5月26日〜6月1日のドイツのニュース



5月26日(月)

右派と大衆迎合派がヨーロッパ議会選挙での大勝を祝う

ヨーロッパ議会選挙では、EUに批判的な政党と右派政党が、EU28箇
国の多くで、大きく得票を伸ばした。保守派のヨーロッパ国民党
EVPは、大きく票を失ったものの、最大勢力に留まった。EU全体の
最終得票予想によれば、保守派のヨーロッパ政党連合は、ルクセン
ブルクのジャン・クロード ユンケルを筆頭候補として擁し、票の
28%強を獲得した。ドイツ人マルティン シュルツを筆頭候補とす
るヨーロッパ社会民主党SPEは支持を減らし、25%弱で第2党となっ
た。約9%の得票で、自由党が第3勢力となった。緑の党は7%強であ
った。ヨーロッパを敵視あるいはヨーロッパに批判的な政党だけ
が、今後はストラスブールのEU議会によりたくさんの代表を送る。
極右政党は、合わせて2割ほどの議席を獲得する。フランスでは、
極右国民戦線FNは、25%の得票で勝利し、政治的な大変動を生ん
だ。英国では右派大衆迎合的なナイジェル ファラージュが、UKIP
で27%の支持を集めた。デンマーク、オーストリア、ポーランドで
も、右派大衆迎合主義者が支持を伸ばした。
ギリシアでは急進左派連合Syrizaが、26%を超える得票で、首位に
立った。イタリアではオイロに懐疑的なお笑い芸人ベッペ グリッ
ポの「5つ星運動」が21%の得票であったが、第2位に留まった。

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ヨーロッパの方針転換を求める声

ヨーロッパ議会選挙で右派および大衆迎合政党が勝利を収めたこと
を受け、政権が責任を取り始めた。フランスおよび英国政府は、EU
に批判的な政党にお灸を据えられたことを受け、方針転換を求めて
いる。急進右派国民戦線が圧倒的な結果を挙げたことを受け、フラ
ンス首相ヴァルスは、ヨーロッパは「成長と雇用増をさらに強く押
し進めるために、新たな方向を目指さなければならない、と迫っ
た。彼はフランス人にさらなる減税を約束した。英国首相キャメロ
ンは、右派大衆迎合政党UKIPの勝利を、EUには改革が必要であると
の意志表示である、と評価した。EUに留まるかどうかについての国
民投票を行なうようにとの要求が起こっているが、彼はこれを否定
した。ベルギーは、分離独立派政党NVAのフラマン人民族主義者が
勝利したことを受け、新たな連立政権をめぐって駆け引きが行なわ
れている。首相ルポは、閣僚と共に辞任したが、職務を代行してい
る。ドイツ首相メルケルは、数週間にわたってブリュッセルで交渉
が行なわれる、と見ている。ルクセンブルクのユンケルは、EU委員
会議長の保守派の候補ではあるが、EUの最重要職に就くためには、
「ヨーロッパの人事計画」が必要である、とも語った。

新大統領ポロシェンコ ウクライナ東部をソマリアにはしない

ウクライナの次期大統領ポロシェンコは、親ロシアの同国東部を
「新たなソマリア」にすることは、甘受するつもりはない。彼は分
離独立派に対する軍事行動は継続するが、これは「より短期間」で
「より効率的」でなければならない、と述べた。また親西側の大富
豪である彼はキエフで、分離独立派が支配する地域の開放では、ロ
シアからの支援を得たい、との期待を述べた。暫定集計結果によれ
ば、彼はおよそ54%を獲得して、第1回投票で勝者となった。ヨーロ
ッパ安全協力機構OSZEの専門家は、妨害があったにもかかわらず、
この選挙は妥当で、ポロシェンコは正当な大統領である、と発表し
た。ロシアと失脚した大統領ヤヌコーヴィチは、この結果を承認し
た、と発表した。ロシア外相ラヴロフは、ロシア政府はポロシェン
コと対話をする用意があるが、それにはEUも米国も必要ない、と述
べた。ウクライナ軍は空爆後に、親ロシア蜂起勢力を追い出すため
に、ドネツク空港に攻勢をかける準備を開始した。

