7月7日〜7月13日のドイツのニュース



7月7日(月)

ソ連元外相シュワルナゼ死去

ソ連の元外務大臣エドゥアルト シュワルナゼが死去した。後にグ
ルジア大統領も務めた彼は、長い闘病の末、86歳で死去した、と彼
のトビリシの事務所が発表した。シュワルナゼは、ドイツ統一の父
の一人とされている。彼は1990年に、ソ連大統領ミハイル ゴルバ
チョフの依頼を受けて、いわゆる2+4箇国条約に向けた会議に参加
した。この会議がドイツ再統一に向けた道を切り開いた。ソ連崩壊
後に彼は、グルジアに戻り、大統領となった。カフカズの共和国グ
ルジアの大統領として、彼は2003年に、一族を優遇する彼の汚職に
まみれた政権に対するいわゆる薔薇革命の最中、退任した。元ソ連
大統領ゴルバチョフと、ロシア大統領ウラジミール プーチンは、
シュワルナゼを、外交に重要な貢献をなした偉大な政治家であっ
た、と賞賛した。

     その他のニュース

メルケルは米国のスパイ疑惑は深刻なものと判断

中国訪問中のドイツ首相メルケルは、連邦情報局BNDの二重スパイ
とされる事件に関して、動揺していると表明した。彼女は北京での
記者会見で、この男が米国秘密情報部のために活動していたとの疑
いが確実であることがわかれば、「きわめて深刻な出来事」であ
る、と述べた。首相がこの件に公式に態度表明をするのは、これが
初めてであった。週末には外相シュタインマイアーと内相デ メズ
ィエールが、米国に解明を要求した。連邦情報局の職員は、ここ
2年で218人の文書を米国秘密情報部に送付し、代わりに2万5千オイ
ロ受け取っていた。この容疑が真実であるとはっきりすれば、協力
する両国の間の信頼が破綻する、ともメルケルは述べた。中国首相
李克強との記者会見で、メルケルは中国がドイツ企業に対して、イ
ンターネットを用いた攻撃を行なっていると非難し、ドイツは自国
とその経済を守るつもりである、と述べた。

メルケルは中国国家指導部と会談

ドイツ首相メルケルは中国に対して、外国の経済に向けてさらなる
解放を行ない、改革を進めるよう要請した。北京訪問中の彼女と、
中国首相李克強は、両国はより密接に協力する意向を表明した。そ
のために2015年には、「技術刷新」が計画されている。メルケル
は、経済成長のためには、社会の改革が必要であると警告し、その
中には、人々により大きな自由を与え、自由に意見を交換できるよ
うにすることが含まれる、と述べた。2013年から現職の李は、人権
での改革を約束したが、中国は巨大な課題に直面しており、今なお
2億人を貧困から救出しなければならない、と付け加えた。2人の首
相が臨席する中、北京ではいくつかの経済条約に署名が行なわれ
た。一つは金融の中心地フランクフルト アム マインに関するも
ので、ここは800億元までの資金を中国に送金する許可を得てい
る。これにより、元で支払いを行なう取引が、より安くより簡単に
なる。

ドイツはウクライナに停戦を迫る

ドイツはウクライナ政府に対して、軍事的な成果を挙げる中、分離
独立派と対立を、政治的に解決するのを放棄しないように、と警告
した。モンゴリア訪問中のドイツ外相シュタインマイアーは、交渉
による解決の前提として、停戦に向けた努力を続けるよう、全方面
に忠告するのがよい、と述べた。彼は、紛争を単に軍事的に解決す
ることはできない、中でも分離独立派の多数派、現在本格的にドネ
ツクに潜伏している、と警告した。週末にはウクライナ軍部は、反
乱勢力の拠点である同国東部のスラビャンスクを奪還していた。大
統領ポロシェンコは、同国の領土的統一のを守るための転換点であ
る、と述べた。以前には分離独立派は、政府軍の進軍に関して、
「ドネツク地域でゲリラ戦」を行なう、と予告していた。百万都市
スラビャンスクでは、彼らは数千人の支持者に賞賛されていた。多
くのデモ隊が、ロシア大統領プーチンによる早期の支援を要求して
いる。




