10月6日〜12日のドイツのニュース



10月6日(月)

ノーベル医学賞はノルウェイと米国の研究者に

今年のノーベル医学賞は、米国人ジョン オキーフ、ノルウェイの
メイ・ブリット モーザー、およびエドヴァルト モーザーに与え
られる、とカロリンスカ研究所がストックホルムで発表した。彼ら
は神経科学者で、脳内の位置測定の仕組みを作り上げる細胞を発見
したことで、表彰された。火曜日と水曜日には物理学、化学賞が発
表される。授与式は伝統に則り、同賞を作ったアルフレート ノー
ベルの命日、12月10日に行なわれる。

     その他のニュース

大統領ルセフと対立候補ネベスが決選投票に

ブラジル大統領ルセフ(労働党)は、大統領選挙の第1回投票で、
予想通り有利な決定を得たが、決選投票に臨まなければならない。
ほぼ全ての票の集計後、2010年から現職の左派の政治家である彼女
は、41%以上の票を集めた。中央部の元知事ネヴェス(社会民主
党)は、34%今日の票を得て、予想外にい結果であった。ネヴェス
は3週間後に行なわれる第2回投票で、ルセフの対立候補となる。以
前からルセフの極めて有力なの対立候補と目されていた元環境大臣
シルバ(社会党)は、決選投票に進めなかった。彼女は21%しか得
られなかった。決選投票は10月26日に行なわれる。

ブルガリア選挙では保守派の野党が勝利

ブルガリアでは保守派の野党が、国会議員選挙で勝利した。ほぼ全
ての票の集計が終わり、元首相ボリソフの「ヨーロッパ発展のため
のブルガリア市民GERB」党が、32.6%の支持を集めた、と公式の集
計は述べている。それによれば、第2勢力は15.3%の社会党である。
EU加盟国であるブルガリアは、政治的不安定に大規模にさらされて
いる。新内閣は、過去2年で5爪の政権となる。先日、社会民主党が
中心となっていた政府は、7月のヨーロッパ議会選挙で敗北し、辞
任していた。彼らの1年間の任期には、汚職に対する大規模な抗議
と、銀行危機が暗い影がつきまとっていた。

クルド人はコバネに対するISの2方向からの攻撃をくじく

クルド人戦闘員は、北シリアの飛び地コバネで、いわゆる「イスラ
ーム教国IS」の新たな占領の試みを、撃退した。クルド人民保護部
隊は、夜間に攻撃側と激しい戦闘を繰り広げた。ロンドンに拠点を
持つシリア人権監視団によれば、クルド人19人、IS急進派27人が死
亡した、このISMIんぺいは東側と西側から同時にコバネ市を攻撃
した。クルド人民保護部隊は激しく抵抗した。人権活動家は、激し
い戦闘が起きたが、さしあたり鎮まっている、ISは榴弾を用いて散
発的に攻撃した、と述べた。




10月7日(火)

イスラーム教徒がコバネに侵攻

シリアではテロ民兵「イスラーム教国IS」は、攻防戦が続くコバネ
市の一部をついに占拠した模様である。目撃者は、この小都市の周
辺地域では、大規模な道路と家屋をめぐる攻防戦が行なわれた、と
述べた。コバネはもともとクルド人部隊が支配していたシリア北部
にある飛び地最後の稜堡である。同市は数日前から、イスラーム教
徒戦闘員によって、包囲されていた。情勢が危険になっているた
め、国連事務総長パン ギ ムンは、コバネに残っている住民に、
大きな懸念を表明した。また彼は、手段を持つ人全てに、住民保護
のために直ちに行動するよう訴えた。

