８月２５日〜３１日のドイツのニュース
８月２５日（月）
ウクライナ政府「ロシアの戦車が国境を越える」
ウクライナ軍は、マリウポル市近郊で、ロシアの装甲車数十台と戦
を繰り広げている、と発表した。それによれば、この部隊は国境を
侵犯して停止させられた。分離独立派の指導者は、この報道を否定
し、隣国からの増派はない、と述べた。
一方ロシアは、東ウクライナの戦闘地域に、新たな支援物資輸送団
を送る、と予告した。トラックの第一陣が激しい批判を受けつつ
も、数日の間に第2陣が輸送をする計画である。ロシア外務大臣セ
ルゲイ ラヴロフは、記者会見で、ウクライナはこれに関してすで
に通知を受けている、と述べた。ロシアは先週、ウクライナの許可
なく、2百台以上のトラックを、国境を越えて送り込んでいた。ウ
クライナは、支援物資と共に、ウクライナ東部の親ロシア戦闘員
に、武器が届けられる可能性がある、と恐れている。
その他のニュース
テロ組織「イスラーム教国」はますます勢力を拡大
テロ組織「イスラーム教国IS」は、シリアとイラクに侵攻した後、
新規加入者を得ている。週末だけで、反政府民兵3百人以上が、こ
の急進派組織に加わった、とロンドンの「シリア人権監視団」が発
表した。同団は、ISには約5万人の戦闘員がおり、そのうち2万人が
外国人である、と推定している。週末にはこのジハード主義者たち
は、流血の戦闘の末、戦略上重要なシリアのタブカ軍用空港を占拠
した。この間にシリア政府は、西側と協力して、このイスラーム教
徒たちと戦う用意がある、と表明した。シリア外相ムアレムはダマ
スカスで、米国および英国との協力も可能であるが、その条件とし
て、諸外国が、シリアが指揮を執り、またシリアの独立を受け入れ
ることを挙げた。
近東では双方からの砲撃が続く
イスラエル空軍は、日曜日夜、ガザ帯状地帯攻撃のために、再び出
動した。軍広報はテル アヴィヴで、この24時間で、65箇所の攻撃
目標を爆撃した、と述べた。これに対して、急進派パレスチナ人
は、イスラエルに向けて再びミサイルを発射した。イスラエルの小
さい子供が、榴弾の破片で死亡した後、イスラエル軍は週末に、ガ
ザ帯状地帯への攻撃をさらに強化していた。エジプトの仲介役はこ
の間に、両者に対して、新たな停戦を提案した。パレスチナ人代表
部の要人が、AFP通信に対して、提案があったことを認め、この提
案は少なくとも1ヶ月間の提案を含むものである、と語った。エジ
プト政府の代表は、これに関する報道は基本的には正しい、と認め
たが、詳細には言及しなかった。
ドイツはスペイン人をオイロ使用国連合の会長にする方針
ドイツは、スペイン人の候補者が、オイロ使用国連合の会長に就任
するのを支援している。ドイツ首相メルケルは、スペイン首相ラホ
イとサンティアゴ デ コンポステーラと共に、合同記者会見に臨
み、スペイン財相デ ギンドスを会長にするのを支持している、
54歳のデ ギンドスは、困難な時期に自分の能力を証明した、と述
べた。スペインはデ ギンドスを、オランダ人ダイセルブルームの
後継者にと望んでいる。オイロ使用国連合解放は、オイロ使用18箇
国の全財務大臣の会議の議長を務める。今週土曜日のEU特別首脳会
談でも、この人事が協議される可能性が高い。
８月２６日（火）
ポロシェンコとプーチンはミンスクで会談
ミンスクでは、ロシア大統領ウラジミール プーチンと、ウクライ
ナ大統領ペトロ ポロシェンコが、EU外務委員キャスリーン アシ
ュトンを交えて、首脳会談を開始した。議題の中心は、すでに2千
人以上の死者を出した東ウクライナでの戦闘である。プーチンとポ
ロシェンコは、直接会談するのは、数ヶ月ぶりのことである。今週
末には、ポロシェンコは、ブリュッセルでEU首脳と会談をする意向
である。この間にロシア当局は、ウクライナ国境でロシア兵10人が
