6月9日〜15日のドイツのニュース



6月9日(月)

ガオクは人種差別に反対する勇気を持つように市民に呼びかける

連邦大統領ヨアヒム ガオクは、人種差別に勇気を持って対処する
ように呼びかけた。彼はケルンで、偏見と憎しみが共存を毒殺しな
いように、人種差別的な冗談を一緒に笑わないこと、そして悪口が
言われた時にそれに同調しないことが重要だ、と述べた。彼はムー
ルハイム地区のトルコ人が多く住むコイプ通りで、釘入り爆弾が爆
発してから10年のこの日、この発言を行なった。3日間にわたっ
て、文化および出会いの祭典が開かれていたが、ガオクはこの閉会
式に参加した。この祭典は、2004年6月9日に起き、22人の負傷者を
出した攻撃を思い起こすためのものである。この犯行の背後には、
急進右派テロ組織NSUがいる、と推定されている。警察は長年にわ
たって、急進右派の運動の可能性を否定し、犯人はトルコ社会の中
にいる、と推定していた。そのためガオクは、犠牲者の悲嘆だけで
なく、誤って容疑を持たれた人々のことも思い起こさせた。

     その他のニュース

カラチ空港襲撃 死者少なくとも28人

タリバーンによるものと見られるカラチ空港攻撃で、日曜日夜には
少なくとも28人が死亡した。重武装した10人の男たちが、パキスタ
ン最大の空港を深夜少し前に襲撃した、と治安部隊は発表した。そ
の後、数時間にわたる銃撃戦となり、軍が早朝に事態を再び掌握
し、攻撃側は全員が死亡した、とのことである。急進派イスラーム
教徒のパキスタンのタリバーンが、犯行を起こした、と発表した。
広報は、アフガニスタン国境の村落に対して、空爆が行われたこと
に対する報復である、と発表した。この山岳地帯は、タリバーンが
帰還する地域とも見られている。当局の発表によれば、襲撃犯の中
には、ウズベキスタン人を含め外国の戦闘員が含まれている、との
ことである。パキスタン政府は、タリバン側に立ってた戦う外国人
戦闘員が、同国での襲撃時菌を引き起こしている、と繰り返しして
いる。

サン パウロでのデモ隊に対して警察は催涙ガスを使用

ブラジルでサッカーの世界選手権が間もなく始まるが、大都市サン
 パウロでは、警察とデモ隊が衝突した。軍警警察の部隊は、約百
人の抗議活動参加者に、催涙ガスを使用した。抗議している人たち
は、数日前から続く地下鉄従業員のストライキを支持すると表明
し、ゴミ箱を燃やして、主要道路の交通を封鎖している。地下鉄職
員は木曜日から、給与の12%ほどの引き上げを求めて、ストを行な
っている。日曜日には労働裁判所は、このストを違法と発表した
が、スト参加者はストの継続を決定した。経済の大都市サン パウ
ロは、2千満員の住民を抱えており、交通が大混乱を続けている。
450万人が毎日、地下鉄に頼っている。サン パウロでは木曜日、
サッカー世界選手権の開幕戦ブラジルとクロアチア戦が行なわれ
る。

ポリトコフスカヤ殺人の主犯が終身刑を言い渡される

反ロシア政府の女性記者ポリトコフスカヤの殺人からおよそ8年、
モスクワ市裁判所はこれに関与した者たちに、懲罰収容所と刑務所
での長い刑罰を言い渡した。呼びかけたと見られるものと射撃班
は、終身刑を受けなければならず、3人の共犯者は12年から20年、
収容所に入れられる。陪審裁判が3週間前に、全ての被告が有罪で
あると発表してたため、量刑発表は緊張感を持って見守られてい
た。2006年10月7日の教皇は、世界各地で恐怖を引き起こしてい
た。ポリトコフスカヤは、モスクワの自宅の階段吹き抜けで、射殺
された。彼女は大統領プーチンの厳しい批判者として知られてお
り、特にチェチェーニア戦争中の人権侵害を報道で目立っていた。
殺人を指示した者たちは、相変わらず知られていない。




6月10日(火)

