5月5日〜11日のドイツのニュース



5月5日(月)

スラビャンスク近郊では激しい戦闘

親ロシア勢力が支配するスラビャンスク市近郊では、ウクライナ軍
と分離独立派が激しい戦闘を繰り広げている。この地域に滞在して
いる内務大臣アルセン アワコフによれば、複数の人が殺された。
親ロシアの活動家達は、慌ただしく基地から立ち去った、との報告
もある。一方、ウクライナ暫定大統領アレクサンダー トゥルチノ
フは、ロシアが戦争を推し進めている、と非難した。彼はテレヴィ
番組で、同国東部だけではなく南部でも、ロシア連邦の側から、ウ
クライナに対する戦闘が進行している、と述べた。

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ドイツのOSZE軍事監視団員は今後はウクライナに派遣しない

西側の監視団が釈放された後、ドイツは当面はヨーロッパ安全協力
機構OSZEのウクライナでの軍事活動には参加しない。ドイツ国防省
の発表によれば、ソ連の元共和国ウクライナでは5月25日に行なわ
れる大統領選挙までは、国防軍の兵士を派遣する計画はない。ドイ
ツ首相メルケルは、ジュネーヴでウクライナ紛争解決のための次回
の会議開催に向けた努力を支援する、と政府広報ザイベルトは述べ
た。ドイツ外相シュタインマイアーは、戦闘が続いているため、米
国、ロシア、ウクライナ、EUが新たな会合を持つことに理解を求め
た。

エーゲ海で難民船が転覆

ギリシアのエーゲ海では、難民の事故が発生した。少なくとも60人
の移民を乗せた2隻の船が沈没した後、派遣された部隊は今までに
18人の遺体を発見した。当局の発表によれば、36人を救助できた
が、複数の難民が今なお行方不明である。捜索には複数の艦船とヘ
リコプターが参加している、とのことである。難民達はおそらくト
ルコ沿岸から、対岸のギリシアのサモス島に向けて出発していた。

ボコ ハラム首領はナイジェリアで誘拐した少女達を売ると予告

ナイジェリアで2百人を越える女子生徒が誘拐されてから3週間、イ
スラーム教徒急進派組織ボコ ハラムは、この犯行を起こしたと発
表した。この組織の首領は、AFP通信に送った映像の中で、自分が
この少女達を誘拐し、彼女たちを売るつもりであると述べた、との
ことである。57分間のこの映像の中でシェカウは、4月中旬に同国
北東部のチボクの括弧区から誘拐した生徒は、276人であった、と
述べた。これより前には、誘拐された少女達はチャドおよびカメル
ーンとの国境を越えて、1人当たり12ドルで強制的に結婚させられ
た、との報道もあった。53人の少女は逃走に成功し、警察の発表に
よれば、223人が未だに誘拐犯の手の中にある。ボコ ハラムは数
年前から、ナイジェリア北部のイスラーム教徒が多数を占める地域
に、イスラーム教国家を立てるべく戦っており、定期的に警察、
軍、官庁だけでなく、学校や教会を攻撃している。ボコ ハラムと
いう名称は、「西側の教育は禁止されている」という意味である。




5月6日(火)

ロシアは一定の条件下でのみウクライナ新会議に参加する方針

ロシア外務大臣セルゲイ ラヴロフによれば、ロシアは一定の条件
下でのみ、ジュネーヴでの次回ウクライナ会議に参加する用意があ
る。ラヴロフはウィーンで、出席するには、ウクライナの野党も出
席が必要である、そうでなければそのような会議を行なう価値がな
い、と述べた。ラヴロフとウクライナ外相アンドレイ デシチザ
は、ヨーロッパ評議会の年次会合に参加していた。午後には両外相
はウィーン空港で、ドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタ
インマイアーと、直前に計画された会談に臨む予定である。シュタ
インマイアーは先日、ジュネーヴでの会議を提案したばかりであっ
た。
一方ウクライナ国会は、同国の領土的一体性に関する住民投票を行
なうことを拒否した。非公開で行なわれた投票では、226人の賛成
が必要であったが、わずか154人の議員だけが、5月25日の住民投票
実施に賛成していた。ウクライナ東部および南部のロシア政府に忠
実な勢力は、ウクライナからの分離独立に関する独自の住民投票
を、5月11日に行なう計画である。

