4月28日〜5月4日のオーストリアのニュース



4月28日(月)

     国外ニュース

アルストム社買収にズィーメンスとGEがオランドに売り込み

アルストム社買収争いが緊迫している。フランスの先端技術企業で
ある同社は、水曜日までに、誰が落札するかを決定する方針であ
る。米国の企業ジェネラル イレクトリック社か、ドイツのズィー
メンス社が、週末にフランスから「救済者」として担ぎ出された。
水曜日にはフランス大統領フランソワ オランドが自らのりだし、
競争する両社社長を秘密会議に出迎えた。ズィーメンス社にとって
は、新たな兆候から見て、以前に経験したことの再現である。前大
統領ニコラ サルコジは10年前の財務大臣時代に、ズィーメンス社
がアルストロム社の株式を購入しようとしたのを阻止していた。し
かし今回は見通しは遙かに明るい。

     国内ニュース

2014年15年の予算案には喜ばしい情報はない

まだ事態は変わっていないが、一つのことは今やはっきりしてい
る。財務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)は、国民評
議会での彼の最初の予算に関する火曜日の演説では、当面は明るい
情報を伝えることはないだろう、という点である。各閣僚は、「支
出削減命令」を受け取り、国家の負債は国内総生産の8割の水準近
くに迫るが、それは巨額の費用がかかる不動産銀行処理が主な原因
である。新たな負債は前年の水準を大きく上回ることになりそうで
ある。また政府がその予算の目標を、増税で達成することも、あか
らさまにそして覆い隠す形ではっきりしている。シュピンデレガー
の最初の予算演説は、記録的な負債を抱えた後の方向性転換も予告
するものになる。




4月29日(火)

     国外ニュース

ヨーロッパとその刑務所に関する統計

ヨーロッパの刑務所は満員である。2011年には、およそ170万人が
ヨーロッパ評議会の47箇国の収容所に暮らしている。中央および東
ヨーロッパを中心に、囚人の数は多く、最も多いのはグルジアで、
人口10万人あたり516人が収容されている。オーストリアは104人の
囚人で平均を下回っている。国内の刑務所にいる外国人の数は、以
前よりはっきり多くなっている。調査を受けた国々では、人口10万
人あたり平均して150人の拘留者がいる。最も多く処罰されている
のは盗みである。

     国内ニュース

「大げさな童話」と野党は予算を厳しく批判

財務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)が火曜日に提案
した2014年15年予算は、水曜日に国民評議会で議論されるが、野党
はテレヴィ番組「円卓」では、すでにはっきりした立場が示されて
いる。社会民主党会派長アンドレアス シーダーと国民党会派長ラ
インホルト ローパトカは、合同でよい仕事ができた、とお互いに
肩をたたき合ったが、自由党、緑の党、新オーストリアNEOS、シュ
トローナハ班は、「方向転換」は議論になり得ないし、同国の予算
状況には楽観視を許すものは何もない、との意見で一致している。




4月30日(水)

     国外ニュース

ウクライナ政府は統一に関する住民投票を行なう意向

ウクライナ政府は、ウクライナの一体性を確保するかどうかをめぐ
る住民投票を行ない、危機に揺れる同国の情勢を再び落ち着かせる
方針である。同国政府は水曜日に、分離独立派がウクライナの複数
の都市で、公共の建物と施設を占領した後、ロシア色の強い東部の
一部分を、以前のようには掌握できていないことを認めざるを得な
かった。首相アルセニ ヤゼニュクは、大臣が危機を終結させるた
めにもっと努力しないのであれば、内閣を改造する、と威嚇した。
一方分離独立派は、拘束された軍事監視団が即時釈放されるとの期
待を持たないように、と述べた。

     国内ニュース

給与所得税が予算を立ち直らせる

連邦の税収は、昨年の760億オイロから、2018年には910億オイロに
増加する。予算案の根拠となる「戦略的報告書」は、このような見
解である。増加分の大部分は、給与所得税によって得られる。これ
は来年、「冷酷な累進課税」により、30%ほど増加することにな
る。その際「音速の壁(心理的な障害)」が突破されるが、はじめ
て国は売上税によるよりも給与所得税による税収が増えることにな
るためである。




5月1日(木)

     国外ニュース

「セウォル」沈没 フェリーが改造されていた新たな痕跡

「セウォル」が沈没してから2週間、捜査陣は新たな痕跡を追跡し
ている模様である。この船会社の職員は具体的なことは口外してい
ないが、自動車と人を運ぶこのフェリーは、改造後に安定性を減ら
していた。同線は事故の時点では、制限を大きく上回る貨客を乗せ
ていた可能性がある、との疑いが起きている。韓国の危機管理と遅
々として進まない救助作業も、相変わらず批判されている。今なお
80人以上が行方不明のままである。

