9月15日〜21日のドイツのニュース



9月15日(月)

イラク情勢に関する国際会議が始まる

イラクの安全に関する国際会議が、パリで始まった。米国、英国、
ドイツの外務大臣を含め、30箇国ほどの代表がこの会議に出席す
る。冒頭でフランス大統領フランソワ オランドが、急進派組織
「イスラーム教国IS」との戦いで、時間を浪費することは許されな
い、世界的な脅威に世界的な回答を見いださなければならない、と
述べた。イラク大統領フアード マアスームは、会議の参加国に、
明確な言葉で軍事支援を求め、特に空爆の形での支援が必要だ、と
述べた。

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ドイツ人IS兵に対する最初の裁判が始まる

フランクフルト アム マインでは、急進派組織「イスラーム教国
IS」に属するとされるドイツ人に対する裁判が始まった。バート 
ホンブルク出身の20歳の被告は、昨年7月に、トルコ経由でシリア
に旅行し、IS戦闘員に加わったとの容疑が持たれている。連邦検察
はそのため、彼が外国テロ組織に加わっている、との容疑を抱いて
いる。連邦内相デ メズィエールは金曜日、ドイツではISのあらゆ
る活動を、即時発効する禁止措置を科した。

NATOはウクライナで演習を開始

米国が主導して、複数のNATO加盟国が、ウクライナで11日間の軍事
演習を開始した。「快速三つ叉」という名前の演習が、月曜日朝
に、同国東部の紛争地域から1千2百キロほど離れた、西ウクライナ
の都市リヴィウ近郊で始まった。ロシア政府は、ロシアとウクライ
ナの国境地域での戦闘が続いていることから、この軍事演習を挑発
である、と判断している。野戦の訓練に参加しているのは、米国の
他、ウクライナ、ポーランド、英国、ドイツの兵士である。

ポーランド国会議長コパチが新政権を作る

ポーランド大統領コモロフスキは、今まで国会議長を務めていたコ
パチに、新政権の組閣を依頼した。新内閣はおそらく、9月22日に
宣誓を行うことになる。彼女はその後、政府声明を準備し、国会で
信任投票に臨むまで、2週間の時間を持っている。新体制が必要に
なったのは、今までの首相トゥスクが12月にEU評議会議長として、
ブリュッセルに行くことになったためである。




16日(火)と17日(水)

お休みです。



9月18日(木)

国境をめぐる対立が習近平のインド訪問に暗い影を投げかける

インド政府と中国政府は、国境を巡る対立をできるだけ早期に調整
する意向である、と発表した。インド首相ナレンドラ モディは、
中国国家元首で党首の習近平とニュー デリーで会見し、国境の安
定なしに、良好な隣国関係はあり得ない、と述べた。習は、中国
は、この紛争を協議によって解決する決意を固めている、と述べ
た。情報によれば、両国はヒマラヤのラダック地域から、それぞれ
の部隊を引き上げ、現地情勢の緊張を緩和しようとしている。中国
元首習は、今回の訪問はアジアの両大国にとって、戦略上の好機で
ある、と強調した。また彼は、中国政府は今後5年で、200億ドル
(155億オイロ)をインドに投資する、と予告した。
チベットの宗教上の長であるダライ ラマは、ムンバイに登場し、
中国大統領習を、前任者と比べると、「現実的」かつ「解放的」で
ある、と賞賛した。

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ISとの戦闘 シリアのクルド人が援助を求める

シリアのクルド人戦闘員は、この地域の他のクルド人組織に、テロ
部隊「イスラーム教国IS」との戦いで、自分たちを支援するよう
に、との援助を求める声を上げた。クルド軍は、シリア北部トルコ
との国境で、激しい戦闘があったと発表した。ISのジハード主義者
たちは、ここでクルド人の村16箇所を占領した。またこれらのスン
ニ派テロ民兵は、戦車と大砲を用いて村落を攻撃した、と人権活動
家は近隣住民の話として伝えている。シリア空軍は、アレッポの北
にあるISの拠点への攻撃を継続した。