教皇はヤド ヴァシェム訪問「計り知れない悲劇」

イスラエルでは教皇フランツィスクスは、ヤド ヴァシェムのホロ
コースト記念施設で、ナチの暴力の犠牲者6百万人を追悼した。彼
は神の憐れみと、人間が恥じ入るような恩寵を与えるよう求めた。
教皇の瞑想は、「再び起こることがないように、主よ、再び起こる
ことがないように」との呼びかけとなった。これより前にカトリッ
ク教会の長である彼絵は、エルサレム旧市街の神殿の丘で、同市の
(イスラーム法最高権威者)大ムフティであるフサインの出迎えを
受けた。フランツィスクスはその際、イスラーム教徒、ユダヤ人、
キリスト教徒の間の和解を呼びかけ、誰も「神の名前の下で暴力を
行使する」ことは許されない、と警告した。教皇の訪問期間中の驚
きは、イスラエル大統領ペレスおよびパレスチナ大統領アッバス
を、ヴァティカンでの祈りの集会に招待したことであった。両者は
この招待を受け入れた。




5月27日(火)

内相「ウクライナ軍はドネツク空港を奪還」

政府の発表によれば、ウクライナ軍は親ロシア分離独立派と激しい
戦闘を繰り広げた後、同国東部のドネツク空港を奪還した。同国内
務大臣アルセン アワコフがこれを発表した。ドネツク市長アレク
サンダー ルキアンチェンコによれば、この交戦では民間人2人も
含め、少なくとも40人が死亡した。その他、31人の負傷者が病院で
手当てを受けた、と彼は記者会見で述べた。ウクライナ軍は月曜
日、反乱勢力の拠点で、前夜には武装した戦闘員が占拠した空港に
対する攻撃を開始していた。この際には地上軍は、戦闘機、軍事ヘ
リコプター、落下傘部隊の支援を受けていた。ロシア外務大臣セル
ゲイ ラヴロフは、ウクライナ政府に対して流血の事態を終結させ
るように呼びかけていた。

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メルケルはウクライナ選挙を同国が一体を保つ兆しと評価

ドイツ首相メルケルは、ウクライナ大統領選挙の結果を、住民が同
国の一体性と民主主義を保つことを明確に支持したものだ、と評価
した。彼女は選挙で勝利したポロシェンコに電話をかけ、お祝いの
言葉を述べた。政府広報ザイベルトによれば、メルケルは会談の中
で、特にウクライナ東部の有権者を、脅威と威圧にさらされている
にもかかわらず、民主主義の権利を行使したことを高く評価し、こ
れは希望の兆しである、と述べた。メルケルとポロシェンコは、融
和をさらに前進させるのが重要だ、という点で意見が一致し、それ
には円卓会議の継続と憲法改革が含まれる、ともザイベルトは発表
した。

ユンケルが優先権を得る

ヨーロッパ議会の各会派は、EU委員会議長職の保守派側の筆頭候補
であるユンケルを支持した。社会民主党の会派長スウォボダは、ブ
リュッセルで各政治勢力の会派長と会談した後、これを発表した。
これにより社会民主党の筆頭候補シュルツは、保守派の対立候補ユ
ンケルに、EU議会で多数派を形成する優先権を譲ったことになる。
保守派は日曜日のヨーロッパ議会選挙で、最大勢力となった。その
ため彼らは多数派形成を模索する権限を得たことになった、とスウ
ォボダは述べた。同委員会議長は、EU加盟各国首脳の提案に基づ
き、議会の絶対多数で選ばれる。

エジプト大統領選は2日目

エジプトでは市民が新大統領を選ぶ選挙の2日目を迎えた。軍の元
最高司令官、国防相、副首相のシシが有力と見られている。彼の唯
一の対立候補で、左翼の政治家サバヒが当選する可能性は、ほとん
どない。今までのところ低い投票率を上げるために、投票所を開け
る時間が1時間延長された。さらに同国の公務員全員が、投票に行
けるよう、自由時間を得た。シシは選挙戦で、安定と経済成長など
を約束していた。失脚した大統領ムルシが率い、禁止されたイスラ
ーム教徒兄弟団は、投票に参加しないよう、呼びかけていた。公式
結果は6月5日までに発表される。