逮捕されたことを認めた。彼らは間違えて、国境を越えてしまっ
た、とのことである。ウクライナは数ヶ月前から、同国東部の親ロ
シア分離独立派を、戦闘員と武器の点で支援している、と非難して
いた。親ロシア分離独立派は、ポロシェンコが10月26日に設定した
国会議員選挙に参加しない、と予告した。
その他のニュース
ヴォーヴェライトは辞任を発表
ベルリン市長ヴォーヴェライトは、辞任を発表した。彼は記者会見
で、最近自分の任期に関して多くの観測が流れていたが、任期終了
まで2年の時点で、これは政権の作業に多くの障害となっている、
辞任するとの決定は、自分にとっては容易に下せるものではなかっ
た、と述べた。彼は同市社会民主党党首シュテースと、ベルリン市
議会社会民主党会派長サーレハに、市長職の後継者を提案するよう
に申し入れたが、これは自分の意志に基づくものだ、とヴォーヴェ
ライトは述べた。彼は、ベルリン・ブランデンブルク新空港が、予
定通りに開校できなかったことを、自分の政治生活の中で、最大の
失策の一つとして挙げた。ヴォーヴェライトは、首都新空港の監査
役会長辞任する、と予告した。彼は2001年から市長を続けていた。
彼は10年間にわたり、社会民主党と左翼党からなる市政府を率い
て、2011年秋に市長に再選されてからは、社会民主党とキリスト教
民主同盟の連立政権で市長を務めていた。ヴォーヴェライトは、最
近は健康を損なったと見られており、住民の中で彼の任期は、急速
に下降した。
ドイツのガザ支援計画の多くが台なしに
イスラエル軍は、ガザ帯状地帯を攻撃し、ドイツの支援計画の多く
も打撃を受けた。連邦政府の発表によれば、ドイツの支援で建てら
れ、近代化された70の学校のうち、31校が被害を受けた。そのうち
の4校は極めて大きく破壊され、もはや使用不可能である。ドイツ
通信社の報道によれば、これは左翼党の国会議員ヘンゼルの照会に
対して、開発省が回答したものである。またパレスチナ側の発表に
よれば、イスラエルによるガザ北部の空爆で、2人が死亡した。イ
スラエル軍は、火曜日にガザ帯状地帯の目標地点40箇所を攻撃し、
武装パレスチナ人は、イスラエルに向けて70発以上のミサイルを発
射した、と発表した。
カオダー「イラク難民の受け入れを増やす」
キリスト教民主、社会同盟会派長カオダーは、イラクからドイツお
よびEUへ、さらに多くの難民を受け入れるのに賛成した。キリスト
教民主同盟の政治家である彼は、北イラクから帰国した後に、この
地域に対する迅速かつ大規模な人道支援と、クルド人ペシュメルガ
民兵に武器を提供するよう求めた。急進派スンナ派民兵「イスラー
ム教国家IS」の侵攻後の情勢は、劇的である、と述べ、連邦議会は
特別会議を来週初めに開き、ISがヨーロッパにとってどんな意味を
持っているか、という問題に取り組むように、と提案した。「これ
はもはや地域的な問題ではない」とカオダーは述べ、EU各国出身の
IS戦闘員の数が多数に上っている、と指摘した。
８月２７日（水）
ウクライナ情勢は不透明
ロシアが東ウクライナに支援物資を供給していることを巡る対立
で、ロシア政府は国際赤十字とウクライナ政府と、密接な協力をす
ると約束した。ロシア政府の発表によれば、ロシア大統領ウラジミ
ール プーチンとウクライナ大統領ペトロ ポロシェンコは、火曜
日にベラルーシのミンスクで会談し、支援物資輸送に関する重要な
項目で合意した。ウクライナ側からのこれに関する確認は、まだ得
られていない。東ウクライナ情勢も、不透明である。ウクライナ軍
広報は、ロシア兵の一団が、同国南東部で装甲を施された輸送車と
トラックで、国境を越えたほか、北部での戦闘ではホルリヴカ村お
よびイロワイスク村で、軍は約2百人の分離独立派を殺害し、洗車
とミサイル発射装置を破壊した、と述べた。
その他のニュース
トルコの政党の特別党大会はエルドアンの後継者を選ぶ
