６月９日〜１５日のオーストリアのニュース
６月９日（月）
国外ニュース
スウェーデンでメルケルは反ユンケル派と同船
スウェーデンでの「小首脳会談」で、ドイツ首相アンゲラ メルケ
ルは、月曜日夕方から、ジャン・クロード ユンケルに反対を主張
する3人と、EUの未来について正式に話し合う。ただし先行して行
われた話し合いの主題は、EU委員会議長の人事に関する不和であっ
た可能性が高い。煎じ詰めるケルはユンケルを支持したが、英国首
相デイヴィッド キャメロンとオランダ首相マルク ルッテとは対
立している。月曜日にはスウェーデンのフレドリック ラインフェ
ルトも、彼に反対知る立場を発表した。同じ船に乗るだけではな
く、多くの話し合いの必要がある。
国内ニュース
国民党は国会の秘密をより厳密に守るする方針
国民党は国会に対する新たな規則を標榜した模様である。先週、同
党会派長ラインホルト ローパトカは、国会に「より大きな威厳」
と、欠席に対するより多くの規則と行動を起こすことに賛成した。
国民評議会第2議長カールハインツ コプフ（国民党）は、秘密法
事に関する新たな提案を行なった。それによれば、情報と書類の譲
り渡しを、5段階の秘密保持措置で、以前より厳しく規制すること
になる。それに加えてコプフの計画は、委員会からトウィッター利
用を大きく禁止することを含んでいる。コプフは午後、野党の批判
を退けた。
６月１０日（火）
国外ニュース
国連はイタリア批判「当局は難民を追い出している」
数千人の船に乗った難民が、聖霊降臨祭の週末にイタリアに押し寄
せた。今年今までに、すでに5万人以上がよりよい未来を求めてヨ
ーロッパに逃げ出している。地中海域で最初に上陸する場所である
イタリアは、この殺到には全く応えられない。国連難民高等弁務官
事務所UNHCRは、ずっと以前から、この問題でイタリアの負担を軽
くするために、EU加盟国が調整を図った上で退所するように求めて
いる。ただし同事務所は、イタリア当局を批判した。火曜日にはロ
ーマとミラノの郊外の駐車場2箇所で、政府は数百人のお金も食料
品も持たない難民を、追い出した模様である。
国内ニュース
ブレナー公文書館が創立50年
オーストリア最初の文書館であるブレナー公文書館が、今年創立
50周年を祝う。インスブルック大学の研究施設である同館は、オー
ストリアとティロールの文化史を見直している。6月13日には、
50周年を記念する会議が開かれる。雑誌「ブレナー」の編集人であ
ったルートヴィヒ フォン フィッカー（1880-1967）が1964年
に、文書をオーストリアに売却した。インスブルック大学ドイツ文
学研究所が、この文書を引き取り、存在していた資料を研究し、学
問的な分析を行なう義務を負った。
６月１１日（水）
国外ニュース
ISISがイラクで攻勢 全地域が決断を迫られる
イラクの大都市モースルと北部の州のいくつかの場所で権力を奪取
したことを受け、テロ組織「イラクとシリアのイスラーム教国家
ISIS」は、イラク国家に対して、事実上宣戦布告した。2千人の戦
闘員が大きな地域を支配しているとの事実は、イラク政府を切羽詰
まった状況に追い込んでいる。同組織はシリア内戦でも最大勢力で
あり、最も危険なジハード組織として、カーイダの後を引き継いだ
と見られる。専門家は、危険な攻勢は、この地域全体に大きな影響
を持つが、この攻勢がどの方向に進むかは全く不明である、という
点で一致している。
国内ニュース
不動産銀行特別法で4州の格付けが揺らぐ
ウィーン市、ブルゲンラント州、シュタイアーマルク州、ニーダー
エスターライヒ州は、不動産銀行特別法のため、それぞれのAA+の
評価を失う懸念がある。少なくとも米国の格付け会社スタンダード
&プアーズは、信用状態の引き下げを行なう、と威嚇し、その理由
として、制度上の条件が悪化する可能性があることを挙げている。
高等研究所所長コイシュニヒも、この特別法に基づく不動産銀行の
借金の債権者に対する措置の計画を、批判的に見ている。ただし財
務大臣ミヒャエル シュピンデレガー（国民党）は、この措置を擁
護している。
６月１２日（木）
国外ニュース
キム ジョン ウンは誤った予報について気象庁をしかりつける
数ヶ月前から北朝鮮は、干ばつに苦しんでいるが、独裁者キム ジ
ョン ウンは、責任者をすでに暴いた。厳しい口調で彼は、気象庁
を処分した。結局は過去における「多くの間違った」天気予報が出
された、とのキムの発言を北朝鮮国営放送が伝えている。キムは、