     その他のニュース

スペインの看護師がエボラに感染

スペインでは、看護師1人がエボラに感染した。西アフリカに蔓延
する死に至る病エボラに、ヨーロッパで人が感染するのは、これが
初めてである。この女性はマドリードの病院で、アフリカで伝道師
として活動し、エボラに感染した聖職者2人の手当てをしていた。
どのように感染が起こりえたのかは、まだ不明である。医師の話に
よれば、感染した看護師は、9月末になってから自分が病気であ
る、と感じたが、その時彼女は休暇中だったので、月曜日になって
病院を訪れ、そこでエボラの検査を受け、陽性となった。この間に
彼女は、約30人と接触し、この人たちは症状が出ないか現在監視を
受けている。EU委員会はスペインに対して、エボラを取り扱う際の
弱点に対して、健康管理体制を検証するように求めた。

鉄道機関士は21時からドイツ全国でスト

鉄道機関士労働組合GDLは、組合員に対して、ドイツ全土でのスト
に参加するように呼びかけた。21時から6時まで、遠距離交通も、
地域交通も、全ての鉄道およびSバーンが、運行を中止することに
なっている。ストの背景は、ドイツ鉄道との労働事件を巡る対立で
ある。同労組は5%の賃上げと、週当たり2時間の労働時間短縮を求
めている。労組側が要求を機関士だけでなく、その他の鉄道職員に
も求めているため、交渉は今のところ成功していない。鉄道はこれ
を拒否しており、機関士に対しては2%の賃上げを提案している。

作家ズィークフリート レンツ死去

作家ズィークフリート レンツが88歳で亡くなった。出版社ホフマ
ン ウント カンペがこれを発表した。レンツは、ドイツの戦後文
学で、最も重要な作家の一人である、と見られている。彼の作品の
中には、「ドイツ語の授業」「郷土博物館」がある。マズーレン出
身のレンツは、文筆業の他、ポーランドとの和解に貢献した。その
ため彼は、2011年に生まれた町エルクから、名誉市民に選ばれてい
た。




10月8日(水)

ISのコバネ進軍に歯止めがかかる

諸外国の連合軍の空爆と、クルド人の攻撃のため、シリアの都市コ
バネでの進軍を続けるISテロ民兵に、ようやく歯止めがかかった。
いわゆる「イスラーム教国IS」の戦闘員は、同市東部の町並みから
つい出された、と「シリア人権監視団」とクルド人の報道サイト
「ウェラティ」が報じている。クルド人公民保護部隊の広報はdpa
通信に、クルド人が「反撃」に出ている、と述べた。クルドでの報
道によれば、ミシュタヌルの戦略上重要な丘陵地にあるテロ民兵の
拠点も、攻撃を受けており、その際、武器庫も破壊された、とのこ
とである。ジハード主義者は、コバネの南西部では、いくつかの建
物を占拠した。

     その他のニュース

トルコではクルド人の抗議活動で死者

テロ民兵「イスラーム教国」が、シリア北部にあるクルド人の飛び
地コバネに進軍していることに対して、トルコでは抗議活動が行な
われ、少なくとも12人が死亡した、と報じられた。「ヒュリエッ
ト」紙によれば、さらに多くの負傷者が出た、複数のトルコの州で
は外出禁止令が課された。アンカラでは警察が、デモ隊に催涙ガス
と放水車を投入した、とも報じられている。ドイツでもいくつかの
都市で、デモが行なわれたが、おおむね平和的なものである。ただ
しハンブルクでは、クルド人と急進派イスラーム教徒が路上で衝突
し、複数の人が負傷した。

ノーベル化学賞がドイツ人と2人の米国人に

今年のノーベル化学賞は、ドイツ人と2人の米国人研究者に贈られ
る。ドイツ人ヘルと米国の科学者ベッツィグとモーナーが、高解像
度の蛍光顕微鏡の開発で、表彰を受ける、とスウェーデン王室科学
学会がストックホルムで発表した。ヘルは、ゲッティンゲンにある
マックス・プランク生物物理化学研究所の主任である。「長い間光
学顕微鏡は、光学顕微鏡は光の波長より高い解像度を持つことがで
きない、との限界があるため、発展が阻害されていた」とノーベル
賞委員会は説明している。「蛍光を発する分子を用いて、彼らノー
ベル化学賞受賞者は2014年に、天才的な手法で、この限界を乗り越
えた」とも述べた。同所は88万オイロの賞金付きで、12月10日に授
与される。