トルコでは、イスラーム教に基づく保守派の公正発展党AKPが、ア
ンカラで特別党大会を開き、エルドアンの後継者となる党首を選ん
だ。新党首は予想通り、唯一の候補者で、今まで外相を務めていた
ダーヴトオールとなった。彼はエルドアンの忠実な信奉者で、エル
ドアンは大統領として宣誓した後、首相職も彼から引き継いでい
た。エルドアンは、8月10日にトルコで初めて行なわれた国民によ
る大統領選挙で、投票の52%近くを獲得して、勝利していた。その
ため彼は、今まで勤めていた2つの職を辞さなければならない。ア
ンカラ競技場での特別党大会には、約4万人が出席した、と同党は
発表した。
シリアの反乱勢力がイスラーム教徒居住地域へつながる道を占拠
イスラーム教徒ヌルサ戦線のシリアの反乱勢力は、イスラエルが占
領しているゴラン高原へ通じる道を占拠した模様である。「シリア
人権監視団」がこれを伝えている。同団の発表によれば、少なくと
も20人のシリア兵と、4人の反乱勢力の戦闘員が死亡した。ロンド
ンに本拠地を持つ同団は、その情報を、現地に広がる情報提供者か
ら得ている。中立の報道は、今のところ得られていない。ただしイ
スラエル軍は、シリアからの銃撃で、兵士1人が負傷し、その後、
シリア軍の拠点2箇所を砲撃した、と発表した。この地域では、3年
以上前にシリア内戦が始まってから、反乱勢力とシリア軍の間で、
繰り返し戦闘が起きている。
アフガニスタンでは大統領選挙で新たな対立
アフガニスタンの大統領選挙では、勝者の発表がさらに遅れる見通
しである。大統領候補アブドゥッラーは、決選投票の票の検査か
ら、自分の組織を引き上げた。彼の広報は、捏造された投票用紙が
実際に選び出される措置が、確実ではない、と述べた。彼の対立候
補ガニの陣営は、これは極めて悲しむべき行動であり、機会の公平
性を守るために、国連の要望を入れて、ガニ陣営も人員を引き上げ
た。アブドゥッラーは、4月に行なわれた大統領選挙の第1回投票で
は、優勢に立っていた。その後、決選投票ではガニがはっきりと引
き離していた。
８月２８日（木）
NATO「千人を超えるロシア兵がウクライナにいる」
ロNATOが得た情報によれば、ウクライナでは1千人を超えるロシア兵
が活動している。あるNATO高官はベルギーのモンスで、この兵士ら
は分離独立派を支援し、彼らの側に立って戦っており、その数は、
極めて控えめに見積もっても、1千人をはっきり上回っている、と
述べた。このNATO代表はさらに付け加えて、武器と装備のロシアか
らの輸出は、質量共に上昇しており、ロシアは分離独立派が敗北す
るのを妨げようとしている、とも語った。ウクライナ大統領ペトロ
ポロシェンコは、この発言がある前に、ロシアがウクライナへの
武装侵略を開始した、と非難していた。蜂起勢力はこの間に、ロシ
アの義勇兵の支援を受けている、と認めた。
その他のニュース
反アサド派がゴラン高原で国連軍兵士を捕虜に
大統領アサド率いる政権に反対する者たちが、ゴラン高原のシリア
南部で、国連監視団員を拘留した。国連監視団の50人ほどが、反政
府勢力の手の中にある、と国連は確認した。急進派イスラーム教徒
のヌルサ戦線の戦闘員は、水曜日に武装穏健派反政府勢力と共に、
クナイトラで、イスラエルが占領しているゴラン高原へつながる道
路を占拠した。国連の使節団は現地で、イスラエルとシリアの停戦
を監視している。アサドの空軍は、蜂起勢力に対して、激しい攻撃
を加えている。
エルドアンはトルコ大統領就任の宣誓を行なう
トルコでは今まで首相を務めていたエルドアンが、新大統領として
の宣誓を行なった。イスラーム教に基づく保守派の政治家である彼
は、首都アンカラの国会での式典で、就任の宣誓を行なった。彼は
引き続き今まで外相を務めていたダーヴトオールを、新首相に任命
