他のニュース
オバマはロシア人とウクライナ人に処罰を科す
ウクライナ危機と並行して、米国はロシア人とウクライナ人に対し
て最初の制裁を科した。米国大統領オバマは、ウクライナでの民主
的組織の弱体化を招いた、と米国が判断する組織および個人に対し
て処罰を科すように命じた、とワシントンの大統領府は発表した。
さらに米国外務省は、ウクライナの混乱と領土的一体性を危険にさ
らした疑いがあるロシア人およびウクライナ人に対して、入国禁止
措置を科した。一方EU加盟各国の首脳は、ブリュッセルで特別首脳
会談を開き、ウクライナ情勢について協議した。ここでも制裁が議
論される。
ニジェールはカッザーフィーの息子をリビアに引き渡す
元リビアの独裁者カッザーフィーの息子、サーディを、ニジェール
共和国は、彼の故郷に引き渡した。これは移行政権が首都トリポリ
で発表した。報道テレヴィ「ジャジーラ」の情報によれば、彼はト
リポリのハダバ収容所に運ばれた。インターネット上では、青い囚
人服を着て、カミソリで頭をそられた姿のサーディーの姿が写され
ている。彼の父親に対する放棄が起きた時、彼は旅団一つを率いて
いた、とされている。サーディが2011年末から亡命していたニジェ
ールに対して、リビアは数回にわたり彼の引き渡しを求めていた。
リビアはリビアサッカー協会会長時代に、強制収容容疑などで、彼
に裁判を受けさせるつもりである。ムアマル アル・カッザーフィ
ーは2011年10月に、反乱勢力に殺害されていた。
米国の空爆でアフガニスタン兵5人が死亡
アフガニスタン政府の発表によれば、NATO保護部隊ISAFの空爆で、
少なくとも5人のアフガニスタン兵が殺害された。米国の無人偵察
機が首都カブール南部のローガル州を攻撃し、そのほかに少なくと
も8人が負傷した、と当局は発表した。NATOはこの事件の調査を行
なう、と予告した。この攻撃で、ただでさえ困難な米国とアフガニ
スタン大統領カルザイの関係が、さらに難しくなる可能性が高い。
カルザイは米国を非難して、米軍の利益だけを追求している、と述
べた。主な対立点は、無人偵察機の攻撃による民間人およびアフガ
ニスタン軍の犠牲者の数が、高いことである。
３月７日（金）
ユンケルがヨーロッパ議会選挙で保守党の筆頭候補になる
ジャン・クロード ユンケルは、ヨーロッパ議会選挙で保守党の
筆頭候補になる。ダブリンで開かれたヨーロッパ国民党EVPの指名
党大会で、フランスのEU内務委員ミシェル バルニエとの決選投票
で、ユンケルはぎりぎりで勝利を収めた。ユンケルは、昨年の秋に
ルクセンブルク首相を解任されたが、これでヨーロッパの政治の舞
台に復帰する。ドイツのキリスト教民主、社会同盟も属しているヨ
ーロッパ国民党は、5月末に行なわれるヨーロッパ議会選挙に向け
て、その筆頭候補を最後まで決めなかった政党の一つである。ドイ
ツでは投票が5月25日に行なわれる。
その他のニュース
ロシアはクリミア半島編入の用意を進める
クリミアでの国民投票まで1週間と少し、ロシア政府はウクライナ
の（クリミア）半島の、ロシア連邦への編入を予定している。クリ
ミアでの住民投票で編入を求める決定が出されれば、同共和国はロ
シア連邦の同じ権利を持つ主体になる、とロシア連邦評議会議長ヴ
ァレンティナ マトヴィエンコはモスクワで、クリミア自治共和国
の代表団との会談で予告した。ドイツ外相シュタインマイアーは、
クリミアのロシア連邦への編入を行わないよう、強く警告した。彼
はベルリンで、編入はロシアの隣国を含めた世界各国の怒りを買う
のは「確実」である、と述べた。彼は重ねて、ドイツが提案したク
リミア連絡国の結成をこれ以上阻止しないように、と要請した。ク
リミア議会は、住民投票の期日を3月16日に設定した。米国とEU
は、クリミア危機を原因として、ロシアに対する制裁を科した。ヨ
ーロッパ安全協力機構OSZEの監視団は金曜日に、クリミアへ立ち入
ろうとしたが阻止された。同機構40人ほどの軍の専門家を乗せた護
送部隊は、武装した者たちによって監視所のところで停止させられ
た。同機構の専門家達は木曜日にも、武装した者たちによって、こ
の地域への立ち入りを妨害されていた。
ガオクはギリシアに戦争犯罪に関して謝罪
ドイツ大統領ガオクは、第二次世界大戦中にギリシアでのドイツの
凶行による犠牲者に対して、謝罪した。彼は公式訪問の最後に、ギ