マドリードで5人がエボラの疑いで検疫のため隔離される

ヨーロッパで初めてエボラ感染の事例が発見されたことを受け、ス
ペインでの報道によれば、その後5人がマドリードの病院で検査を
受けている。それによれば、エボラに感染した看護助手とその夫の
他に、火曜日夕方からさらに、微熱を出した看護師1人がカルロス
3世病院で観察を受けている。ナイジェリアから帰国したスペイン
人技師は、最初の調査では陰性の結果となり、さらに看護師1人が
集中治療室にいるが、彼女も二度の検査で陰性である、とのことで
ある。




10月9日(木)

香港政府はデモ隊との対話を中止

香港政府は、急遽抗議活動を続ける学生との対話を延期した。金曜
日に予定されていた会合は中止されている、と交渉の指導者は発表
した。さらに、対話に必要な信頼の土台を破壊したのは、デモ隊の
代表である、とも述べた。より大きな民主化を求める運動の指導者
たちは、中国の特別行政地域の政府が譲歩しないのであれば、活動
を拡大する、と威嚇していた。抗議活動が起きたきっかけは、
2017年に予定されている香港の選挙には、選ばれた者だけが立候補
できるとした中国の計画であった。
一方北京では、週刊新聞「ツァイト」紙の現地女性職員1人が逮捕
された。彼女は香港の抗議活動を支援するために、詩の朗読会を訪
れようとした、と同紙のドイツ人中国通信員は発表した。この通信
員も、事情聴取を受けて、その際国外追放をちらつかされた、との
ことである。

     その他のニュース

トルコはシリアでの単独行動を拒否

トルコには、隣国シリアで、テロ民兵「イスラーム教国IS」に、地
上軍を動員して対処する用意がない。外相チャヴシュオールは、
NATO事務長ストルテンベリとアンカラで会談した後、これは現実的
な計画ではない、ISに対抗する国際的な連合は、まず合同で包括的
な戦略に合意しなければならない、と述べた。トルコとの国境に近
く、攻防戦が続くコバネ市の情勢は、相変わらず見通しがきかな
い。シリア人権監視団は、IS民兵はこの間に、同市の3分の1を支配
している模様だ、と伝えた。クルド人戦闘員とISジハード主義者
は、コバネの支配権を相変わらず争っている。クルド人はこの攻防
戦で、米国が指揮する同盟の新たな空爆という支援を受けた。

フランス人がノーベル文学賞を受賞

2014年ノーベル文学賞はフランス人パトリック モディアノのもの
である。スウェーデン学会がストックホルムで、これを発表した。
モディアノは、同賞を受賞する15人目のフランス人作家である。受
賞理由として同学会は、彼は記憶という手法を駆使して、「人間の
極めて捉えにくい運命を記憶に呼び覚ました」ことを挙げた。69歳
の彼は30冊ほどの本を執筆した。世界で最も重要な文学賞である同
賞には、8百万スウェーデンクローネ(約88万オイロ)の賞金がつ
いている。彼は伝統に則り、創設者ノーベルの命日である12月10日
に、同賞を受ける。昨年はカナダ人アリス マンローが、同賞を受
けていた。最後に同賞を受賞したドイツ語を使う作家は、2009年の
ヘルタ ミュラーである。