NPDは憲法裁判所で2度目の敗北

連邦憲法裁判所の判決によれば、連邦大統領ヨアヒム ガオクは、
国家民主党NPDに関する発言に関して、大統領の中立に関する規則
には違反しなかった。カールスルーエの同裁判所第二部は、連邦大
統領がどのように代表としての任務と統合の課題を、命を賭けて実
行するのかは、原則的には大統領が自ら決定する、と判断した。ま
た大統領は、憲法と法律を尊重しなければならず、恣意的に政党を
攻撃することは許されないが、ガオクはこのようなことは行なって
いない、とも判断した。ガオクは生徒たちを前に、国家民主党の支
援を受けた亡命希望者収容施設に対する抗議活動が数週間続いたこ
とを受け、「頭がいかれている」と述べていた。これに対する判決
の中で、「頭がいかれた奴」という言葉の使用は、具体的な関係の
中では異議を唱えられていない、とされている。これより前に国家
民主党は、2009年と10年の連邦大統領選挙の妥当性に関して裁判を
起こしたが、憲法裁判所はこれを退けていた。同党首ウード パス
テルスは、大統領候補たちと直接の面談と、口頭による討論を求め
たが、彼の提案は失敗に終わっていた。同裁判所の裁判官たちは、
正当であるとの判断を下し、基本法は候補者とその職務の尊厳を、
政党間の対立から守るために、基本法はそのような議論を禁止して
いる、と述べた。

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メルケルはEU委員会議長を巡る対立で威嚇をしないようにと警告

ドイツ首相メルケルは、EU加盟各国首脳とヨーロッパ議会に、新委
員会議長を合意の上で決定し、威嚇を断念するように呼びかけた。
彼女はスウェーデン首相ラインフェルト、オランダ首相ルッテ、英
国首相キャメロンと、スウェーデンのハルプスンドで会談した後、
間もなく下される決定は全て、譲歩を模索するヨーロッパの精神に
基づいて下されなければならない、威嚇はヨーロッパの精神には含
まれない、と述べた。4人の首相は全員、この会談では今後5年のEU
の政治的な中身について、話し合われた、と説明した。キャメロン
はヨーロッパ選挙の直後、保守派のユンケルが委員会議長に就任す
るのであれば、英国はEUを離脱する、と威嚇していた。ルッテとラ
インフェルトも、ルクセンブルクのユンケルを保留している。

カラチ空港で再び銃撃戦

パキスタンのカラチ市の国際空港が、再び攻撃目標となった。武装
した2人が、空港の外にある監視所、数発の銃弾を撃ち込んだが、
負傷者は発生せず、攻撃犯は逃亡した、と空港安全管理局の代表が
述べた。航空便は一時停止した。日曜日夜には、パキスタンのタリ
バーンの戦闘員は、同国最大の空港を銃撃したばかりであった。交
戦では少なくとも37人が死亡し、その中には攻撃側の10人も含まれ
ていた。パキスタン軍はこの間に、アフガニスタンとの国境地域に
あるカイバル地域を空爆し、少なくとも15人を殺害した、と発表し
た。この地域は半ば自治を行なう部族のすむ地域は、テロ組織網カ
ーイダおよび他のイスラーム教徒組織の戦闘員が、帰還する地域と
見られている。

武装イスラーム教徒がモースルを占拠

イスラーム教徒反乱勢力は、数日にわたる戦闘の末、イラク第2の
都市モースルの一部を支配下に置いた。インターネット上の報道サ
イト「スマリア ニューズ」の発表では、「イラクとレヴァンテの
イスラーム教国家ISIL」の戦闘員が、収容所に押し寄せ、1千4百人
以上の囚人を釈放した。目撃者の話によれば、数千人の住民が逃げ
出した。ニナワ州知事ヌジャイフィはアラビヤ通信に、政府軍は撤
退した、と述べた。「イラクとレヴァンテのイスラーム教国家」
は、スンナ派の再急進派組織の一つで、1月以来アンバル州を掌握
している。イラクでは数年前から、スンナ派とシーア派のイスラー
ム教徒の間で、権力争いが荒れ狂っている。




6月11日(水)

ウクライナでは「反テロ作戦」で少なくとも250人の民間人が死亡

東ウクライナの分離独立派に対する「反テロ作戦」が始まってか
ら、少なくとも250人の民間人が殺され、その中には14人の未成年
者が含まれていた、と当局は発表した。厚生副大臣ルスラン サル
ユティンは、4月中旬からの政府軍と親ロシア蜂起勢力の間での戦
闘で、ドネツク地域だけで220人の市民が殺害された、とキエフで
発表した。さらにルハンスク地域での戦闘では、30人ほどが死亡し
た。現在ロシアとウクライナは、天然ガスを巡る対立を解決するた
めに交渉を続けている。ウクライナのエネルギー大臣ユーリ プロ
ダンとロシアのエネルギー大臣アレクサンダー ノヴァクが、EUエ
ネルギー委員ギュンター エティンガーを交えて、ブリュッセルで
協議している。話し合いでは、今後の天然ガス供給の価格と、ウク
ライナの以前の負債の返済に関して、話し合いが行なわれている。
ロシアは以前に、ウクライナに対して3度支払期限を延期した。ウ
クライナ政府は、巨額の負債の一部を返済するのを、月曜までの猶
予されている。