エボラとの戦い シエラ レオネでは3日間の外出禁止

シエラ レオネは疫病エボラ対策で、金曜日から日曜日にかけて、
全国民に対して外出禁止を課した。この間に、保健関係者が、住民
にこのウィルスについて啓蒙し、エボラ感染者を発見するために、
各戸を訪問する。地元紙「コンコード新聞」によれば、約2万1千人
の救援隊員が委託を受け、人々に予防措置について説明し、150万
個ほどの石鹸を配ることになっている。支援組織「国境なき医師
団」はこの措置を、既に数日前に批判し、戸別訪問による調査で、
エボラの症状を持つ人々を見つけ出す際には、たくさんの経験を積
んだ隊員が必要である、と表明していた。「国境なき医師団」のド
イツ支部は、連邦政府が約束した支援は不十分である、と叱責し
た。支援物資と移動可能な野戦病院を積んだ輸送機が、数日後には
リベリアに向けて飛び立つことになっている。

国際アムネスティ「ナイジェリアの刑務所では組織的な拷問」

人権活動家によれば、ナイジェリアの刑務所では、激しい拷問が定
期的に加えられている。「国際アムネスティ」の新たな報告書の結
論では、同組織は過去10年で、拷問が行われたことを示す、数百人
の目撃証言と多様な証拠物を集めた、と記されている。「地獄の業
火にようこそ ナイジェリアでの拷問その他の虐待」という題名が
ついた報告で、恐るべき出来事が、アブジャとベルリンで発表され
た。警察と軍が加えた策略はは、性的虐待、激しい殴打、電気ショ
ックから手足の指の爪をはがし、歯を引き抜くまで広がっている。
拘留者には、外界への道は、弁護士や家族との接触も含めて、ふさ
がれている。この報告書によれば、犠牲者に、罪の自白をさせ、金
を支払わせるのが拷問の目的である。




9月19日(金)

スコットランド人は英国残留を支持

スコットランドでは、国民投票が行なわれ、英国からの独立の支持
者たちは敗れた。投票集計の最終結果によれば、はっきりした多数
55.3%が分離独立に反対した。スコットランド国家の独立を支持す
るのは、44.7%に留まった。スコットランド首相で独立運動の指導
者アレックス サモンドは、敗北を認めた。英国首相デイヴィッド
 キャメロンは、独立反対派に勝利を祝う言葉を贈った。保守派政
府首相である彼は、スコットランドだけでなく、連合王国の他の
3つの地域ウェールズ、北アイルランド、イングランドに対して
も、さらなる自治を約束した。

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スコットランド独立失敗で政界と経済界は安堵

英国からの独立にスコットランドが「否」との答えを出したこと
は、EUでは、他の地域における独立に向けた努力に反対し、より強
いヨーロッパに賛成する、重要な方向性を示した、と理解されてい
る。カタルニア、フランドル、南ティロールを念頭に置いて、EU議
会議長シュルツは、スコットランドが連合王国の傘の下で「理性的
な自己決定」を出せば、それは他の地域にとっても国が認める自治
への圧力を高めるというあり方が可能になる、と述べた。スペイン
政府は、カタルニアでは、11月に独立投票を行なうことを求めてい
る独立運動を念頭に置いて、スコットランド独立反対派の勝利は、
大きな成果である。NATO事務長ラスムセンは、ほっとしたと述べ、
住民投票の結果、英国は今後もNATO内部で中心的な役割を果たすこ
とを示している、と語った。市場もスコットランド独立拒否に、前
向きの対応をした。英国ポンドは値上がりし、ロンドンとフランク
フルト アム マインの株式市場は、取引開始は値上がりで始まっ
た。

