10月20日〜26日のドイツのニュース



10月20日(月)

国際アムネスティ「東ウクライナに大墓地がある証拠はない」

人権団体国際アムネスティは、攻防戦が続く東ウクライナのドネツ
クには、親ロシア分離独立派が発見したと主張しているような、大
規模な墓地があることを「確信させるような証拠」は見いだしてい
ない。ベルリンで発表された処刑に関する報告書の中で、同組織は
親ロシア勢力と親ウクライナ勢力は、相手側の教皇に関して、誤っ
た情報を提示している、と非難した。報告された「衝撃的な事例の
いくつか、特にロシアの報道機関が伝えているものは、大幅に誇張
されていたのは、確実である」ど同組織のジョン ダルホイゼンは
述べた。また彼は、コムナル村近くの墓地2箇所で、4人の民間人の
遺体に遭遇した、とも語った。ダルホイゼンは9月末のアムネステ
ィの調査結果について説明し、「私たちが見たものは、いくつかの
事例で、戦争犯罪があるかもしれないことを示す処刑の事例」であ
り、このような暗殺は両者に対して行われたことが、証明されてい
る、と述べた。

     その他のニュース

トルコはペシェメルガ戦闘員がコバネ入りすることを容認

イラク出身のクルド人のペシェメルガ戦闘員は、クルド人戦闘員支
援のために、トルコを越えて攻防戦が続くシリアの都市コバネに入
ることができる、とトルコ政府は発表した。「私たちは、コバネに
向けて国境を越え、ペシュメルガ部隊を支援する」とトルコ外相チ
ャヴシュオールはアンカラで述べた。彼は、トルコは、国境のコバ
ネがジハード主義者の手に落ちることで、利益を得ることはない、
と強調した。トルコ政府は今までクルド人戦闘員のコバネへの越境
を禁止していたため、この発表は、同政府の方針転換を意味してい
る。禁止されたクルド労働者党PKKのトルコ人戦闘員が、シリアに
入国するのは、今後も禁止され続ける模様である。トルコはPKKと
長年にわたり摩擦状態にあるため、トルコ政府は過去数年、イラク
北部のクルド人当局と、密接な連絡網を築いていた。

米国はコバネ近郊のクルド人戦闘員に武器を投下

米軍は、武器、弾薬、医薬品を、シリアの都市コバネにいるクルド
人戦闘員に投下した、と発表した。米国中央司令部は、この物資は
イラクのクルド当局が準備したものである。コバネのクルド人戦闘
員は、今後も急進派民兵イスラーム教国ISと対決する状態を作り出
すことになっており、この対決と、ここ数日間で合わせて135回行
なわれた米国のコバネ近郊空爆は、ジハード主義者の前進を阻んで
きた、と米軍は発表した。情報によれば、数百人の戦闘員が、殺害
されたが、それにもかかわらず、コバネの旺盛は不安定なままであ
る。「イスラーム教国IS」は、トルコのと国境にあるこの町を、相
変わらず脅かしている、とも述べた。ISはシリアとイラクの広い地
域を、支配下に置いていた。

独外相はEUが協力してエボラと対決するよう呼びかける

EU加盟各国の外相は、ルクセンブルクで、疫病エボラとの戦いで協
力するための出発点を模索している。ドイツ外相シュタインマイア
ーは、外相協議を前に、西アフリカの関係国での、EUが文民による
活動を行なうための提案を説明した。彼はこの計画に、スペイン外
相とルクセンブルク外相から、支持を取り付けた。シュタインマイ
アーによれば、最も大きな打撃を受けているリベリア、ギニア、シ
エラ レオネでは、国家の体制が崩壊の際にある。と述べた。また
彼は、「私たちはこの疫病に対して世界各地で、活力を持って十分
に備えていない」と認め、その分だけ、今怠慢を穴埋めし、調整を
取って対処することが重要だ、と述べた。




10月21日(火)