5月28日(水)

メルケルはロシアとの緊張緩和に慎重な姿勢

ウクライナ危機に鑑みて、連邦首相アンゲラ メルケルは、ロシア
との関係の全面訂正浄化の見通しに関して、慎重な判断を下した。
彼女はベルリンで開かれた第一次世界大戦に関する展覧会の開会式
に出席し、今後もお互いに話し合うことが重要だが、領土的な一体
性はヨーロッパの戦後体制の支柱である、とウクライナのクリミア
半島併合に関して述べた。また彼女は、これまでの戦争の教訓とし
て、意見の異なる相手とも話し合いを続けなければならない、と強
調した。そのため彼女は、第二次世界大戦中のフランスのノルマン
ディーへ連合国が上陸した記念日の式典に、ロシア大統領ウラジミ
ール プーチンが出席するのを歓迎した。

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ドネツクでの緊迫した情勢は続く

暴力に揺れる東ウクライナの百万都市ドネツクには、平静が訪れな
い。大工業都市である同市では、再び銃撃が行なわれた、と市長ル
キアンチェンコは発表した。彼は住民に対して、安全のために自宅
に留まり、窓のそばやバルコニーには立たないように呼びかけた。
新たな犠牲者に関する情報は、今のところない。親西側政権は、ウ
クライナ東部を広く支配する親ロシア勢力に対する「反テロ作戦」
を進めている。この作戦では、過去数日で多数が死亡した。大統領
選挙の勝者ポロシェンコは「ビルト」紙に、この地域は「戦争状
態」である、と述べた。ヨーロッパ安全協力機構OSZEの監視団4人
が、この地域で再び行方不明となった。

アブハジア大統領宮殿にデモ隊が押し寄せる

グルジアから離反したアブハジアでは、政府転覆の試みが起きた、
と報じられている。数千人の野党指導者が、大統領宮殿に押し寄
せ、大統領アンクワブは逃亡を強いられた、とロシアのインターフ
ァクス通信は報じた。それによれば、野党の指導者の1人は、意見
調整評議会が、共和国の運営を引き受けた。同通信によれば、デモ
隊は政治改革を要求し、汚職と財政の失策の件で政府を非難した。
RIAノヴォスティ通信社によれば、アンクワブはテレヴィのインタ
ビューで、自分はアブハジアを離れておらず、国内に留まってい
る、治安部隊は国家に対して忠実であり、情勢を安定させる措置を
とっている、と述べた。

エジプトでの選挙は3日目 投票率は相変わらず低い

エジプトでの大統領選挙では、投票は延長され3日目となったが、
投票率は低いままである。政府は元々は投票日を2日にしていた
が、1日延長して、より多くの市民が投票に赴くように求めてい
た。元将軍シシが勝利するのは、相変わらず疑問の余地はない。そ
のため国内外での投票率が、今まで軍司令官を勤めていた彼の支持
を示す重要な尺度と判断されている。禁止されたイスラーム教徒兄
弟団は、投票を行わないように呼びかけていた。




5月29日(木)

ウクライナ東部でヘリコプター墜落で反乱軍の兵士14人が死亡

ウクライナ東部からは、政府軍と親ロシア分離独立派の間で、激し
い戦闘が起きたとの報告が伝えられている。政府発表によれば、こ
の戦闘で分離独立派は、拠点スラビャンスク近郊で、軍のヘリコプ
ターを撃墜した。兵士13人と将軍1名が死亡した、と暫定大統領ア
レクサンダー トゥルチノフは発表した。ウクライナ政府軍は、数
週間前から、反テロ作戦と称して、ウクライナ東部の親ロシア勢力
に対して、軍事行動を取っている。分離独立派はスラビャンスク
で、ヨーロッパ安全協力機構OSZEの監視団員4人を拘留している、
と発表した。彼らは事情聴取後に釈放される、と同市の市長を自称
するヴィアチェスラフ ポノマリョフは述べた。