7月8日(火)

ウクライナは反乱勢力との会談に条件を付ける

ウクライナ政府は、同国東部の親ロシア分離独立派に対して、攻撃
を断念するよう強く求めた。国防大臣ヴァレリー ゲレテイは、
「テロリストたち」が全ての武器を放棄するまでは、新たな停戦や
交渉は行なわない、と述べた。ウクライナ大統領ペトロ ポロシェ
ンコは、その直前に自国部隊に、蜂起勢力をその拠点ドネツクおよ
びルハンスクを包囲し、いかなる武器供給も阻止するよう、指示し
ていた。ただし都市の爆撃は予定されていない。その他にポロシェ
ンコは、ヴァジル グリザクを、分離独立派に対する軍事作戦の新
たな指揮官に指名した。一方分離独立派は、新たな攻勢をかける、
と予告した。アレクサンデル ボロダイはロシアのインターネット
サイトGazeta.ruで、包囲には備えておらず、行動する準備を進め
ている、と述べた。ボロダイは分離独立派によって、自ら宣言した
ウクライナ東部の共和国の首相に指名された。

     その他のニュース

イスラエル軍は地上軍派遣の準備を進める

急進派イスラーム教徒はマースとの戦いで、イスラエル軍はガザ帯
状地帯で地上軍による攻撃の準備をしている、と発表した。ただし
軍広報は、地上軍の活動は間近に行われることはない、軍はさらに
多くの予備役兵を召集する許可を得た、と述べた。イスラエルは月
曜日夜に、飛行機と艦船でガザ帯状地帯にある50ほどの目標地点を
攻撃した。パレスチナ側の発表によれば、その際に少なくとも10人
が死亡した。軍広報によれば、目標はガザ帯状地帯からのミサイル
攻撃を阻止し、ハマースに打撃を与えることである。イスラエル国
防相ヤーロンは、ガザ紛争が早期に終了する、と見ている。ハマー
スはイスラエルに大規模な報復をする、と威嚇した。

アフガニスタンでは自殺攻撃 少なくとも16人が死亡

アフガニスタン東部で自殺攻撃犯が、16人を道連れに爆死した。パ
ルワン州政府の発表によれば、バグラム地区の攻撃の犠牲者には、
民間人10人、NATOの兵士4人、警官2人が含まれ、子供1人を含む民
間人8人が負傷した。NATO保護部隊ISAFは、兵士4人が死亡したこと
を確認したが、その国籍に関しては、いつも通り公表しなかった。
急進派イスラーム教徒タリバーンが、この攻撃を行なったことを認
めた。アフガニスタン東部は、同国で最も危険な地域の一つで、
ISAFが数年前から活動している。年末までにNATOは全ての戦闘部隊
を、ヒンドゥクシにある同国から撤退させる方針である。

イラク国会は国会議長を選ぶ方針

イラク国会は、同国の分裂と、スンナ派ISIS民兵の攻撃が続く最
中、予定より早く、新政権を選ぶ方針である。国会議員筋の情報に
よれば、国会議員は次の日曜日に、新議長を選ぶために集まる。月
曜日には次回の国会の会議が、8月12日に延期されたばかりであっ
た。国会議長の選出が、新大統領選挙の前提条件である。大統領が
さらに、首相を指名することになっている。国会議員選挙から2ヶ
月以上経っても、3つの要職すべてかまだ決まっていない。シーア
派の首相マリキは、自らの政党が選挙で勝利したことをうけ、3期
目を勤めることを主張している。ただしスンナ派は彼を拒否してお
り、多くのシーア派と特に外国は、マリキがシーア派、スンナ派、
クルド人の統一政権の指導者にふさわしいかどうか疑問を呈してい
る。




7月9日(水)