政府には武器の新規輸出先を秘密にすることが許される

連邦政府は、議論を呼ぶ武器輸出を、完全な許可が出されるまで、
秘密にすることが許される。カールスルーエの連邦憲法裁判所が、
これを決定した。ただし政府は、基本的には国会議員がこれに関す
る質問をした場合には、連邦安全評議会が、ある武器輸出取引を許
可するか、許可しなかったかを、発表しなければならない、とのこ
とである。これに対してまだ完了していない武器取引に関する情報
を、連邦政府は公表する必要はない、と同裁判所は決定を下した。
これはいわゆる「事前の説明要求」に適用され、この説明要求で、
大規模武器企業は取引のはるか前に、輸出手続きが許可される可能
性があるかどうかはっきりさせる、この早期の段階では、政府の中
での意志形成の過程が、特に保護されることになる、と憲法裁判所
は決定した。これにより、緑の党所属の連邦議会議員3人が起こし
た憲法裁判は、一部だけが勝利した。

     その他のニュース

香港政府と民主化活動家は初めての対話を開始

香港では抗議活動が始まってから初めて、政府とデモ隊の代表が、
交渉を行なった。現地テレヴィ局は、交渉の冒頭を生中継した。首
相梁振英は事前に、活動家の中心的な要求であるさらなる民主化に
は、譲歩できない、と予告していた。3週間以上前から続く抗議活
動は、中央政府が2017年に貧困で初めて行なわれる直接選挙の候補
者を、自由に指名するのを拒否したのがきっかけであった。

財団「中国の処刑者の数が減少」

米国の人権組織によれば、中国では昨年、2千4百人が処刑された
が、これは2012年と比べて2割減少した。しかし中国は、最もたく
さん処刑する国であるのは変わらない、と米国に本拠地を置く「対
話基金」が発表した。この情報は、司法省有力者の公表した発言
と、独自の情報源に基づくものである。減少はしたが、中国では今
なお、世界の他の場所よりも多くの人が処刑されている。中国政府
は、処刑に関する情報を、国家機密同様に保護しているので、政府
は21世紀になってから、有罪を言い渡された刑事犯が減少している
ことも、公表しなかった。人権団体の情報によれば、2002年には
1万2千人が処刑された。2007年からは、全ての死刑判決が、最高裁
判所で検討されることになった。

南アフリカのスポーツ選手ピストリウスが5年の拘留

南アフリカのパラリンピックの人気選手ピストリウスには、誤って
女友達ステーンカンプを殺害したため、5年間の拘留が言い渡され
た。裁判官マシパは、プレトリアで量刑を発表した。さらに彼女
は、ピストリアスに武器の粗暴な使用の件で、3年間の拘留を言い
渡していた。刑のこの部分は、執行猶予がつけられた。検察、被告
双方がこの判決に上告することができる。検察は少なくとも10年の
拘留刑を求めていた。弁護側は、率直な悔悟をしているとして、
27歳の障碍のあるピストリウスに、刑務所入りを免れさせ、彼を自
宅拘留にするよう、求めていた。ピストリウスは29歳の女友達を、
2013年にプレトリア近郊の自分の邸宅にある閉じたトイレのドア越
しに射殺していた。裁判ではからは後に、扉の後ろの人物は、押し
込み班であると見ていた、と宣誓して述べていた。その後ピストリ
ウスの叔父アルノルトは、被告はこの判決を受け入れる、と発表し
た。




10月22日(水)

米国外相ケリーはドイツとの協力関係を賞賛

米国外務大臣ジョン ケリーは、国際危機解決でドイツが果たした
主導的役割を賞賛した。ベルリン訪問中の彼は、この役割は特に、
首相アンゲラ メルケル(キリスト教民主同盟)と外務大臣フラン
ク・ヴァルター シュタインマイアー(社会民主党)が、ウクライ
ナ危機で果たしたものである、と述べた。これより前には、子供時
代にしばらくベルリンで暮らしたケリーは、ベルリンの壁崩壊25年
を記念して、記念施設に花輪を捧げた。夜には彼はメルケルと会談
する。