     その他のニュース

支援団「イラク人50万人がモースルから逃げ出す」

諸外国の支援団によれば、イラクではすでに50万人ほどが、テロ組
織「イラクとレヴァンテのイスラーム教国家ISIL」の攻撃を避け
て、モースル市から逃げ出した。国際移住機関IMOが、この数をジ
ュネーヴで発表した。「イラクとレヴァンテのイスラーム教国家」
の戦闘員たちは、数日間にわたる戦闘の末、イラク第2の都市モー
スルを火曜日に占拠していた。現地の人道支援隊の情報に基づい
て、国際移住機関が発表した情報によれば、戦闘で民間人の犠牲者
が多数に達し、現在のところ支援組織はモースルの重要な病院に、
近づけていない。一方イスラーム教徒たちは、モースルのトルコ領
事館に迫り、人質を取った。また誘拐されたトルコ人トラック運転
手の数は、30人に増加した。運転手は火曜日に、「イラクとレヴァ
ンテのイスラーム教国家」の戦闘員によって、モースルで誘拐され
ていた。

ドイツは武器輸出を25%増加

ドイツは昨年、武器輸出を大きく拡大した。連邦内閣が採択した
2013年武器輸出報告書は、武器、戦車その他の軍事物資の輸出許可
は、58億オイロ相当を超えた。これは前年比で25%ほどの増加であ
る。さらにカタール、サウジ・アラビア、アルジェリア、インドネ
シアなどの国々への輸出許可が、増加に貢献しており、これらの国
々は、人権侵害と非民主的な制度を取っている、と批判する人もい
る。昨年許可された数は、当時の連邦政府(キリスト教民主、社会
同盟と自由民主党の連立)の責任である。社会民主党の経済相ガブ
リエルは、武器の輸出許可をより厳しくする、と予告した。関係す
る分野はすでに、それは雇用を犠牲にすることになる、と警告して
いる。

秘密情報部「シリアから帰還する戦闘員が大きな危険」

連邦憲法擁護庁は、シリア戦争からの帰還兵は、安全を脅かす危険
要因に分類している。憲法擁護庁長官マーセンは、ブリュッセルで
の攻撃は、シリアの戦闘地域から帰還した者から、大きな危険が生
じているとの当局の見方を裏付けるものだ、と説明した。ブリュッ
セルの犯人と見られる者は、シリアでイスラーム教徒反乱勢力の側
に立って戦っていた。彼には、5月にユダヤ博物館で、3人を射殺
し、4人目はその負傷が原因で、後に死亡した容疑が持たれてい
る。マーセンによれば、シリア内戦勃発以来3年間で、320人のイス
ラーム教徒が争奪戦が行なわれた同国を出国したが、彼らのうち
100人がドイツに帰ってきた。今までに当局は、彼らがドイツで
「具体的なテロの任務」を遂行している、との証拠は見つけていな
い、ともマーセンは述べた。




6月12日(木)

イラクで激しい戦闘

バグダードの北約60キロで、イスラーム教徒とイラク軍が戦闘を行
ない、数十人が死亡した。「スマリア ニューズ」がインターネッ
ト上で伝えたところでは、ディヤラ州のバアクーバで衝突が起こ
り、50人が死亡した。テロ組織「イラクとシリアのイスラーム教国
家ISIS」の戦闘員は、イラクの首都バグダードへ迫っており、同国
の北部と中部の一部をさらに占拠した、とイラク治安筋は発表し
た。誘拐されたトルコ人トラック運転手に関しては、反乱勢力は再
び31人を解放した、とトルコでは報じられている。この男たちは火
曜日に誘拐されていた。

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ラヴロフはウクライナ軍を激しく非難

東ウクライナをめぐる紛争で、国際的に排撃されている武器を、ウ
クライナ軍が分離独立派に対して使用した、とロシアは非難してい
る。ロシアのイタル・タス通信によれば、ロシア外相ラヴロフは、
焼夷弾が使用された疑いを調査するように要請した。ヨーロッパ安
全協力機構OSZE事務長ツァニエルは、全方面に対して即時停戦を求
めた。東ウクライナでは再び、政府軍と親ロシア分離独立派が、激
しく衝突している。ルハンスク近郊では銃撃戦が起こり、少なくと
も3人が負傷した。

