8月18日〜24日のドイツのニュース



8月18日(月)

ウクライナ東部で難民の輸送車が攻撃を受ける 死者多数

ウクライナ東部では、難民の輸送車団がミサイルによる攻撃を受
け、女性と子供を含め、多くの民間人が死亡した、と政府は発表し
た。ウクライナ軍広報アンドレイ リセンコは、ルハンスク近く
で、避難中の人々が、放棄勢力が発射したロシア製の榴弾およびミ
サイルの攻撃を受けた、と発表した。自称ドネツク共和国首相アン
ドレイ プルジンは、この非難を退け、蜂起勢力はそのような大き
な武器を保有していない、と説明した。反乱勢力他の報道では、兵
士と分離独立派は、避難の経路沿いに大きな大砲で射撃を行なって
いる。
東ウクライナの大都市ルハンスクは、数週間前から親ロシア分離独
立派に支配されている。政府軍はルハンスクへの補給路を絶った。
戦闘が続いているため、すでに数万人の住民がこの地域から逃げ出
した。ウクライナ政府は、ロシアが蜂起勢力に武器とミサイル発射
装置を提供している、と非難している。

     その他のニュース

ラヴロフはウクライナ対話を再び行なうよう求める

ロシア外相ラヴロフは、ベルリンでのウクライナ紛争に関する緊急
会談の後、早期に再び話し合いを行なうように訴えた。彼は、交渉
で停戦に関して何の合意も得られなかったのは残念だ、と述べた。
彼によれば、ロシア領土内で東ウクライナ支援物資の輸送団が足止
めを食い続けていることに関して、まだ決着がついていなかった問
題には、合意が得られた、とのことである。これより前にドイツ外
相シュタインマイアーは、ロシア、ウクライナ、フランスの各国外
相と、5時間にわたり協議をおこない、様々な点で全身が見られ
た、と述べたが、具体的な内容は発表しなかった。話し合いでは、
停戦と支援物資輸送団の問題の他、ロシアとの国境地帯でのウクラ
イナの監視の再開、および長期的な平和に関する交渉が取り上げら
れる。

連邦情報局盗聴事件 トルコ政府はドイツ大使と話し合い

連邦情報局BNDによるトルコでのスパイ活動が報じられたことを受
け、トルコ政府はドイツ大使に話し合いを求めた。外務省公報シェ
ーファーはベルリンで、駐アンカラ大使ポールはトルコ外務省の代
表と話し合った、この会談は友好的な雰囲気で行なわれた、と述べ
た。シェーファーは、「呼び出されたわけではない」と強調した。
トルコ外務省は、ドイツ政府は両国の協力関係を危険にさらし手い
る、と非難し、友人と同盟国の間では、そのような行動は受け入れ
られない、盗聴は直ちに中止しなければならない、と述べた。エネ
ルギー相イルディスは、「我々は盗聴行為を許すことはない」と述
べた。報道雑誌「シュピーゲル」、「南ドイツ新聞」、放送局NDR
とWDRによれば、ドイツの外国秘密情報部は、NATO加盟各国の監視
を、遅くとも2009年から続けている。

アサンジはエクアドル大使館を間もなく去る意向

インターネット上の暴露サイト「ウィキリークス」の創設者アサン
ジは、ロンドンのエクアドル大使館にこれ以上留まるつもりはな
い。43歳の彼は大使館内での記者会見で、間もなく同大使館を退去
するつもりだ、と述べた。オーストラリア人の彼は、2012年6月か
らここに滞在している。アサンジは、スウェーデン司法による引き
渡し申請に対して、あらゆる法的手段を講じた後、ここに逃げ込ん
でいた。スウェーデンは彼を、性的暴行と虐待容疑の2件で、彼を
尋問する方針である。アサンジはこの容疑は政治的な動機に基づく
もので、スウェーデンから米国に引き渡され、そこで秘密漏洩容疑
での裁判が行われる可能性がある、との懸念を表明している。ウィ
キリークスは、イラクおよびアフガニスタンでの戦争に関する機密
書類を公表し、数万の米国の外交上急送公文書を公にし、米国政府
の怒りを買っていた。報道によればアサンジは、健康情報問題を抱
えている。記者会見に同席したエクアドル外相パルティーニョは、
政治的な解決を見いだすよう呼びかけた。「この状況を終わらせな
ければならない」と述べ、アサンジは今後もら南米の同国の支援を
受ける、と約束した。




8月19日(火)

