7月28日〜8月3日のオーストリアのニュース



7月28日(月)

     国外ニュース

ガザ戦争 米国の新たな権力失墜

ガザ帯状地帯での急進派イスラーム教徒ハマースとイスラエルの戦
争は、1千人以上の命を犠牲にした。それにもかかわらず、終わり
は見えていない。両者は流血の衝突が始まってから3週間経って
も、戦闘をやめる用意ができていない。この後も作戦行動が取られ
る可能性が高いようで、両者ともに現在勝利をした、とは感じてい
ない。異例なのは、両者のいずれも今のところ、はっぴょを中止せ
よとの諸外国からの圧力に屈していない点である。これはおそら
く、米国の権力が失われていることを中心に、外交的な力関係が、
劇的に変化しているのと関わりがある。

     国内ニュース

移民に関する報告書「EU市民が新たな難問」

昨年の移民に関する報告書が、異文化対話と健康政策に関する問題
を取り上げたが、今年の報告書は教育と労働市場の他、EUからの移
民を主題としている。EU内部からの移民はここ数年大きく増加して
おり、EUは移民促進に対処していない、とこの報告書は述べてい
る。EUが用意した手段は、とくに第三国からの移民に有利になるよ
うなっている、と社会への溶け込みを扱う大臣セバスティアン ク
ルツ(国民党)は、昨日の報告書発表の際に批判した。




7月29日(火)

     国外ニュース

EUはロシア制裁を強化することを全会一致で決める

ウクライナ危機が続いているため、EUは火曜日に対ロシア新制裁に
合意した。この決定は、当初は大使によるもの「だけ」でよいが、
加盟28箇国すべての賛成が必要であった。武器取引は凍結され、国
家か多くの株式を持つロシアの銀行は、今後はEU内部では株式に投
資できない。当面この制裁措置は1年で、水曜日には各国首脳が声
明を発表する方針である。米国もすでに、制裁を強化している。専
門家は、ウクライナ紛争で役割を果たすことで、ロシア政府は自分
で自分の首を絞めており、制裁はロシア経済に天文学的な損失をひ
き起こす可能性がある、ということで、意見は比較的一致してい
る。

     国内ニュース

難民の割合をめぐり新たなやりとり

難民収容施設トライスキルヒェンでは、受け入れを停止している。
ニーダーエスターライヒ州首相エルウィン プレル(国民党)はこ
れを「正当防衛の行動」である、としている。これに対する反応は
様々である。連邦首相ウェルナー ファイマン(社会民主党)は、
ぐずぐずしている各州に要請を行なった、と見ている。自由党党首
ハインツ・クリスティアン シュトラーヒェは、「全面的に理解し
ている」と表明した。内務大臣ヨハナ ミクル・ライトナー(国民
党)は、空っぽの兵舎を緊急本部として利用し、(慈善団体)カリ
タスとディアコニーに、そのようなものを利用するように申し入れ
る方針である。ただしカリタスは、「人間の尊厳に関する夏の芝
居」であるとして、これを拒絶している。兵舎も閉鎖されたままで
あり、難民受入数をめぐり新たなやりとりが始まる。




7月30日(水)

     国外ニュース

EU「プーチンの腹心が制裁名簿に載った」

EUは、ロシア大統領ウラジミール プーチンの腹心3人に対し、新
たに入国禁止および口座封鎖を科した。この3人はプーチンの柔道
の元練習相手1人と、ロシア政府に近い銀行「ロシヤ」の合同所有
者2人で、水曜日夕方にEUの官報で発表された制裁名簿に載ってい
る。木曜日にEU加盟28箇国の政府が公式に、経済制裁を可決する前
に、G7各国は差ならル制裁が続く可能性がある、と威嚇していた。
ロシア政府はどれに対しても、平静な態度を取っている。

     国内ニュース

亡命者受け入れ本部 エーベルスベルク兵舎をめぐり対立

大臣ヨハナ ミクル・ライトナーは、民間の宿泊施設、内務省の仮
宿泊所、兵舎を一時的に利用して、亡命希望者の宿泊所不足を克服
する方針である。彼女はこれを水曜日に発表した。国防大臣ゲーラ
ルト クルークは、当初は兵舎を一汁宿泊所にすることに反対して
いたが、条件を付けてこれを受け入れる用意がある、と表明した。
しかしリンツにあるエーベルスベルク兵舎には、クルークの計画に
よれば、1百人の亡命希望者が滞在できるが、ここに関しては意見
が一致していない。同市はこれに強く反対している。




7月31日(木)

     国外ニュース

ウクライナでは専門家がMH17便墜落現場で捜査

数日にわたって努力を続けたものの、成果を上げることはなかった
が、木曜日にようやく諸外国の専門家が、マレーシア旅客機MH17便
が墜落した東ウクライナの現地に到着した。彼らは大きく迂回し
て、ウクライナが支配する地域を通って移動した。この間に、ロシ
ア、ウクライナ、ヨーロッパ安全協力機構の代表とミンスクで会談
し、捜査陣のためにMH17便の所に行くための「安全な通路」を作る
ことで合意していた。それにもかかわらず、墜落現場近くでは、新
たな戦闘が起きた。