発展大臣はナイジェリアの学校に支援を約束

連邦発展大臣ミュラーは、ナイジェリアに対して学校の安全を支援
する方針である。そのためにドイツは2百万オイロほどの基金を提
供するつもりであり、270人を超える女子生徒が同国北部から誘拐
されたことによる衝撃が、少女らの登校をためらわせることになら
ないのが重要だ、と彼は述べた。この少女たちは4月中旬に、テロ
組織ボコ ハラムによって誘拐されていた。ボコ ハラムという名
称は、「西側の教育は罪である」という意味である。誘拐事件か
ら、西アフリカの同国では学校の安全に関して、広い層で議論され
ている。

亡命申請の数は6割増加

ドイツに亡命を申請した人の数は、今年6割増加した。連邦内務省
によれば、5月末までにおよそ6万2,600人がドイツへの亡命を申請
した。この5ヶ月間で亡命を申請した人の数は、シリアからだけで
1万人を越え、1年前より6千人増えている。2番目に多くの申請があ
ったのは、セルビアである。第3位はアフガニスタンからで、さら
にアルバニア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、エリト
リアからの申請が続いている。連邦および各州の内相は、金曜日ま
でボンで、内戦の国シリアからの難民に、どのように対処すべき
か、そしてその受け入れ計画の経費をどのようにすれば分担できる
か、協議している。さらに連邦議会は現在、大連立の法案を審議し
ている。これは西側のバルカン諸国セルビア、マケドニア、ボスニ
ア・ヘルツェゴヴィナが、安全な出身地に分類するためのものであ
る。この法律が成立すれば将来は、これらの国々に対しては、亡命
権が認められなくなる。現在すでに、保護が必要と承認されている
バルカン出身者の数は、1%未満である。




6月13日(金)

EUはウクライナに新たな支援金を与える

EUはウクライナに2億5千万オイロの財政支援を与える。同国政府は
これを、主として司法および財政の改革の財源とすることができ
る、とEU委員会はブリュッセルで説明した。この支払いは、3月に
予告された救済措置110億オイロの一部である。
この間にウクライナからは、別の戦闘が報告された。政府軍は、大
都市マリウポルの完全な支配権を奪還した、と発表した。それによ
れば、この前から攻勢を開始していた親ロシア分離独立派は、中心
部から追い出された。内務大臣アルセニ アワコフはキエフで、こ
の激しい戦闘で、少なくとも蜂起勢力の5人が死亡、数人の兵士が
負傷した、と述べた。ロシアとの国境地帯でも、政府軍が武装蜂起
勢力に対して進軍している。情報によれば、彼らは全長120キロの
この帯状地帯を支配下に置いた。国境部隊はこの地域を放棄してい
た。

     その他のニュース

イラクのイスラーム教徒はさらにバグダードに迫る

イラクでは急進派イスラーム教徒蜂起勢力が、再び前進している模
様である。報道放送局アラビアによれば、テロ組織ISISは、バグダ
ードの北東部1百キロほどのジャルラも占拠した。これより前にこ
の地域では、クルド人民兵とISISの激しい戦闘が起きていた、とイ
ンターネット上の報道サイト「スマリア ニューズ」が報じた。そ
の報道によれば、クルド人部隊は対抗する攻撃を準備しており、ク
ルド人のペシュメルガ部隊が、すでにこの地域に入っている、との
ことである。テロ組織ISISは、カーイダの分派で、今週初めには北
部の百万都市モースルを占拠し、それ以降バグダードに向けて進軍
している。米国はその間に、イスラーム教徒に対する軍事攻撃も検
討している。全ての選択肢をとる可能性がある、と大東呂オバマは
述べた。ただし大統領府は、イラクで地上軍が活動する可能性はな
い、と説明した。

ヴルフの無罪が法的に確定

元連邦大統領ヴルフは、再び裁判を受けることはない。不当利得容
疑での彼の無罪は、法的に確定した。ハノーファー検察は、控訴の
申し入れを撤回した、と述べた。ハノーファーの州裁判所は、2月
末にヴルフに無罪を言い渡していた。検察は54歳の彼が、ニーダー
ザクセン州首相時代に、友人の映画制作者グレーネヴォルトから不
当利得を得ていた、との容疑を持っていた。捜査のためヴルフは
2012年初めに、連邦大統領を辞任していた。検察は判決理由を調査
し、上告の申し入れが成果を上げる可能性がない、との結論に達し
た模様であった。ただし正式の理由はまだ発表されていない。