テル アヴィヴにミサイルが撃ち込まれる

ガザ帯状地帯にイスラエルが大規模の空爆したにもかかわらず、武
装パレスチナ人によるミサイル砲撃は、弱まることなく続いてい
る。イスラエルの大都市テル アヴィヴには、数発のミサイルが撃
ち込まれた。イスラエル軍が多くのものを迎撃し、ガザ帯状地帯の
目標地点をその後も攻撃する。パレスチナ人側の発表によれば、水
曜日にはさらに14人が殺害された。報道によれば、事態が悪化し始
めてから、子供8人を含め、少なくとも36人のパレスチナ人が死亡
した。ハマースは火曜日夕刻に、ガザ帯状地帯から、エルサレムや
テル アヴィヴなどの遠く離れた都市も砲撃していた。イスラエル
で犠牲者が出た、との報告はない。

     その他のニュース

ベルリンでは新たなスパイ事件

米国のスパイと見られるものもう1人の捜査が、ドイツで行なわれ
ている。連邦検察は、ベルリンおよびその周辺地域にある容疑者の
住宅および事務室の操作を行ったことを認めた。また、秘密情報部
員の活動が行なわれた疑いが生じているが、逮捕者は出ていない、
と述べた。捜査は国防省に及んでいることを、同省自身が認めた。
それによれば、同省、国防軍、および軍防諜機関MADが捜査を受け
るかもしれない、とのことである。先週、連邦情報局の職員1人
が、CIAのために活動していたとされて逮捕されたばかりであっ
た。WDR、NDR、「南ドイツ新聞」の情報によれば、このあたらな容
疑でも、米国のためのスパイ活動が問題となっている。ドイツと米
国の政府の間の関係はすでに緊張しているが、それがさらに悪化す
る可能性がある。

スノウデンはロシアに亡命期間の延長を要請

元米国秘密情報部員スノウデンは、ロシアでの亡命を延長するよう
要請した。彼のロシアの弁護士クチェレナはロシアの通信社に、彼
のロシア滞在を延長するために必要な文書は、すでに提出された、
と述べた。スノウデンは1年以上前に情報を暴露し、米国秘密情報
部NSAの盗聴事件をひき起こしていた。彼は逃亡の途中、2013年8月
初めにモスクワの空港に1ヶ月間滞在し、その後1年間の亡命を得て
いた。スノウデンは、ドイツ連邦議会のNSA調査委員会で証言する
可能性がある、と見られている。ただし火曜日に彼は、映像による
尋問は拒否していた。

イラクでは新たな大量処刑を示す証拠

イラク警察は、バグダードの南で、縛られた53人の民間人の遺体を
発見した。イラク治安筋の発表によれば、犠牲者はヒッラ市近くで
射殺された。遺体の身元と誰にこの責任があるのかは、今のところ
不明である。テロ組織ISISの進行が6月初めに始まってから、イラ
クは大規模な暴力を行使しており、何度も民間人が犠牲になってい
る。「人権監視団」が得た情報によれば、ISISの民兵はいくつかの
大規模な処刑をひき起こしている。彼らは特にティクリート市で、
少なくとも160人を射殺した。




7月10日(木)

ドイツはCIA幹部を追放

米国秘密情報部の盗聴活動に対抗して、ドイツ連邦政府は初めて外
交的な対処を取った。ドイツ政府は、ベルリンのCIAの最高幹部に
退去を命じた。政府広報シュテフェン ザイベルトは、米国大使館
にいる秘密情報部代表に対して、ドイツを立ち去るように要求し
た。ここ数日で、ドイツ当局の職員2人が、米国秘密情報部に対す
るスパイとして活動していたことが明らかになっていた。一人は連
邦情報局BNDの係官で、この間捜査のための拘留を受けている。も
う一人は国防省の文官の職員である。治安筋の情報によれば、彼は
政治部門の各州担当官であり、安全政策の材料を処理していた。
連邦内務大臣トーマス デ メズィエールは、これまでに得た情報
では、このスパイを通じて得られた情報は、些細なものである、と
説明したが、政治的な打撃は極めて大きく重大である、と述べた。
ただでさえNSA事件で打撃を受けたドイツと米国の関係は、この新
たなスパイ事件で疲弊している。