     国内ニュース

5月祭 選挙戦のため難しい労働問題が取り上げられない

労働の日は今年、いくつかの点で労働とは無煙であった。多くの人
にとっては、就業への道が閉ざされたままであるばかりでなく、毎
年恒例の政党の催しでも、労働界は周辺的な議題でしかなかった。
社会民主党はウィーン市役所広場で行進を行ない、自由党はリンツ
でこの日を選挙戦を集中的に行なう場として利用した。国民党は
「ヨーロッパの日」を祝い、新オーストリアNEOSは教育について語
るのを好んだ。ただし緑の党は労働問題にこだわり、政府は1日あ
たりの労働時間を12時間にする道を進んでいることを思い起こさせ
た。5月1日には違法労働に関する新たな数字が発表されたが、これ
は十分な議論が必要であることを示している、とも緑の党は発表し
た。




5月2日(金)

     国外ニュース

流血の紛争は南ウクライナに拡大 死者数十人

ウクライナ紛争は新たな頂点に達した。黒海岸の大都市オデッサで
は、親ロシア派のデモ隊と、政府に忠実なデモ隊が衝突し、血が流
された後、火事が発生し、少なくとも31人が死亡した。労働組合の
建物が、この暴動の中で放火された模様である。これより前に同市
で起きた衝突では、4人が死亡していた。オデッサでは過去数週間
は平静であったが、紛争は南ウクライナにも拡大した。

     国内ニュース

NEOSの選挙戦冒頭にはEUの要人が登場

「新オーストリア」党NEOSは昨日、大がかりな手法をとって、公式
の選挙戦を開始した。ウィーンでの選挙戦の冒頭は、オーストリア
選出のEU議会の新議員に高い評価を述べるヨーロッパ自由民主同盟
ALDE陣営の要人が登場した。この選挙集会には1千3百人ほどが出席
し、集まった家族が自分で自分の写真を撮るのは難しかったようで
ある。党首マティアス シュトロルツは、いつも通り熱狂的な態度
であった。彼は「なぜNEOSの政党の色はピンクなのか」とALDE議長
グレアム ワトソンから質問を受け、「ピンクは情熱の色だから
だ。私たちはこれをヨーロッパに運ぶつもりだ」とヨーロッパ自由
主義者の表看板であるワトソンに彼は答えた。ALDEはウィーンヨー
ロッパ議会選挙戦の最初の集会に選んだことは、「オーストリアに
とって大きな後押しでもある」とも語った。




5月3日(土)

     国外ニュース

軍事監視団「とてもとてもうれしい」

8日間にわたりウクライナの親ロシア分離独立派に人質とされてい
た西側の軍事監視団は、健康良好で、土曜日午後にドイツに着陸し
た。彼らはこのところ激化した戦闘を無傷で避けることができて、
ほっとし、「とてもとてもうれしい」と述べた。査察団長は、隊員
の規律の高さを賞賛し、そのおかげで困難な状況を乗り切れた、と
述べた。一方ウクライナ政府は、クラマトルスク市の奪還で、戦略
的な成果を挙げることができた。今度はスラビャンスク市の攻防戦
が起きる可能性がある。

     国内ニュース

シュピンデレガー「税制改革は急がない」

財務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)は土曜日、多く
の検討が必要な税制改革に関する議論で、急いで新たな制度を作る
ことはない、と述べた。税制改革の前に、まず一度余裕を作らなけ
ればならない、負債の山が大きすぎる、と彼はテレヴィ番組で述べ
た。ただし準備として、いくつかの対策を取らなければ奈良時、そ
の中には家族の負担をさらに軽減するための提案も含まれる、とも
語った。




5月4日(日)

     国外ニュース

ドイツでは冷酷な累進課税に対する「補償」が行なわれる

オーストリアでは複数の政党同様、専門家からも要求が出ている
が、ドイツでは実際にはそれが実施されている。保守派と社会民主
党からなるドイツの大連立政権は、冷たい累進課税を支払う納税者
に少なくとも賠償を行なう計画である、と「シュピーゲル」誌は報
じている。この冷たい累進課税を導入すれば、税収は自動的に増加
することになる。この問題の真の解決、つまり物価上昇に合わせて
税率を自動で修正することについては、ドイツ政府ももちろん考え
ていない。

     国内ニュース

文化遺産の模範としてのクリムト邸

文化財保護団体ヨーロッパ ノストラ(「我々のヨーロッパ」)は
日曜日に、ヨーロッパで最も大きな危険にさらされている文化財7
つを発表した。ウィーンにはその中に含まれるものはないが、文化
財保護活動の模範となるものがある。デニ ド ケルゴルレイ(ヨ
ーロッパ ノストラ執行会長)は、現在ウィーンで開かれているヨ
ーロッパ文化遺産会議で、「この一覧表は、危機にさらされている
ヨーロッパの文化遺産に注意を集めるために、重要な仕事であ
り」、今回強調した7つの文化遺産以外にも、多くのものが危険な
状況にある、と述べた。彼女によれば、挙げられた7つの文化遺産
は、あるものは資金不足、専門知識不足が原因で、あるものは誤っ
た計画で存続が危機にさらされており、そのためヨーロッパ投資銀
行の金融専門家と協力して、秋に現地を訪問するつもりである、目
標は国内および現地の機関だけでなく、公共および私的機関との密
接な協力を見いだすことである。




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