タイ軍部は移行政権を成立させると予告

タイでクーデタが起きてから3週間、軍司令部は初めて、権力委譲
に関する具体的な日程を発表した。将軍プラユットは、遅くとも
9月末までに、移行政権を樹立する、それまでは今後しばらくの間
効力を持つ新憲法を起草する、と述べた。さらに彼は、早ければ
1年以内に、総選挙を行なうかもしれない、と予告した。政府支持
者と反対派がかなり長期にわたって衝突した後、軍部は首相インラ
ックの政権を追い落としていた。軍は憲法を停止し、報道機関を検
閲した。その背景として、元首相タクシンの支持派と、王に忠実な
中間層の間で、10年ほども権力争いが続いていることがある。




6月14日(土)

ポロシェンコは飛行機撃墜に報復すると威嚇

ウクライナ軍機が、同国東部の分離独立派と見られるものによって
撃墜されたことを受け、大統領ペトロ ポロシェンコは、報復する
と威嚇した。彼はキエフで、この行為は「テロの利己的な行動で、
罰を受ける」と述べた。またポロシェンコは、この事件が49人の死
者を出したことで、日曜日を国を挙げての服喪の日とする、と宣言
した。このウクライナ軍機は、同国東部のルハンスクに着陸しよう
としたところ、撃墜された。同国政府は、親ロシア分離独立派がこ
れをひき起こした、としている。国防省の発表によれば、同機は部
隊増強の兵士を乗せていた。親ロシア分離独立派は、ルハンスク、
ドネツク、スラビャンスク等の都市を占拠しているが、ウクライナ
軍は数週間前から、これらに対して出撃している。

     その他のニュース

ウクライナとロシアの間のガスを巡る対立解消に向け新たな出発

ウクライナの発表によれば、ロシアは両国のガスをめぐる新たな交
渉に応ずる用意がある。両国の代表はこの土曜日に、話し合いのた
めにキエフに集まる方針である、とガスプロム社のクプリャノフは
モスクワで発表した。ただしウクライナのエネルギー相プロダン
は、ロシア側は「一時的に」新たな交渉に同意したに過ぎない、と
述べた。今までの交渉と同様、EU委員会の代表も、これに出席す
る。水曜日にはEUの仲裁でブリュッセルで話し合いがあったが、失
敗に終わった。両国政府は、ウクライナの政権交代後、ガスの供給
をめぐり、激しく対立している。その件では、ウクライナのロシア
に対する今までの代金の支払いと、今後のガス代金としてロシア政
府が要求している価格が、話し合われる。ロシア国営のガスプロム
社が先に提示したガス価格を、ウクライナ政府はあまりに高額であ
る、と拒否した。今までの負債を補填するために、ロシアが設定し
た最終期限まで、ウクライナは月曜日までの時間を猶予されてい
る。

イランはテロ組織ISISとの戦闘で援助を申し入れる

テロ組織ISISがイラクで進撃を続ける中、隣国イランはこのスンナ
派反乱勢力との戦いで、援助を申し入れた。イラン大統領ロウハニ
はテヘランで記者会見を開き、イラク政府はまだ公式に支援を要請
したわけではないが、米国がISISに対し軍事的な行動を取るのであ
れば、イランには協力を検討する用意がある、と述べた。イラン政
府は、イラク政府同様、シーア派が主導している。テロ組織ISISは
過去数日、イラクの多くの場所を管理下に置き、さらに首都バグダ
ードに進軍している。米国大統領オバマは、米公の地上部隊がこの
紛争に介入する可能性を否定した。一方イラク首相マリキは、国民
に対して、テロとは断固戦うよう呼びかけた。また彼は、近々サマ
ラの軍が志願兵の支援を受ける、とも予告した。バグダードの北
1百キロほどにある同市は、ISISの戦闘員との紛争で中心地点にな
る、とも語った。イラクの高位の聖職者たちは、国内のシーア派
に、スンナ派イスラーム教徒に対して武器を取るように呼びかけて
いた。

