4月7日〜13日のオーストリアのニュース



4月7日(月)

     国外ニュース

EU議会選挙の前兆か ハンガリー人の2割が急進右派に投票

ハンガリーの右派保守派の首相ヴィクトル オルバンにとって、選
挙での勝利は、ヨーロッパの政界に、あまりよくない反響を呼ん
だ。日曜日には5人に1人のハンガリー人が、極右ヨッビク党に投票
したのは、批判的な論評を受けた。間もなく行なわれるEU議会選挙
が、ヨーロッパ全体で右派政党、右派大衆迎合政党、急進右派政党
と共に、よい結果をあげる可能性がある、との警告も出されてい
る。オルバンが選挙法を自分の意向で改正するなら、ヨッビク党の
選挙の成果は、さらに大きなものになる。

     国内ニュース

自由党党首シュトラーヒェはメルツァーと会談

月曜日に自由党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェ
と、同党の筆頭候補アンドレアス メルツァーの会談は、予定通り
行なわれた。その成果は火曜日に、連邦同党幹部会の協議に伝えら
れ、その後記者会見が開かれる。シュトラーヒェは土曜日に、メル
ツァーが問題の発言をしたため、彼との直接話し合う、と予告して
いた。




4月8日(火)

     国外ニュース

EU「ウクライナ・ロシア会議は来週に」

ロシアとウクライナの紛争が始まってから初めて、両国の外務大臣
が来週公式に直接協議する。EUは火曜日夕刻に、米国外務大臣ジョ
ン ケリーとEU外務委員キャサリーン アシュトンとの会合を開
く、と発表した。これより前にロシアは辞退し、条件を付けてい
た。一方米国は紛争が続いているため、ヨーロッパでの部隊削減の
検討を開始した。

     国内ニュース

グラサー周辺がノヴォマティク社から2百万オイロ受け取った疑い

ウィーンの週刊新聞「ファルター」紙によれば、賭博事件をめぐる
裁判所の鑑定が、院外活動家ワルター マイシュベルガーとペータ
ー ホーホエッガーにとって不利になっている。彼らは元閣僚カー
ル・ハインツ グラサーの友人で、その後は共同事業者である。賭
博会社ノヴォマティク社は、この2人に2百万オイロを支払い、少な
くともマイシュベルガーの事件には、証明された成果はない。鑑定
人によれば、この資金の一部は間接的に、グラサーにも流れた可能
性がある。彼のリヒテンシュタインの口座の動きは、グラサーもこ
れで一緒に稼いだ可能性があることを示している。グラサーの弁護
士マンフレート アイネターはこれを否定している。




4月9日(水)

     国外ニュース

2日で4千人の難民 イタリアはEUから見殺しにされたと感じる

地中海を越えてやってくる難民の波はまだ終わらせそうにないが、
イタリアはこれと戦っている。わずか48時間で4千人の人々が、航
海向きではない船から救出しなければならなかった。イタリア内務
大臣アンジェリーノ アルファーノは、緊急幹部会談を召集した。
北アフリカの対岸にあり、EUの最も外側の国であるイタリアは数年
前から、難民政策では過度に大きな負担を背負わなければならな
い、と苦情を訴えている。「アラブの春」は情勢をさらに悪化させ
た。アルファーノは先に、この数がさらに劇的に増加する、と警告
した。彼はEUに、国境防衛を担当するフロンテックスの強化を要求
した。

     国内ニュース

メルツァーの退任はシュトラーヒェの決定

アンドレアス メルツァーは、EU議会選挙の自由党筆頭候補を突然
辞任したが、同党党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェ
によれば、自分の決定であった。シュトラーヒェはテレヴィ番組
で、メルツァーは自分との話し合いの後、「不作法で挑発的な発言
者」に関して理解していた、仕事を放り投げたわけではない、と述
べた。シュトラーヒェは不快な発言の一つとして、EUを「第三帝
国」になぞらえたものを上げた。党執行部は水曜日に、ハーラルト
 ヴィリムスキーを新筆頭候補に全会一致で指名した、とシュトラ
ーヒェは記者会見で強調した。




4月10日(木)

     国外ニュース

論調はあらっぽく プーチンは欧州がガス不足になると警告

ウクライナ危機で、ロシアと西側の間の口調はますます荒っぽくな
っている。オーストリア連邦大統領ハインツ フィッシャーを含
め、EU加盟18箇国に宛てた書簡の中で、ロシア大統領ウラジミール
 プーチンは、ヨーロッパに対してもガス供給が不足する恐れがあ
る、と警告した。彼は、ロシアはウクライナへは前払い分だけを納
入する、それがなければガス供給は「完全あるいは部分的に」停止
するので、供給停止はEUにも関係する可能性がある、と述べた。EU
は天然ガスの3分の1をロシアから輸入しており、そのほぼ半分はウ
クライナ経由である。一方ハンガリーは、緊急の場合にはガスをウ
クライナへ戻す、と提案した。

