１１月３日〜９日のオーストリアのニュース
１１月３日（月）
国外ニュース
ウクライナ分離独立派は譲歩を再検討
国外では問題視されている東ウクライナの選挙を受け、ウクライナ
は、親ロシア分離独立派に対する今までの譲歩を撤回する可能性が
ある。大統領ペトロ ポロシェンコは、今までの措置は「選挙の茶
番劇」のあとに、安全評議会と検討するつもりである、と発表し
た。その際には、分離独立派に3年間の部分的な自治と恩赦を与え
た法律が、撤回される可能性がある、とのことである。ロシアはこ
れより前に、ウクライナ政府に対して、親ロシア分離独立派と、即
時かつ対等の交渉を行なうよう、求めていた。一方EU、国連、米国
は、この投票は、ロシアも承認したミンスク和平計画を侵害するも
のだ、と非難した。
国内ニュース
家賃の統計 若者向け住居が最も高額
住宅が物価を引き上げる要素の第一因である。平均値を上回る家賃
の高騰は、オーストリア統計局も文書に記した。2009年から13年の
5年だけで、住宅は13%値上がりした。平均では、各家族の収入の
4分の1が住宅費に支出される。特に高価なのは、期限付きの家賃で
あるが、法律によれば、無期限のものよりこちらの方が安くなるは
ずである。数年間だけ住んでいる人は、特にたくさんの出費をしな
ければならず、それは特に若者に当てはまる。
１１月４日（火）
国外ニュース
石油の割引 サウジ・アラビアは米国市場をめぐり対決
サウジ･アラビアは、米国石油市場に対する攻撃を行なっている。
月曜日には、世界最大の石油輸出国である同国は、米国への原油供
給を値下げし、ヨーロッパおよびアジアでは同時に価格引き上げを
行ない、市場の専門家を驚かせた。専門家は、同国の世界統一の措
置をとる、と見ていた。サウジ･アラビアの価格戦略は、専門家の
意見はもちろんばらばらとなっている。湾岸の同国は、米国での市
場占有率を維持したいだけなのか？ それとも、世界経済にはあま
り危険ではない形で、米国の頁岩油の採掘に攻撃を加えているのだ
ろうか？
国内ニュース
交通･サービス業労組会議では冒頭でファイマンに戦闘的な態度
現在労働組合は、極めて戦闘的な態度を取っている。交通および第
三次産業労働組合vidaの会議の開会式で、オーストリア労働同盟と
労働者会議の幹部は、火曜日夕方に、迅速な減税を求め、国民党か
ら出されている、要求可能な規定の厳格化あるいは地域健康保険組
合の合併を、断固拒否している。
１１月５日（水）
国外ニュース
選挙敗北後オバマは「できるだけよい仕事」を行なうと約束
米国国会議員選挙が行なわれ、民主党は敗北を喫した。米国市民
は、大統領バラック オバマと決着をつけるために、中間選挙を利
用した。彼を選ぶ選挙ではなかったが、多数派の共和党と、上下両
院で対抗しなければならない。このため彼には、広範な妥協をしな
ければ、それは彼にはほとんど難しい。オバマは選挙後最初の演説
で、事態に対応して、実用的な活動計画を説明した。最後の任期
2年間に、大統領として、党の制約を超えて行動する、と予告し
た。しかしオバマは、これに成功しなければ、大統領命令が残ると
いうことをわきまえている。
国内ニュース
EU振興 オーストリアは複雑な規則に敗北
EU納税者の資金の使い道に関する最新のEU会計検査院の報告書で、
オーストリアは予想外に悪い評価を受けた。調査を受けた処理のほ
ぼ半数は、正当なものではなかった、ヨーロッパ会計検査院のオー
ストリア代表オスカー ヘリクスは述べた。この結果はあまりに悲
惨で、オーストリアは最下位であった。ヘリクスはオーストリアの
官庁には、詐欺をする意図はないと見ているので、むしろ旧態依然
たる仕事ぶりと過大な要求が、この低成績の原因である、と述べ
た。
１１月６日（木）
国外ニュース
中国に対する非難 公式訪問の際に象牙を密輸
大統領習近平の中国代表団に属する者たちが、東アフリカのタンザ
ニア訪問の間に、大量の象牙を購入した、と動物保護団体は発表し
た。野生の象牙の闇取引価格は、2013年の春に中国代表団が訪問し
たのをきっかけに、2倍に値上がりした、と木曜日員発表された英
国の環境保護団体「環境調査団EIA」の報告書には記されている。
中国政府は、この非難を即座に否定した。
国内ニュース
税制改革をめぐる交渉前に対立が発生
連邦首相ウェルナー ファイマン（社会民主党）と副首相ラインホ
ルト ミッターレーナー（国民党）は、税制改革計画について火曜
日に発言し、協調した姿勢を示していた。2日後、財務大臣ハンス
