6月16日〜22日のオーストリアのニュース



6月16日(月)

     国外ニュース

アルストム社をめぐる駆け引き ズィーメンスと三菱が条件提示

数週間にわたる話し合いの末、フランスの企業アルストム社に対
し、ズィーメンス社と三菱重金属が新たな条件を呈示した。ズィー
メンス社は、ガスタービン部門だけを買収する方針であるが、三菱
はアルストム社とその個々の営業分野に、直接経営参加する方針で
ある。声望の高い高速鉄道TGVの鉄道部門には、手がつけられない
ままである。米国の企業ジェネラル イレクトリックGEとの入札競
争は続いている。フランス政府はアルストム社のエネルギー部門の
買収を阻止しようとしているので、ズィーメンス社に対抗する条件
提示をするよう求めている。フランス政府はこの競争を先日まであ
おっていた。

     国内ニュース

ケルンテン州は「負債の節約」が終わることに期待できる

ケルンテン州は間もなく、連邦財務局OeBFAを通じて、再び比較的
有利に資金を手に入れられることになる。「クリール」誌の報道に
よれば、財務大臣ミヒャエル シュピンデレガー(国民党)の広報
は、月曜夕刻にこれをAPA通信に認めていた。ケルンテン州から、
負債返済計画の最後の土台を待ち、その後合意ができることに自信
がある、と彼は述べた。




6月17日(火)

     国外ニュース

モスクワ対キエフ 停戦の「可能性」について協議

東ウクライナでの激しい戦闘の最中、ロシア大統領ウラジミール 
プーチンとウクライナ大統領ペトロ ポロシェンコは、ウクライナ
東部での停戦に関する協議を開始した。火曜日夜にロシア政府は、
「ウクライナ南東部での停戦の可能性」に関して話し合いを行なっ
た。協議のはっきりした状況に関しては、何も公表されていない。
ただしその数時間前に、ウクライナの輸送管が大規模に爆発し、大
混乱を招いていた。ウクライナ政府は、ロシア政府が「破壊活動」
を行なったとした。

     国内ニュース

「混乱を招く」エルドアンの登場を前に緊迫

トルコ首相レジェップ タイップ エルドアンの訪問を2日後に控
え、オーストリアの政治家は彼のウィーン訪問に、ますます大きな
懸念を表明した。警察はすでに準備を進めており、デモ対策を勤め
ているが、各党からの誠意jかから批判的な声が上がっている。内
務大臣ヨハナ ミクル・ライトナー(国民党)は、エルドアンが繊
細な言葉を見いだせるかどうか、懸念を持っている。農業大臣アン
ドレ ルプレヒター(国民党)は、エルドアンは「混乱を招く人
物」である、と読んだ。社会民主党では、反対の声を押さえ込むた
めに、この訪問に落ち着いて対処すればするほど、よい、との声が
出ている。自由党と緑の党からは批判が出ている。




6月18日(水)

     国外ニュース

ISISとの戦い イラクは米国に空爆を要請

イラク政府は、ISISのジハード主義者との戦いで空爆を行なって支
援するように、米国に正式に求めた。イラク外務大臣ホシュヤール
 ズィーバーリは水曜日にサウジ・アラビアのジッダで、イラク政
府は両国の安全協定に基づき、「テロ組織に対する空爆」を行なう
よう要請した、と述べた。これは米国大統領バラック オバマが否
定していない選択肢である。この間に銃撃戦は、首都バグダードに
近づいている。

     国内ニュース

エーワルト シュタトラーの執行猶予付き拘留

エーワルト シュタトラーは、自由党党首ハインツ・クリスティア
ン シュトラーヒェの「国防スポーツ」の写真に関する裁判で、水
曜日に、脅迫および偽証容疑で、執行猶予つきの14ヶ月の拘留刑が
言い渡された。この判決は最終的なものではない。彼の拘留刑は、
3年間の執行猶予つきである。またもう一人の被告、彼に雇われて
いたローベルト シュテルツルにも有罪が言い渡された。彼は10ヶ
月の執行猶予つきの拘留である。検察はまだ声明を発表していな
い。シュタトラーは、控訴すると予告している。シュテルツルは、
3日間の考慮時間を要求した。




6月19日(木)

     国外ニュース

「国民の王」 フェリペは国民と王家の和解を図る

スペイン国王の世代交代。国王フェリペ6世が、スペインの新国家
元首として宣誓した。46歳の彼は木曜日、マドリードの国会での就
任演説で、「偉大な国民」に誓った。また彼は国民の近くに立ち、
「新しい時代の新しい王家」を作る、と約束した。少し傷ついた印
象がある中、フェリペはスペイン人と王家を和解させるつもりであ
り、これはおそらくは簡単な課題ではないであろう。