     その他のニュース

EU評議会議長ファン ロンパウがアーヘン市のカール賞受賞

EU評議会議長ファン ロンパウは、ヨーロッパ統合のための活動に
対して、アーヘン市の国際カール賞が授けられた。66歳のベルギー
の政治家である彼は、困難な時代にあって、粘り強く働きかけ、仲
介し、了解を取り付けた人物として、EUの強化のために重大な貢献
をした、突出したヨーロッパ人である、と審査委員会はその受賞理
由を説明した。賞金のないカール賞は、ヨーロッパの表彰の中で最
も重要な賞の一つに数えられる。ファン フォンパウは2009年12月
から、ヨーロッパ評議会の初代常任議長を勤めている。彼は謝辞の
中で、ウクライナでの行動について、ロシアに対して厳しく批判
し、不安定化は受け入れられない、ヨーロッパはウクライナ情勢同
様、グルジアとモルドバも懸念している、と3箇国の首相が出席す
る中で述べた。

元ソ連の共和国がユーラシア経済連合を設立

ロシア、ベラルーシ、カザフスタンは、EUと釣り合いを取るため
に、人口1億7千万人を有するユーラシア経済連合を設立した。カザ
フスタン大統領ナサルバエフは首都アスタナで、これは元ソ連地域
における経済協力の新たな見本である、と述べた。ロシア大統領プ
ーチンとベラルーシ大統領ルカシェンコも、条約署名式に出席し
た。プーチンは、この連合には歴史的な意義がある、エネルギー管
理、工業、農業、交通の分野での協力が固められた、と述べた。同
連合は2015年1月1日に活動を開始する。元ソ連の共和国アルメニア
とキルギスタンは、この経済連合への加盟を申請した。

アルゼンチンは負債の清算で債権者と合意

アルゼンチンは諸外国の資金提供者と、2001年に起きた国家として
の破産の時期に生じた負債の支払いに合意した。いわゆるパリ ク
ラブ(公的債務の返還延期交渉を行なう債権国会議)は、総額は
72億オイロにのぼる、アルゼンチンはこの負債を柔軟な態勢で、
5年間で返済する、と発表した。当面は2015年5月が、少なくとも
8億4千4百万オイロの返済期限である、とも述べた。アルゼンチン
は13年前に、負債の利子をもはや支払えなくなり、破綻していた。
ドイツ、フランス、米国、英国、スペインなどのアルゼンチンの債
権国が、パリ クラブに加わっている。




5月30日(金)

メルケルはユンケルのEU委員会議長選出を支援

ドイツ首相アンゲラ メルケルは、ヨーロッパ議会議員選挙で勝利
したジャン・クロード ユンケルを、新たなEU委員会議長にするこ
とに賛成した。彼女はレーゲンスブルクで開かれたカトリック教会
会議で、ユンケルをEU委員会の議長にする方針で、あらゆる会談を
行う、と述べた。今までキリスト教民主同盟の党首メルケルは、
5月25日のヨーロッパ議会選挙後、ルクセンブルクのキリスト教社
会党所属のユンケルを、明確に支持することを回避していた。彼女
はレーゲンスブルクでは、「世界はヨーロッパの居場所を持ってい
るか」という議論に参加した。

     その他のニュース

OSZEは東ウクライナにいる監視団と接触できず

ヨーロッパ安全協力機構OSZEは、東ウクライナにいる監視団と、あ
いかわらず接触できていない。同機構は、木量からルハンスクにい
る4人の監視団から、何の連絡もない、と発表した。月曜日から行
方不明になっている監視団第一陣の4人の痕跡もない、とのことで
ある。これより前には分離独立派の指導者チミレンコは、ルハンス
クからインターファクス通信に、4人の男達には、この地域には今
後、事前の届け出なく滞在しないように、と警告し要請した上で、
解放した、と述べた。ウクライナ国防相代理コワルはこの間に、政
府親ロシア分離独立派に対する「反テロ活動」を終えるのは、情勢
が全面的に安定化した後のことになる、と述べた。夜間には武装し
た者たちが、ロシアとの国境地帯の国境通過地点スタニチュノ・ル
ンスケで、ウクライナ国境兵に自動小銃で銃撃した、と国境防衛
隊は発表した。