リシア大統領パプーリアスと共に、ギリシア北西部の村リンギアデ
スを訪問した。そこで彼は、記念碑に花輪を供えた。この記念碑は
（第二次世界大戦中の）ドイツ陸海空軍の凶行を記憶に留めるため
のものである。ガオクは短い演説の中で、この犯罪の責任者たちが
自分たちの責任を自らは認めなかったことを謝罪した。その後ガオ
クは、同州の中心都市イオアニナのシナゴーグを訪問し、ホロコー
ストを生き延びた人々と面会する意向であった。
国際刑事裁判所はアフリカ反乱の指導者に有罪判決
デン ハーグの国際刑事裁判所は、コンゴのカタンガを、人間性に
反する犯罪および戦争犯罪容疑で、有罪を言い渡した。カタンガ
は、2003年にコンゴ東部のボゴロ村で、2百人を超える市民を殺害
した事件に、他の者と共に責任がある、と同裁判所は判断した。少
年を徴兵し、処女を制度例として虐待したとの容疑では、シンバ
（ライオン）という別名を持つ35歳のカタンガは無罪となったが、
彼が実際に民兵に対して、絶対的な命令権を持っていたとは、証明
されたなかったためだ、とされた。量刑は来週発表される。同じ攻
撃の件で責任を問われ、カタンガと一緒に訴えられたチュイは、
2012年12月に証拠不十分で無罪となった。
３月８日（土）
239人を乗せたマレーシア機がヴェトナム沖で墜落
239人を乗せたマレーシアの飛行機が、ヴェトナムの沖合で墜落し
た。（ヴェトナム）国民救助隊の広報ファム ホアイ ジャン中将
は、同機との連絡はヴェトナム空域に入る1分前に途絶えた、同機
が墜落したことを確認することはできる、と述べた。それによれば
墜落地点は、ホー チ ミン市の南西にあるトー チュー島沖合で
ある。マレーシアとヴェトナムの捜索および救助隊が、事故現場に
向かっている。現地では捜索機が、15キロに渡って平行に延びた石
油の痕跡を発見した。マレーシア航空のボーイング777型機は、首
都クアラ ルンプールから北京に向かっていた。主に中国人乗客が
乗っていた。同社の発表によれば、無線連絡は離陸から2時間後に
途絶え、その後数時間にわたり同機の所在に関して、推測が行なわ
れていた。
その他のニュース
武装した者たちがOSZE監視団に威嚇射撃でクリミア入りを阻止
親ロシアの治安部隊は警告のために発砲し、ヨーロッパ安全協力機
構OSZEの軍事監視団が、ウクライナのクリミア半島への立ち入りを
阻止した。同機構広報はウィーンで、負傷者は出なかった、と述べ
た。専門家たちは、ロシアのクリミアでの軍事活動を監視すること
になっている。親ロシアの部隊は、同機構の監視団が、黒海のクリ
ミア半島へ立ち入るのを、木曜と金曜日にも妨害したが、銃撃は行
わなかった。同団広報は、28箇国からの50人ほどのの専門家は、ア
ルムヤンスク近郊の監視所から、自分たちの拠点に戻る途中であ
る、と述べた。同機構の活動は水曜日まで続く。クリミア危機では
ロシア外相ラヴロフは、西側に対して「非難のない対話」を呼びか
けた。彼はインターファクス通信に、ロシア政府は協力者としての
話し合いに応ずる用意があるが、ウクライナ紛争に関与していると
思われるのは拒否する、と述べた。
ティモシェンコはベルリンで治療を受ける
元ウクライナ首相ティモシェンコは、ベルリンについてすぐ、病院
で検査を受けたが、手術は受けなかった。病院長アインホイプルは
ベルリンで、手術を勧めるに値するかどうか、まだ確定していな
い、と述べた。それによれば、ティモシェンコが金曜日夕方に到着
した後、大学病院ではMRIが利用され、その後数日かけて検査を行
なう、と述べた。神経科医が、ティモシェンコは背中に激しい痛み
があり、これが右足にまで及んでいる、と述べた。53歳の彼女は、
歩行器を使わなければ歩けない、とのことである。ティモシェンコ
は、ウクライナで交流されている期間中にも、ベルリンの医師達の
検査を受けた。元首相である彼女は、アイルランドの首都ダブリン
からベルリン入りした。ダブリンではヨーロッパ各国の保守党の首
脳会談で、ドイツ首相メルケルとも会談していた。
台湾で反原発デモに数万人が参加
福島原発事故から間もなく3年、台湾では数万人が、原子力発電か
ら同国が撤退することを求めた。首都台北でのデモに参加した人た
ちは、「原発は要らない 福島を繰り返すな」「原発は要らない
台湾を救え」との言葉を掲げていた。主催者は政府に対して、新た