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ウクライナ政府「スラビャンスクで分離独立派30人以上が死亡」

ウクライナ東部のスラビャンスクでは同国軍が攻勢をかけ、内務省
の発表によれば、月曜日には親ロシア活動家30人以上が死亡した。
さらに多くの分離独立派が、戦闘で負傷を負った、と内相アワコフ
はキエフで発表した。それによれば、兵士4人も死亡した。軍がス
ラビャンスクへ進撃するのは、政府が同国東部と南部を奪還するた
めの軍事行動の一部である。十を越えるの都市が、親ロシア勢力の
支配下にある。一方ウクライナ当局は、ドネツク発着の全ての飛行
機の便を停止した。炭鉱地帯ドンバスの中心部にある同市は、分離
独立派と政府の緊張がもっともたかまっているばしょである。ウク
ライナ情勢が不安定なため、隣国モルドバ共和国は、国境監視を強
化した。近隣のオデッサから親ロシア勢力の挑発などが懸念されて
いる。さらに離反した沿ドニエストル地域には、1千5百人ほどのロ
シア兵が駐留している。

野党「シリア反乱勢力が爆弾攻撃 少なくとも死者30人」

シリア北西部で爆弾攻撃が行なわれ、野党の発表によれば、少なく
とも30人が死亡した。「シリア人権監視団」は、反乱勢力はイドリ
ブ州の監視所の下に2百メートルのトンネルを掘り、その中の数ト
ンの爆薬に点火した。野党の別の発表によれば、約40トンが仕掛け
られていた。イスラーム教徒前線などが、地元のイスラーム教徒旅
団を加えて、この活動に加わっていた。米国は月曜日にシリア国民
連合SOCを、アサド政権との戦闘で重要な野党組織の一つである、
と外交的な評価を引き上げていた。穏健派と目されているこの組織
の米国事務所は、外国での活動と分類されている。水曜日にはシリ
ア国民連合会長ジャルバは、米国政府と会談する予定である。

国連事務総長パンは南スーダンでの会談に出席

反乱勢力と南スーダン軍が戦闘を続けている最中、国連事務総長パ
ンは首都ジュバ入りした。パンは大統領キールらと会談する意向で
ある。キールは今週中に、反乱勢力の指導者マシャールと直接話し
合う計画だ、と述べている。両者の交渉役は月曜日に、人道的な物
資供給路の確保と水曜日からの停戦で合意した。世界食糧計画は、
食料品供給が滞る可能性があると警告し、人道活動家の立ち入りが
確保されないのであれば、飢餓による大混乱が生じる危険がある、
と述べた。国連難民支援局は、週末に政府軍が占領したナシル市か
ら、難民の波が流れ出している、と報告している。それ以降1万1千
人を超える人々が、国境を越えてエチオピアに向けて流れ出してお
り、彼らは、人種的にはヌエルで、反乱勢力の指導者マシャールは
彼らを支援している、とのことである。




5月7日(水)

ボコ ハラム民兵が新たな殺戮 死者数百人

イスラーム教徒テロ組織ボコ ハラムは、新たに激しい攻撃を起こ
し、報道によれば、ナイジェリア北部で2百人以上が殺害された。
「デイリー トラスト」紙は、武装した民兵が月曜夜に、ボルノ州
のガンボル村を襲い、住民を手当たり次第に殺害し、数百の家屋に
放火した、と報じた。犠牲者の中には、警官16人も含まれている、
とのことである。
ナイジェリアで4月中旬に2百人を超える女子生徒が誘拐されたが、
ボコ ハラムの活動家は、最近さらに11人の少女を誘拐した。誘拐
された少女達は、15歳から18歳で、痕跡を一切残していない。ナイ
ジェリア警察は、彼女たちの行方に関する情報に、換算して30万ド
ルの懸賞金をかけた。米国は、解放を助けるために、ナイジェリア
に専門家団を派遣した。フランスと曳航も、活動に対する支援を約
束した。