し、彼に組閣を委託した。エルドアンは8月10日に、トルコ大統領
選挙としては初めての直接投票で、党友のギュルの後継者として大
統領に選ばれた。ギュルは2007年から大統領職を勤めていた。ダー
ヴトオールは水曜日、公正発展党AKPから、新党首に選ばれ、それ
によって、首相にも指名されていた。彼の内閣は、金曜日までに成
立することになっている。エルドアンは、大統領になるために、党
首と首相を辞任しなければならなかった。
ルフトハンザ操縦士との労働契約交渉は決裂
ルフトハンザ社は、操縦士との新たな労働契約交渉に失敗した、と
発表した。これより前に、操縦士労働組合コックピットは、交渉が
成果を上げなければ、子会社ジャーマンウィングス社の操縦士が、
金曜日午前中から、全てのドイツの空港でストライキに入る、と予
告していた。
８月２９日（金）
ウクライナはNATO加盟に努力
ロシアが東部で「攻撃」をしていることで、ウクライナ政府はNATO
加盟に向け、改めて動き出した。首相アルセニ ヤゼニュクはキエ
フで、同国政府は、非同盟国としての地位を終わらせ、NATO加盟へ
の道へ回帰するために、国会に法案を提出するつもりである、と述
べた。NATO事務長アンドレアス フォー ラスムセンはブリュッセ
ルで、もしウクライナ国会が政策を変更するのであれば、同同盟は
それを尊重するつもりだ、と述べた。同同盟はロシアに対して、ウ
クライナ紛争をこれ以上過熱させず、違法な軍事活動を中断するよ
うに、と緊急に呼びかけた。ドイツ政府は、東ウクライナ情勢の進
展を見て、初めてロシアが「軍事介入」を行なっている、と述べ
た。首相アンゲラ メルケルは、土曜日のEU特別首脳会談では、ロ
シアに対するより厳しい制裁が協議されるだろう、と予告した、と
政府広報が伝えている。国連人権高等弁務官ナヴィ ピライは、分
離独立派と軍の戦闘が4月に始まってから、約2千6百人が死亡し
た、と発表した。
その他のニュース
国連兵はシリア反乱勢力に対してゴラン高原の拠点を防衛
ゴラン高原で、国連兵43人が誘拐されたことを受け、重装備をした
フィリピンからの国連兵75人が、シリアの反乱勢力の前に立ちはだ
かった。最高指揮官アンカンはマニラで、この兵士たちは、シリア
とイスラエルの間の国連地域にある2つの保証を防衛しており、今
までは銃撃はなかったが、国連兵士は戦闘の準備を整えている、と
述べた。フィリピン大統領アキノは、情勢は緊迫してはいるが、安
定している、と述べた。木曜日にはフィジー島からの国連兵43人
が、ゴラン高原のシリア側で誘拐されていた。米国は、これをひき
起こしたのは、イスラーム教徒ヌスラ戦線である、としている。国
連安全保障理事会は、この誘拐を非難し、兵士を直ちに解放するよ
う求めた。この兵士たちは、部隊解体国連監視団Undofに属してお
り、この監視団は、1974年にイスラエルとシリアの間で結ばれた停
戦を監視している。この使節は現在、6箇国1千2百人の兵士からな
っている。
前シリア人のほぼ半分が内戦を逃れて避難
国連の得た情報によれば、3百万人のシリア人が、内戦のために、
隣国に避難した。支援を求める人たちの列は、途切れることがな
い、と国連難民高等弁務官事務所はジュネーヴで発表した。さらに
650万人が、国内で追放されており、その結果、全てのシリア人の
半分ほどが避難中で、多くはレバノン、トルコ、ヨルダンに逃れて
いる、とのことである。同所長グテレスは、シリア危機は現在最大
の人道的窮状になったが、諸外国は避難民と彼らを受けて入れてい
る国の需要を満たしていない、と述べた。大統領アサド率いる政権
は、3年以上前から、蜂起勢力を鎮圧しようとしている。国連の発
表によれば、この内戦では、約20万人が死亡した。人権活動家は、
軍と反乱勢力が、戦争犯罪を犯している、と避難している。
トルコ新外相にはヨーロッパ大臣カーヴソールが就任