     その他のニュース

新EU委員会を承認

ヨーロッパ議会は新EU委員会を承認した。今後委員長を務めるユン
ケルと、27人の委員に、ストラスブールの同議会議員423人が賛
成、209人が反対、67人が保留した。EU議会のヨーロッパ国民党
EVP、社会民主党、および多くの自由主義の議員が、ユンケルを支
持した。緑の党、左翼党、自由民主党、ドイツのための選択肢AfD
は、委員会に反対の投票を行なう、と予告していた。この結果59歳
のルクセンブルク人ユンケル率いる委員会は、11月1日に仕事に取
りかかることができる。ユンケルの任命は、7月に議会が承認して
いた。投票を前にユンケルは、クリスマス前にも、3千億オイロの
景気刺激のための投資対策を提案するつもりである、と予告した。
また彼は、新たな職場の創出が目標で、そのために公共投資が必要
であるが、民間の資金も欠かせない、と述べていた。

イスラエル兵がエジプトから銃撃を受ける

エジプトとイスラエルの国境で突発事態が発生し、イスラエル兵
2人が負傷した。イスラエル軍広報レルナーは、エジプト側から、
銃弾と対戦車ミサイルが、イスラエル軍の自動車に向けて発射され
た、と述べた。イスラエルとエジプトの間の国境には、柵が設置さ
れているが、ここでは過去数年、シナイで活動するイスラーム教徒
戦闘員の攻撃が繰り返されていた。

専門家はISによる毒ガス攻撃を確認できず

シリアの都市コバネ攻防戦で、人権団体は、テロ民兵イスラーム教
国ISが毒ガスを使用したのではないか、との疑念を表明した。シリ
ア人権監視団は、クルド人民兵の司令官から、今のところそれに関
する確認は取れていない、と発表した。攻防戦が続く飛び地コバネ
を防衛するクルド人国民保護部隊YPG側からは、今のところ態度表
明は出ていない。コバネの目撃者は、多くの住民が呼吸困難に陥
り、毒ガス攻撃の症状を呈している、と伝えている。現地の医師
は、ISによる毒ガス攻撃が行なわれた可能性は、証明できていな
い。シリア人権監視団の発表では、IS戦闘員が火曜日夜に、防衛す
るクルド人を、改めて大きく消耗させ、激しい爆発音が数回した。
同市東部での戦闘では、少なくとも30人のジハード主義者と11人の
YPG戦闘員が殺害された、とのことである。




10月23日(木)

外相「ドイツはクルド人の『訓練増員』を検討」

連邦政府は、軍事物資に提供に加えて、北イラクでの国防軍の兵士
育成を担当するか、検討している。外務大臣フランク・ヴァルター
 シュタインマイアーは、国防省と外務省の調査訪問が始まるの
は、その後である、と認め、その際には州都エルビルで、「兵士の
数を増やして訓練にあたることができるか」を検討している、とも
述べた。テロ民兵「イスラーム教国IS」と戦うクルド人戦闘員を支
援するそのような活動には、他のEU加盟国も参加することになって
いる。報道によれば、訓練を行なうのは2百ないし3百人規模の部隊
で、そのうち1百人ほどがドイツ人になる、との話が出ている。そ
の報道によれば、その他の参加国には、スカンジナビア諸国などの
名前が上がっている。

     その他のニュース

エルドアン「トルコはペシュメルガ戦闘員2百人の通過を許す」

トルコは当面、ペシュメルガ戦闘員2百人が、イラク北部からトル
コ領土を経由して、北イラクの都市コバネに通過するのを許可す
る、と大統領エルドアンは発表した。彼は、シリアのクルド人政党
で、コバネの防衛戦を戦っている「民主統一党PYD」と、北イラク
の自治政府が、この数に合意した、と述べた。また彼は、米国が
PYDに武器を提供していることを、再び批判し、米国はこの行動
で、テロ組織を支援していることになる、と語った。

