5月26日〜6月1日のオーストリアのニュース



5月26日(月)

     国外ニュース

フランス社会党は態勢をめぐり議論

フランスでは、ヨーロッパ議会選挙を受け、政府が極右国民戦線FN
の地滑り的勝利の分析に取りかかった。月曜日夕刻のテレヴィ演説
で、大統領フランソワ オランドは、選挙での敗北の直接的な責任
を取ることは否定し、代わりにヨーロッパでの方針転換を、支出削
減政策とは切り離すように求めた。首相マヌエル ヴァルスも月曜
日、ヨーロッパは「数年前から」成長と雇用を確保するために十分
努力をしていなかった、と述べた。社会党にとって、今回は短期間
で2度目の選挙の敗北である。

     国内ニュース

社会民主党からの批判「ファイマンに敗北の責任がある」

社会民主党にとってEU議会選挙の驚くべき結果を受け、別の発言も
あることから、責任問題が党内で完全には解明されていない模様で
ある。ブルゲンラント州同党所属の州閣僚ペーター レーザルは
「クリール」紙に、「まず第一に首相自身」に悪い結果の責任があ
る、と述べた。この発言は月曜日夕方に、社会民主党内部で、議論
が高まっている。直ちに党員が首相を擁護する発言を行ない、レー
ザルの発言は「全く不要なもの」であると退けた。




5月27日(火)

     国外ニュース

ラガルドは銀行と決着をつける

世界各地の銀行業の改革がなかなか前進しないため、国際通貨基金
IWFが警告の鐘を打ち鳴らしている。「悪い知らせは、前進が遅す
ぎ、目標はまだ遠い」と同基金総裁クリスティーネ ラガルドはロ
ンドンでの会議で述べた。特に銀行の院外陳情家からの「激しい逆
風」によって、合意は揺らいでいる、とも語った。特に彼女が問題
視しているのは、「巨大すぎて失敗できない」と見られる銀行が今
なお存在していることである。

     国内ニュース

シュパール社に対する企業連合裁判が始まる

巨大小売り会社シュパール社に対する裁判が、緊迫感を持って見守
られるなか、水曜日に始まる。同社の本社はザルツブルクにある。
同社には、納入会社と価格を談合していた、との容疑が持たれてい
る。同社は以前からこの容疑を厳しく否定している。水曜日には最
初の証人として、連邦競争局BWBの局長テオドール タナーの事情
聴取が行なわれる。




5月28日(水)

     国外ニュース

エジプトでは選挙は「シシの面目に対する一撃」となる

エジプトでは脅迫、宣伝、そして投票期間が1日延長されたが、何
の役にも立たなかった。元軍の有力者アブデル ファタフ アル・
シシに正当性を認めるための投票は、水曜日に終わったが、極めて
低い投票率が、「シシの面目に対する一撃」となった。公式発表で
すら、投票率は39%で、これはねつ造されている可能性が高い、と
カイロでは密かに語られている。シシは解任された前任者ホスニ 
ムバーラク同様、反対派に直面している。

     国内ニュース

オーストリアの税負担はOECDの水準を遙かに超える

国内の労働者の税負担に関して、経済協力開発機構の34箇国の比較
によれば、オーストリアは恥ずべき第3位であった。国庫はオース
トリアの独身者から、収入のおよそ半分を取り立てており、家族の
場合はそれより若干はましなようである。オーストリアは税負担の
点では、同機構内部では平均を13%以上上回っており、この調査に
よれば賃上げはその文書に記すにほとんど値していない。同様の税
率の他の国々がすでに対策を講じているのに、オーストリアは当面
それが話題にもなっていない。




5月29日(木)

     国外ニュース

ユーラシア連合 プーチンの連合の夢は高くつく

ロシアの報道機関は、「大事件」「今年の重大事」として、ロシア
大統領ウラジミール プーチンが主導する「ユーラシア連合」を木
曜日に祝った。ロシア政府は、カザフスタンとベラルーシとのこの
同盟を、米国、EUそして中国と並ぶような力を市場で持つもの、と
見ている。ただし現実は異なるようである。プーチンの夢は現在す
でに高額についており、さらに資金が必要である。よりによってベ
ラルーシ大統領アレクサンダー ルカシェンコは、この連合は本来
は全く別の計画であった、鍵を握るのはウクライナであることを、
プーチンに思い起こさせて、木曜日のお祭り気分を台無しにしてい
た。