ガザの停戦は破られる

停戦が破られたため、ガザ紛争は再び激化する危険性がある。イス
ラエルは、ガザ帯状地帯からのミサイル攻撃を受けた後、交渉の代
表団をカイロから引き上げた。これより前にガザ帯状地帯からのミ
サイル3発が、砂漠の町ベールシェバ近郊に着弾した、とイスラエ
ル軍広報は発表した。イスラエル軍はこれに対して、ガザ帯状地帯
の「テロ組織の標的」を攻撃した。ガザ戦争開始から6週間、カイ
ロでは本来なら、イスラエルとガザ帯状地帯を支配するハマースの
間で、安定的な停戦について交渉が行なわれるはずであった。すで
に破られた停戦は、火曜日23時(中央ヨーロッパ時間)までの期限
であった。

     その他のニュース

ロシア大統領プーチンはウクライナ大統領ポロシェンコと会談

ウクライナ危機解決に向け、努力が続けられる中、ロシア大統領プ
ーチンは来週、ウクライナ大統領ポロシェンコと会談する。土曜日
にはすでにドイツ首相メルケルは、キエフに向かう。プーチンとポ
ロシェンコは、8月26日にベラルーシの首都ミンスクで、ユーラシ
ア通貨同盟の首脳会談に出席する、とロシア大統領府は発表した。
ウクライナ大統領府は、この日程を確認した。もしこれが実現すれ
ば、両大統領が会うのは6月上旬以来となる。メルケルのキエフ訪
問に関しては、ポロシェンコと首相ヤゼニュクと、ウクライナとロ
シアの関係の現状が話し合われる、と政府広報ザイベルトがベルリ
ンで述べた。それ以外には、「現在危機にあるウクライナを支援す
る具体的な可能性」が、議題になる。

米国の小都市ファーガソンでの暴動は激しさを増す

黒人の少年が白人の警官によって射殺されてから1週間ほど経った
が、米国の小都市ファーガソンでの抗議活動はますます暴力的にな
っている。党挙極の発表によれば、警察は夜間、「激しい銃撃」に
さらされており、2人がデモ隊に銃撃された。4人の警官が党籍で負
傷を負った。逮捕者は31人に上った。警察は催涙ガスと発光榴弾を
使用した。この事件は、警官がセント ルイス郊外で、黒人の18歳
の少年を射殺したものである。それ以来ほぼ毎日、衝突が起きてい
る。ドイツ記者同盟は、ファーガソンの記者に対する警察の「不当
な干渉」を批判し、この暴動は、報道しなければならない大きな関
心を集める主題である、と述べた。ドイツの通信員2人が月曜日
に、3時間にわたり拘留された。ドイツの大衆紙「ビルト」は、同
紙の記者ヘルムスマイアーがファーガソンで逮捕され、刑務所に送
られた、と報じている。

国連は北イラクの50万人に緊急支援を開始

国連はイラク北部の50万人に対する支援活動を準備している。戦闘
地域の困難な情勢のため、今までで最大の支援活動を開始するのは
水曜日になる、と国連難民支援組織UNHCRはジュネーヴで発表し
た。この支援は、非難を強いられた50万人近くの人を支援するもの
で、当面は4日間の空輸のために、大型ジェット機を、ヨルダンの
アカバからエルビルに飛ばすことになっている。その後続けて、ト
ラックの輸送車団がトルコとヨルダンから入ることになっている。
ドバイからはさらなる支援物資が、海路および陸路で輸送されるこ
とになっている。この計画では、約3千張りのテント、20万の防水
シート、18万5千組の調理器具、1万6千の小型タンクが輸送され
る。ジハード主義者組織「イスラーム教国家IS」は、6月9日に進軍
を開始した。イラク軍が当初、ほとんど反撃しなかったため、北イ
ラクはISの戦闘員に、一気に制圧された。




8月20日(水)

ドイツはイラクへの武器提供を準備

ドイツ政府は、長い間躊躇したものの、テロ民兵「イスラーム教国
IS」との戦いに備えて、イラクに武器を提供することを検討してい
る。国防大臣ウルズラ フォン デア ライエンは、外務大臣フラ
ンク・ヴァルター シュタインマイアーと共に臨んだベルリンでの
記者会見で、ドイツはイラク北部のクルド人戦闘員に武器と弾薬を
提供する用意がある、と述べた。シュタインマイアーは、武器支援
に当たっては、ドイツはヨーロッパおよびそれ以外の協力国と、密
接に意見を調整するつもりである、また午前中に首相アンゲラ メ
ルケルと会談した際に、武器支援が決定された、と述べた。フォン
 デア ライエンによれば、内閣は来週中にも、どの武器の提供が
可能かを検討し、その後来週水曜日には、決定を下すことになる。
今までドイツは、難民に対する人道支援の他は、ヘルメットや防弾
チョッキなど、いわゆる「殺人用ではない武装」の提供だけを約束
していた。