香港警察はデモの後で11人を逮捕

香港警察はデモ隊とのもみ合いの末、11人を逮捕した。女性1人を
含む32歳から82歳の人々には、主として傷害罪および武器所有の容
疑が持たれている、都当局は発表した。カウルーン(九龍)半島の
商業地区モン コク(旺角)では、数日前から警察とデモ隊が衝突
を繰り広げていた。活動家は町の障害物に、「私は本当の選挙権を
求めている」とのことばを書いた巨大なポスターを貼り出した。デ
モ隊は数週間前から、中国の特別行政地域香港で、さらなる民主化
を求めて、抗議活動を続けている。彼らは特に、2017年の新行政長
官選挙を、自由選挙にするように求めている。

チュニジアで警察と蜂起勢力が銃撃戦 死者発生

チュニジアでは、治安部隊とテロリストと見られる者たちが、武器
を用いて衝突し、警官1人が死亡した。国民死ね遺体の特殊部隊
が、テロ対策作戦の一環として、首都チュニスの西にあるエッド 
エリルの家を、早朝に包囲した。その際に銃撃戦となった。チュニ
ジアでは日曜日に、国会議員選挙が行われる。テロ攻撃が行なわれ
る恐れがあるため、治安対策が強化された。約7万人の警官と兵士
が、投票の安全を守ることになっている。




10月24日(金)

EUはエボラ対策費を10億オイロに増額

EUは、エボラとの戦いに対する支援を倍増し、少なくとも10億オイ
ロとする。加盟28箇国の首脳は、金曜日にブリュッセルで開かれた
首脳会談で、これに合意した、とEU評議会議長ヘルマン ファン 
ロンパウは発表した。この会合の前には、EUとEU加盟国は、5億オ
イロ以上の支援を約束していた。世界保健機関の発表によれば、西
アフリカでは、1万人近くの人がエボラウィルスに感染し、うち4千
9百人近くが死亡した。

     その他のニュース

エボラ拡大 ニュー ヨークとマリで初めての事例

ニュー ヨークでは、医師がエボラ検査で陽性となった。この医師
は隔離され、一般社会には危険はない、とニュー ヨーク市長デ 
ブラシオは述べた。感染したこの33歳のこの医師は、先日西アフリ
カのギニアで、エボラ患者の手当てをしていた。彼は10月17日に米
国に入国した。米国当局によれば、それ以来毎日数回体温を測り、
おおむね隔離されており、木曜日に初めて兆候が出た、とのことで
ある。マリでもエボラの最初の症例が出た。厚生省は首都バマコ
で、このウィルスは2歳の少女から確認されたが、彼女は以前にギ
ニアを訪れていた、と発表した。西アフリカのギニア、リベリア、
シエラ レオネでは、この疫病が最も激しく発生している。感染者
の数は、最近さらに大幅に増加した。

EU首脳会談はウクライナ危機では明確にウクライナを支持

ウクライナ国会議員選挙まで2日、EUは同国に対してはっきりした
形で支援を約束し、ロシアに対して、東ウクライナの安定化のため
に、さらに多くのことをなすよう求めた。またEUは分離独立派が被
害ウクライナで計画していた分離選挙は、いかなる場合であれ承認
しない方針である。NATOの発表によれば、ロシア軍は今なお、ウク
ライナ東部にいる。米空軍将軍ブリードラヴは、撤退は行なわれて
いるが、相変わらずロシア軍は現地近くにいる、と述べた。ロシア
は、通常部隊が隣国で戦闘してはいない、と主張している。親ロシ
ア分離独立派と軍が、ウクライナ東部で戦闘をしているため、この
間に43万人がウクライナで避難している。