北朝鮮国民の生活を改善するために、将来的には正しい天気予報が
必要であるととがめ、専門家の仕事を「土台から」改革しなければ
ならない、と述べた。映像には、20人ほどの気象の専門家が、それ
ぞれの事務所で批判されている姿が写っている。
国内ニュース
「高額年金」の上限に関する法律が可決される
いわゆる高額年金は、間もなく憲法に基づいて制限される。国民評
議会が木曜日にこれを可決した。この問題は昨年秋に、主として特
別年金に関して、国立銀行でわき上がって、政界が一種の緊急ブレ
ーキをかけることになった。すでに年金を受給している約9,600人
の年金額が、減額される。今後は特別年金受給者は、9千オイロ強
の収入源を覚悟しなければならない。この法律には自由党、新オー
ストリア党が反対している。彼らはこの削減では全く不十分であ
る、と見ている。
６月１３日（金）
国外ニュース
米国「ロシアの戦車がウクライナ分離独立派を支援している」
米国の推測によれば、ロシアは過去数日、分離独立派支援のため
に、戦車、重軍備、およびミサイル迎撃装置を東ウクライナに送り
込んだ。「分離独立派はロシアから、重火器と軍備を調達した、と
見ている。その中にはロシアの戦車とロケット砲が含まれている」
と米国外務省公報は述べた。これより前にプーチンは、ウクライナ
が分離独立派への軍事行動を即時中止するように、改めて求めてい
た。
国内ニュース
行政改革によっては巨額の支出削減はできない
政府の「課題改革および規制緩和委員会」議長ルードルフ ティー
ネルは、巨額の支出削減への期待感を持たないように、と諫めた。
「私は大きな塊を見つけていない。多くの小さな措置を見つけ、私
たちはそれで2百万オイロ、別のもので2百万オイロの節約ができ
る」と彼はテレヴィ番組で述べた。彼は各州も「つよい改革の意
志」を持っており、改革に「共に携わる」だろう、と見ている。簡
素化できるものの例としてティーネルは、現行のEUの建築物に関す
る方に関する基準を挙げている。これは州の管轄なので、特に9つ
の州が実施しなければならないものであるが、「これは統一して、
連邦の担当にすることができる。しかしこれは巨額の資金が市場か
ら得られるような、大きな問題ではない」と述べた。
６月１４日（土）
国外ニュース
女性に対する暴力 インドは国連の批判を無視
衝撃的な性犯罪が最近連続したことで、インドは現在国連のこれに
関する非難に解答した。この解答は無愛想なものにはなり得なかっ
たはずである。インド政府によれば、インドでは女性に対する組織
的な暴力が存在するというのは、「単純」「高慢」「空中から取り
出した」非難である。犯人は権力内部にもいるなど、16の批判点が
当たらないことがわかった、とも述べている。インド警察署内での
集団による強姦の自白の文書が公表されたことすら、インド政府に
とっては障害ではないようである。
国内ニュース
虹のパレード ルーナツェクが酪酸を投げつけられる
緑の党のEU議会議員ウルリケ ルーナツェクが土曜日、ウィーンの
（同性愛者の）虹のパレードで、酪酸攻撃の犠牲者となった。ルー
ナツェクがインタヴューに答えている間に、犯人は彼女のトラック
に、悪いにおいのする液体を投げつけた。主催者によれば、これで
けがをした人はいない。ルーナツェクは市役所広場で夕方開かれた
集会で、「虹のパレードで攻撃が行われたことはなかった」が、今
日はそれとは全く異なっていた、と述べた。また彼女は、とてもひ
どいにおいがする、とこの事件を描写した。
６月１５日（日）
国外ニュース
米国とロシアはゆっくり核軍縮
米国とロシアの核軍縮は進行しているが、ただしますますゆっくり
である。ストックホルムの平和研究所SIPRIによれば、世界にある
全ての核兵器の9割以上を保有している両国は、2013年から14年に
かけて、前年と比べるとゆっくりと軍縮を行なった。さらに両国は
追加の資金を、核兵器の近代化と維持に投入する、とのことであ
る。全世界で利用できる核兵器の数は、2013年には減少したが、核
兵器は「戦略的計算で重要な要素」であるのは変わらないのは明ら
かである、と研究者は述べた。
国内ニュース
ケルンテン州の1万5千戸ほどの家屋が違法
州の推計によれば、ケルンテン州では1万5千戸の家屋が違法に建て
られた。30年以上にわたり土木監督局の異議がないまま、「疑惑の
建築物」が、ほとんどそのままで合法化された。そして建物全体あ
るいはその一部が撤去されなければならない。