3月3日〜9日のオーストリアのニュース
3月3日(月)
国外ニュース
ロシア国連大使「ヤヌコーヴィチがプーチンに軍事支援を要請」
ウクライナでの軍事侵攻を求めたのは、権力を失ったウクライナ大
統領ヴィクトル ヤヌコーヴィチである。ロシア国連大使ヴィタリ
チュルキンは、ヤヌコーヴィチがロシア大統領ウラジミール プ
ーチンに送った書簡からこれを引用した。生命が危険にさらされ、
人々はその言語と政治的な理由から迫害されている、とチュルキン
はその書簡から引用した。「西側諸国の影響の元で、テロと暴力の
あからさまな行動」が行なわれている、とも述べた。そのためヤヌ
コーヴィチは、「ウクライナ国民保護のために」軍の駐留を要請し
た。
国内ニュース
同性愛者支持 ループレヒターは党の方針と対決
国民党党首ミヒャエル シュピンデレガーにとっては、アンドレ
ループレヒターは、安心できる農業大臣ではなかった。新たな領土
法に関してハンガリーと争いが生じたのに続き、ループレヒターは
週末に、党内に騒ぎをひき起こしたが、それは彼が「シュタンダル
ト」紙に、同性愛者に対する養子権を認める発言をしたためであっ
た。党内からの激しい批判にもかかわらず、ループレヒターは月曜
日、自分の考え方を改めて表明した。彼は「この人々を除外する用
意はない」と述べ、党首シュピンデレガーを批判した。
3月4日(火)
国外ニュース
ウクライナ危機でプーチンは無力な西側との駆け引き
ロシアが行動し、西側は対抗する。過去数日のウクライナでの出来
事は、そう要約できる。ロシア大統領ウラジミール プーチンは、
西側がどのような手に出ても、すぐにエースのカードを出していた
ように見える。実際にはEUと米国は考え得る全ての制裁で、真の圧
力を行使する余地はほとんどない。ヨーロッパは経済関係、特にガ
スの供給に懸念を持たざるを得ない。米国は繰り返し、ロシアが政
治的に孤立した場合、問題を新たな前線、シリアに移すことを不安
視しなければならない。おそらく制裁を行なって、プーチンを取り
込もうとしている。
国内ニュース
同性愛者の養子問題で国民党は党内の議論を終える方針
国民党幹部は火曜日、党内に不満があるため、同性愛者が養子を迎
える権利を開くかどうかに関して、新たな議論を止めた。この問題
は農業大臣アンドレ ルプレヒターが、先日意外なことに党内で火
をつけた。党首ミヒャエル シュピンデレガーは率直に、これにつ
いて議論したくない、と述べた。同じように会派長ラインホルト
ローパトカと国民党の閣僚の一部が、主題として議論することなし
に、議題から取り下げることを望んでいる。家族大臣ソフィー カ
ルマシンなどから、内容に関する意見が表明され、関係者に侮辱さ
れたとの怒りを生んでいた。
3月5日(水)
国外ニュース
ラスムセン「NATOはロシアとの関係を再検討する」
NATOはウクライナ危機の影響として、ロシアとの関係全体を「再検
討」すると決定した、と事務長アナス フォー ラスムセンは水曜
日に、NATO・ロシア評議会の会議後に述べた。最初の合同軍事活動
が拒絶され、その後ロシアとの会談は民間のものも軍事的なものも
行なわれなくなる、「はっきりした意向を」伝えるつもりである、
とも彼は語った。「ロシアの行動は影響を与えている」とも述べ
た。ラスムセンが声明を発表する直前に、国連特使ロバート セリ
ーは、クリミアでの自分の任務は、数時間後に終えなければならな
い、と発表していた。彼は親ロシア武装派に脅された。
国内ニュース
自由党の灰の水曜日会議 政府に対する全面的攻撃
自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、リート
での政治の灰の水曜日で、「スイスに倣った直接民主主義」と不動
産銀行調査委員会を要請した。彼は支持者に対して、EU議会選挙で
の支持を制約させ、政府に対する全面的な攻撃を試みた。
3月6日(木)
国外ニュース
ウクライナ危機でEUはロシアに制裁を科す
EUはウクライナ危機で、ロシアに対して初めての制裁を科した。EU
加盟各国は木曜日の特別会議で、入国査証の発行簡素化、新基盤に
関する新協定に関する交渉を延期することを決定した、とEU首脳会
談議長ヘルマン ファン ロンパウは発表した。入国禁止や口座凍
結を含むより厳しい制裁は、今後オーケーな割れるかもしれない、
とも述べた。これより前に米国は入国禁止を科し、口座を凍結して
いた。ウクライナ情勢を悪化させてはならない、とEU首脳会談に発
表された。ロシアがこれをオーケーなわないのであれば、EUとの関
係に「深刻な影響」を及ぼすことになる、とも述べた。
国内ニュース
賃金付帯費用の負担率は隠されている
最高税率50%は、オーストリアでは高所得者の大きな負担の象徴と
見られている。しかしそれは誤った推測である。従業員の1月の収