イエルク シェリング（国民党）が計画を発表した後、情勢は変
化しているようである。「クリール」紙の水曜日の報道では、シェ
リングは合意した使用者側に負担軽減策の一部を、先に進める意向
である。被雇用者の代表は、ただちにこの計画を批判した。木曜日
にはファイマンもこの計画を、「思い描くことができない」と評価
した。ただしこの批判を受けた人は、「不審に思い驚いている」
が、それは「いわゆる秘密計画」ではないからだ、とシェリングは
述べた。
１１月７日（金）
国外ニュース
ベルリンの休暇 壁の崩壊を思い起こさせる光の装飾
ドイツの首都ベルリンは、壁の崩壊25周年を贅沢に祝う。ドイツ連
邦危害では、批判的な論調が出されたが、ブランデンブルク門で
は、浮かれたお祝いが行なわれている。最も注目を集めているの
は、8千の白い風船が、以前壁が通っていたところをなぞるように
設置された芸術作品である。15キロの長さで、この町は視覚的に今
一度分断される。その後この風船は夜空にあげられることになって
いる。唯一の障害となっているのは鉄道ストで、そのため金曜日に
はベルリン入りが困難になっていた。
国内ニュース
国民党党大会 党首の方針は巨大な課題
国民党連邦党大会が土曜日に開かれるが、同党の歴史上最短の党大
会の一つになるかもしれない。党大会で劇的な方向転換が起きる見
通しは、ほとんどない。動議が出される予定もなく、綱領面での議
論も予定されていない。およそ3時間の集会の中心は、ラインホル
ト ミッターレーナーの同党16代当主への選出であり、これが中心
的な目標である。副首相でもあるかれが党首になるのは確実であ
る。専門家は、彼の得票率が極めて高いものになる、と予想してい
る。新党首が過去数年の危機的状況から、脱出させることができる
かどうか、党の今後は、もちろんそれほど確実ではない。
１１月８日（土）
国外ニュース
メキシコの学生殺害の告白 当局に対して厳しい批判
メキシコ当局は、行方不明になり、極めて高い確率で殺害されたと
見られる学生43人の事件で、人権活動組織から、激しい批判にさら
されている。国際アムネスティは、メキシコは重大な犯罪行為の捜
査に熱心でない、と非難した。人権監視団HRWは、この殺害は「メ
キシコ当局が問題解決の能力を持っていないことの結果である」と
見ている。現地時間の金曜日には、捜査陣が、犯罪組織に属する者
たちが、学生たちを殺害し、その後燃やしたと自白する映像を公開
した。正式には、彼らはまだ行方不明者として扱われている。
国内ニュース
ミッターレーナー国民党党首選出 ここ30年で最高の得票率
ラインホルト ミッターレーナーは、広範な支持を受けて、国民党
の新党首に選ばれた。彼はウィーンで開かれた党大会で、99.1%の
支持を受けた。これは450票のうちの446票が、彼を支持したことに
なる。同党のこの30年歴史の中で、これはかつて最高の数字であ
る。ミッターレーナーは、8月末に突然辞任したミヒャエル シュ
ピンデレガーから、党首職をひきつぐ。彼は演説の中で、国民党を
再び第一党に戻し、首相の椅子を奪還するのが目標である、と明言
した。
１１月９日（日）
国外ニュース
ウクライナ 停戦はますます危ういものに
東ウクライナの親ロシア分離独立派と、正規軍とのあいだでの停戦
は、9月初めから停戦が発効しているが、これがますますはっきり
不安定になっている。特に国民共和国を宣言しているドネツク市で
は、週末に激しい戦闘が荒れ狂った。ウクライナ政府は、ロシアが
分離独立派民兵に武器を補給し、戦車も調達している、と今一度非
難した。反乱勢力は、ウクライナ軍が戦闘で、焼夷弾を使用した、
と主張している。ヨーロッパ安全協力機構OSZEは日曜日、内戦地域
でさらに重火器を投入すれば、停戦が崩壊する、と警告した。
国内ニュース
へーバルト事件が怒りを呼ぶ
社会民主党、国民党、緑の党、新オーストリア党にとって、ニーダ
ーエスターライヒ州自由党党首クリスティアン へーバルトは、亡
命希望者に関する発言を行なった後、放置できなくなっている。へ
ーバルトはインターネット上で、亡命希望者は「穴や洞穴に居住し
ている人間」である、と侮辱した。社会民主党と国民党の幹部は日
曜日のこの発言を「人間を軽視しかつ低脳」な発言である、「人種
差別的誹謗」である、と批判した。両党はからの即時辞任を要求し
ている。連邦自由党がへーバルトを支持し、彼の発言は単なる「誇
張」である、としていることは、他の党の内部では、明確な憤激を
招いている。