ガオクは東ドイツ革命が平和的に行われたことを賞賛

連邦大統領ガオクは、ライプツィヒで開かれている式典で、旧東ド
イツの平和的な革命を思い起こさせた。大規模な月曜日のデモが
1989年10月9日に起きてから25年のこの日、旧東ドイツは「不正な
国家」であった、とガオクは述べた。大統領は、当時同市には7万
人の人が集まったことを思い出させた。ポーランド、ハンガリー、
チェコ、スロヴァキアの国家元首が出席する中、ガオクは、東ドイ
ツ市民によって勝ち取られた自由を擁護し、また個々人が参加せ
ず、これを選択しなければ、民主主義も自ら無力を招くことにな
る、とも語った。非寛容、国民主義的傲慢、憎しみ、暴力が育つ素
地を作り出してはならい、とも述べた。




10月10日(金)

ノーベル平和賞は子供の権利を訴えるマララとサティアルティに

今年のノーベル平和賞は、パキスタンのマララ ユサフザイと、イ
ンドのカイラシュ サティアルティ、2人の子供の権利活動家に贈
られる。2人は、子供と若者の抑圧との戦いと、全ての子供が教育
を受ける権利を求めて活動したために、賞が贈られる、とオスロの
ノーベル委員会は発表した。17歳のパキスタン人マララは2012年
に、少女が学校教育を受ける活動を行ったため、急進派イスラーム
教徒タリバーンに襲撃され、重傷を負っていた。60歳のインド人カ
イラシュ サティアルティは、ガンディーの伝統を引き継いで大き
な勇気をふるい、子供の搾取と平和的なデモと抗議活動をしてき
た、とノーベル委員会は発表した。平和賞はおよそ90万オイロの賞
金がついている。同賞は12月10日に授与される。昨年は、化学兵器
禁止機構OPCWが表彰された。ノーベル平和賞は、、ストックホルム
ではなく、オスロの委員会が授ける唯一のノーベル賞である。

     その他のニュース

コバネのクルド人本部がジハード主義者に屈する

北イラクの国境の町コバネをめぐる攻防戦で、クルド人防衛軍は、
手痛い反撃を受けた。激しい戦闘の末、テロ民兵「イスラーム教国
IS」は、北イラクにある同市のクルド人部隊本部を占拠した、と活
動家は伝えた。それによれば、このジハード主義者たちは、トルコ
との国境にあり、アラビア語でアイン アル・アラブと呼ばれる同
市の4割を支配下に置いている。攻撃側と防御側は、数日前から路
上戦を繰り広げていたが、諸外国による空爆が行なわれているにも
かかわらず、ジハード主義者が繰り返しここに迫っていた。木曜日
には彼らは、クルド警察本部を占拠していた。国連シリア特使デ 
ミストゥラは、トルコに対して、クルド人難民を国境を越えて帰国
させ、コバネ防衛に参加するように要請していた。トルコ政府は、
国境部隊を配備させたが、クルド人を軍事的に支援するのは拒否し
ている。そのため数日前から、抗議集会と警察との衝突で血が流れ
た町がいくつか出ている。公式発表によれば、321人が死亡、少な
くとも360人が負傷した。

エボラが拡大すると支援隊が警告

国境なき医師団は、エボラとの戦いで、ギニアで再発している、と
報告した。ギニアは現在のエボラ拡大の火種であり、昨年12月に始
まっていた。同団によれば、数週間前に、まず新たな感染がゆっく
りと始まる兆しが生まれ、現在は首都コナクリでは、エボラの事例
が大きく増加している模様である。シエラ レオネとリベリアで
も、感染が増加した、とのことである。さらに専門家は、隠れた感
染者あるもの、と見ている。先日米国は、諸外国に対して、感染を
抑え込む活動に、より積極的に参加するように訴えていた。対策が
あまりにゆっくりとしか進んでいない、と外相ケリーは批判した。
米国は4千人ほどの軍人をエボラ危機の地帯に派遣し、現地当局と
協力して、エボラ感染者のための病院を建設する。その他米国の空
港では、エボラが発生している国からの旅行者に対する監視が強化
されている。英国もロンドンのヒースロウ空港とガトウィック空港
で、専門的な調査を行なう方針である。ドイツ最大のフランクフル
ト アム マイン国際空港では、当局は今のところ、これに関する
対策を取ることを否定している。