     その他のニュース

イスラエルのガザ帯状地帯侵攻でますます多くの犠牲者

パレスチナ側の発表によれば、イスラエルのガザ帯状地帯攻撃で生
じた死者の数は、78人に増えた。火曜日に空からの攻撃が始まって
から、5百人以上が負傷した、被害者の多くは民間人である、と厚
生省はガザで発表した。武装したパレスチナ人は木曜日も、イスラ
エルの大都市テル アヴィヴに向けて、ミサイルを発射した。イス
ラエルのテレヴィ局は、5発がテル アヴィヴの周辺地域で打ち落
とされた、と伝えた。これより前にイスラエル軍は、急進派イスラ
ーム教徒ハマースおよびその他のテロ組織が持つミサイル発射装置
と指令本部を使用不能にするため、ガザ帯状地帯の320以上の目標
地点を攻撃した、と発表した。48時間のうちに、750箇所が爆撃さ
れた、とも伝えた。パレスチナ大統領アッバスは、イスラエルが
「民族虐殺」を行なっている、と非難した。イスラエル首相ネタニ
ヤフは、「ハマースと他のテロリスト」に対して、軍事活動を強化
する、と予告していた。ネタニヤフは地上軍の攻撃を行なう可能性
を残している。軍の発表によれば、すでに予備役兵2万人が召集さ
れた。

ヨーロッパ法廷はドイツ語試験を中止させる

連邦政府は、配偶者をドイツに呼び寄せることを求めるトルコ系市
民に、今後はドイツ語の試験を科すことが許されない。ルクセンブ
ルクのヨーロッパ法廷が、この判決を下した。同裁判所はドイツ語
試験の要請は、1970年にEUとトルコの間で結ばれたいわゆる停戦条
項に違反している、と判断している。この条項は居住の自由に対し
て、新たな制約を導入することを禁じている。ドイツ共和国はEU加
盟国以外の外国人が、配偶者をドイツに呼び寄せたい時に、2007年
から「簡単なドイツ語の能力」を証明するよう求めていた。これ
は、偽装結婚と強制結婚を難しくし、ドイツへの移民を容易にする
ためのものであった。具体的な事例では、アンカラのドイツ大使館
が、トルコ人女性市民が読み書きができず、簡単なドイツ語の知識
を持っていないとして、入国査証の発行を拒否したことがあった。
彼女はこれにより、ドイツで暮らす夫の所には来れなくなってい
た。

メルケルはプーチンと今一度電話会談

ウクライナ情勢の沈静化を目指す外交努力の一環として、ドイツ首
相メルケルとフランス大統領オランドは、もう一度ロシア大統領プ
ーチンと電話会談をした。パリとモスクワからの報道によれば、彼
女はロシア側からウクライナ分離独立派に対して今一度圧力をかけ
るよう求め、新たな停戦を当初の目標とした。それにもかかわらず
ウクライナ大統領ポロシェンコはキエフで、停戦が行なわれるの
は、蜂起勢力が妥協する用意ができた場合に限られる、と明言して
いた。人権団体国際アムネスティは、東ウクライナで拷問と誘拐事
件が起きた、過去3年に記者、活動家、デモ隊が殴られたりして、
拷問された、と発表した。武装分離独立派組織が多くの犯罪を犯し
た、がウクライナ政府に忠実な勢力も拷問を行なっている、とも述
べた。




7月11日(金)

シュタインマイアーは米国により配慮するように求める

連邦情報局と国防省内部で、2件の米国によるスパイ事件が暴露さ
れたことを受け、外務大臣フランク・ヴァルター シュタインマイ
アーは、米国に対してより配慮するように求めた。また彼は米国
に、関係の改善を申し入れ、誠実さが関係改善の前提条件である、
とも述べた。シュタインマイアーは協力の中止は拒否し、「米国と
の協力関係なしに、政治的な解決を図るなどの紛争解決を実現する
ことができる、と信じるのは幻想である」と彼は説明した。
スパイ事件に関する怒りから、ドイツ政府は木曜日に、はっきりと
意志を表示した。ドイツの米国秘密情報部の最高幹部は、退去する
ように求められた。シュタインマイアーはこの措置を、先日明らか
になった信頼の瓦解に対し、避けられない影響である、と述べた。
米国政府からは今のところ、スパイ疑惑にも国外追放に関しても、
実質的な態度表明はなされていない。