     国内ニュース

国を否定する組織 OPPTの危険性の判定は簡単ではない

共和国は今週になってから何もない状態から、謎の組織「一つの民
族の公益信託OPPT」に関わらざるを得なくなっている。この組織の
指導者は、クレムスで捜査のために拘留されている。世界的な組織
網を持つと自称するこの「信託」は、分派と見なされるのを嫌がっ
ており、国家を存在しないと見なし、その分だけ自分たちが高権を
行使し、空想の身分証明書を持つ「保安官」による危険な威嚇をす
るに至っている。OPPTに起因する危険性がどれぐらいか「見積もる
のは容易ではない」と検察側は見ている。危険かそうでないかであ
るが、この組織はいずれにせよ、無害であることはない。その構成
員は、自分たちが何をしているのか、はっきりとわきまえている。




8月1日(金)

     国外ニュース

兵士が誘拐される ガザ紛争は激しさを増す

イスラエル兵士1人が武装パレスチナ人に誘拐されて、ガザ紛争は
激しさを増す恐れがある。イスラエルは、急進派イスラーム教徒ハ
マースが、すでに合意した3日間の停戦を破ったと非難し、金曜日
にはガザ帯状地帯を爆撃して反撃した。救助隊の発表によれば、こ
の攻撃で60人を越えるパレスチナ人が死亡した。国連事務総長パン
 ギムンは、「事態の進展に衝撃を受け、深く失望」した、と表明
した。米国大統領バラック オバマは、無条件の兵士釈放を求め
た。

     国内ニュース

フォアアルルベルク州議会選挙には9政党が名乗りを上げる

9月21日のフォアアルルベルク州議会選挙に向けて、9つの政党が公
認候補者名簿を発表した。公認候補者名簿提出期限が切れる金曜日
に、州選挙当局がこれを発表した。同州の有権者の数は26万7千人
ほどである。次の政党が候補者を立てる。
州首相マルクス ワルナーのフォアアルルベルク州国民党、フォア
アルルベルク州自由党、緑の党、ミヒャエル リッチュのフォアア
ルルベルク州社会民主党、新オーストリア党フォアアルルベルク、
海賊党、公正な共存を目指す男性党、我々・家族のための土台、オ
ーストリアキリスト教党。




8月2日(土)

     国外ニュース

ネタニヤフ「ガザ攻勢は継続する」

イスラエルがガザ帯状地帯に軍事侵攻を開始してから3週間半、こ
の紛争の外交的解決は遙か彼方に押しやられた。イスラエル首相ベ
ンヤミン ネタニヤフは、土曜日夕刻、パレスチナ人居住地域での
作戦活動を継続する、と予告した。「軍は課題をやり遂げるまで作
戦を続ける。」それによれば主要目標の一つである、急進派イスラ
ーム教徒ハマースの攻撃用トンネルの全滅は、間もなく完了すると
見られる。ハマースも戦闘を続ける、と予告した。

     国内ニュース

バルバラ プラマー死去が大きな悲しみをもたらす

国民評議会議長バルバラ プラマーの市は、土曜日、政党の枠を越
えて、深い驚きをひき起こした。彼女はがんの影響で、家族に看取
られながら、土曜日午後61歳で亡くなった。連邦大統領フィッシャ
ーは、彼女は「我々の国の公的人物の中で、偉大な女性の一人であ
った」と述べた。各政党、連邦各州、各組織の代表多数が、勇敢な
社会民主党の政治家である彼女の業績を賞賛した。




8月3日(日)

     国外ニュース

イスラエルは部隊をガザ帯状地帯から撤退

ガザ帯状地帯では、イスラエル地上軍の攻勢は、おそらく終了す
る。イスラエルは日曜日に、パレスチナ人居住区からの部隊撤退を
開始したが、「迅速主導部隊」はガザ帯状地帯に残る、と軍は発表
した。また空からの攻撃は続行する。一方エジプトとの国境にある
ラファでは再び、国連の学校が砲撃を受け、10人が死亡した、とパ
レスチナ側は発表した。国連事務総長パン ギムンは、戦闘を終え
るように求め、「この狂気の事態を止めなければならない」と述べ
た。

     国内ニュース

オーストリアは半旗を掲げてプラマーを追悼

国民評議会議長バルバラ プラマー(社会民主党)が逝去したとの
知らせは、週末のオーストリアを震撼させた。政党の枠を越えて、
同じ道を歩んだ人々が、彼女の仕事と活動を賞賛した。国民の間で
も驚きは大きい。プラマーの最後の活動場所である国会では、一般
の人も別れを告げる機会がある。故人は柱廊広間に安置されてい
る。日曜日には公共の建物では、半旗が掲げられた。




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