5月5日〜11日のオーストリアのニュース



5月5日(月)

     国外ニュース

ウクライナ危機 外交による解決は最後の機会

西側は外交的な攻勢をかけて、東ウクライナでの内戦に近い状態の
戦闘を停止させようとしている。火曜日には、外務大臣セバスティ
アン クルツ(国民党)を議長として、ウィーンでヨーロッパ評議
会がこれを協議する。ロシア外務大臣セルゲイ ラヴロフとウクラ
イナ外務大臣アンドレイ デシチザも、それに出席すべく出発し
た。これと並行して、ヨーロッパ安全協力機構OSZEと国連が、仲裁
の努力をしている。諸外国による努力にもかかわらず、東ウクライ
ナでの戦闘は続いている。ロシア政府は人道面で壊滅的な状況に陥
る、と警告している。

     国内ニュース

オーストリア不動産銀行 新たな銀行が出発点を探る

アルペ・アドリア不動産銀行の破綻の陰で、オーストリアの子会社
が、若干順調ではないとは言え、新たな出発を切ろうとしている。
不動産銀行という名前は持ってはいるが、未来のオーストリア ア
ナディ銀行は、ケルンテン州に14箇所、ザルツブルクとウィーンに
1箇所の視点を持つことになるが、これは前向きの評価を提出し
た。役員会会長マルティン ツルダは、今年にも税金による収入が
15%、約1千万オイロ増加すると、自信を持っている。その際にはイ
ンターネット取引とインドに親近感を持つ顧客が、有利に働く、と
見ている。




5月6日(火)

     国外ニュース

米国はナイジェリアでの少女捜索団派遣を申し入れる

ナイジェリアでは女子生徒が、イスラーム教徒組織ボコ ハラムに
誘拐されたが、彼女たちの捜索団に米国は参加する方針である。米
国外務大臣ジョン ケリーは、ナイジェリア大統領グッドラック 
ジョナサンに昨日電話をかけ、専門家派遣を申し入れた、と米国外
務省公報は発表した。ジョナサン過去の申し入れを「歓迎」した。
どのようにすれば米国が捜索の努力を「最もうまく支援」できる
か、この捜索団はナイジェリア当局と検討する方針である。現在こ
の活動の詳細は確定している、と広報は述べた。米国大統領バラッ
ク オバマは、外務省に対して、「ナイジェリア政府が全ての少女
を見つけ、解放できるよう、可能な全てのことを行なう」ように指
示した、とのことである。

     国内ニュース

マリーア ラスニヒが死去

世界各地で賞賛されたオーストリア人女性画家マリーア ラスニヒ
が、5月6日にウィーンで94歳で死去した。ラスニヒは1988年に、女
性画家としてははじめて、オーストリア大国家賞を受賞した。それ
以降、多くの賞を受け、2013年5月には、ヴェネチア ビエンナー
レでは彼女が生涯に制作した金獅子賞を受けた。ラスニヒはアルヌ
ルフ ライナー、ヨーセフ ミクル、ウォルフガング ホレガ、マ
ルクス プラヘンスキと共に、オットー マオアー猊下周辺の伝説
的な一派に属しており、彼女の「身体意識」の絵は後に高い評価を
得た。




5月7日(水)

     国外ニュース

プーチン「東ウクライナの住民投票を延期すべきである」

東ウクライナでの戦闘が始まってから、ようやく事態沈静化の望み
が生まれている。ロシア大統領ウラジミール プーチンは、親ロシ
ア分離独立派に対して、日曜日に計画されているドネツク地域の分
離独立に関する住民投票を延期するを、延期するように求めた。プ
ーチンはヨーロッパ安全協力機構OSZE議長ディディエ ブルクハル
ターとモスクワで会談した後、ウクライナ移行政権と同国南東部の
分離独立派が、対話するようよう求めた。ウクライナ暫定首相アル
セニ ヤツェニュクは冷たい対応をし、プーチンの発言は無意味で
ある、我々の味方では、そもそも住民投票を行なうつもりはないか
らだ、と述べた。

     国内ニュース

刑法修正で捜査に時間的な制約を設ける

法務大臣ウォルフガング ブラントシュテッター(国民党)は、刑
事裁判の手続き規則を変更する。すでに連立内部では可決されてい
るが、この案はオーストリアの裁判権に影響を与えることになる。
その際に最も慎重な扱いが必要なのは、捜査時間の上限の設定であ
る。特例許可がある場合にのみ、検察はそれぞれの事件に関して、
今後3年以上取り組むことが認められる、その後は審理に移行する
ことになる。ただし刑事訴訟法では不具合もある。微罪の一種の
「罰金」が計画されており、これに対応して裁判なしでの判決の導
入が予定されている。




5月8日(木)

     国外ニュース

シュルツ対ユンケル EU議会筆頭候補達は冷静な対決

EU委員会議長の筆頭候補で、最も有力な候補であるジャン・クロー
ド ユンケル(EVP)とマルティン シュルツ(SPE)は、木曜日の
夕刻、中継されたテレヴィ対決で意見を応酬したが、それは公正か
つ事実に即したものであった。ウクライナ危機や今後のEU拡大に関
するいくつかの問題では、老練なEUの政治家2人は、意見が一致し
た。ユンカーは、選挙戦を大規模な格闘の組織化ではない、と捉え
ている、と述べた。ただし重要な税制などの問題で、意見の相違が
あらわになった。非公開会議も議題になった。