ドイツと中国の閣僚がベルリンで協議

香港で民主化を求め抗議活動が続く中、ドイツの中国の閣僚が、
3度目の政府間協議を開いた。ドイツ首相メルケルはその前に、中
国首相李克強を、首相府前で軍隊式の敬意を払って出迎えた。その
後中国の14の省庁、ドイツの12の省庁の閣僚と高官が、協議をおこ
なった。この協議では、協力関係を中心に話し合いが行なわれてい
る。メルケルと李は特に、7月に北京で合意した技術革新に関する
協力を行なうために、枠組みとなる協定に署名するつもりであり、
この協力関係は、1百以上の合同の事業が含まれている。




10月11日(土)

コバネはほぼ完全にIS戦闘員に包囲される

テロ民兵「イスラーム教国IS」は、クルド人の拠点コバネに対する
攻撃を、引き続き集中して行ない、シリアとクルドの国境の町であ
る同市を、3方向から挟み撃ちにした。クルド人の情報によれば、
同市の南部、西部、そして特に東部で激しい戦闘が繰り広げられて
いる。クルド人民兵の本部は、テロリストの手の中にある。軍事的
に屈服しているクルド人は、米国とアラブの連合国の空爆で支援を
受け、コバネに残留している民間人(情報によって1千人から1万人
と幅がある)が避難するために、全力を挙げて最後の経路を確保に
つとめている。

     その他のニュース

デュッセルドルフでは反ISのデモに2万人以上が参加

警察の発表によれば、デュッセルドルフでは、約2万1千人が、急進
派民兵「イスラーム教国IS」に反対するデモに加わった。彼らは横
断幕を掲げ、声を合わせて、進軍するIS戦闘員から、シリアのコバ
ネ市を守っているクルド人戦闘員に、連帯するよう呼びかけた。同
時にデモ隊は、この紛争でトルコが慎重な態度を取っていることを
批判し、クルドの旗を振り、拘留されているクルド労働者党PKKの
指導者オジャランの肖像画の乗った旗を掲げた。この集会を呼びか
けたのは、様々なクルド人連合である。今までは抗議の行進は平和
的に行なわれている。同様の集会は、数日前にもハンブルクで開か
れたが、これはクルド人と急進派イスラーム教徒の間で、激しい衝
突となっていた。ツェレのデモでは、クルドとチェチェーニア出身
の組織が衝突した。

パキスタンの急進派はノーベル平和賞受賞者マララを脅迫

ノーベル平和賞受賞からわずか数時間後、若い活動家マララ ユサ
フザイは、インターネットを通じて、パキスタン急進派から脅迫を
受けた。パキスタンのタリバーンの分派は、トウィッターを通じ
て、「マララのような人物は、我々が(異教徒の)プロパガンダに
は動じないことを、知っておくべきである。我々はイスラーム教の
敵に対して、鋭く研いだ刃物を用意している」と彼女を脅した。
17歳のマララは、数年前から、パキスタンの少女が教育を受けられ
るよう力を注いでおり、そのため金曜日にはノーベル平和賞を受賞
した。2年前には、タリバーンによる頭部銃撃で、危うく命を落と
すところであった。彼女は現在英国に暮らしている。

エボラで米国の空港は検疫を強化

流行病エボラが拡大することを恐れ、米国は西アフリカからの旅行
客に関する監視を強めている。まず、ニュー ヨークのジョン F.
ケネディ空港で始まっている。同空港では土曜日から、旅行客の体
温が計られる。その他調査用紙への記入が必要となる。来週には、
アトランタ、シカゴ、ワシントンD.C.のほか、ニュー ヨークのニ
ューアーク空港にも拡大する。世界保健機関WHOの発表によれば、
西アフリカでは、この間に4千人以上がエボラで死亡し、その内
233人は保健部門の支援隊である。合わせて8千3百人以上の患者
が、このウィルスに感染した。エボラとの戦いで、諸外国からの支
援が遅々として進まないため、世界銀行総裁キムは、この疫病と闘
うために、世界的な緊急支援基金を作るよう求めた。




