6月2日〜8日のオーストリアのニュース



6月2日(月)

     国外ニュース

気候保護 オバマは二酸化炭素の単独行動で驚かす

米国大統領バラック オバマは、思い切った政治的策略をめぐら
し、気候保護で政敵を不意打ちした。彼は月曜日、意図的に隠して
いた大統領命令を公布したが、それは米国の発電所は、2030年まで
に二酸化炭素の排出を3割減らさなければならない、というもので
ある。この発電事業者に対する命令という回りくどい方法は、誰の
賛成も必要としないもので、オバマは米国の機保護政策を転換する
との約束を、これで果たすことができる。国連事務総長パン ギム
ンは、大胆な政治の駆け引きに感銘を受けた、と述べた。野党の共
和党はその分だけ激昂している。

     国内ニュース

オーストリアでインターネット薬局が始まる

オーストリアでも間もなく、インターネットを利用して、処方箋な
しの医薬品の注文ができるようになり、世界的な趨勢に従うことに
なる。国内の薬剤師は、2015年半頃に予定されている法律改正の後
に、大規模な取引に参加できるように、準備を整えている。それま
では彼らは、法律の制約を受けない国外の企業に、医薬品の発送を
任せなければならない。オーストリアの薬局は、インターネットを
通じた医薬品の販売を、複雑な思いで見守っている。将来は処方箋
なしの調剤の需要は、減る可能性があるためである。




6月3日(火)

     国外ニュース

スペインは国王譲位を急ぐ

スペインは2週間後に新国王が就任する。国会は6月18日に、今まで
の王子フィリペを新国王に指名する方針である、と火曜日に発表が
あった。華やかさからはほど遠く、飾り気のない式典が行われる。
スペイン政府は火曜日に、国王ホアン カルロスの解任に向けた法
案を通した。国王の交代は緊急の手続きで行なわれている。王家は
当初、譲位までに3週間から6週間かかる可能性がある、との見方で
あった。

     国内ニュース

聖霊降臨祭の気温が30度 暑い日とさわやかな湖

気候学上の夏は、6月1日に始まったが、まさに聖霊降臨祭に、夏に
ふさわしく暑くそして太陽があふれたものになった。雷雨前線は水
曜日と木曜日、さらに多くの雨をもたらし、その後下がっていく。
土曜日から日曜日までは、太陽が降り注ぎ、気温は33度になるとの
予想である。ただし湖へ飛び込むのは、勇気ある人に限られる。泳
げる湖の気温は、12度から20度だからである。




6月4日(水)

     国外ニュース

新たな制裁か? G7はロシアに対し団結を示す

G7各国は、ウクライナのさらなる安定のために努力することを、ロ
シアに義務づけた。特に武器の流入と親ロシア分離独立派を、ロシ
ア政府は制御しなければならない、さもなければ、さらなる制裁が
科されることになる、と主要工業国7箇国が水曜日のブリュッセル
での会合後に発表した。7箇国はロシア政府が、新ウクライナ大統
領ペトロ ポロシェンコとの協力を要請した。金曜日には、ノルマ
ンディでのDデイの式典と並行して、ポロシェンコとロシア大統領
ウラジミール プーチンの会談が開かれる。

     国内ニュース

不動産銀行問題でグリスは職務上の機密に関する契約を擁護

不動産銀行調査委員会の議長イルムガルト グリスは昨日のテレヴ
ィ番組で、同委員会が職務上の秘密に関する契約に従っていること
を擁護し、これは彼女の仕事の一部には当たらない、と述べた。職
務上の機密保護に従う場合には、公式の解明には多くのことが残っ
ていない、とグリスは見ていない。あらゆることが職務上の機密で
あるわけではなく、現在同委員会に全てのことが公開される可能性
がある。その後同委員会は、地方自治体が何かを公開しないことで
利益が生じているかどうか、判断することになる。秋までの報告書
が提出される、と彼女は述べた。政府が設置した委員会は、今週正
式に作業を開始した。




6月5日(木)

     国外ニュース

危機対策でヨーロッパ中央銀行は市場を加速

ヨーロッパ中央銀行EZBが、基準金利を引き下げ、巨額の資金を金
融業に注入することを決断したことで、国際市場に若干の相場差益
金が生まれた。専門家によれば、市場の競争は、小休止の後、しば
らくさらに進展する可能性がある。ただしこの歴史的な危機対策に
は、批判的な声もある。一方では新たなバブルが懸念されており、
他方では多量の資金が、必要な改革の邪魔になる、と警告する人も
いる。国際通貨基金は、この金利引き下げを極めて強い調子で評価
した。