シリアの反乱勢力1千3百人がコバネでクルド人を支援する意向

穏健派の反乱組織「自由シリア軍FSA」の戦闘員約1千3百人が、攻
防戦が続くシリアのクルド人都市コバネの防衛側を支援する意向で
ある。北部のアレッポ州出身の反政府の複数の旅団が、この行動に
出ることを決定した、と同軍司令部が発表した。反乱勢力FSAの中
には、穏健派のイスラーム教徒もいる。コバネは数週間前から、ジ
ハード組織「イスラーム教国IS」に包囲されている。同市は3方向
から、このイスラーム教徒によって包囲されている。トルコとの境
界である北だけが、通行可能である。




10月25日(土)

イラン人女性が殺人容疑で絞首刑に

イランでは、諸外国からの抗議にもかかわらず、26歳の女性が5年
間、死刑囚用房に入れられた末、処刑された。テヘラン検察の発表
によれば、この女性は、小都市キャラジのラジャエイ刑務所で絞首
刑に処された。彼女は秘密情報部員殺害容疑で、有罪を言い渡され
ていた。彼女自身は、強姦されそうになったための正当防衛であ
る、と主張していた。イラン政府は、この処刑を阻止しようとして
いた。しかしイランでは、殺人事件では、いわゆるゲサス法が適用
され、それによれば犠牲者の家族が、報復をする権利を持つ。この
家族は、数回にわたって、恩赦を拒否していた。

     その他のニュース

エジプトはシナイ半島の一部に非常事態を宣言

2度軍が攻撃を受けたことで、エジプトはシナイ半島の一部に、非
常事態を科した。大統領シシの事務所は、この措置は当面3ヶ月間
取られ、半島の北部と中心部に適用される、と述べた。その他、ガ
ザ帯状地帯との国境通過地点ラファは、閉鎖された。さらにシシは
国を挙げて3日間、喪に服すように命じた。金曜日にはアリシュ市
近郊の道路封鎖のところで、自動車爆弾が爆発し、28人の兵士が死
亡、他に30人ほどが負傷していた。その数時間後には、急進派が別
の監視所で発砲し、兵士3人が死亡した。今のところ犯行声明は出
されていない。治安部隊は、この犯行の背後には、イスラーム教徒
組織がいると推測している。

憲法擁護庁はサラフィストの活動の拡大を監視中

急進派イスラーム教徒のドイツのサラフィスト運動は、大幅に拡大
している、と憲法擁護庁は認識している。同庁長官マーセンはRBB
情報ラジオで、現在この組織には、6千3百人が所属しており、今年
末には7千人に達するかもしれない、と述べた。数年前には、まだ
2千3百人ほどしかおらず、この展開は懸念をひき起こしている、と
も語った。特に若者たちが、サラフィー主義に惹かれている理由
は、大変動の起こっている情勢が、彼らにとっては魅力的で、はっ
きりした指針となっているためだろう、と述べた。マーセンによれ
ば、サラフィスト運動からは、若者を中心に既に450人以上が、シ
リアでの戦闘に加わり、彼らのうち7人ないし10人が、自殺攻撃を
行なった。さらに150人が帰国したと記録されており、彼らの危険
性は、いずれにせよ不明である、とのことである。サラフィスト主
義は、イスラーム教の超保守派の一派と見られている。

15人のアルゼンチンが終身刑を言い渡される

アルゼンチンでは、軍事独裁政権下(1976年から83年)での深刻な
人権侵害容疑で、15人の被告に終身拘留が言い渡された。ラ プラ
タの連邦裁判所は、秘密収容所「ラ カチャ」で収容者を虐待し、
そのうち135人を殺害した容疑で、有罪と判断した。さらに6人の被
告は、長期の拘留が言い渡された。有罪を言い渡されたのは、元軍
関係者、警官、民間人などである。全ての被告は、「最後の文民と
軍の独裁期間に、長期的に民衆虐殺」の共犯である、と裁判官は判
断した。軍事独裁下では、アルゼンチンでは3万人ほどが、跡形も
なく姿を消したり、明確に暗殺されたりした。2003年8月には、国
会が2件の恩赦法を破棄したため、軍にそれまで大規模に刑を免除
していた措置がなくなった。それ以来、4百人の被告が、拘留刑を
言い渡され、うち28人は最終審まで行き、刑が確定した。