     国内ニュース

エルドアンがウィーンに到着「人心を掴むためにやってきた」

木曜日には数千人がウィーンのアルベルト・シュルツ会館で、トル
コ首相レジェップ タイップ エルドアンの演説を聴くために、数
時間にわたって待ち続けた。かなり遅れてようやくエルドアンは演
説を始めた。その中彼は、「人心を掌握するためにやってきた」と
述べた。この会館では歓喜の声があがり、数千のトルコ国旗が打ち
振られた。出席者に向けたエルドアンの言葉「私の唯一の目的はみ
なさんです」が、その理由であった。ただし選挙用の言葉であると
の批判が出てくるまで、時間はかからなかった。




6月20日(金)

     国外ニュース

東ウクライナ ポロシェンコは停戦を宣言

ウクライナ大統領ペトロ ポロシェンコは、攻防戦が行なわれてい
る東ウクライナに、1週間の停戦を一方的に宣言した。かなり前か
ら予告されていたこの措置は、和平計画を進めるためのものであ
る、とキエフの内務省は金曜日に発表した。停戦は「テロリストた
ちがその武器を手放す可能性」を生む、とも述べた。親ロシア勢力
は、ポロシェンコの予告を信頼していない、と発表した。

     国内ニュース

不動産銀行特別法 ムーディーズ社は11銀行の格付けを引き下げ

米国の格付け会社ムーディーズ社は、金曜日の夜に政府に対する圧
力を強めた。同社はオーストリアの11銀行の格付けを、一気に引き
下げた。その根拠として不動産銀行特別法である。この法律は、ケ
ルンテン州に債務履行義務があるにもかかわらず、アルペ・アドリ
ア不動産銀行の民間債権者に対して、金を要求できるようにするた
めのものである。これがムーディーズ社が取れる唯一の措置であ
り、州の債務履行義務全体が実質的に無価値なものになる一撃だ、
と同社は判断している。財務大臣ミヒャエル シュピンデレガー
(国民党)は、同社のこの決定を「事態に即して理解できない」と
批判した。




6月21日(土)

     国外ニュース

カリブから起爆力の強い銀行文書がコンテナで送り出される

ドイツ税関はハンブルク港で、カリブに支店を持つスイスの個人銀
行の口座の書類を押収した。2つのコンテナに詰め込まれた銀行の
書類1千箱以上が、差し押さえられた。脱税者と見られる人の情報
の他、ウサマ ビン ラーディンの家族の銀行書類も見つかった。
オーストリアの脱税者が含まれているかどうかは、今のところ発表
されていない。評価は全力で行なわれている。

     国内ニュース

国立銀行は不動産銀行法の危険を警告

格付け会社ムーディーズ社が先日、格付けを引き下げたことに対し
て、財務省と関係銀行が「驚いた」と反応したが、オーストリア国
立銀行ではこの件に遙かに少ない驚きしか示さなかった。報道によ
れば、同銀行総裁エーワルト ノウォトニーはむしろ、不動産銀行
特別立法の危険性を、極めて強く警告していた、と指摘した。この
法律では不動産銀行の倒産に債権者が参加することが指示されてい
るが、その危険性と副作用は、国立銀行の鑑定書の中でも指摘され
ている、とのことである。彼は、不動産銀行事件では、いずれにせ
よ「完全な解決」はなく、「むしろ悪を減らすことが重要」であ
る、と述べた。




6月22日(日)

     国外ニュース

兵士が動員される ISISへの懸念がヨルダンにも拡大

イラクのイスラーム教徒ISIS民兵が戦果を挙げていることを受け、
急進派による不安が隣国ヨルダンにも広がっている。ヨルダン軍
は、治安部隊を隣国との国境に移動させた、国境沿いに「数十」の
部隊の兵士が召集された、とヨルダン軍事筋は日曜日夕刻に発表し
た。ISIS戦闘員は先に、ヨルダンとの国境にあるイラクの国境監視
所を標的にしていた。イラク軍は撤退した、とのことである。さら
に急進派が選挙したラウナ市とアナ市では、21件の死刑が執行され
た。

     国内ニュース

フィッシャーはプーチンと「未解決の問題」を話し合う方針

明日に迫ったロシア大統領ウラジミール プーチンのウィーン訪問
は、早くも対立した議論をかなり生んでいる。現在のウクライナ危
機を視野に入れて、大統領ハインツ フィッシャーは、プーチンと
は「未解決の問題全てを話し合いたい」と明言した。フィッシャー
は抗議活動が予想される会談に、ロシアの立場を「直に」知ること
ができると期待している。彼にとっては、紛争は「対話と会談によ
ってのみ」解決できる、というのは当たり前である。




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