アフガニスタン人は新大統領を決める

厳しい治安対策が取られる中、アフガニスタンでは同国の次期大統
領を決める選挙が実施される。有力候補元外相アブドゥラが、決戦
投票に臨む。彼は4月初めの第1回投票で、最も多くの票を集めてい
た。彼の対立候補は、世界銀行の元経済学者ガニである。暫定結果
は7月2日に発表されることになっている。全国で約40万人の治安部
隊が配備され、投票所の安全を確保する。急進派イスラーム教徒タ
リバーンは、投票しないように呼びかけ、攻撃すると威嚇してい
た。東部のホースト州では、ミサイル攻撃があり、少なくとも5人
が死亡した。同国東部ではその他にも攻撃があり、2人が死亡し
た。




6月15日(日)

バグダードでは流血の攻撃

バグダードでは襲撃事件があり、警察の発表では、少なくとも9人
が死亡、23人が負傷した。同市の中心部の道路には、爆弾が仕掛け
られていた、と国防省は発表した。爆発の後、自殺攻撃犯が爆死し
た、と警察広報は述べた。現地での報道によれば、この攻撃は、ス
ンナ派寺院を狙ったものである。スンナ派のテロ組織ISISの戦闘員
がここ数日、イラク北部を占領し、首都の方向へ進んでいた。治安
部隊は当初は、ほとんど抵抗できなかった。そして土曜日には軍は
バグダード近くの3つの都市を奪還した、と発表した。ベルリンで
はドイツ外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイアーは、
イラクの隣国に対して、情勢安定化のための努力を強めるよう呼び
かけた。イラクの大地でも、地域の勢力の代理戦争が勃発すること
は回避しなければならない、と彼はベルリンで発行されている「ヴ
ェルト紙日曜版」に述べた。その際彼は、シーア派のイラク政権
が、スンナ派テロ組織ISISに対する戦闘で支援すると約束したイラ
ンの名も挙げた。ドイツが軍事的に介入する可能性は、シュタイン
マイアーは否定した。

     その他のニュース

シリア軍は戦略的に重要な都市を奪還

シリア政府軍は、戦略的に重要なトルコとの国境にあるカサブを奪
還した。国営放送によれば、この戦闘で多くの反対派が殺された。
野党に近いシリア人権監視団が、現地の職員のつながりから得た情
報に基づいて、発表したところによれば、カーイダと同盟関係にあ
るヌスラ前線の戦闘員を含め、多数の反乱勢力は、北西部のラタキ
ア州の都市であるカサブを、土曜日にすでに立ち去っていた。蜂起
勢力は、アルメニア人が住民の多数であるこの小都市を、3月に占
拠していた。地中海に接するラタキア州は、本来は大統領アサドの
支援者と、彼のアラウィ派の信徒が住む拠点である。カサブ近くの
国境通過地点は、ラタキアでは唯一の地点である。反乱勢力は、主
として負傷者をトルコに運ぶために、この町を利用していた。

パキスタン空軍は空港襲撃を計画する者たちを殺害

パキスタン空軍は、同国北西部のイスラーム教徒戦闘員の帰還地域
を爆撃したが、これはこの1週間で2度目である。アフガニスタンと
の国境に近い場所を空爆し、80人以上の蜂起勢力を殺害したが、そ
の多くはウズベキスタン人である、と軍はイスラマバードで発表し
た。その中には、カラチ空港襲撃事件の黒幕1人も含まれている、
とのことである。パキスタン政府は、ウズベキスタンのイスラーム
教徒運動に参加する戦闘員が、40人の死者を出した聖霊降臨祭の日
曜日の攻撃を引き起こした、としている。アフガニスタンとの国境
近くにある半ば自治をする部族のすむ地帯は、カーイダおよび急進
派イスラーム教徒タリバーン民兵など、他のイスラーム教徒組織の
本拠地と見られている。

当局「アフガニスタン選挙の当日死者は240人」

アフガニスタンでは決選投票の日、当初発表したよりかなり多くの
人が死亡した。同国国防省は、この日238人が襲撃を受け死亡した
が、その数は蜂起勢力の176人、民間人33人、治安部隊の18人であ
る。サマンガン州政府は、その他に民間人が11人死亡した、と発表
した。国防省の発表には、この11人は含まれていない。急進派イス
ラーム教徒タリバーン民兵は選挙の際に、襲撃や暗殺を行なう、と
予告していた。それにもかかわらず投票率は高かった。投票の暫定
結果は7月2日に発表されることになっている。選挙には、元外相ア
ブドゥラと世界銀行の元専門官ガニが立候補している。現職カルザ
イは、12年間大統領を務め、立候補することができない。




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