今までトルコのヨーロッパ大臣を務めていたカーヴソールが、同国
に新外相に就任する。次期首相で今まで外相を務めていたダーヴト
オールは、テレヴィ演説で、カーヴソールを後継者として照会し
た。新大統領エルドアンは、政府は新たな決意を持って、トルコが
EU加盟国の候補になる道を進むつもりである、と強調した。カーヴ
ソールは、南トルコのアランヤ出身で、2002年からトルコの国会議
員を務めている。新大臣は長年にわたって、ヨーロッパ政治の経験
を積んでいる。2010年から12年にかけて、彼はヨーロッパ評議会の
議員総会議長を務めていた。ダーヴトオールは、今まで副首相ババ
カンの周辺で、経済政策を担当していた政治家たちを、大臣に再任
した。新閣僚の中で特に目を引くのは、エルドアンの主席顧問アク
ドアンである。
８月３０日（土）
EUとウクライナ政府はウクライナ紛争が激化しないようにと警告
EU員会議長ジョゼ マヌエル バローゾと、ウクライナ大統領ペト
ロ ポロシェンコは、ウクライナ紛争がこれ以上激しくならないよ
うに、と警告した。バローゾはブリュッセルでポロシェンコと会談
した後、「私たちは、引き返せない地点に到達している可能性があ
る」と述べた。EU加盟28箇国の首脳が土曜日に、特別首脳会談のた
めにブリュッセルに集まっている。ロシア兵がウクライナに立ち入
っている可能性が増す中、EU首脳はロシアに対する制裁をさらに厳
しいものにする可能性が高まっている。この会ダインでは、EU評議
会議長ヘルマン ファン ロンパウの後継者とヨーロッパ外交委員
キャスリーン アシュトンの後継者探しも行なわれる。
その他のニュース
BBCの報道「レソト首相がクーデタが起きたことを認める」
アフリカ南部のレソト王国の首相は、軍事クーデタが起きたため、
国外に逃げ出した、と発表した。タバネが英国の放送局BBCに述べ
たところでは、生命の危機にさらされたため、土曜日午前に隣国南
アフリカへ逃亡した、と述べた。複数の報道機関が、レソトではク
ーデタが起きた可能性に言及し、兵士たちが首都マセルにある政府
および警察の複数の建物を取り囲んだ、と報じていた。同王国政府
広報は、この報道を当初は否定していた。レソトでは、かなり以前
から、政治的緊張が続いていた。約2百万人の住民の多くは、厳し
い貧困生活を送っている。
国連軍兵士が砲撃を受ける
ゴラン高原では、国連兵が、シリア反乱勢力と交戦を続けている。
フィリピン国防相ガスミニンは、国連の基地が攻撃を受け、砲兵戦
となった、と述べた。フィリピンからの兵士72名は金曜日、武器を
捨てることを拒否した後、シリア反乱勢力に包囲された。兵士たち
は、イスラエルとシリアの停戦を監視する部隊解体国連監視団
Undofに属している。この反乱勢力は水曜日、シリア政府軍との激
しい戦闘後、ゴラン高原のシリア地区とイスラエル地区を結ぶ道路
を占領し、その他の国連兵士44人を捕虜にしていた。国連の発表に
よれば、この兵士たちの状況はよい。兵士たちの解放に関しては、
蜂起勢力との間で交渉が続いている。
ソマリアではイスラーム教徒に対する攻撃
ソマリアは、アフリカ連合の部隊と協力して、イスラーム教徒のシ
ャバーブ民兵に対する軍事攻撃を開始した。長く待ち望まれていた
軍の活動が、いくつかの港を反乱勢力の手から解放することになっ
ている。ソマリア南部の州「下シャベレ」の地方政府は、この「イ
ンド洋」作戦は夜間に始まり、成果を上げている、と発表した。目
撃者の話によれば、交戦する音が聞こえ、イスラーム教徒が支配す
る様々な町に向けて、軍の車列が進んでいるのを見かけた。ソマリ
アでは90年代初めから、機能する中央政府は、実質的に存在してい
ない。テロ組織網カーイダと同盟関係にあるシャバーブ民兵が、数
回にわたる反攻を受けても、同国の一定の地域を支配している。こ