連邦評議会は亡命権の問題の修正を可決

連邦評議会も、ドイツの亡命権の改正を可決した。最後まで同議会
で異論が出たのは、いわゆる安全な出身国の一覧表を、バルカン諸
国セルビア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナに間で拡大
することなどである。これらの国からの難民は今後は、今までより
も速やかに国外追放となる。連邦政府が、亡命権の他の点、いわゆ
る勤務地居住義務や就労の可能性などで、緩和措置を確証したこと
を受け、緑の党と社会民主党が政権を握るバーデン・ヴュルテンベ
ルク州でも賛成することで、亡命権の強化が可決される可能性があ
る。亡命希望者は今後は、決められた場所に滞在するよう、最初の
3ヶ月間だけ命令を受けることになる。さらに就職活動を行なうた
めの条件が緩和される。

フランスはイラクでISを初めて空爆

フランスは、イラクのテロ民兵「イスラーム教国IS」の拠点に対し
て、空爆を開始した。大統領オランドはパリで、ラファール型戦闘
機は、同国北東部の「テロリストの物資供給体制」を破壊した、と
発表した。オランドは木曜日に、この種の軍事活動の許可を与えた
が、地上軍の派遣とシリアへの侵入は行なわない、とした。大統領
オバマによれば、米国はこの間に、自称「神の戦士」との戦いで、
40を越える国々から支援を受けており、アラブ諸国も協力を申し入
れた。これより前に米国では、IS民兵との戦闘のために、穏健派シ
リア反乱勢力の訓練と武器供与の計画に、下院に続いて、上院でも
賛成が得られた。




9月20日(土)

数万人のクルド人がシリアからトルコに避難

トルコは、シリアから急進派民兵「イスラーム教国IS」を逃れて、
圧倒的な数で押し寄せてくるクルド人に、直面していると見てい
る。金曜日以降、およそ4万5千人がトルコとシリアの国境を越え
た、とトルコ首相代理ヌマン クルトルムシュが放送局CNNトルコ
に述べた。この背景には、シリア北部でISが攻勢をかけたことがあ
る。トルコ政府は金曜日に、難民に対して国境の封鎖を解除した。
その際には、シリア北部ではクルド人民兵との戦闘で、少なくとも
18人のIS戦闘員が死亡した、とロンドンに本拠地を置く「シリア人
権監視団」は発表した。それによれば、両者は前日から、アレッポ
州最大のクルド人都市アイン アル・アラブ近郊で、戦闘を続けて
いる。

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ジハード主義者に誘拐されたトルコ人人質は釈放される

6月にジハード主義者組織「イスラーム教国IS」が、イラク北部の
都市モースルでトルコ人を、誘拐したが、彼らは再び自由になっ
た。トルコ首相ダーヴトオールは、人質49人は無事にトルコに戻っ
た、と述べた。モースル領事館の外交官を含むこれらトルコ人は、
6月上旬に同市が占領された時、ジハード主義者の手に落ちてい
た。トルコ政府は、ISに対する諸外国の戦いで、トルコが積極的に
関与できない理由として、この人質がいることをずっとあげてい
た。IS民兵は6月上旬に、数日間で、モースルとイラク北部と西部
の広い地域を、勢力下に収めていた。イラク政府軍は多くの地点
で、戦闘を行うことなく撤退した。ただしその後、クルド人および
シーア派民兵の支援を受けて、ジハード主義者の一部を撤退させる
ことに成功した。

国連安全保障理事会はイラクに支援すると約束

国連安全保障理事会は、テロ民兵「イスラーム教国IS」との戦い
で、イラク新政府を支援する、と約束した。国連の最高機関である
同理事会は、諸外国はイラク政府が「安全を確保し、テロ組織と戦
う上で」払う努力を支援するように、と要請する声明を可決した。
議席を持つ15箇国は、ジハード主義者組織の攻撃、殺害、強姦、誘
拐、拷問を、極めて厳しく非難し、関係者は責任を取らなければな
らない、と述べた。またこの声明の中では、犯罪の中には、「戦争
犯罪および人間性に反する犯罪」と判断されうるものもある、と記
されている。ドイツ首相メルケルは、IS空爆にドイツが参加しない
ことを擁護した。彼女は、重要なのは同盟の側に立つことであっ
て、政治的な行動は、軍事的な行動と同じぐらい重要である、と述
べた。