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プーチンは東ウクライナでの住民投票を延期する方針

ロシア大統領プーチンは、東ウクライナでの問題の独立に関する住
民投票を、延期するよう要請した。インターファクス通信の情報に
よれば、それに向けた条件をまず作らなければならない、とプーチ
ンは述べた。ロシア的な特徴を持つドネツクとルガンスク地区の親
ロシア勢力は、来る日曜日に住民投票を行ない、ウクライナからの
分離独立を行うべきかどうか、はっきりさせる意向である。また彼
らは、独立した民族共和国として、今後も存続し続けることを望ん
でいる。米国同様、連邦政府も、このような投票を承認することは
ない、と予告した。プーチンはヨーロッパ安全協力機構OSZE議長ブ
ルクハルターとの会談後、政府に忠実な急進派組織の武装解除と、
暴力行使の中断を求めた。彼はウクライナ政府に対して、東部での
「反テロ作戦」を中止するように求めた。東ウクライナでのスラビ
ャンスクでは、この間にも軍と分離独立派の間で、新たな戦闘が発
生した。

NATOは東ヨーロッパに長期的に部隊を駐留させることを検討

ウクライナ危機によりロシアとの緊張が高まっていることを背景
に、NATOは東ヨーロッパに長期的に兵士を駐留させることを検討し
ている。防衛同盟であるNATOの最高指揮官ブリードラヴは、カナダ
のオタワでの記者会見で、駐留を塾講師なければならないし、加盟
国とも議論するつもりである、と述べた。ロシアによるウクライナ
のクリミア半島併合と、ロシア政府が東ウクライナの事件に直接介
入したことで、「新たな枠組」が生まれたため、NATOはこのような
ことを検討せざるを得ない、とも語った。NATOは東部への拡大をし
た後、元ワルシャワ条約機構加盟国に、持続的に部隊と装備を駐留
させることを中断していた。ロシアによるクリミア半島併合に対抗
して、NATO加盟国は、ポーランドやバルト諸国など、東部の加盟国
への駐留軍を増強していた。兵士、戦闘用艦船および飛行機などが
送られる。この派遣は暫定的に、今年末までの期限付きである。

タイの憲法裁判所は首相を解任

タイ憲法裁判所は首相インラックを、憲法違反容疑で有罪とし、首
相職から解任した。3年前に新関に有利になるように、高級官僚を
任命したのは、違法であった、と裁判官達は判断した。また裁判所
は、インラックの判決に伴ない、9人の閣僚の解任も命じた。この
判決により、数ヶ月前から続いていたインラックと反対派の権力争
いは、新たな段階に入る。野党は首相は、兄のタクシンの操り人形
である、と見ている。タクシンは2006年に、軍部により失脚させら
れていた。野党はタクシンの一族は、汚職と国の資金の浪費を行な
った、と非難している。今まで貿易大臣を務めていたニワットタム
ロンが、閣議により、職務を執行する首相に指名された。7月20日
に国会議員が行なわれる予定である。




5月8日(木)

ウクライナ分離独立派は住民投票を延期しない

ロシア大統領ウラジミール プーチンから要請があったにもかかわ
らず、ウクライナ東部の親ロシア勢力は、ウクライナからの独立に
関する住民投票計画を延期しない。分離独立派の指導者ミロスラフ
 ルデンコはインターファクス通信に、投票は予定通り、今度の日
曜日に行なわれる、この決定は、自称「ドネツク人民共和国」の国
民評議会が下したものだ、と述べた。ルハンスク周辺の地域でも、
親ロシアの活動家の集会が、予定通り住民投票を実施することを決
定した。この住民投票では、ロシア的な色彩が強い両地域の住民
3百万人以上が、親西側のウクライナ中央政府からの独立を支持す
るかどうか、決定することになっている。これより前に、ロシア大
統領の提案が、緊張緩和をもたらすのではないかのとの期待を生ん
でいた。

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免職となったタイ首相インラックに対する訴訟

タイでは汚職対策庁が、首相解任の翌日に正式にインラックを訴え
た。多額の資金が支払われなくなった米農家に対する補助金計画
が、争点となっている。この件は、刑事訴訟手続きを招く可能性が
あり、インラックには拘留刑が科される可能性がある。水曜日には
同国最高裁判所は、数ヶ月にわたる政権の危機の末、インラックと
9人の閣僚を解任していた。タイの権力をめぐる政治的な塹壕戦
は、これで終わるわけではなく、単に新たな段階に入るだけであ
る。野党は、免職後に成立した移行政権を、「正当なものではな
い」として拒否している。反政府勢力は、今後選挙によらない移行
政権を作るよう求めている。金曜日には、自前の政権樹立に向け
て、これに関する措置をとる、と抗議運動の広報は述べた。政府の
支持者も反対派も、デモへの参加を呼びかけた。