     その他のニュース

ウクライナ軍敗北 ポロシェンコは停戦に応じる用意

ウクライナ軍と親ロシア分離独立派が、同国東部で戦闘を繰り広げ
ているが、激しさを増している。内務省の発表によれば、少なくと
も30人の兵士と国境警備兵が、ルハンスク地域で蜂起勢力に攻撃を
受けて死亡した。同省顧問は、政府軍はミサイルで攻撃された、犠
牲者の数はさらに増える可能性がある、と述べた。軍は先週土曜日
に、反乱軍の拠点スラビャンスクを奪還した後、戦略的に重要な大
都市ドネツクとルハンスクを包囲しようとしているが、ここはまだ
反乱勢力の手にある。ウクライナ大統領ポロシェンコは、新たな停
戦に応じる用意がある、と説明した。キエフで広報は、彼は首相メ
ルケルとの電話会談の中で、分離独立派との「相互の停戦」に関す
る話し合いを受け入れる、と約束した、と述べた。しかし新たな武
器ががロシアからの国境を越えて、蜂起勢力の所に届けられること
がなくなるようにしなければならない、とも語った。

クルド人の閣僚がイラク政府との協力を停止

イラクではクルド人と、シーア派が権力を握る政府の間の対立が激
化している。クルドに人の大臣たちは協力を中止する、とクルド外
相セバリはバグダードで発表した。またクルド人ペシュメルガ部隊
が、イラク北部のキルクーク近郊の油田2箇所の支配権を引き継い
だ、アラブ人従業員は、クルド人に置き換えられた、と石油省は発
表した。木曜日には、クルド人の閣僚たちは、首相マリキの移行政
権の中で、数週間に渡る閣僚会談に参加しない、と予告していた。
今回セバリは、さらに外務省、貿易相、移民省、厚生省の一日常の
仕事を中止した。マリキはクルド人の都市エブリルが、急進派スン
ナ派ISIS戦闘員(イスラーム教国家)の拠点となった、と主張して
おり、この措置はそれに対抗する措置である、と述べた。

レバノンからイスラエルに初のミサイル テル アヴィヴも砲撃

数日にわたってパレスチナのガザ帯状地帯からミサイルが砲撃され
たが、イスラエルは今回はレバノンからも攻撃を受けている。レバ
ノンとイスラエルの発表によれば、レバノン南西部からは、2発の
ミサイルが発射された。3発目のミサイルは、技術上の問題によ
り、発射台で爆発した、とベイルートで発表された。イスラエル軍
は大砲で反撃する、と広報は発表した。ガザ帯状地帯の武装パレス
チナ人は、テル アヴィヴおよびその近郊へ向けて、ミサイルを再
び発射した。イスラエル軍によれば、3発のミサイルは、空中で迎
撃された。ガザ帯状地帯から発射されたミサイルは、イスラエルの
都市アシュドットの給油所に命中し、激しい爆発を引き起こして、
数人が負傷した。イスラエル軍は、ガザ帯状地帯の急進派イスラー
ム教徒ハマースに対する地上軍の攻撃に備えて、3つの歩兵部隊を
パレスチナ人居住地域との境界に移動させた。イスラエル空軍は、
4晩続けてガザ帯状地帯を爆撃した。米国大統領オバマは、イスラ
エル首相ネタニヤフと電話で会談し、停戦に関してパレスチナ人と
の交渉で支援をするように申し入れた、と大統領府は発表した。




7月12日(土)