     国内ニュース

失うものは多いか? EU議員選挙は各党党首にとって指標となる

EU議員選挙はオーストリアでは、接戦が確実である。世論調査によ
れば、社会民主党と国民党が交互に優位にたち、自由党は数週間前
にはまだ最上位に食い込むこともあったが、最近は若干落ちてい
る。第4位の座は緑の党のNEOSが争っている。選挙は各党党首にと
って指標である。国民党党首ミヒャエル シュピンデレガーは、EU
選挙での悪い結果は自分の終わりになるかもしれない、と繰り返し
述べて緊迫感をあおっているようである。社会民主党も、首相ウェ
ルナー ファイマンを擁して、安心していた。オイゲン フロイン
トを筆頭候補に選ぶとの独断的行為が、いくらか厄介な事態を招い
た。第2党になれば、ファイマンにとっては痛手である。自由党党
首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、メルツァー事件
で、ようやく党内からの要求に応えた。




4月11日(金)

     国外ニュース

ウクライナ危機 米国はさらなる制裁を科す

米国は威嚇を実行に移し、クリミア半島の親ロシア代表と、ロシア
が管理しているガス会社に新たな制裁を科した。これより前、ロシ
ア大統領ウラジミール プーチンが、事前の支払いがあった場合に
のみ、ウクライナにガスを供給すると威嚇したことを受け、ロシア
と西側の雰囲気ははっきりと悪化していた。プーチンは約束したヨ
ーロッパに対する影響は弱いものだとしたが、関係は悪化したまま
である。6月上旬のG7首脳会談は、予定通りロシア抜きで行なわれ
ることを、EU閣僚評議会は金曜日に確認した。

     国内ニュース

電信電話会社経営陣裁判で無罪判決 状況証拠しか存在しない

背任が行なわれた可能性を示す儒教証拠はあるにもかかわらず、電
信電話会社経営陣裁判の4人の被告、その中には元同社社長ハイン
ツ スントも含まれているが、彼らは「刑事被告人の疑いがある
中」無罪が言い渡された。担当する裁判官クラオディア モラヴェ
チ・ロイドルトは判決理由の中で、この有罪判決は、有罪であるこ
とが「ほぼ確実な蓋然性がある場合にのみ」下すことができる、と
述べた。さらに彼女は数回にわたって、2人の重要証人が健康面を
理由に、尋問できなかったことを指摘した。検察は直ちに上告を行
なった。ただしオーストリア鉄道元社長マルティン フーバーは、
いずれにせよ再び法定で責任を問われることになる。




4月12日(土)

     国外ニュース

国際通貨基金「経済を危機から解放すべき」

国際通貨基金の春の会議が土曜日に開かれ、危機からの脱出を訴え
て終了した。この会議は、経済は長期的な危機克服をおえ、再び成
長の局面に入らなければならない、と要請した。同基金は、そのた
めには投資、失業との戦い、民間および公共の負債の削減が必要で
あり、そうしなければ現在の公共は「破壊される」と述べた。ヨー
ロッパには、物価下落の連鎖に陥る危険が高まっている、とはっき
りと警告されている。ただしヨーロッパ中央銀行総裁マリオ ドラ
ギは、この懸念については耳を傾けるつもりはない。

     国内ニュース

シュピンデレガーは各省に対して8億オイロの支出削減を主張

日刊紙「エスターライヒ」の報道では、財務大臣ミヒャエル シュ
ピンデレガー(国民党)は、各省に対して、厳しい支出削減の課題
を課すと主張した。「私は原則をきわめて尊重している。負債で私
たちが疲弊している間は、余裕を楽しむことはできない」との言葉
を同紙は昨日引用した。国防省、教育省は支出削減の圧力にさらさ
れて、苦しむことになる、と副首相でもある彼は述べた。「底知れ
ぬ不動産銀行の崩壊は、私たちに巨大な課題を押しつけている。私
たちは両手を再び自由にするために、財政を掌握しなければならな
い」とも語った。




4月13日(日

     国外ニュース

ロシア政府「ウクライナの軍事活動は犯罪的な命令」

東ウクライナの情勢は、はっきり緊迫感を増している。ウクライナ
政府が、親ロシア分離独立派に対して軍事的な措置をとると予告し
たが、分離独立派は退却させない、とロシア政府は怒りを表した。
軍を動員するのは「犯罪的な命令」である、と外務大臣セルゲイ 
ラヴロフは日曜日夕方に述べた。また彼は、ウクライナは「自国民
に対する戦争」を直ちにやめなければならない、また西側には、ウ
クライナの内戦を阻止する責任がある、とも語った。多くの時間は
残っていない。ウクライナ政府が分離独立派に突きつけた最後通告
は、間もなく時間切れとなる。

     国内ニュース

世界気候報告書に基づき国内では発電方法転換を支持

世界気候会議が日曜日に提出した報告書の第3部と最終部では、気
候変動を反転させられるか予想しているが、オーストリアはこれ
に、発電方法の転換を支持する方針で応じた。環境大臣アンドレ 
ルプレヒター(国民党)は、「方針転換は可能」であり、EUは気候
保護で「先駆者の役割」を果たしていると見ている、との確信を述
べた。彼の発言は、緑の党と環境保護活動家の疑念を招いている。
彼らは共に、言葉ではなくて行動するように求めている。「グロー
バル2000」という組織は、ループレヒターが、本来の扉に戻るよう
に呼びかけ、国内には多くの石炭発電所があることを思い起こさせ
た。




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