     その他のニュース

英国政府は斬首の映像は本物と判断

英国外相ハモンドは、テロ民兵「イスラーム教国IS」が公表した米
国の写真家フォーリーの斬首の映像は、本物であると判断した。彼
はロンドンで、全ての特徴が「本物」であるとの印象を与える、と
述べた。英国秘密情報部は現在、英国なまりで話していたとされる
犯人の身元を追及している。そのため首相キャメロンは、休暇を打
ち切り、ロンドンに戻った。フォーリーの家族も、インターネット
上で彼の死を確認した。ISのテロリストは、この殺害は米国のイラ
ク空爆に対する報復であり、もう1人米国人報道関係者を拘束して
いる、と発表した。もしそうだとすれば、2013年8月にシリアで行
方不明になったソトロフである、と見られる。米国政府が空爆を中
止しなければ、さらに報道関係者が死ぬことになる、ともISの映像
は述べている。

ガザ戦争が再燃

カイロでの停戦交渉が失敗に終わったことを受け、ガザ戦争は再び
全面的に燃え上がった。武装パレスチナ人は、70発ほどのミサイル
をイスラエルに撃ち込んだ。イスラエル軍は、ガザ帯状地帯の標的
60箇所を攻撃した。さらにイスラエルは、ガザ帯状地帯を支配する
ハマースの軍事指揮官を殺害しようとした、と認めた。急進派イス
ラーム教徒のパレスチナ人組織であるハマースによれば、火曜日夕
方のガザ空爆で、デイフの妻と息子が死亡した。イスラエルでの報
道によれば、もう1人の死者の身元はまだ不明である。デイフはガ
ザでは、最重要の黒幕の1人と目されており、すでにイスラエルが
数回にわたって暗殺を試みたが、生き延びていた。イスラエルはデ
ィル エル バラッハ市の建物を攻撃し、パレスチナ側の発表によ
れば、ある家族の8人が死亡した。

当局「東ウクライナの戦闘で民間人34人が死亡」

当局の発表によれば、ウクライナ東部のドネツク地区での戦闘で、
ここ24時間以内に、少なくとも34人の民間人が死亡、30人近くが負
傷した。親ロシア分離独立派の拠点であるドネツクは、同市議会の
発表によれば、常時砲撃にさらされている。大都市ルハンスクで
も、戦闘は続いている。ウクライナ軍は、鉄道交通の拠点イロワイ
スクを勢力下に置いた、その際に兵士9人が死亡した、と国民軍は
発表した。国連の発表を確認したところ、ウクライナ紛争が始まっ
てから、2,100人以上が死亡、28万5千人以上が避難している。




8月21日(木)

ハマースは3人の重要指揮官の殺害に復讐を誓う

イスラエルがハマースの重要指揮官を殺害したことを受け、急進派
イスラーム教徒組織ハマースは、報復すると予告した。またハマー
スは自分の陣営の中で、協力者をさがしている。ハマースの軍事部
門であるカッサム旅団は、ガザ帯状地帯で、イスラエルに協力した
3人を処刑した、と発表した。夜間イスラエル空軍は、ハマースの
幹部数人がいるラファの住宅を爆撃した。彼らのうち3人はこの攻
撃で死亡した。イスラエルの情報によれば、その1人は2006年に兵
士シャリットの誘拐をひき起こした人物である。パレスチナ側の情
報によれば、木曜日には、ガザ帯状地帯で少なくとも22人がイスラ
エルの空爆で死亡した。火曜日の停戦終了から後、武装パレスチナ
人は、250発ほどのミサイルをイスラエルに向けて発射した、とイ
スラエルは発表した。