外相は各州とシリア難民について早急な協議に賛成

ドイツ外相シュタインマイアーは、レバノンの難民施設を訪問し、
シリア難民の受け入れに関して寛大な規則を作るよう訴えた。「私
たちの責任は、現在私たちが行なっているよりも大きい」と彼は述
べた。シュタインマイアーは各州と早期に合意するよう、全力を挙
げる、と明言した。公式発表によれば、過去3年で3万1千人以上の
シリア人が、ドイツに亡命を申請した。さらに連邦政府は2013年
に、シリア難民1万人の受け入れに関する特別計画を公表してい
た。情勢が劇的に悪化しているため、連邦および各州の内相は、こ
の数を上積みすることを協議する方針である。1万人規模の受け入
れが取りざたされている。木曜日にシュタインマイアーは、レバノ
ン外相バシルと会談し、レバノンにいるシリア難民を支援するため
の国際会議を、ドイツで開催するよう申し入れた。

フォン デア ライエンは国防軍を近代的な雇用主に変える方針

国防相フォン デア ライエン(キリスト教民主同盟)は、今後
5年で、国防軍をドイツで最も魅力的な雇用主に変えるために、1億
オイロを投資する方針である。彼女は29項目の対策を提案した。こ
れには児童保育の拡大から、非常勤労働、宿泊所の近代化を含んで
いる。フォン デア ライエンは12月に国防相に就任してから、最
初となるこの大規模計画に関して、志願兵の軍隊である国防軍は、
どの産業と比較にも勝つようにしたい、と述べた。また彼女は、こ
れは経歴を積み、さらなる就業訓練を受け、近代的転職、家族生活
と職業の両立にも当てはまる、と語った。将校は今後は今までほど
頻繁に配置転換を受けずにすむことも含まれている。さらにしばし
ば老朽化している兵舎の宿泊施設を整備し、テレヴィと無料のイン
ターネット接続装備が設置されることになる。




5月31日(土)

エルドアンはタクシン広場での抗議活動に参加しないように警告

トルコ首相レジェップ タイップ エルドアンは、イスタンブルの
タクシン広場で、抗議活動を行わないようにと厳しい言葉で警告し
た。彼はイスタンブルで、治安部隊は明確な指示を受けており、国
は治安のために必要なことは全て行なうつもりである、と述べた。
百万都市イスタンブルでは、ちょうど一年前に始まったゲズィ抗議
活動を思い出す集会が、土曜日に計画されている。2万5千人の治安
部隊が、放水車と装甲車を投入してタクシン広場を封鎖する用意を
調えている。
1年前にはゲズィ公園の木々の伐採計画に抗議して、環境保護派が
タクシン広場で抗議活動を開始し、それが全国的な反政府抗議活動
に拡大した。トルコ治安部隊は、デモ隊に対して厳しく対処し、少
なくとも7人が死亡していた。ゲズィ公園と隣接するタクシン広場
での政治集会は、この間に禁止された。

     その他のニュース

米国は領土を巡る対立で中国を非難

中国は周辺諸国との領土を巡り対立をしているが、米国は異例の強
い語調で中国を批判した。国防相ヘイゲルはシンガポールでの安全
会議の席上、中国政府が「不安定化を招く」措置をとり、南シナ海
での領土要求を現実化しようとしている、と非難した。中国軍高官
も参加するいわゆる「シャングリラ対話」で、米国は領土的な要求
を強行するために、「脅迫、強要、暴力を行使するとの威嚇」を認
めない、ともヘイゲルは語った。中国国家元首習は、中国は自分の
側から暴力を用いてこの紛争に介入することはないが、対抗する権
利は有している、と述べた。