中国は政府に批判的な記者と出版社に厳しく対処

香港の出版社に対する長期の拘留刑と、記者の逮捕で、中国は批判
的な人々に対する厳しい態度を見せつけた。北京の天安門広場での
民主化運動を弾圧し、流血の事態となってから25周年までほぼ1ヶ
月に迫ったが、批判的な女性著述家高を、「機密漏洩」容疑で逮捕
した。70歳の彼女は国営放送で、自白をするさまを見せた。彼女は
1990年代に6年間の拘留を受けていたが、中国では出版することが
許されていない。彼女は、ドイッチェ ヴェレの中国での業務な
ど、外国の報道機関向けに執筆していた。深センの裁判所は、香港
の出版業者姚に、1年間の拘留を科した。彼は国家元首で党首の習
に関する批判的な本を出版するつもりであった。彼の弁護士は、
dpa通信に対して、73歳の彼は「密輸」の容疑を持たれていた、と
伝えた。

激しい爆発がアレッポを揺らす

イスラーム教徒反乱勢力が、シリアのアレッポ市で、政府軍が利用
していたホテルの下の爆薬に点火した。この激しい爆発で兵士と政
府に忠実な戦闘員数十人が死亡した、との報道があるが、これは今
のところ公的な立場には確認されていない。反乱勢力「イスラーム
教徒前線」が、インターネット上でこの攻撃を行ったと認めてお
り、死者は50人である、と述べた。この歴史的な建物は、この爆発
で激しく損傷した。ロンドンに本部がある「シリア人権監視団」
は、反乱勢力はこの建物の下に、トンネルを掘り、そこに大量の爆
薬を隠していた、と伝えた。




5月9日(金)

プーチンはクリミアを訪問し軍事力強化を示す

ウクライナ危機の最中、ロシア大統領ウラジミール プーチンは、
軍事力を強化する姿勢を示した。ナチ・ドイツに対する勝利を記念
して、モスクワで異例の大規模な軍事行進が行なわれるのを閲兵し
た直後、3月にロシア連邦に併合されてからはじめて、プーチンは
クリミア半島を訪問した。NATO事務長アナス フォー ラスムセン
は、この訪問は不適切である、と述べた。プーチンは黒海岸のクリ
ミア半島のセヴァストポリでの軍事行進後、ロシアはクリミアと共
により強くなる、と述べた。ウクライナ政府は、プーチンを非難し
て、今回の訪問で危機をさらに悪化させた、と述べた。70年前には
赤軍がドイツ軍からクリミアを奪還していた。港町セヴァストポリ
には、ロシア黒海艦隊が駐留している。諸外国は承認していない住
民投票で、クリミアの住民は3月にロシアへの加盟に賛成してい
た。

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東ウクライナでの戦闘で数人が死亡

東ウクライナの港町マリウポリでは、治安部隊と親ロシア活動家
が、激しく衝突した。ウクライナ内務省によれば、この衝突で親ロ
シア活動家20人と警官1人が死亡し、警官5人が負傷した。武装した
4人が逮捕された。警察は、分離独立派が選挙した警察本部を奪還
しようとしていた。その際に、親ロシア勢力の銃撃を受けた、との
ことである。ウクライナ政府は第二次世界大戦終了を祝う式典をき
っかけに、挑発が行なわれる、と警告していた。

ナイジェリアで誘拐された女子生徒達の捜索は続く

米国と英国の軍の専門家が、ナイジェリアで誘拐された女子生徒達
約300百人の捜索を支援する。事件から3週間、捜索隊の第一陣が首
都アブジャに入った。少女達は、イスラーム教徒テロ組織ボコ ハ
ラムに誘拐された。このイスラーム教徒達は、午前中に起きた橋の
爆破事件も引き起こした、とされている。この爆破事件に巻き込ま
れて、30人が死亡した。このテロ組織は数日前に、同じ村で3百人
以上を殺害し、11人の少女を誘拐したばかりであった。急進派が再
び攻撃したとき、住民達はちょうど大規模な葬儀を行なっていた。
ボコ ハラムはイスラーム教徒が多く住むナイジェリア北部に、神
の国を作る方針である。2009年からこのテロ組織は、重大な攻撃を
多数行ない、6千人以上の死者を出していた。