     その他のニュース

米国の人質解放は失敗に終わる

米国は、自国の人質解放のために作戦行動を取ったが、失敗に終わ
ったことを認めた。この夏に実行された秘密特別奇襲隊の行動は、
その後殺害された米国人記者フォーリーを救い出すためのものであ
った。国防省は、ジハード主義者組織「イスラーム教国IS」に対し
て、シリア北部で地上と空から攻撃したが、人質は予想していた場
所にはいなかった、と発表した。「イスラーム教国」が、さらに米
国人を殺害したにもかかわらず、米国部隊はイラクのテロ民兵の拠
点と見られる場所を、改めて空から攻撃した。米国大統領オバマ
は、諸外国に対して、ジハード主義者のテロ行為という「癌」と戦
うよう呼びかけた。ジハード主義者の発表によれば、北イラクのIS
の拠点を、米国が空爆したことに対する報復として、2012年に誘拐
されたフォーリーを殺害した。

NSU調査委員会は捜査の「大失敗」を叱責

テューリンゲンの「国家社会主義地下組織NSU」調査委員会は、治
安当局と検察が、重大な失敗をした、と非難している。NSUテロ分
子の捜査は、「大失敗」である、と公式の最終報告書には記されて
いる。それには、重要な情報は得られず、痕跡は追跡されなかっ
た、誤った決定の大きさから見ると、「意図的な破壊工作の疑い」
があったと推測される、と書かれている。調査委員会の見解では、
治安当局は少なくとも間接的に、急進右派組織がテューリンゲンで
組織を作るのを容易にしていた。報告書は令として、急進右派の情
報提供者ブラントとの接触を挙げている。この男は捜査開始前に、
おそらく警告を受けていた。テロ組織「国家社会主義地下組織」
は、今までに得られた情報によれば、全国で10人を殺害した。NSU
に属していたツシェーペは現在、ミュンヒェン上級州裁判所で裁判
を受けている。

ロシア支援物資輸送車団はウクライナに入る

支援物資を載せた輸送車団は、ほぼ1週間前からロシアとウクライ
ナの国境で立ち往生していたが、動き始めた。第一陣は国境のドネ
ツクを通過した、とロイター通信は報じている。ウクライナ政府は
当初、この輸送車団の立ち入りを阻止していた。彼らは、ロシアが
この輸送車団を、介入の隠れ蓑に利用する可能性がある、と懸念し
ていた。支援物資を載せた輸送車団は、国際赤十字の監視の下で、
東ウクライナの紛争地域に入っていくことになっている。現地で
は、政府軍と反乱勢力の戦闘が続いている。軍は、ドネツクにある
分離独立派の拠点を砲撃した。隣の大都市ルハンスクからも、新た
な戦闘が起きた、との報告があった。




8月22日(金)

ウクライナはロシアの支援物資輸送団の国境通過を侵略と判断

インターファクス通信によれば、ロシアの支援物資輸送団のトラッ
ク第一陣が、ウクライナの都市ルハンスク入りした。ロシア政府
は、数日前から国境のところで足止めを食っていた、東ウクライナ
の戦闘地域にいる住民向けの支援物資輸送団を、ウクライナ領土に
昨日送り込んだ。ウクライナ治安評議会広報アンドレイ リセンコ
は、キエフでの記者会見で、90台のトラックはウクライナ当局の許
可なしに、合意された赤十字の同行ぬきで、同国内で移動してい
る、と述べた。国内秘密情報部SBU部長ヴァレンティン ナリワイ
チェンコは、ロシア政府が直接的な侵略を行なった、と非難した。
280台のトラックからなる輸送団のうち数十台は、これより前にド
ネツク近郊で、国境を越えていた。ロシア外務省は、支援物資輸送
を送らせる口実は全て取り除かれ、現在行動中である、と発表し
た。ロシアの発表によれば、このトラックは、水、赤ん坊の食事、
その他の人道物資を載せている。ルハンスク近郊では、分離独立派
が軍のヘリコプターを撃墜した。

     その他のニュース

国連「シリアでは19万1千人以上が死亡」

国連の発表によれば、シリア内戦で、19万1千人以上が死亡した。
国連人権委員ピライはスイスのジュネーヴで、この数字を発表し
た。また彼女は、大統領アサドに対する抗議がきっかけとなって、
2011年3月中旬から続いているこの紛争への対処に、「諸外国が麻
痺」している、と訴えた。米国は、スンナ派ジハード組織「イスラ
ーム教国IS」を、シリアでも標的として攻撃することを検討してい
る。米国国防相ヘイゲルは、このテロリストたちは、今まで知られ
ていた組織よりも、よい装備を持ち、訓練を受け、資金を持ってい
る、と指摘した。参謀本部長デンプシーは、ISの民兵たちが北イラ
クとシリアに広く展開し、彼らのいわゆるカリフ国を長期的に維持
するのであれば、地中海頭部全体が変容し、多様な脅威が生まれる
ことのになる、と警告した。