10月12日(日)

プーチンはウクライナ国境からの部隊撤退を命ずる

ロシア大統領ウラジミール プーチンは、ウクライナ国境近くにい
る部隊の撤退を命じた模様である。ロシアの通信社は、政府広報の
ことばとして、ロストフ地域の軍事演習が終了したことを受け、兵
士は兵舎に戻ることになる、と報じた。これには1万7千6百人の兵
士が参加している。この部隊撤退予告は、ヨーロッパ・アジア首脳
会談ASEMが10月17日と18日に、ミラノで開かれるのに先立って行な
われている。この首脳会談では、ウクライナ大統領ペトロ ポロシ
ェンコとの会談が予定されている。オーストラリア財務大臣ジョー
 ホッケイは、プーティンがブリスベーンで11月に開かれるG20首
脳会談に参加することを確認した。プーチンはウクライナ政策のた
め、主要工業国8箇国G8から先日、除外されていた。

     その他のニュース

米国で看護師がエボラに感染した模様

米国では男性1人がエボラに感染した模様で、最初の試験で陽性と
の結果が出た。これはリベリアでエボラに感染したダンカンの手当
てをした、テキサスの病院の看護師である。ダンカンはその後死亡
した。拡大しつつあるこの疫病の対策として、イスラエルはエボラ
が最も深刻な影響を与えている三箇国から帰国する旅行者に対し
て、専門的な監視を導入した。リベリア、ギニア、シエラ レオネ
から入国する人は、テル アヴィヴのベン グリオン空港でも、全
ての国境通過地点と港でも特別な質問を受ける、と首相ネタニヤフ
の事務所は発表した。一方ドイツ赤十字は、今までに117人の支援
隊員が、西アフリカでのエボラとの戦いに名乗り出た、と発表し
た。彼らは、病院とこの地域の感染者の収容拠点の建設を、手助け
することになっている。

コバネ攻防戦が激しさを増す

クルド人とジハード主義者は、シリアの国境の町コバネをめぐっ
て、激しい戦いを続けている。野党に近い立場のシリア人権監視団
は、諸外国による反IS同盟が、コバネ南部と東部の目標地点を、
3回にわたって空爆した、と報じている。ISに対抗するこの軍事同
盟の指揮官たちは、月曜日に空爆開始以来初めてとなる会合で、シ
リアとイラクでの戦略を議論する方針である。穏健派と目されるシ
リア反乱勢力の訓練と武装に関する任務も、この議題となる可能性
が高い。報道によれば、米国はトルコの地上部隊が、コバネ防衛に
介入することを望んでいるが、トルコは今までこれを拒否してい
る。一方英国軍は、イラク領土で、特殊部隊が活動しているとの観
測を認めた。英国国防省は、小規模な特殊部隊が、クルド軍とISテ
ロ民兵の戦闘員の前線近くで活動している、と発表した。

イラクで襲撃 死者多数

イラクでは連続襲撃事件が起こり、少なくとも15人が死亡した。
AFP通信によれば、死者は少なくとも33人である。軍の発表によれ
ば、ディジャラ州のイラクとイランの国境近くにあるカラ タパフ
村落での3件の自動車爆弾で、その多くの人が死亡した。負傷者も
多数出た。犠牲者の億は、クルド人ペシュメルガ民兵の退役兵であ
り、ジハード組織「イスラーム教国IS」と戦おうとしていた。この
攻撃は、同市の市役所、クルド治安部隊の建物、クルド愛国者連合
PUKの現地事務所を狙ったものである。近隣のジャラウラ市は、IS
戦闘員と、クルド人とシーア派の民兵の支援を受けたイラク治安部
隊が、激しい戦闘を繰り広げている舞台となっている。




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