米国はスパイ事件でのドイツの対応を批判

ドイツ首相アンゲラ メルケルは、ドイツにおける米国のスパイ活
動とされる事件を批判したが、スパイ活動が終わるとの期待はほと
んど持っていない。彼女はドイツ第2テレヴィのインタヴューで、
米国人にこのことを納得させるのは簡単ではないと思う、と述べ
た。
一方米国では、スパイ事件に関するドイツの対処に批判が強まって
いる。米国大統領府はドイツ政府に、この問題を公にではなく内部
で議論するよ要請した。大統領広報ジョシュ アーネストは、秘密
情報活動の分野での意見の相違は、報道機関を通じてではなく、信
頼できる情報筋を通じて、処理すべきである、と述べた。
ドイツ法務大臣ハイコ マースは、この事件を通じて、EUと米国の
間の自由貿易協定が成立しない恐れが出てきた、と見ている。この
ような協定を結ぶためには、社会の最低限の賛成が必要でるが、現
在はそれが失われている、と彼は「ケルン市報」紙に述べた。連邦
情報局と国防省での米国スパイの活動と見られる2つの事件は、ド
イツで怒りを引き起こした。

     その他のニュース

ガザ帯状地帯で再び死者発生

イスラエルとパレスチナ人の間で、軍事衝突は弱まることなく続い
ている。パレスチナの救援隊によれば、イスラエルがガザ帯状地帯
の目標地点を空爆し初めてから、少なくとも120人が死亡した。犠
牲者中には、民間人が多数含まれている。ハマースおよび他の武装
組織は、現在の紛争状態が始まってから、数百発のミサイルをイス
ラエルに向けて発射した。近東四極の特使ブレアは、政治会談のた
めにエジプトに飛んだ。近東四極に属するのは、米国の他、EU、国
連、ロシアである。これらは2002年から、近東紛争解決に努力して
いる。アラブ連盟加盟各国の外相は、月曜日に緊急会議を開き、イ
スラエルによるガザ帯状地帯攻撃を協議する方針である。

EUはウクライナ分離独立派に制裁を科す

政府軍と親ロシア分離独立派の戦闘が続いており、双方に新たな損
害が出た。ドネツク地域が激しく空爆され、公式発表によれば、分
離独立派多数が殺害された。ルハンスク近郊の国境検問所が攻撃を
受け、政府軍兵士2名が死亡した。EUは東ウクライナの分離独立派
の指導者数人に、制裁を科した。制裁を受けた人の名簿には、いわ
ゆる「ドネツク人民共和国」大統領ボロダイの名前が載っている。
またバシロフの名前も載っている。彼は、反乱勢力が「ルハンスク
人民共和国」と宣言したものの首相を名乗っている。これにより合
わせて72人のロシア人とウクライナ人が、処罰を受けたことにな
る。EUは彼らが、ウクライナの領土不可侵を破壊した、と非難して
いる。

ケリーはアフガニスタンで仲裁

アフガニスタン大統領選挙の結果を巡る対立で、米国外相ケリー
は、仲裁の任務を続けている。暫定集計結果では決選投票に勝利し
たガニ、および対立候補アブドゥラーとの最初の会談は、成果を上
げることがなかった。アブドゥラーは、対立する陣営が選挙で不正
を行った、と非難している。米国大統領オバマは、対立する両者
に、暴力を行使せず、憲法違反をしないように、と警告し、そのよ
うな事態になれば米国は支援を中止する、と述べた。アフガニスタ
ン南部での爆弾攻撃では、民間人が少なくとも8人死亡した。現地
当局の発表によれば、道路脇に爆弾が仕掛けられていた。女性4人
を含む犠牲者は、爆発が起きた時、カンダハルに向かう途中であっ
た、とのことである。国連アフガニスタン使節団の報告によれば、
今年1月から6月にかけて、同国では民間人の犠牲者が4千8百人を上
回った。




7月13日(日)