イエメンで爆弾攻撃

イエメンでカーイダと目られるテロリストたちは、首都サヌーアの
英国大使館の近くで、爆弾に点火した。地元での報道によれば、兵
士が巡回中に爆弾が爆発し、11人が負傷した。前夜には何者かが、
サウジ・アラビア大使館の建物を銃撃していた。首都サヌーアで
は、過去数週間、数回にわたって外国人が攻撃を受け、その中には
ドイツ人も含まれていた。今週初めには、EUのフランス安全担当者
1人が射殺された。イエメンでは他の場所でも暴力が行使されてい
る。報道放送局アラビヤの情報によれば、アル・バイダ市では、軍
とテロ組織網カーイダに属していると見られる者たちが戦闘を行な
い、6人が死亡した。




5月10日(土)

メルケルとオランドはロシアを威嚇

ドイツとフランスは、ウクライナで5月25日に予定されている投票
が行なわれなかった場合には、ロシアに対する制裁を強化する、と
威嚇している。首相アンゲラ メルケルとフランス大統領フランソ
ワ オランドは、ストシュトラールズント会談し、その後発表され
た声明の中で、自由で公正な大統領選挙の実施が、きわめて大きな
意義を有している、と述べた。メルケルはオランドを自分の選挙区
に招待していた。両者は日曜日に親ロシア勢力が計画している東ウ
クライナの分離独立に関する投票を、非合法であると非難し、各方
面に対して交渉に席に戻るように呼びかけた。今までのところEU
は、東ウクライナ情勢が今後も安定しないようであれば、経済制裁
も含め、3段階の制裁を取る、と決定していた。西側は、親ロシア
分離独立派による支援で生じたこの不安定な状況に、ロシアが加担
している、と非難している。

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バンコクでは権力を示威する行進

タイでは政治権力をめぐる争いで、数万人規模の対立するデモ隊
が、首都バンコクの路上に繰り出した。両陣営はそれぞれの参加者
を2万人、と発表した。中立の立場からの集計はない。衝突を回避
するために、警察は大規模な動員を行なった。政府支持者は北部の
郊外に集結した。反政府勢力は、中心部で政府の建物、占拠された
テレヴィ局、設置された封鎖を取り囲んだ。彼らは一時、ドン ム
アン第2空港へつながる道を封鎖した。彼らは全政権の退任を要求
しており、選挙を行わずに、改革を実施する移行政権を樹立するよ
う求めている。一方政府支持者は、首相インラックが最高裁判所か
ら、憲法違反容疑で解任されたことに抗議している。彼らは即時選
挙を求めている。世論調査は、政府支持者が改めて勝利する、と予
測している。

タリバーンの数十人が攻撃を受けて死亡

アフガニスタン治安部隊は、急進派イスラーム教徒タリバーンの戦
闘員に攻勢をかけ、少なくとも蜂起勢力の63人を殺害した、とカブ
ールの内務省が発表した。殺されたイスラーム教徒の3分の1ほど
が、外国人である、とのことである。タリバーンは今のところ何も
発表していない。蜂起勢力側は、攻勢をかけると予告した。過去に
もタリバーンは、諸外国の部隊のために働くアフガニスタン人通訳
を狙って、繰り返し攻撃をかけていた。アフガニスタンでの諸外国
の戦闘部隊の活動は、今年末に終了する。NATOは、アフガニスタン
治安部隊の支援と養成のために、かなり小さな口径部隊の派遣を計
画している。

南スーダン紛争で対立する勢力が和平協定を結ぶ

南スーダンでは数ヶ月にわたって暴力が続いたが、大統領キールと
その反対派マシャールは、突然和平協定に署名した。対立する両者
は署名前に、人種的な原因もあるこの戦闘が始まってからはじめ
て、直接の対話をエチオピアの首都アジス アベバで行なってい
た。この合意には、敵対関係の終了と、移行政権の樹立などが含ま
れている。さらに約百万人の追放者に対して、人道支援の道が確保
されることになっている。両者の代表団は、今後数日かけて詳細を
練り上げる意向である。