のイスラーム教徒たちは、繰り返し政府の機関および国連並びにア
フリカ連合の代表を、激しく攻撃している。
８月３１日（日）
プーチンは東ウクライナの独立に関する話し合いを求める
ロシア大統領ウラジミール プーチンは、戦闘が続く南東ウクライ
ナに、独立国家を作ることに関して、話し合いを行なうよう初めて
求めた。彼はテレヴィの演説で、この話し合いは「直ちに始め」な
ければならない、ウクライナ東部の人々の「法的利益」を保護する
ことを、目的としなければならない、と述べた。ほぼ5ヶ月前から
続く親ロシア分離独立派とウクライナ政府軍の戦闘では、国連の発
表では、2千6百人ほどが死亡した。ウクライナ政府および西側は、
ロシアが武器および自国兵を提供して、分離独立派を支援してい
る、と避難している。土曜日にはEUは、ロシア軍がウクライナの地
で、「侵略」を中止しないのであれば、ロシアに新たな制裁を科
す、と威嚇していた。1週間以内にEU加盟国は、さらに個人および
企業に対して、制裁を科すかどうか、決定する意向である。
その他のニュース
NATOは東ヨーロッパに5つの基地を建設する方針
「フランクフルト一般新聞日曜版」によれば、NATOは、リトアニ
ア、ラトビア、エストニア、ポーランド、ルーマニアに5つの基地
を新たに建設する方針である。これらはそれぞれ、3百から6百人の
兵士を受け入れる、とNATO高官の言葉として、同紙は伝えている。
これらの基地では、物資供給、偵察、出撃計画の担当者が、訓練を
準備し、緊急の時には、国内での活動を指揮する、とのことであ
る。NATO首脳によれば、詳細は9月4日と5日に、ウェールズで練り
上げられる。この会談には、ウクライナ危機の最中、NATOの新たな
方向性が議論される。報道雑誌「シュピーゲル」の報道によれば、
加盟国の中には、NATOロシア基礎文書を破棄するよう求めている国
もある。このような措置を求めているのは、ポーランド、バルト諸
国、カナダである。この文書は、旧東側陣営の領土でに部隊を駐留
させる際に、NATOに制約を科している。同誌によれば、ドイツ政府
はこの合意には気には反対している。
イラク軍はISによるトゥルクメネン市包囲を突破
テロ民兵「イスラーム教国IS」が、2ヶ月にわたって包囲していた
が、イラク軍は、イラク北部のアメルリ市に侵入した、と同国政府
は発表した。青年大臣ハマドは、シーア派のトゥルクメン人が多く
住む同市は、激しい戦闘の末、ISの勢力下から解放された、と発表
した。イラクの報道サイト「スマリア ニューズ」は、トゥルクメ
ン人民兵の言葉を引いて、これを確認した。IS戦闘員たちは、バグ
ダードの北約150キロにあるこの小都市を、2ヶ月前から包囲してお
り、数千人の住民にはこの間、水と食料が不足していた。アメルリ
は、バグダードとキルクークの間をつなぐ重要な連絡地点と見られ
ている。イラクのトゥルクメン人は、主としてクルド人自治区の南
に暮らしているが、この地域はISが進軍して以来、激しい攻防戦が
繰り広げられている。
ゴラン高原のフィリピン人国連兵72人全員は無事
ゴラン高原では、フィリピン人国連兵がシリア反乱勢力に包囲され
ていたが、彼らは再び安全な場所にいる。軍広報はマニラで、この
国連兵の最後の集団が、闇をついて徒歩で安全な場所に移動した、
と述べた。軍人40人はこれより前に、数時間にわたって、急進派イ
スラーム教徒反乱勢力と、銃撃戦を行なっていた。土曜日には既
に、第一陣のフィリピン兵32人が、国連の装甲車に乗せられて、戦
闘地域から連れ出されていた。彼らは、1974年からゴラン高原でイ
スラエルとシリアの停戦遵守を監視している国連の監視軍UNDOFに
属している。反乱勢力「ヌスラ戦線」は、木曜日に国境地点クナイ
ティラを占領し、その際にフィジー島からの国連兵44人も捕虜にし
ていた。こちらはまだ解放されていない。