ロシアの支援物資輸送団の第三陣が東ウクライナ入り

ロシア政府の発表によれば、ロシアの支援物資輸送団の第三陣が、
東ウクライナの反乱軍の拠点ドネツクに入った。ロシア災害支援省
の広報がAFP通信に述べたところでは、今回の輸送団は「到着」
し、積み荷を降ろした。ロシア国営放送「ロシア24」によれば、こ
の輸送団はおよそ2百台のトラックからなり、発電機、水、食料品
を積んでいる。輸送路は安全上の理由により、最後まで秘密にされ
た、とのことである。ロシアが支援物資輸送団を東ウクライナに送
ったのは、第一陣が8月末、第二陣が9月半ばであった。




9月21日(日)

トルコに避難するシリアのクルド人がますます増加

シリアからは、ますます多くのクルド人がトルコに避難している。
国連難民支援組織がジュネーヴで発表したところでは、24時間で、
焼く7万人がトルコに避難先を求めたが、昨日はその数かかなり少
なかった。人々が避難している理由は、テロ民兵「イスラーム教国
IS」を恐れていることである。イスラーム教国の目標は、レバノン
からシリアを経てイラクに広がる神の国を作ることである。トルコ
政府は金曜日、抗議を受けて、国境を難民に開放した。

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イエメン首相辞任 フチ反乱勢力は軍司令部を占拠

イエメン首相バシンドワは辞任した、とイエメンの公的通信社サバ
が伝えた。バシンドワのこの辞任は、シーア派のフチ反乱勢力が首
都サヌアまで攻め込んだことに対するものである。報道サイト「マ
スダル オンライン」の情報によれば、フチは軍司令部を支配下に
収めた。サヌアの北部にあるかつての第1戦車師団の基地も、反乱
勢力の手に落ちた、とののことである。反乱勢力の攻撃に合わせ
て、フチ代表団は、停戦合意に署名するために、サヌアへ移動して
いる。国連イエメン特使ベノマールは、土曜日にこれに関する合意
を取りまとめていた。サヌアでは数日前から、シーア派反乱勢力
と、政府に忠実で、軍の支援を受けたスンニ派戦闘員の間で、激し
い戦闘が起きていた。

ガニが公式にアフガニスタン大統領選挙の勝者に

アフガニスタン元財相ガニは、公式に大統領選挙に勝利した、と発
表された。首都カブールの選挙委員会がこれを発表した。ガニと彼
の対立候補で、元外相アブドゥラは、数ヶ月にわたり、大統領選挙
の結果と、両陣営の権力配分に関して、衝突していたが、国を一つ
にまとめ上げる政府を作ることで、先日合意した。それによれば、
アブドゥラは、首相の一種であるいわゆる「主席行政官」に就任す
る。専門家はカブールで、彼がこのを自分から受け入れることはな
いかもしれない、と見ている。また、国をまとめ上げる政権は、ガ
ニとアブドゥラの激しい競争のため、成立するのが困難になる、と
の懸念も持たれている。

教皇は神の名で行使される一切の暴力を非難

教皇フランツィスクスは、神を引き合いに出して行使される一切の
暴力を非難した。アルバニアを訪問中の彼は、イスラーム教徒のテ
ロ活動を非難した。「暴力行為や侵害を計画し、実行する際に、神
の背後に身を隠すことができる、と考えてはならない」とヨーロッ
パの外国を初めて訪問した際に首都チラナで述べた。数万人の人が
77歳の彼を歓声で迎えた。フランツィスクスは、今回の訪問で新し
い方向性を示し、以前は共産主義国家であった同国では、キリスト
教徒とイスラーム教徒が、平和的に共存していることを賞賛した。
カトリック教徒はアルバニアでは、住民の15%で、少数派である。




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