     国内ニュース

「日雇い労働者」発言でオーストリア経済会議副議長は退陣

一人で営業する企業は、企業ではなく、「一種の失業者処理」であ
り、この種のものは「個々の企業全てにとって許しがたいものであ
る。」この軽蔑的な発言のせいで、オーストリア経済会議WKOe副議
長フリッツ アマン(自由党)は、自分の職を失った。全方位から
の批判を受けて、同会議議長クリストフ ライトル(国民党は)自
由経済自営業者連合会長マティアス クレンとの話し合いの中で、
「新たな人事」を行なうよう求めた。その結果、アマンに、責任を
取らせるよう検討するかもしれない、とクレンは述べた。




5月9日(金)

     国外ニュース

南スーダン 流血の紛争の方向が転換

南スーダンで流血の暴力が始まってから5ヶ月、大統領サルヴァ 
キールと彼に反対するリーク マシャールは、金曜夕刻遅くに、突
然和平協定に署名した。これより前に、人種的なことも原因で、数
千の命を奪った戦闘が始まってから初めて、両者はエチオピアの首
都アジス アベバで直接対話を行なった。この合意には、24時間以
内に戦闘を中止し、移行政権を樹立することを含んでいる。

     国内ニュース

高校卒業試験での手違い 教育大臣は「うんざり」

高校卒業中央試験の最後の予行演習で手違いがあり、教育大臣ガブ
リエル ハイニシュ・ホーセク(社会民主党)にとって、きっかけ
となる出来事ととなった。彼女は「うんざり」だと述べ、担当組織
BIFIEを厳しく批判し、批判を受けた全ての点を点検し、この組織
の「規模を検討し直す」と予告した。高校卒業試験の数学の問題で
手抜かりが見つかった後、ハイニシュ・ホーセクは、これは重大な
失策であり、連絡が「きわめてだらしない」状態だった、と述べ
た。自由党は辞任を求めているが、彼女にはそのつもりはもちろん
ない。




5月10日(土)

     国外ニュース

ウクライナ住民投票に疑問符

日曜日には東ウクライナの各所で、ウクライナからの分離独立に関
する注目の住民投票が行なわれる。ロシア大統領ウラジミール プ
ーチンも、分離独立派を押さえ込むことができなかった。ただしど
のように投票自体が行われるかに関しては、一つの何代がある。自
家製の投票用紙が「公式の」投票用紙で、住民投票全体が、1千2百
オイロで組織されている、と土曜日にロイター通信が報じている。
また開始前に、操作が行われるのではとの観測が口に上っている。
疑問符がついているのは投票自体だけではない。その後状況はどの
ようになるのかも、全く見通しが立っていない。この計画は「ドネ
ツク人民共和国」から、「新ロシア」まで広がっている。

     国内ニュース

コンチータ ウルストが音楽祭で優勝

あらゆる抵抗を打ち破って、夢が真実になった。コンチータ ウル
ストが、コペンハーゲンで開かれた2014年ユーロヴィジョン音楽祭
で、オーストリアに優勝をもたらした。彼女は、平和と自由に未来
があると信ずる全ての人に、この優勝を捧げ、「誰が求められてい
るか、あなたは知っている」と述べた。ひげを生やした歌姫は、他
の参加者を大きく引き離しすことができた。審査結果の発表される
間、彼女は泣いていたが、落ち着きを失う直前であった。最後には
彼女は舞台上でのすべの瞬間を満喫した。第2位にはオランダ、第
3位にはスウェーデン代表が選ばれた。




5月11日(日)

     国外ニュース

分離独立派「多数派がウクライナからの分離独立に賛成」

親ロシア分離独立派が組織する東ウクライナの投票では、予想通り
の結果が出た。ドネツク地域の投票者の89%が、ウクライナからの
分離独立を支持した、と日曜夕刻に発表があった。得票率は75%近
くであった。集計は「きわめて容易」であった、反対票はきわめて
少なく、無効票はほとんどなかったからだ、と自称選挙委員会が発
表した。キエフの中央政府は、この投票はロシア政府が操ったお笑
いぐさであり、米国とEUはこの住民投票を承認していない。

     国内ニュース

音楽祭でヨーロッパは「寛容の勝利」を祝う

オーストリアだけでなく、ヨーロッパ諸国の大部分が、日曜日の音
楽祭でのコンチータ ウルストの勝利を、「寛容の勝利」であると
祝った。コンチータ ウルストも、彼女の成功の政治的な意義を自
覚しており、「私たちの間で有名な政治家」に対する意志表示であ
る、と述べた。この意志表示は、ロシア大統領ウラジミール プー
チンには向けられていない。よりによってロシアからは、今年の優
勝者である彼女に対して、きわめて厳しい批判も浴びせられた。そ
れにも関わらず、土曜日夜からは、「ヨーロッパは多くの人が思っ
ているより寛容である」ことがはっきりしている。




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