な原発の建設を止め、大陸の前にある島から核のゴミを持ち去り、
長期的には原子力発電から撤退するように求めた。主催者発表で台
北では5万人が参加したが、台湾で行なわれた他の3つのデモには、
3万人が参加した。定期的に地震が起こる台湾では、今のところ3基
の原発があり、電力の2割を供給している。4つ目の原発は、本来は
2004年に準備が完了しているはずであったが、政治的な意見の違い
で建設が先延ばしになっていた。
３月９日（日）
ウクライナでロシア軍はクリミアの国境の歩哨をさらに接収
ウクライナの発表によれば、ロシア軍はクリミアの国境部隊の歩哨
1箇所を接収した。国境部隊広報は、クリミア半島西部のこの基地
には、30人ほどのウクライナ兵がいまもおり、この接収は暴力を用
いることなく行なわれた、と述べた。ウクライナの発表によれば、
ロシア兵は土曜日に、半島東部の前哨を接収し、現地の兵士を追放
したばかりであった。それによればロシア兵は、合わせてクリミア
半島の国境の歩哨11箇所を管理している。クリミア半島の情勢は、
過去数日で緊迫している。キエフでの政変後、ロシアが事実上クリ
ミア半島を掌握した。クリミア半島にはロシア黒海艦隊の基地があ
る。ロシア治安部隊は制服を着てはいるが、階級章をつけずに、半
島のウクライナ軍の兵営を包囲した。
その他のニュース
クリミア紛争でオバマは危機外交に力を注ぐ
ウクライナ大統領ヤツェニュクは、クリミア半島を含めた領土の不
可侵を主張する権利がウクライナにはある、と主張した。彼はキエ
フでの周回で、ウクライナは「その領土の1センチたりとも放棄し
ない」だろう、と述べた。米国大統領オバマは土曜日に、危機外交
を強めた。彼は電話でドイツ首相メルケルと話した後、英国、フラ
ンス、イタリアの政界の要人およびバルト3国の大統領と話し合っ
た。米国大統領府の発表では、全ての会談相手が、ロシアは兵士を
クリミアから自国の弊社に送り返すべきだ、と要請した。オバマ
は、ロシアに対する制裁について、フランス大統領オランドと話し
合った、とフランス大統領府は発表した。問題のクリミア住民投票
まで1週間、黒海のクリミア半島の誠意jしどうぶは、早期にロシア
連邦に加盟する、と今一度予告した。親ロシアの地方議会議長コン
スタンティノフは、加盟は3月中にも行なわれると見ている、と述
べた。
マレーシア機は姿を消す前に方向転換していた可能性がある
ヴェトナム沖で姿を消したマレーシアの旅客機の捜索で、新たな手
がかりが見つかった。マレーシア軍は、239人を乗せた同機は、姿
を消す前に方向を変えていた可能性を示す兆候が、レーダーに映っ
ていた、と発表した。離陸後1時間ほどして連絡が取れなくなるま
で、操縦士たちが何の問題も報告せず、緊急通報も発していないた
め、これは意外である、とも述べた。そのため同機が消えてから
24時間以上経って、捜索範囲を拡大した。今まではヴェトナム沖の
海に墜落した、と推定されていた。40隻の船と22機の飛行機が捜索
に参加している。乗客の中に身元不明の2人がおり、おそらく盗ま
れた旅券で旅行していたことで、謎が生まれている。マレーシア政
府は、同機にはおそらく、偽造書類を持った乗客がさらにいた、と
見ている。当局はこれが攻撃である可能性を、基本的には否定して
いない。
ロウハニ「イランはEUとの戦略的な関係を結ぶつもりである」
イラン大統領ロウハニは、核を巡る対立で譲歩した後、EUとの戦略
的な協力関係が新たな時代に入ると期待している。彼はEU外務委員
アシュトンとテヘランで会談し、「我々がこの局面（核を巡る対
立）を乗り越えたら、私たちには重大な課題が生まれる」と述べ
た。アシュトンは5年前に就任して以来、イランを訪問するのは初
めてである。彼女はテヘランでは、EUの外交活動を開始することも
話し合う意向である。アシュトンは、自分の訪問は、EUとイランの
関係の未来を話し合う機会である、と説明した。西側は、イラン政
府が民間利用を隠れ蓑に、核兵器を開発している、との疑いを持っ
ている。これに対してイランは、核計画は平和的な性質のものであ
る、と常に言い続けている。2013年11月には、中間的な協定が結ば
れ、夏までに包括的な協定を成立させることになっている。イラン
外相サリフはアシュトンに、イランは今後も核を巡る対立を最終的
に解決するために、あらゆることを行なう、と強調した。