東ウクライナで死者 OSZEの監視団をめぐり駆け引き

ウクライナ治安部隊と武装した分離独立派の間で、あらたに戦闘が
起き、目撃者の話によれば、少なくとも2人が死亡した。元ソ連の
共和国である同国東部のスラビャンスク市が、再び戦闘の中心とな
った。身柄を拘束されたヨーロッパ安全協力機構の監視団の事件に
関しては、分離独立派の指導者ロゴフは、4人には「スパイ疑惑」
が持たれている、と述べた。活動家の他の広報は、監視団員は拘留
されている同士と交換で釈放される、と強調した。現在同機構の監
視団2つが行方不明になっている。ロシア政府の支援を受けたロシ
アのカフカス共和国チェチェーニア首長カディロフは、分離独立派
支援のために、政府軍の兵士を派遣していることはない、と述べ
た。ただし彼は、東ウクライナの映像に、数人のチェチェーニア人
が確認できたことは認めた。

エジプト大統領選 敗者サバヒは法的手段に訴える

エジプト大統領選挙で敗北した左派の政治家サバヒは、3日間の投
票での法律違反を批判し、法的手段に訴えた。公的な中東通信社
Menaによれば、彼は勝利したシシは、投票所で許可されていない宣
伝を行ない、投票期間を直前になって延長したことに異議を唱え
た。サバヒは自分の敗北はすでに認めていた。非公式の結果発表に
よれば、彼は有効票の3%、シシは96%を獲得していた。選挙委員会
は、投票率を上げるだけのために、投票を1日延長した。政府に近
い報道機関によれば、エジプトのおよそ5千4百万人の有権者のう
ち、45%が投票に足を運んだ。




6月1日(日)

フランス人が映像でブリュッセルの殺害を告白

ブリュッセルのユダヤ博物館で銃撃が行なわれ、死者が発生した
後、逮捕されたフランス人は、差し押さえられた映像の中で、犯行
を自白していた。パリ検察によれば、この映像は、29歳のメフディ
 ネムシュの自宅で見つかったカメラのもので、その中には、犯行
の歳に使用されたと見られる武器が写っている。さらにジハード実
行者と見られるこの男は、1年以上にわたって、シリアに滞在して
いた、とのことである。この男は金曜日に、先週起きたユダヤ博物
館襲撃容疑で、マルセイユで逮捕されていた。捜査陣の発表によれ
ば、この男は北フランスのルーベ出身で、昨年シリア内戦でイスラ
ーム教徒戦闘員に参加していた。フランス国内秘密情報部DGSIに
は、彼のことが知られていた、とのことである。

     その他のニュース

米国は捕虜交換後のタリバーンとの対話に賭ける

米国国防相ヘイゲルは、タリバーンとの捕虜交換の後、アフガニス
タン反乱勢力との紛争が終結するのではないか、との期待を持って
いる。彼はアフガニスタンのバグラム空軍基地で、グアンタナモ収
容所のタリバーン5人と、誘拐された米兵1人の交換は、ひょっとし
たら「新たな交渉に向けて新たな架け橋」になるかもしれない、と
述べた。この米兵はバーグダールは土曜日、ほぼ5年間タリバーン
の手の中にあったが、解放された。この交換は、カタールの仲介で
行なわれた。バーグダールは2009年6月に、パキスタンとの国境近
くで行方不明になっていた。その後タリバーンが、この兵士を誘拐
した、と発表した。

兵士数千人がバンコクでの抗議活動を妨害

タイ軍事政権は、数千人の兵士を動員し、首都バンコクの抗議活動
を妨害した。デモに参加するいくつかの小組織が、市の中心部に集
まったが、そこからすぐに追い出された。軍が科した戒厳令は、今
のところ5人以上が集まる集会を禁止している。軍は早ければ14ヶ
月後に、タイで再び民主的な選挙を許可する方針である。

東ウクライナでは新たな戦闘 監視団は相変わらず行方不明

ウクライナ政府軍は、分離独立派の拠点スラビャンスク近郊で、軍
事ヘリコプターと装甲車を投入して、親ロシア活動家に対して改め
て攻撃を開始した。治安部隊は拠点を銃撃し、道路封鎖を攻撃し
た、と通信員は伝えている。東ウクライナの分離独立派によって、
身柄を拘束されたヨーロッパ安全協力機構の監視団の命運は、まだ
不明である。監視団はすでに自由の身である、との報道がなされて
いるが、親ロシア勢力の広報は、これを否定した。ヨーロッパ安全
協力機構の職員1人も、釈放されたことは確認できない、と述べ
た。




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