     国内ニュース

連立内部の税制改革をめぐる対立がくすぶり続ける

社会民主党と国民党は、来たるべき税制改革の枠組みについて、相
変わらず意見が一致していない。さらに急速に税金の負担軽減を支
持する国民党からの声によって、この対立は強まる。国民党会派長
ラインホルト ローパトカは今日、国民党が選んだティロール州と
フォアアルルベルク州の労働者会議議長の税制改革要求に、住民投
票を拒否した。




5月30日(金)

     国外ニュース

ドイツはフェイスブックを「生で」監視する方針

元米国秘密情報部員エドワード スノウデンが秘密情報部の陰謀に
関して、議論を引き起こしたにもかかわらず、秘密情報部は相変わ
らず装備を拡大している。報道によれば、ドイツ国外秘密情報部
BNDの計画は、「情報の受信と同時の分析」と呼ばれている。公表
されている目標は、「利用者が活動している最中に」フェイスブッ
ク、トウィッターなどの社会的電子網を監視することである。「南
ドイツ新聞」によれば、同秘密情報部は、この計画の正当性を、米
国秘密情報部の議論に基づいて主張している。同紙によれば、技術
的な装備に必要な資金は、すでに来週承認される。

     国内ニュース

カールハインツ ベームが死去 「人権の先駆者」

金曜日には国内の政界は、カールハインツ ベームの死に驚き、評
価賞賛する言葉で応えた。俳優でアフリカ支援の「人間は人間のた
めに」の設立者である彼は、木曜日夕刻に86歳で、家族に看取られ
て死亡した。連邦大統領ハインツ フィッシャーは、ベームを「長
年にわたって全力でアフリカ大陸とその住民の生活環境改善のため
に」尽力した「偉人」と呼んだ。カリタス会長ミヒャエル ランダ
オは、ベームは「人権の先駆者」と見ている。文化大臣ヨーセフ 
オスターマイアーは、ベームは数百万人の人を助けるために、自分
の人気を利用することを理解していた、と述べた。




5月31日(土)

     国外ニュース

ユンケル選出 キャメロンはEUを離脱すると威嚇

EU最重要職をめぐる駆け引きで、英国首相デイヴィッド キャメロ
ンは、ジャン・クロード ユンケルがEU委員会の新議長になるので
あれば、英国はEUを離脱する、と威嚇したとのことである。これは
「シュピーゲル」誌の報道である。それによれば、英国人にとって
は、ユンケルは誤った方向性であり、80年代の人物では、今後5年
間に起こる問題を解決できない、と述べた。金曜日にはドイツ首相
アンゲラ メルケルは、長い逡巡の後、ヨーロッパ国民党の筆頭候
補であるユンケルを、EU委員会新議長にすることに賛成した。

     国内ニュース

命の舞踏会 「喜びの庭」でのどよめく祭典

第22回命の舞踏会の訪問者達は、土曜日夕方、ウィーン市役所広場
を花の海に変えた。「喜びの庭」という標語に忠実に、多くの来場
者は豪華で色とりどりの仮装服に身を包み、訪れた有名人すらびっ
くりさせていた。元米国大統領ビル クリントンなどは、自分は普
段着を着ているようだ、と述べた。一番盛り上がったのは、音楽祭
優勝者のコンチータ ウルストが、「不死鳥のように立ち上がれ」
を歌って登場した時であった。ただし華やかさと魅力が目につく者
の、命の舞踏会の本来の目的(エイズ救援)は、短期間では終わら
ない。




6月1日(日)

     国外ニュース

米兵は解放 タリバーンとの捕虜交換に批判

米兵ボウ バーグダールは、アフガニスタンのタリバーンの人質に
なってから5年、土曜日夜に5人のグアンタナモ収容者と交換で、自
由となった。米国大統領バラック オバマは大統領府前のバラ園
で、釈放を祝ったが、ワシントンではこの交換交渉に対する批判が
強まっている。共和党は、釈放した捕虜たちは、「非常なテロリス
ト」である、と述べた。この間にバーグダールは、ドイツの基地ラ
ントシュトゥールで、医師の手当てを受けいる。彼の健康状態は、
急な救出活動で必要になった、とされている。

     国内ニュース

オスターマイアー「減税に向けて条件が整っている」

首相府長官ヨーセフ オスターマイアー(社会民主党)は、税制改
革の必要性に関して、先に連立内部で論争が起きたことを受け、負
担軽減の「時は満ちた」と見ている。テレヴィ番組で彼は、2015年
に減税を求め、この財源には、「富裕者税」で穴埋めされるべきで
ある、と述べた。彼は火に油を注ぐのは避け、国民党内部で広く
「変化」が起きていると推定している。早期改革に向けて「期待で
喜ばしく」思うには、これは十分なきっかけである。




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