イラクのスンナ派モスクが攻撃を受ける 犠牲者多数

治安部隊の発表によれば、イラクではスンナ派のモスクが攻撃を受
け、少なくとも73人が死亡、25人ほどが負傷した。目撃者の話によ
れば、シーア派民兵の一団が、この寺院に押し寄せ、発砲した。こ
の攻撃が起きたのは、同国東部のディジャラ州で、ここでは、イラ
ンが要請したシーア派民兵が活動している。

ハマースは18人のパレスチナ人を処刑

ガザ帯状地帯を支配する急進派イスラーム教徒ハマースは、イスラ
エルに協力したと非難して、パレスチナ人18人を処刑した。目撃者
によれば、パレスチナ人7人は、金曜日の祈祷の後に、あるモスク
の前で、エセディン・アル・カッサム旅団の者たちに射殺された。
この旅団は、この組織の武装部門である。ハマースに近い報道サイ
ト「マジド」の情報によれば、その他に11人の協力者が、ガザ市警
察本部で処刑された。ハマースの重要指揮官3人が、イスラエルの
空爆で木曜日に死亡したことを受けて、この処刑は実施された。




8月23日(土)

メルケルはウクライナに保証を約束する

ドイツ首相アンゲラ メルケルは、訪問先のキエフで、ウクライナ
の危機を終わらせるために、「両方向から停戦」するように求め
た。ウクライナ大統領ペトロ ポロシェンコとの会談後に彼女は、
「ウクライナの領土上の一体性と繁栄が、ドイツの政策の本質的な
目標である」と述べた。また彼女は、ドイツが、エネルギーと水の
供給に5億オイロ、難民の支援に2千5百万オイロの信用供与を行な
う、と予告した。夕方にベルリンに戻る前にメルケルは、首相アル
セニ ヤゼニュクおよび、ウクライナの数都市の市長と会談する意
向である。彼女の短期間の訪問は、昨年末に危機が始まってから、
初めてのウクライナ訪問である。

     その他のニュース

支援物資輸送車団はロシアに戻る

問題のロシアの支援物資を載せた輸送車団は、東ウクライナを離れ
た。ヨーロッパ安全協力機構によれば、この遮断の全てのトラック
はロシアに戻った。ロシア外務省は、支援物資は目標地点で積み卸
しされた、と説明した。ロシアは約280台からなる輸送車団を、ウ
クライナ政府の許可を得ないまま、金曜日に国境を越えて送り込ん
でいた。このため、ウクライナ、EU、国連、米国では、激しい規範
が起きた。ウクライナ政府は、ロシアがこの輸送車団を利用して、
東ウクライナの親ロシア反乱勢力に武器を供給するのではないか、
と恐れていた。ロシアの発表によれば、このトラックは支援物資
を、攻防戦が続くルハンスクに閉じ込められた人々に運んだ。

ハマースは国際刑事裁判所に加入する方針

ハマース指導部は、デン ハーグの国際刑事裁判所IStGHに加入す
ることに賛成した。急進派パレスチナ人組織であるハマースの副首
領マルスクが、これを発表した。同様に急進派パレスチナ人組織
「イスラーム教ジハード」も、刑事裁判所の裁判管轄権に署名する
ことを検討している模様である。パレスチナ大統領アッバスは、全
てのパレスチナ人の派閥が、加入に同意することを求めているが、
この組織が賛成すれば、その要請が満たされることになる。やや穏
健なファタハに属するアッバスは、その後に、同裁判所への加盟に
関する条約に署名する可能性がある。同裁判所パレスチナ人が加入
すれば、戦争犯罪容疑でイスラエルを同裁判所に訴えることが可能
になる。ただし同裁判所は、ハマースの犯罪も追及できるようにな
る。今までは、イスラエルもパレスチナ人も、この刑事裁判所には
加入していない。イスラエルは加入の規約には署名したが、今まで
批准はしていない。