入が3千オイロの場合でも、実質的には賃金に必要な経費の半分以
下である。歪んだ認識が発生したのは、使用者側の賃金付帯費用
は、賃金の計算書に基づいて支払われるわけではないためである。
5千オイロを越える収入がある場合には、使用者側に対する追加経
費は再び下がるためである。オーストリア労働組合連合会長エーリ
ヒ フォクラールは、給与の税制上の軽減を要求している。また彼
は、経済会議が要求している賃金付帯費用の引き下げを、疑問視し
ている。
3月7日(金)
国外ニュース
問題のクリミア住民投票 問は2つあるが投票の選択肢はない
親ロシアのクリミア地方政府は、黒海のクリミア半島の今後の運命
に関して投票するように、住民に呼びかけた。ただしウクライナ政
府も諸外国も承認しないこの投票には、決定的な問題が1つある。
投票用紙に2つの質問が置かれているが、ウクライナに残留するこ
とに賛成する選択肢はない、と「キエフ ポスト」は報じている。
一方ロシア政府が、クリミアのウクライナからの独立を、単なる圧
力手段と見ているのではなく、真剣に実行するつもりである兆しは
増えている。
国内ニュース
マリアヒルフ通りでウィーン市政府は危機を回避
数ヶ月前からオーストリア全土で激しい議論が続いている地方の計
画、ウィーンのマリアヒルフ通りの通行安全策(歩行者専用道路
化)が確定した。近隣住民への質問が金曜日午後に終了し、賛成と
の結果になった。これにより、市行政部内部の緑の党の青年協力者
の面目を保つ計画が、実施されることになる。反対との結果になっ
ていれば、社会民主党と緑の党との連立を混乱させ、緑の党が1年
半後の次回選挙では、深刻な危機に陥るところであった。政治学者
ペーター フィルツマイアーは、調査の結果は連立をほっとさせ
た、と見ているが、緑の党にとっての「面目をほどこす結果」では
ない、と見ている。
3月8日(土)
国外ニュース
威嚇射撃と地雷 クリミアへの立ち入りは途絶
ウクライナ危機では、これ以上の緊張緩和は見えてこない。土曜日
に始めたウクライナとロシア側の代表が、直接に交渉したが、クリ
ミア半島への立ち入りは、相変わらず途絶している。報道によれ
ば、親ロシア勢力が、地雷の敷設を開始した、とのことである。さ
らにヨーロッパ安全協力機構OSZEの職員が、クリミア入りしようと
したが、再び失敗に終わった。今回は威嚇射撃で後戻りせざるを得
なくなった。ポーランドは「武装したロシア軍がひき起こした緊
張」に、領事館を閉鎖して対抗し、国民にクリミアから脱出するよ
うに求めた。
国内ニュース
ザルツブルク州で地方議会および市長選挙
ザルツブルク州の119の市町村で、日曜日に政治の方向が新たに決
まる。42万人の有権者が、今後5年間の地方議会議員と市長を決め
る投票を行なう。市長選挙ではどの候補者も絶対多数に達しなけれ
ば、上位2人で3月23日に決選投票が行なわれる。州都ザルツブルク
では、市長ハインツ シャーデン(社会民主党)が、最後の立候補
をする。合わせて8人の候補者がいるため、2週間後に決選投票が行
なわれる可能性がある。市長の政党社会民主党に対して、多くの対
立候補が立つ。今回は投票用紙には11の組織の名前が挙がってい
る。以前は社会民主党の牙城であったが、国民党政権に変わった、
いくつかの町でも緊迫が確実視されている。ザルツブルク州民は合
わせて、市町村議会の2,116議席と、119の市長を選ぶ。市長には
265人が立候補している。ただし30箇所では対立候補はいない。
3月9日(日)
国外ニュース
クリミアに倣って南および東ウクライナ人も住民投票を要求
地方政府の計画がうまくいけば、諸外国が威嚇的な態度を取ってい
るにもかかわらず、クリミアではすでに1週間後に、住民投票によ
ってロシアへの併合が確定する。日曜日医はウクライナ南部と東部
の別の地域でも、同様の手段を求める声が強まった。親ロシア的な
活動家が、地方政府の本部に押し寄せたルハーンシク(ルガンス
ク)行政地区では、暴動に発展した。クリミアは大統領ヴィクトル
ヤヌコーヴィチ失脚後すでに、ほぼ親ロシア勢力の手にある。日
曜日にはさらに軍事空港1箇所が占拠された。
国内ニュース
ザルツブルク市長選は決選投票に 社民党と緑の党が政権を維持
ザルツブルク州の市町村合わせて119箇所では、地方の新たな代表
者の選挙が、市長の直接選挙と合わせて実施された。州都ザルツブ
ルク市では、特に新オーストリア党NEOSが勢力を伸ばすことによっ
て、選挙当日は緊迫が続いている。暫定最終結果によれば、同党が
3議席だけ自由党を上回った。社会民主党と緑の党の連立は、ぎり
ぎりの過半数を維持した。市長の椅子をめぐる戦いは、ハインツ
シャーデン(社会民主党)は、決選投票に臨まなければならない。
州全体では、国民党は各自治体の優位を守ることができた。