     国内ニュース

税制改革 連立内部で相変わらず手詰まり状態

税制改革を巡る対立で、連立両党は相変わらず成果を上げていな
い。今日両党の会派長が、それぞれの立場を明確にするために、乗
り出した。社会民主党会派長アンドレアス シーダーは、改めて富
豪税を含めて迅速に税制改革を行なうように迫り、国民党内部でよ
り大きな動きが出るよう要請した。国民党会派長ラインホルト ロ
ーパトカは、これを再び断固拒否した。富裕者税についても国民党
は、関知するつもりがない。少なくとも言葉の上では、両党は以前
よりもわずかだけ和解している。




6月6日(金)

     国外ニュース

ウクライナ危機会議 プーチンは「有益な」会談を賞賛

フランスのノルマンディーでのDデイ記念式典が金曜日に開かれた
が、これがウクライナ危機の外交の舞台となった。大部分は非公式
の会談の中心となったのは、ロシア大統領ウラジミール プーチン
で、彼はウクライナ新大統領ペトロ ポロシェンコと、初めて直接
に会談した。プーチンはその後、「有益な」会談であると述べた。
彼はウクライナ紛争解決のために、同時に要求を公表した。

     国内ニュース

ケルンテン州対連邦 「貸付の妨害」に激怒

連邦とケルンテン州がアルペ・アドリア不動産銀行事件をめぐって
対立しているが、金曜日にこれが新たな極点に高まった。その原因
は、連邦金融有支局OeBFAが先に拒否した、オーストリア最南端の
州ケルンテン州に対する信用供与であった。ケルンテン州では、
「懲戒の試み」「道徳的に忌まわしい」措置、「恐喝的な行動」と
の声が上がっている。財務省は、このような非難は厳しくはねつけ
ている。現在はむしろ説得力のある返済計画がなく、そのことがケ
ルンテン州側からは検証されていないように見える、と主張してい
る。




6月7日(土)

     国外ニュース

トルコ航空の強引な行動

ドイツのルフトハンザ航空などなじみのある定期航空路は、多くの
問題と格闘している。そしてさらに競争相手が飛んでいる。それが
トルコ航空である。数年前から、同社は拡大を続けている。この成
長はトルコ政府の拡大計画の一部である。同国はヨーロッパからで
きる限り独立し、国際的に欠くことのできない存在感を築こうとし
ている。首相レジェップ タイップ エルドアンは、このところ政
治的に強い抵抗を受けているが、航空業での重要な地位だけは、イ
スタンブルに世界最大の空港を建設することによって、確保され
る。

     国内ニュース

シュトラーヒェはウィーン市選挙の筆頭候補になるとの新聞報道

日刊紙「エスターライヒ」(日曜版)のインタヴューでは、自由党
党首ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、来年のウィー
ン市議会および市参事会選挙では、同党の筆頭候補として出馬す
る、と予告した。「私はウィーン選挙では、自由党の市長候補にな
る。私を選ぶ人は、社会民主党と緑の党の連立を阻止し、ウィーン
にトルコ語での地名表示を阻止する人である」との発言を引用して
いる、と同紙は事前に発表した。




6月8日(日)

     国外ニュース

ヴァティカンでの会談 教皇はペレスとアッバスと共に祈る

教皇フランツィスクスは、イスラエル大統領シモン ペレスとパレ
スチナ大統領マハムード アッバスは、ヴァティカンで会談し、そ
れぞれの国民の平和を求める声に応えるように求めた。「戦争より
も平和を求める方がより大きな勇気」が必要だ、と彼は述べた。フ
ランツィスクスは、平和を求める合同の祈りに引き続いて、ヴァテ
ィカンの庭園で日曜日夕刻に、政治家たちに向けて訴えた。その際
ペレスは祈りの中で、「同じ権利を持つものの間で平和」の必然性
を述べたのに対し、アッバスは「主権を持ち独立した国家の中での
自由」のために祈った。

     国内ニュース

連立内部で税制改革班に関してやりとり

税制改革の準備のために、連立両党の専門家班が第1回の会議を行
う期日は、まだ決着がついていない。財政の政務次官ヨッヘン ダ
ニンガー(国民党)は、責任は社会民主党にあると見ているが、そ
れは社会民主党が水曜日に予定されていた期日を「駄目に」したた
めである。新しい日程は決まっていない。政府が設置した行政改革
作業班の活動期日は、金曜日に決まっていた。「クローネ新聞」に
よれば、社会民主党内部では、水曜日の日程は「駄目」になったの
ではなく、2日間延期されただけで、金曜日に行なわれる、と述べ
た。ダニンガーの事務所は、これについて関知していない、と表明
した。




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