イラク秘密情報部本部が自殺攻撃を受ける

土曜日にイラク秘密情報部本部が自殺攻撃を受け、少なくとも2人
が死亡した。治安当局の代表によれば、バグダード中心部で、自動
車爆弾によるこの攻撃では、その他に8人の負傷者が出た。今のと
ころ、犯行を認めた者はいない。イラク国会議長ジャブリは、金曜
日にスンナ派のモスクが攻撃を受けた事件を、調査委員会に解明さ
せる、と述べた。通信社スマリア ニューズは、スンナ派の政治家
である彼の発言を引用して、この委員会は国会議員と治安部門の代
表からなる、と述べた。武装勢力は金曜日の祈祷の間に、ディジャ
ラ州のモスク1箇所で、少なくとも73人を殺害した。専門家は、こ
の攻撃げきっかけとなって、シーア派が主流のイラク政府に対し
て、スンニ派少数派の怒りがさらに強まる可能性がある、と懸念し
ている。




8月24日(日)

ウクライナ大統領は22億オイロを投入して軍備を増強する方針

ウクライナ大統領ペトロ ポロシェンコは、同国の独立記念日の軍
事行進で、軍の装備を拡大する、と予告した。今後3年でそのため
に、22億オイロ以上を調達する、とキエフで開かれた独立23周年記
念式の演説で述べた。当時ソ連の共和国であったウクライナは、
1991年8月24日に、ロシアからの独立を発表した。少なくとも1千
5百人の兵士が、式典用に飾り付けられた目抜き通りクレシュチャ
ティクでの行進に参加した。この行進は、親ロシア分離独立派との
紛争で、力を誇示とも捉えられている。分離独立派は、ほぼ同じ時
刻に、東ウクライナの大都市ドネツクで、数十人の捕虜のウクライ
ナ兵を公の場に引き出した。彼らはこの際に、住民から「ファシス
ト」と罵倒された。ウクライナ東部では数ヶ月前から、軍は親ロシ
ア反乱勢力と戦っている。

     その他のニュース

イスラエルは3箇国からミサイル攻撃を受ける

ガザ戦争が始まってからほぼ7週間、イスラエルは3つの前線で、ミ
サイル攻撃を受けた。夜間ゴラン高原には、シリアから発射された
5発のミサイルが着弾した。イスラエルは1967年には、この山地を
シリアから奪っていた。土曜日にはレバノンの急進派が、ミサイル
2発をイスラエル北部に撃ち込んだ。両方の事件では、犠牲者は報
告されていない。武装パレスチナ人は、ガザ帯状地帯から、イスラ
エルに向けてさらにミサイルを発射し、イスラエルは空からこの地
帯を攻撃し続けている。医療関係者によれば、日曜日にはこの攻撃
で、少なくとも6人が死亡した。イスラエル首相ネタニヤフは、ラ
ジオの放送の中で、この地区の住民に対して、ハマースがイスラエ
ルに向けてテロ攻撃を行なう拠点から、すぐに立ち去るように、と
要請し、これらの土地は攻撃目標である、と述べた。エジプトは両
者に対して、近東和平に向けた交渉を再開するよう、訴えた。

イラク軍はISの製油工場攻撃を撃退

テロ組織「イスラーム教国IS」は、バグダードの北にある石油精製
工場バイジを、大規模に攻撃したが、イラク軍はこれを撃退した、
と発表した。これらのジハード主義者たちは、3方向から攻撃を加
え、急進派30人が死亡した、と軍は発表した。数人の自殺攻撃犯
が、この製油所の入口を攻撃した、とのことである。発表によれ
ば、軍は戦闘機の支援を受けた、とのことである。バイジは、バグ
ダードの北200キロほどの場所にあり、イラク最大の石油精製所の
一つがここにある。このテロ組織は、数週間前から、この土地を手
に入れる試みを続けている。ISの進軍は6月から、北イラクの石油
採掘地に攻撃を絞っており、石油埋蔵量の多い南部の油田は、今の
ところ攻撃を受けていない。

ドイツ人がISの人質から釈放されたとの発表

1年ほど前からシリアで拘留されていた27歳のドイツ人は、報道に
よればテロ民兵「イスラーム教国IS」の人質状態から、解放され
た。ブランデンブルク州出身の彼は、シリアへ渡航した際に、ISの
戦闘員に誘拐された、と「ヴェルト紙日曜版」が、治安筋の情報と
して報じた。6月には彼は、「実質的な見返りと引き替えで」釈放
された、とのことである。この件は数ヶ月にわたり、連邦刑事局、
外務省緊急対策班、連邦情報局に任されていたが、ようやく当局が
人質犯と接触を取れた、とのことである。外務省は、身代金を支払
った、との情報を否定している。テロ組織ISは火曜日に、米国の記
者フォーリーの斬首の映像を公表していた。この組織は、北イラク
での米国の空爆への報復として、この人質を処刑した、と発表し
た。




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