5月11日(日)

東ウクライナで親ロシアの分離独立派が住民投票を実施

ウクライナ東部では日曜日、親ロシア分離独立派が提案した投票が
行なわれ、ドネツク市とルハンスク市で樹立を宣言した「人民共和
国」の未来に関して、市民が意志を明らかにする。いわゆる住民投
票では、この地域の国家としての自立性を保つかどうかに関して、
「はい」「いいえ」で応えることになっている。分離独立派が、こ
れによってロシア連邦への併合のために活動するかどうかは不明で
ある。投票は反乱勢力が支配下に収めている市町村14箇所だけで行
なわれる。ドネツクおよびルハンスクの地域に住む合わせて7百万
人の半分以下だけが、投票の行なわれる地域で暮らしている。ウク
ライナ政府は、ロシアにはこの問題の投票の責任がある、と非難し
た。反乱勢力の拠点スラビャンスクでは、親ロシア民兵と治安部隊
が、郊外のアンドリヴカ等で、再び激しい戦闘を行った。「ビルト
紙日曜版」は、東ウクライナでは、米国の民間警備会社アカデミー
の重武装した戦闘員4百人が、親ロシア反乱勢力に対抗して活動し
ている、と述べた。同紙は、連邦情報局BNDの情報として、これを
報じており、同局はこの報道に関して態度をあらわにしなかった。

     その他のニュース

バルト諸国はNATOの常時駐留を求める

ウクライナ危機を背景に、バルト諸国の政府は、NATO部隊が自国の
領土内に常時駐留するよう迫っている。リトアニア、ラトヴィア、
エストニアの外相および防衛相は、「フランクフルト一般新聞日曜
版」との対話で、これを明らかにした。リトアニア外相リンケビチ
ュウスはその理由として、ロシアは同国にとってだけではなくヨー
ロッパおよび環大西洋の各国にとって、脅威となっていると強調
し、ロシア政府は信頼を醸成する措置に関して、リトアニアとの間
での条約を停止したばかりであり、飛び領土カリーニングラードで
の部隊配備を強化した、と指摘した。ラトヴィア外相リンケービッ
チは、同国との国境近くで、戦闘用ヘリコプターを含めたロシアの
演習が強化されていることに懸念を表明した。クリミア半島でのよ
うな行動をロシアが起こさないよう、空域防衛をさらに拡大するこ
とが必要である、とも語った。

リトアニア大統領選挙

リトアニアでは日曜日、3百万人ほどの住民が大統領選挙で投票を
するように呼びかけられている。最新の世論調査によれば、現職の
グリボウスカイテは、次の5年間に向けて再選される十分な可能性
がある。元EU委員である彼女にとって、最大の対立候補は、社会民
主党のヨーロッパ議会議員バリクティスと、労働党の候補パウラウ
スカスである。十分な投票率となれば、無所属のグリボウスカイテ
は、第1回投票で当選する可能性がある。選挙戦はウクライナ紛争
の影響下で行なわれた。グリボウスカイテはロシアに対抗する論調
を強めたばかりであり、特にバルト地域にNATOの軍駐留強化などに
賛成している。

イラクでは少なくとも15人が死亡

イラクの都市モースルでは、何者かが少なくとも15人の兵士を殺害
した。警察広報がバグダードの北4百キロにある町で、合わせて
20人の兵士が拉致されてから数時間、遺体が発見された、と発表し
た。残りの5人の軍関係者は、まだ行方不明である。モースル周辺
は、テロ組織「イラクとレヴァンテのイスラーム教国家ISIL」の拠
点の1つである。さらにバグダードの南ジュシフィヤでは、現地の
自警団の3人を殺害した。通信社スメリア ニューズによれば、攻
撃犯はこの市民達は、自宅から引きずり出され、殺された。2013年
初めから、イラクでのテロ攻撃の数は大幅に増加した。専門家達
は、事態悪化の責任は、主として首相マリキにある、としている。
少数派スンナ派に属する家族達は、シーア派の首相マリキが差別し
ている、と非難している。




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