ウクライナ空軍が攻撃 死者多数

ウクライナ国防省は、空軍が親ロシア分離独立派の拠点を改めて攻
撃し、蜂起勢力多数を殺害した。同省は、さらに「テロリスト」の
技術陣も破壊した、と発表した。この戦闘では初めて、ロシア領土
で1人が殺害された。ロシア国内捜査局広報は、男性1人が、ロスト
フ地域の自宅内で被弾して、死亡した、と発表した。ロシア外務省
はウクライナ政府が、「取り返しのつかない」責任を取ることにな
ると警告し、この銃撃はロシアの貢献とロシア連邦の住民に対する
攻撃である、と述べた。またこれに関する抗議の覚え書きを、ウク
ライナに手渡した、と述べた。ウクライナ政府はこの発表を否定
し、ウクライナ軍はロシアの領土には発砲していない、と発表し
た。戦闘の中心は、相変わらず反乱軍の拠点ドネツクである。

     その他のニュース

イスラエルは初めて地上軍を投入

ガザ帯状地帯でイスラエル軍は、急進派イスラーム教徒ハマースに
対する攻撃を、短時間ながら初めて地上軍を投入した。イスラエル
の公的かつ法に基づくラジオの報道によれば、海軍精鋭部隊が夜間
に、パレスチナ人居住区の北部に上陸し、ハマースのミサイル発射
基地を攻撃した。軍公法によれば、その際兵士4人が軽傷を負っ
た。ハマースは戦闘があったことを認めている。イスラエルは火曜
日以来、ガザ帯状地帯から続くミサイル攻撃を止めるために、ハマ
ースを激しく空爆した。パレスチナ人の発表によれば、この攻撃で
今までに、少なくとも163人が死亡し、その多くは民間人である。
イスラエルは日曜日も、空爆を続行した。軍はこの地域北部の住民
に、水曜日までに住宅地域を退去するように求めた。武装パレスチ
ナ人は、イスラエルに向けて、とくにテル アヴィヴ近郊の国際空
港ベン グリオンなどに再びミサイルを発射した。イスラエルのミ
サイル迎撃網は、多くのものを打ち落とした。

イラク国会は新政権の閣僚選びに失敗

イラクでは国会は再び、新政府の閣僚選びに失敗した。国会議員た
ちは、候補者の一本化に合意できなかったので、元大統領ハフィス
は会議を木曜日まで延期した。これによって権力の空間が続き、イ
スラーム教国家のテロの民兵の進軍を手助けすることになる。これ
より前にスンナ派政党は、国会議長職の候補者で合意したので、閣
僚を選ぶ会議が成功する可能性が生まれていた。イラクでは国会議
長にはスンナ派、首相にはシーア派、大統領にはクルド人が就任し
なければならない。この法律によれば、国会議員たちはまず、国会
議長を決め、その後大統領と首相を選ばなければならない。一方蜂
起勢力のジハード主義者は、今後も首都バグダードに迫っている。
現地当局の発表によれば、スンナ派テロ民兵組織「イスラーム国家
IS」の戦闘員は、バグダードの北80キロに位置するジュルイジャの
大部分を制圧した。警察と住民は、蜂起勢力が6月に起こしたジュ
ルイジャの攻撃は、撃退していた。

アフガニスタン大統領選挙の投票用紙を全て再点検

アフガニスタン大統領選挙の結果を巡る対立で、アブドゥラとガニ
の両候補は、全ての票の集計し直しに合意した。カブールで2日間
にわたって両者を仲裁した米国外相ケリーが、これを発表した。投
じられた8百万票全てが、国際的基準に極めて近い形で、検証され
る、とのことである。集計のやり直しは24時間以内に始まり、数週
間が必要である。本来であれば8月2日に予定されていた新大統領の
就任式は、延期される、ともケリーはのべた。決選投票では、元財
相ガニが投票の56.4%を集め、勝者となっていた。第1回投票では元
外相アブドゥラはわずか3.5%しか得ていなかった。アブドゥラは、
ガニと選挙委員会が投票を操作し他、と非難し、結果を承認してい
ない。この合意で、アフガニスタンの歴史上初めての民主的な政権
交代が失敗するのではないか、との恐れが生まれていたが、当面そ
れは回避された。




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