10月26日(日)

大銀行25行がヨーロッパ中央銀行の健全性検査に落第

ヨーロッパ中央銀行EZBの銀行調査が行なわれ、調査を受けた最重
要金融機関130のうち、25行が不合格となった。同銀はフランクフ
ルト アム マインで、資本不足は合わせると250億オイロに上
る。13の金融機関は、不足を補填しなければならず、12行は既に補
填済みで、貸借対照表は150億オイロ強化された、とのことであ
る。落第した大銀行を最も多く出したのは、イタリアの9行であっ
た。銀行業の監視役の判断によれば、ドイツは今回の「健全性試
験」では、よい結果であった。ドイツの銀行としては、予想通りミ
ュンヒェン不動産銀行が唯一不合格であった。
ヨーロッパ中央銀行総裁ヴィクトル コンスタンシオは、賃借対照
表の抜本的な検査で、「銀行業に対する信頼性」が上昇する、との
見解を表明した。

     その他のニュース

米国海兵隊の最後の1人がアフガニスタンでの活動を終了

米国海兵隊と英国戦闘部隊の最後の1人が、13年にわたってアフガ
ニスタンで続けていた急進派イスラーム教徒に対する活動を、正式
に終了した。レザーネック基地では、米国兵士が国旗を降ろし、基
地をアフガニスタン軍に引き渡した。東部のヘルマンド州にあるこ
の基地には、元々は4万人の兵士がいたが、最後には外国人兵士4千
5百人が駐留していた。英国も隣のバスティオン基地を、アフガニ
スタン側に引き渡した。兵士が正確にいつ出国するかは、安全面の
理由で発表されなかった。年末までにアフガニスタンの外国軍の活
動は、終了することになっている。一番活動が活発だった2010年に
は、約14万人の外国人兵士がアフガニスタンにいた。

ウクライナで選挙

ウクライナ人は、同国東部の紛争が相変わらずくすぶり続ける中、
国会議員選挙が行なわれた。予定を早めて行なわれる選挙では、大
統領ポロシェンコ周辺の勢力が、有力である。彼の政党「連帯」
は、元ボクシングの世界選手権者で、現在キエフ市長を務める「ビ
タリ・クリチコのウクライナ民主改革連合」が、争っている。合わ
せて450議席が選ばれる。ロシアに編有されたクリミア半島と、反
乱勢力が支配する同国東部の議席は、空席のままである。分離独立
派は、独自の選挙を11月3日に計画しており、EUはこれを承認する
ことはない。ポロシェンコは、ドンバス地域で長い間攻防戦が続い
ていたクラマトルスクの選挙事務所を、示威的に訪問した。

チュニジアは国会議員を選ぶ

大規模な安全措置をとった上で、チュニジアでは国会議員選挙が始
まった。おそらくイスラーム教徒のアンナハダ党と、世俗派のニダ
ー トゥネス(チュニジアの呼びかけ)が、飛び抜けた結果となる
見通しである。同国の政党は、分裂しているため、国会の多数派を
結成するのは、簡単ではない。4年前のいわゆる「アラブの春」が
発生したのは、チュニジアからで、多くの国に拡大した。チュニジ
アは、政府転覆運動が比較的安定して民主的な情勢に達した唯一の
国、と言ってよさそうである。年始から新憲法が適用されており、
11月23日には大統領選挙が予定されている。




今日のニュースへ

過去のニュース(目次)へ inserted by FC2 system